■芽ばえ / 水谷絵津子 (日本コロムビア)
イベント関係の仕事をやっていた旧知の後輩から昨日、メールが届き、これまでの稼業から足を洗う旨の報告を受けました。
実は件の後輩は、サイケおやじが自分の仕事で初めて雇ったバイト君でありまして、もちろん当時の彼は学生だったんですが、そんなある日――
「今度、自分の妹が歌手デビューしたんで、よろしくお願い致します」
――とか、言いながら、頭を下げつつ、サイケおやじに差し出したのが、本日掲載のシングル盤でありました。
つまり、このレコードで歌っている水谷絵津子が、バイト君の妹!?
なぁ~んて、思わず素直な疑問を呈してしまったのは、このジャケに登場している水谷絵津子の愛くるしさとは、全く似ていないのが、そのバイト君でしたからねぇ~~!?!
う~ん、世の中は、わからないもんだなぁ~~!
という常識を再認識させられてしまったとはいえ、実は真相は全くの嘘っぱちで、本当のところは彼女のファンになっていたが故に、レコードを大量買いして、知り合いや友人に配っていたという個人的なプロモーション活動の一環だった事を後で知るわけですが、まあ……、それも青春の情熱ってやつだと思えば、叱る事は出来ないのがサイケおやじの本質であります (^^;
むしろ、そんなバイト君が憎めない気持ちになり、以降は事ある毎に面倒くさい仕事を手伝ってもらうようになったほどです。
しかし、結果的に卒業後にサイケおやじの職場に入る事はなくて、前述したとおり、イベント関係の職に携わって現在まで頑張って来たんですが、昨年来のコロナ禍により仕事が激減したのを契機にリタイアを決意したとか、それなりの事情があった様です。
さて、そこで掲載盤については、まず歌っている水谷絵津子が日本テレビのオーデイション番組「スター誕生!」のチャンピオンとして昭和57(1982)年5月に公式レコードデビューしたという事以外、サイケおやじには知るところもありませんが、この「芽ばえ」は同年9月に発売された2nd シングルであり、しかもこれが麻丘めぐみの大ヒット曲をカバー&リメイクしたものだったんですから、それだけで、ちょっぴり嬉しくなってしまったですよ。
で、実際に針を落としてみれば、基本的には麻丘めぐみの本家バージョンに沿った仕上がりではありますが、水谷絵津子の声質がロリ系というか、その幼さは好きな人には好きとしか言えないかもしれませんが、ロリ趣味の無いサイケおやじには、あまり……。
失礼ながら、若草恵のアレンジに、もう少しの「思いっきり」があれば、印象も異なっていた気がしています。
ということで、それから数年後、あるコンサート会場で働いている件のバイト君に遭遇したんですが、その時の彼は椅子を並べたり、グッズ売り場の設営をやったりと、なかなか精力的に動いていましたので、自分の適性に合った仕事だったんでしょう。
頃合いを見計らって、ちょいと話をしてみたら、一番楽しいのは、やっぱりアイドルのイベントやコンサート会場の仕事だということで、なんだか妙に安心した記憶があります。
それと肝心の水谷絵津子は、それほど大きなブレイクも無いままに引退された様ですが、かなり後になって、彼女のデビュー曲「キラリ・涙」を聴いてみたれば、なかなかイケてるアイドル歌謡ポップスでしたので、何れご紹介しようと目論んでおります。
う~ん、きっと彼女も件のバイト君も、自分の好きな仕事をやれた日々があったんだなぁ~~、と思えば、サイケおやじは羨ましくなるのでした。