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米軍が引っ張る日米政治統合  文科系

2023年09月05日 06時56分33秒 | 国内政治・経済・社会問題
 昨年末敵基地反撃能力保有が決まってから、標記のことが急速に進んでいるようだ。4日の毎日新聞で横須賀の米空母打撃軍元司令官がこんな事を語っているが、その言葉が日本のアジア外交・軍事の現状と未来を率直に表現している。

『現状では米軍と自衛隊の連携が先行しているが、政治レベルでも追いつかないといけない。戦争を防ぐ最良の方法は、敵に「準備はできている」とアピールすることだ。「日米の意思決定プロセスが統合されている」と外に見せられれば、これ以上強い抑止のメッセージはない。結果として日本で平和が続くことにつながる』

 米インド太平洋軍司令部と自衛隊司令部との「指揮統制の統合強化」の話であって、この進行現状に政治も遅れるなと述べているわけだ。

 ここでは、戦争抑止のために外交統合を進めようと語っているのだが、「戦争をするために軍事統合を進めて来たから、日本の政治も早くそうなれ」と、僕には聞こえる。というのは、米政府はともかく、米軍は「近い内に中国が台湾を攻める」と語り続けて来たように臨戦態勢に近い状態なのだし、米国の近い過去には、戦争口実を作り上げてでも戦争を仕掛けてきた例が多すぎるからだ。

 ベトナム戦争のトンキン湾事件、イラク戦争の大量破壊兵器、頓挫した対イラン参戦有志国募集行動や、同じく対ベネズエラのそれ・・・・。このイランとベネズエラに対する参戦有志国募集には応募がほとんど無くて失敗に終わったから良かったが、これが軍事統合されていたらどうなのだろう。政府を飛び越えたような「常時軍事統合」国であったら、いやも応もなく参戦させられないか? 「日本は賛成、参戦決意をした」といち早く内外に広宣してそうさせられないか? 政府が後からこれを追認という「実質珍事」も含めてのことである。僕はそういうことを、今、大変危惧している。20世紀後半以降、アメリカ程多く戦争をしてきた国はないからである。ウクライナ戦争も、2014年以来のウクライナ東部「内戦」へのアメリカの関わりが無かったら、起こっていないものだと観てきたし。

 日本国家がどんどん主体性を失って来たということである。「トンキン湾事件」も、「大量破壊兵器」なども、容易に「突発」、出現しうるし、アメリカが中国に「そういうこと」を敢行する「蓋然性」こそがまた、非常に高いと考えている。
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