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「新聞の責任かみしめる」???  文科系

2017年08月28日 14時07分01秒 | 文化一般、書評・マスコミ評など
 28日の中日新聞に表記「 」の社説があった。「責任」?? というのはちょっと偉そうな言葉に聞こえる。自分で「公器」と語る場合と同じような、ある抵抗感を僕は覚えたのである。日頃感じてきた「それら」を、公憤という形で、ちょっと辛口の現代新聞批評を書いてみよう。

① まず、スポーツ欄が野球ばかり。野球が2面に対して、他のスポーツをまとめて1面という感じさえ存在する。これは言わば、こういう利権絡みとさえ言えないか。読売、中日、毎日など、現在、過去の新聞社が野球球団運営に携わってきた歴史は誰でも知っている。そういう野球だけを特別扱いをするのでは、「公器」と言えるのか? ちなみに、この野球界をば、放映料金など読売が牛耳っているやに見えるのも、僕の公憤に火を付けるのである。ちょうど、スペインのサッカー界が、バルサ、レアルにだけ放映権料が多く入り、他を圧しているような。

② 宗教欄もおかしい。宗教欄に無宗教つまり無神論も載せてしかるべきだろう。でなければ、進化論を教えず聖書の創世記だけを教えるアメリカのかなりの州の現行教育を笑えないはずだと、僕などは思うのである。
 以下の④芸能欄の偏りとともに、宗教や芸能など文化面の記者を大胆に若手に替えるべきなのだろう。年寄りは自分が学んで来たことにどうしても固執するものだから。

③ 芸能欄もおかしい。歌舞伎や能など古典芸能に割くページが非常に多いと感じる。あんなものをかなりの分量で今時定期的に読ませるって、一体どういう読者を想定しているのか。まるで、「そういう記者」の延命策か自己満足かと、そう語ったらどう返すのだろう。ご自分が若い頃に仕入れた専門知識をば、時代が変わった今もご披露し続けたい? 因みに僕は「世襲文化」というものが大嫌いである。友人の尺八吹きが語っていた。
「あの師匠が死んだら、僕よりもはるかに下手なあの息子が俺の先生になるのかナー?」 

④ 地球がとても小さくなった国際化の時代である。にしては、外信ニュースが非常に少なく、いつもたった1面分。南米、アフリカにはそもそも、特派員が居るのかさえ疑わしいのである。他方で、金融が跋扈する新自由主義と結びついたナショナリズムが蔓延しているやの世界に対してわが国は狭い島国。これでは今必要な世界史的抵抗力を育てられず、国の発展も国連の発展などにも、世界への民主的貢献もおぼつかないというもの。つまり「新時代の公器失格」である。

⑤ そして最後に最近目に余るのが「新聞の自己宣伝記事」の多さ。「新聞を公教育に使え」という自己主張記事とも言えるから、これは公器をはみ出している。屁理屈付けて強引挿入している自己宣伝広告記事とさえ思うこともある。
 斜陽の活字文化の生き残り策の一つなのだろうが、この消費不況で営業はどこも非常に厳しい。そういう読者を尻目に、己の上記①~④の狭さを外って置いてこんな自己宣伝紙面を読者に買わせるのでは、随分身勝手も良い所だと叫びたい。
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随筆紹介  つまぐろひょうもん揚羽蝶 2   文科系

2017年08月28日 10時35分13秒 | 文芸作品
 つまぐろひょうもん揚羽蝶 2  H・Sさんの作品です

 地球温暖化に興味があったのでK女子大の公開講座を聞きに行った。十二年前の春の事だ。講師がパソコンに取り込んだ映像を、広いスクリーンに映し出した。オレンジ色に黒い斑点のある鮮やかな蝶が優雅に羽を広げていた。
「近ごろ名古屋でこの蝶を見かける機会が多くなりました。この蝶は、亜熱帯で生息しているつまぐろひょうもんと言う揚羽蝶です。日本では住めなかった蝶なのですが、いくつも海を渡り、南の国から迷い込んで子孫を増やすことが出来るようになっています。この国の気温が毎年上昇している証しなのです」
と、説明が入った。
 次にスクリーンに映し出されたのは、つまぐろひょうもん揚羽蝶の幼虫だった。幼虫は真っ黒で細い体に背中にオレンジ色の班点がびっしりついている。菫族各種を食べて育つので見つけることは容易いと、教えられた。

 十三年前、真夏の短い期間、畑の中に優雅に飛び交うオレンジ色の蝶を二羽見かけた。今まで見かけたことのない種類の蝶だ。つまぐろひょうもん揚羽と言うのか、椅麗な蝶だが名前は知らなかった。名前を知ったことで今までより関心が持てた。だが、幼虫にはお目にかかったことがない。菫が宿主だと言うことは、私の近くで育っているはずだ。菫、菫、菫? あるある。畑のへりに植えた丸葉菫の群落、大きな値木鉢に植えたたちつぼ菫が五鉢も……。講義の後、家路についた私は、丸葉すみれ、たちつぼ菫の葉裏を注意深く見た。三ミリほどの幼虫が葉っぱにしがみついていた。丸葉すみれは二月の終わりから紫色の花をつける。たちつぼ菫は三月の終わりに花が満開になる。幼虫は食いしん坊だが葉っぱのみを食べ、花は食べないので私は気づかなかったようだ。花がおわり柔らかい青葉が顔を出すと、幼虫の活動が始まる。うちの畑と庭は幼虫の食堂になっていたが、さなぎから羽化する産院はどこにあるのか、いまだに見つけることが出来ない。
                                 
 年年、丸葉菫の開花が早まり一月に満開になる。真夏にしか見かけなかったつまぐろひようもん蝶を五月ごろから十月まで見かけるようになった。繁殖回数が増えて、何回か羽化できる暖かい日が続いているのだろう。この蝶が飛び通う日が多くなるにつけ、毎年、この国に気温三十度を記録する日が増えてきた
 五年ぐらい前に、岐阜県中津川市で八月の気温が三八度。兵庫県出石市でも三八度の気温を記録した。人間の体温より熱く、これじゃ発熱状態ではないか。この国では、夏の初めから気温三十度は当たり前、三十六度の猛暑日が七月も続くようになって来た。

 暑さに弱い私はエアコン人間になり部屋の中にこもる。窓の外に揚羽蝶と入れ代わり、仲間を増やしたつまぐろひょうもん蝶が飛び交っている。その元気さをうらやましい思いで眺める。彼らは十月半ばまで飛び続けるだろう。この蝶の仲間はこの国の気温の上昇を味方につけ、北の方にも繁殖範囲を延ばし、勢力圏を広げるだろう。それにしても熱い。

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