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イラク戦争と、米の退廃(4)「原油=ドル」死守の足掻き  文科系

2020年07月01日 06時40分17秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)

 大国の興亡に関わって20世紀以降世界史のなかで標記のことを見てみると、今のアメリカの足掻きが特によく分かるのである。21世紀におけるこの悪足掻きの実態は、以下のようなものである。


① 第二次大戦までの世界一大国・大英帝国は、世界の半分をはるかに超えていたその植民地を黙って明け渡した。18世紀末から発展してきた民主主義や民族自決権の潮流を受け入れたのである。イギリスがこう振る舞えた理由は、こういうことだろう。世界大恐慌からの「逃れ道」として第二次世界大戦に踏み切ってしまった日独と人類との大破綻からこそ、学んだのである。
② 第二次大戦後長く続いた冷戦時代にソ連は自ら終止符を打った。ゴルバチョフがアメリカに降参と手を上げて、覇権争いから平和裏に降りた。この歴史的場面においても、ソ連自らが闘った独ソ戦の地獄の思い出と、歴史の教訓とが強烈に残っていたに違いないのである。

 さてそれでは今の米中冷戦はどうなるか。アメリカのノーベル賞経済学者ポール・クルーグマンがこんなことを言い始めたこの時に。

『アメリカの製造業を支えてきた中間層が経済・社会的な大変動に見舞われることに気付かなかった。中国との競争でアメリカの労働者が被る深刻な痛手を過小評価していた』

 ちなみに、アメリカの経団連ビジネス・ラウンド・テーブルが去年の8月にこういう「反省」を内外に表明したというのも、クルーグマンと同じ主旨のはずなのだ。重大すぎる「反省」なのであるが。

『米主要企業の経営者団体「ビジネス・ラウンドテーブル」は19日、株主の利益を最優先する従来の方針を見直し、従業員や顧客、地域社会など全ての利害関係者の利益を尊重する新たな行動指針を発表した。これまで米経済界は「株主利益の最大化」を標榜してきたが、大きな転換点となる』(中日新聞記事から抜粋)

 

 アメリカの大国意識、筋肉質プライドからは、平和裏の交代はなかなかあり難いだろう。年間80兆円の軍事費を維持する力などもうとうていなくなったのにである。国家累積赤字は既に、そのGDPの4倍を優に超えていて、これは日本の2倍の借金財政である。中国に工業を奪われたと認めているその経済は、すでに回復の見込みもなくなった。
 アメリカは一体どうするのだろう。日本で無能な安倍が選ばれたように、アメリカでは政治など何も分からず、ただ再選を目指す以外には何もまともには考えていず、安倍よりももっと愚かなトランプである。今の「民主主義国」は金のある者がマスコミを握り、政権も取りがちだから、選挙はただ衆愚政治になっている。これはちょうど、ヒトラーと東條とが、国家指導者に躍り出てきたその時のようなものだろう。

 イラク戦争は、こんなアメリカの国際収支の虎の子「世界原油独占価格体制・これをドルで支払うドル基軸世界体制」を乱し始めたフセインを見せしめとして殺すために起こしたものだ。リビア・カダフィ殺害も同じ事で、彼は石油収入を国民に還元してアフリカ一豊かな国民を背景として、アフリカ統一通貨を作ろうと動いてきたのであった。これが「ドル基軸世界体制」死守を図るアメリカの怒りを買ったのである。そして今、ベネズエラ、イランに対してアメリカが革命輸出まがいの行動を執拗に計りつづけてきたのも、同じ理由からだ。これらの何よりの証拠がこれ。原油埋蔵量世界1位がベネズエラで、4,5位がイラン、イラク。リビアも世界9位の国であって、いずれも米ドル・原油支配に反発し始めた国だった。これらの国が原油を正当な値段で安く売れば、アメリカ国際収支の希望の星、シェールガスの価格は、まだまだ到底採算が取れないのである。

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