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書評 「検察暴力」佐藤福島県知事不当逮捕   文科系

2020年07月23日 11時41分47秒 | 文化一般、書評・マスコミ評など
 最近ここで、小沢一郎陸山会問題、村木厚子冤罪の酷すぎる一端を扱ったのは、最近の検察庁が歪みすぎていると感じるから。そんな今、改めて、標記のことをもう一つ告発しておきたい。「賭け麻雀常習犯の黒川氏が、訓告?」という検事総長大騒動の結末、モリカケ・赤木さん・理財局不問の問題、桜収賄問題・・・酷いニュースもすぐ忘れさせる日本マスコミの流れだが、検察暴力だけは何があっても忘れてはいけないと注釈を付けたい。検察とは「日本国家の良識と正義の顔」なのだから、ここが歪めば国全体が歪むというのが古来からの常識と言える。ちなみに、政権絡み不正をこれだけ野放しにしているからこそ、既に世が歪み、アメリカ共々死刑だけを増やさざるを得なくなったとさえ言えるのではないか。今回紹介するのもまた、国策捜査。後に福島原発悲劇にも繋がった側面さえあるという福島県知事「収賄」辞任問題である。

【 佐藤栄佐久著「知事抹殺」紹介(1) 文科系 2011年09月09日 13時30分46秒 | 国内政治・経済・社会問題
 
 改めて今世の話題になっている前福島県知事のこの本を、昨日買ってきた。初版第1刷が09年9月、初版第6刷が本年5月とあって、東電(福島原発)を舞台とし今や悪名高い検察特捜が引き起こした事件の報告なのだから、話題になるのは当然の話だ。要約すれば「東電福島原発を巡る長年のやり取りに絡んだ、国策捜査」ということになるのだから。ハードカバー全340ページのうち206ページを昨夜一挙に読んでしまった。それほどに興味深い、大事な事件と読んだ。詳しい内容は、後に何回かに分けてでも是非要約したいと予告しておいて、今日はこの本の周辺事情とか、貴重な価値などを巡って、書評めいたことを書いておきたい。
 
 この本に書いてあることを周辺予備知識など何もなくてただそのまま読んだだけとしたら、この内容はにわかには信じがたい。それほどに酷い冤罪ということだから。この内容が真実ならば、僕がここでも近ごろよく使う言葉で言うと「必殺仕置き人かゴルゴ13がこの日本に存在するならば、あの検事たちへのこの恨み、命に替えても晴らして欲しい」というものだろう。佐藤栄佐久氏がそのように、血を吐く歯ぎしりをしていることは間違いない。なんせ、現職知事の周辺捜査、依願退職、即事情聴取もない逮捕と進展していった異例の大事件だったのだから。
 そして、僕はまた、ここに書いてあることは全て事実だろうと確信する。事件・容疑の概要はこういうものなのだが。

『この頃になると、私も、特捜部がどんな事件を描いているのかが、だいたいわかってきた。
 前田建設が水谷建設を手先に使い、官製談合の謝礼として郡山三東スーツの土地取引の対価を支払ったという構図なのだ。つまり、ストーリーはこうだ。
「木戸ダムの発注で官製談合が行われており、県側は祐二が窓口になって話をまとめた。発注権者の知事が祐二に隠れる形で、県職員に働きかけて前田建設が発注できるように便宜を図った。ダムの受注に成功した前田建設は、謝礼として、郡山三東スーツの土地を水谷建設を迂回して高く買った」』(196ページ)

 なお、郡山三東スーツとは佐藤前知事の家業の会社、祐二とは知事の弟でここの社長である。ここがつまり、「検察が描いた構図が成り立ったとしても、ご本人は一銭ももらっていない収賄事件」と語られるゆえんである。収賄罪とは、公務員でないと成立しない事件なのだから。なお、この木戸ダムというのが、東電福島原発絡みなのである。『2008年4月に竣工し、福島第2原発、広野火力発電所が使用する水の供給源の役割も担う』とあった。なお、ここの水谷建設とは三重県に本社があって、確か陸山会事件でも小沢告発の検察側証言人になっていたかと思う。
 
 この事件は、村木厚子厚労省局長冤罪事件、陸山会(冤罪)事件をその後に体験してきた我々にとっては、既にもうこんな既視感がある。だから、これは事実だと確信するのだ。
「検察の構図に合わせて、先ず周辺を『自白』させる」「その自白でもって強行に迫り、焦点のご本人に『検察のお見立て通りでした』と『白状』させる」「本人はたとえ濡れ衣だと分かっていても、結局『白状』せざるをえない。周辺の親しい人々がどんどん拘留され、自殺者も出るほどに迫られるのだから」。また、事件の背景が「国策捜査」であることも同じだ。村木事件、陸山会事件は民主党政権対策であったが、この知事抹殺の国策とはズバリこの二つだ。「知事・福島県による長年の原発村批判への国策」「地方分権・闘う知事たちに対する国策」。 なお、東電は佐藤前知事に恨みがあると言って良い。2002年9月2日に現・前・元ら4人の社長経験者が引責辞任をさせられているのである。佐藤らが問題にした「原発検査記録改ざん事件」による引責であって、会長と、平岩外四ら2人の相談役との辞任までが含まれていた。なお、村木厚子事件に関しては当ブログ10年3月15日、28日、31日拙稿に詳しい。このエントリーは、前田検事によるフロッピー改ざんや、冤罪判明のかなり前に書いたものだ。

 「知事抹殺」の帯文章を紹介しておこう。
 表「特捜検察に失脚させられた前知事は東電・経産省の天敵だった。原発『安全神話』のウソを見抜き、驚くほど正確に悲劇を予見したのに、口を封じた国家の恐るべき『冤罪』」
 裏「『知事は日本にとってよろしくない。いずれ抹殺する』(東京地検特捜部検事)」

 今回分の最後になるが、佐藤栄佐久の公式サイト・アドレスをご紹介しておこう。
 http://eisaku-sato.jp 】

 この原発事故に繋がる側面をも示した著書の書評は、2011年9月15日の第6回目まで続きます。が、今回、以下は省略します。読まれたい方は、右欄外の今月分カレンダー下「バックナンバー」欄で「2011年9月」をクリックしてから、例えば15日分エントリーを出してお読みいただけます。よろしく。
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