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ワールドカップ、代表方針変更の舞台裏  文科系

2010年07月29日 23時38分20秒 | スポーツ
 ワールドカップの日本代表が土壇場になって方針変更した経過、内容、理由を当事者の一定まとまった言葉で正確に知りたいと、ずっと待っていた。すると、最新号の週刊サッカーダイジェストに代表の柱・遠藤のインタビューを見つけたが、そこにその経過、内容、理由の説明が載っている。それをご紹介したい。ワールドカップ代表史上最強チームが誕生した、その舞台裏の歴史的秘話である。日本のサッカー史に長く残っていく話と思う。

質問「日本にとっては初戦の勝利が本当に大きかったと感じます。カメルーン戦を戦う前、チームにどのような変化があったんですか」
遠藤「大会前にコートジボアールと試合をできたのが大きかった。これはカメルーン戦を想定した試合だったんだけど、コートジボアールはカメルーンよりも明らかに個々の身体能力が高く、パスの意識も強くて、守り方も上手かった。それでいてすごく組織的で、この4年間で戦った相手の中で一番強かったと言えるほど。コートジボアールと試合をして本番の戦い方がはっきりしたし、実際、カメルーンを脅威に感じることもほとんどなかった。そういう意味では、コートジボアール戦が一つのキーになったと思う」
質問「戦い方の意思統一を図るうえで、スイス合宿中に選手だけで行ったミーティングも意義深いものになったと聞いています。そこでは、守備重視のサッカーに変えることについて、議論が白熱したそうですね」
遠藤「たしかに年齢に関係なく、『チームのために』ということを前提に、いろんな意見が出ましたね。なかには『これまでやってきたことはどうなるんだ?』っていう意見もあったけど、僕はそうは思わなかった。意識の部分で、チームとしての守備と攻撃の比率を4対6から6対4に変えればいいだけというか……要は、サッカーはゴールを守り、ゴールを奪う競技でしょ。相手ゴールまでの距離と時間を短縮するために、高い位置でボールを奪うのか、あるいは、先手を取られないように、ボールを奪う位置を20メートル下げて戦うのかっていうところの違いだけ。
 だから、これまでやってきたことが180度変わったとは思わなかったし、攻撃陣も『守備から入る』という点では変化したけど、『相手より走り勝つ』という点に変わりはなかった。実際、そこで相手を上回れたから結果を出せたわけで、今回の結果はこれまでの積み重ねから導き出されたものだと思う」

 本番直前で起こったこの歴史的変化について、遠藤選手の見方はこういうものだった。ところで、問題のコートジボアール戦だが、このブログにおける僕の記述も大揺れに揺れた、大変なゲーム。6月5日の拙稿題名からして、こうである。『「封印があった」コートジボアール戦』。チームとしての攻撃を一定意識的にセーブして、守り方を試す試合に徹したと見たのである。そして、この拙稿内容を続く9日に僕は撤回している。『サッカー代表に、恥ずかしながら前言撤回』がその文章である。僕は、本当に恥ずかしかったのであるが、遠藤が「この4年間で戦った相手の中で一番強かったと言える」と語るのならば、僕の前言撤回もそんなに恥ずかしいものではなかったと、今慰められたものだ。ちょっとホッとした。
ともあれ、トゥーリオがドログバを骨折させるという事故が起こったのが、このコートジボアール戦。そしてスイスのこの会議。ここから日本快進撃が始まったということなのである。もの凄いリアリズムと大胆さを感じさせてくれるチームであったということになるが、それがカメルーン戦勝利後までは疑心暗鬼の苦肉の策だったことは確かなのだ。この歴史的転換・快挙は本当に面白いものだった。また、遠藤の言葉を読むと、この大転換がごく自然なものに見えるのが、彼の人格、説得力もあいまって、面白い。
コメント (7)
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