日本の大マスコミ外信ニュースだけを見ている人には、とうてい信じられないはずのニュースを第2、5回に書いてきた。一つは、イスラエル首都移転問題の国連論議への米代表の談話。「我々は金だけ出さされて、(国連各国から)軽蔑を受けている」
今一つは、アメリカの制裁などによって今にも潰されるかという扱いを受けてきたベネズエラが国連人権理事会理事国に選ばれたという大事件。ベネズエラ選出に猛反対したアメリカの大々的ロビー活動を退けてのベネズエラ当選だった。おなじような「国連の嫌われ者・米」というニュースを、あと一つご紹介したい。日本でも大々的に騒がれてきた中国のウイグル問題にかんするものだ。
【 国連・ウイグル綱引きで、中国が対米圧勝 文科系
2019年10月31日 10時30分02秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)
31日中日新聞に「ウイグル問題 国連委を二分」と見出しされた記事があって、目が吸い寄せられた。直前にまさにこの問題で当ブログに「アメリカによる、戦争に代えて『人権』革命輸出」をエントリーした後だったから、この記事を読んで「そんなことだろうな、やはり!」というわけである。全文を転載する。
『国連総会で人権問題を扱う第三委員会は二十九日、中国の新疆ウイグル自治区で少数民族ウイグル族などを弾圧しているとされる問題で、欧米や日本など先進国を中心とした二十三か国が中国に人権尊重を求めた。一方、二倍以上の五十四か国が中国の人権に対する姿勢を称賛。国際社会で影響力を増す中国を巡る対立の構図が浮き彫りになった。
二十三か国を代表して英国が声明を読み上げ、ウイグル族の大量拘束疑惑を引き合いに「私たちは中国政府に、中国全土で信教・信条の自由などの人権を尊重する国際的な義務と責任を守るよう求める」と主張した。
一方、中国を称賛する五十四か国には、ロシア、パキスタン、エジプトなどが名を連ねた。ベラルーシが代表で二十三か国の声明は「人権問題の政治化だ」と反論し、「ウイグル自治区ではテロや分離主義、宗教的過激主義が人々に甚大な損害を与え、重大な人権問題になっている」と中国の対応を支持。国数で優位に立った中国の張軍国連大使は「世界の人々は真実を観て判断している」と自賛して見せた。
ウイグル族の人権問題について、報道陣から米中貿易協議へ影響を問われたクラフト米国連大使は「私は人権侵害に苦しむ人々のためにここにいる。中国かどうかは関係ない」とかわした。一方、張氏はロイター通信などに「貿易協議で良い解決策を導くために有益とは思わない」と米国を牽制した』
それにしても、アメリカの国際的権威、信用凋落ぶりが、凄まじい。「イラン戦争有志国募集」には、国際会議を重ねて呼びかけ、説得活動を続けたのに、ほとんど応募はなし。中南米諸国会議に持ちかけた「対ベネズエラ戦争」にも、メキシコはおろか、今は親米のブラジル、コロンビアにさえ反対された。さらには、最近の仇敵トルコ・エルドアンに大幅譲歩してクルド人を見捨て、シリアからは撤退。21日エントリーに書いた「国連総会における人権理事国選出では、ベネズエラが当選。猛反対と大々的ロビー活動を演じたアメリカの強大圧力を押しのけたこの選挙結果は、米の面目は丸つぶれに終わったのである。】