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年取っても残りやすい力  文科系

2010年07月31日 20時21分22秒 | 文化一般、書評・マスコミ評など
 今年の新茶は特別に美味く感じた。最近は、八十八夜より前の、双葉段階の新芽とか、三つ葉段階の新芽とかのものがあると知る機会があって、静岡は掛川産を入手してみた。凄く美味しかったのである。なんというか、独特の香気がある。ほんのちょっと甘く、苦みは少なく、フラボノイドの香りとでも言うのだろうか。確かにそういうガムの一種に含まれている香りだと感じたのだが、違うかも知れない。とにかく一種高貴な香り、味である。
 僕は、こんな風に美味しいものを食べたときなど、連れ合いや子どもらと、おおいに話し合ってみることにしている。そんなことがどこかから伝わったらしく、ある友人が僕に宇治の新茶を下さった。京都の一保堂とかの袋だった。掛川産にもまして美味しかった。これの感想をまた下さった方に伝える。するとこんなお返事が返ってきた。「味見をして買ってきました」。この話は、後々までも両者の話題になり、話が発展していくはずだ。

 さて、年を取ると体力も、記憶力も、思考力も何もかもなくなっていく。しかし、最も後まで残るのが感覚なのだそうだ。老いたら「好きなものを探し求めよ」「いつまでたっても男と女」などと言われるのは、そういうことらしい。そこで老化が防げるということなのだろう。味覚、臭覚、絵とか音楽とか! 他が衰えてもこれらは比較的長く残るから、老人は喜怒哀楽が激しく、感激屋、激情家にもなるのであろう。そこから、こんな事が言えるらしい。五感の楽しみなどはなかなか衰えないから、自分の得意そうな感覚を大事にして、体力とか記憶力とか対人関係をもそこに関連させれば大いに使うことになって、よろしい、と。先人が、そんなことを説いている。体力も記憶力も自信がなくなってきた時にこそ、思い出すべき知恵ではないか。

 
 
 
コメント (5)
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