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 天安沈没で、ロシアが調査報告書  文科系

2010年07月17日 19時28分59秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)
 本日の中日新聞に表記の記事があった。韓国に調査団を派遣して1週間ほど全ての資料に当たり、説明も受けたロシアが独自の調査報告書を作って、国連審議の二日前に中国、米国に渡したのだそうだ。「北朝鮮の仕業とは断定できない」という内容である。
 さて、この事件はよーく覚えていたいものだと主張したくって、僕は事件の経過をこのブログでずーっと追い続けてきた。5月9、13、15、21、26、29日。6月10、11、18日と9回も。一つには、この事件、調査報告書が初めから怪しげ至極なものだったにもかかわらず、北朝鮮がやったという結果だけが大々的に一人歩きしたからである。二つには、この事件が韓国と日本、アメリカの極東軍事化にとって、甚大な影響をもたらしたからである。日米にとっては、普天間。韓国にとっては2015年の韓国軍指揮権の復活、つまり韓国軍の自立。これらが天安沈没事件によって全てひっくりかえされてしまったと言えると思う。また、鳩山政権は、これで潰れたと言っても過言ではない。こんなわけで、とにかくこの事件はよーく覚えておかねばならないと思うのだ。ついては、僕が初めに怪しげだと投稿した文章を再掲しておきたい。5月21日拙稿「天安北説を信じない理由」を抜粋、再掲する。なお今の僕は、当時よりも更に怪しげになってきたと考えている。

【 さて、現在の僕の見解です。未だに北朝鮮説を信じてはいません。というよりも、証拠不十分だと思います。一般の裁判と同様に、推定無罪とすればそう語る他はない。戦争にさえ発展しそうなこんな国際問題では、なおさら慎重にならざるをえません。韓国などの報告書に即しても、慎重であらざるをえないという論拠を述べてみます。

①示された魚雷が北朝鮮製だという証拠が全て真実だとしても、北朝鮮がやったということにはなりません。こんなものはいくらでも手に入れておくことが可能だからです。現に北は、輸出用カタログでこういうのをいっぱい宣伝して、外貨稼ぎのためにも懸命に外に売っているわけでしょう? そのことを各国周知の事実だからこそ、報告書は次の証拠に言及せざるをえなかった訳です。

②こうして、①よりも遙かに大きな意味を与えられた「証拠」が以下ですね。
『黄海の北朝鮮海軍基地が運用する一部の小型潜水艦・艇と、支援母船が、天安が攻撃を受けた2~3日前に基地を離れ、攻撃の2~3日後に基地に戻ったことが確認された』(中日新聞夕刊、以下同じ)
 こうして、報告書の結論部分もずいぶん自信なげです。断定を避け、状況証拠的と言う他はありません。以下のようなものですから。
『こうしてすべての関連事実や秘密資料の分析から、天安は、北朝鮮製の魚雷による外部の水中爆発の結果、沈没したという結論に達した(この表現は上記①のように、北朝鮮がやったということではありませんね。文科系)。ほかの証拠も総合すれば、この魚雷が、北朝鮮の小型潜水艦・艇から発射されたという以外には説明がつかない』

③こういう「状況証拠」論理が分かるからこそ、活字が残る新聞の1面トップの大見出しも、ずいぶん慎重です。朝日の「北朝鮮の魚雷と断定」はどういう意味にもとれてちょっと中途半端ですが、中日は旗幟鮮明でした。「北朝鮮製魚雷と断定」。これでは上記論理で言えば①だけであって、②は「報告書はそう語っているね」というだけのことにもなりかねないわけです。

④状況証拠で言えば、僕はこんな反論もしたい。ラングーン事件とか大韓航空機事件など、北朝鮮は昔もひどいことをやったと、これもしきりに今回の状況証拠としてあげられている。ですがそれら全て1990年の「社会主義体制」崩壊や、イラク戦争・フセイン暗殺以前のこと。中国も資本主義に組み込まれる前のこと。今のように、北だけの孤立した悪さが目立たなかった時代のことです。たとえば今だったら、首領様はこうも考えないものでしょうか。「今変なことをやったら、俺だけではなく、俺の後継者候補全員がフセインとその息子たちのようになる。それは、確実」と。
 また、こんなのも状況証拠と言えないでしょうか。世界は100年に1度の大不況。それを、金持ちの株価維持だけで何とか支えているという世界。世界の食えない庶民による、核・軍事への反発や、リーマンショックでドバイ、ギリシャ、スペイン、イタリアなど世界中に甚大な被害を与えたアメリカへの風当たりも、強くなるばかり。先進国といえどもどこも超格差社会で、金融国家・アメリカ中心の国際的な、あるいは1国の団結ですらも難しくなるばかり。世界にこんなに甚大な被害を与えた空売りも、もっともっと続けたいのだし。
 こんな「非常時」には、何が企まれるか、本当に分かったもんじゃない。これは、歴史の教訓。

 以上初めからの論理は、幾何学の証明が語れる高校生なら、誰もが納得するはず。もっと、きちんとした証拠があがるまでは、僕は北朝鮮説は信じません。これを自明のように語るマスコミは、例によって「今はこのニュース。でないと誰もうちのテレビを観てくれなくなる。時勢に乗り遅れるな」と、こんなものでしょう。だけどそれを見る方はせめて、主体性を持ちたいものと、僕は心しています 】
コメント (1)
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