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イラク、ウクライナ、サウジ、そして日本「亡国」の明日  文科系

2023年09月09日 00時10分53秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)

 サンデー毎日9月3日号に載った政治学者、白井聡の論文を要約する。主題と副題はこうだ。

『岸田政権「大増税」と「米兵器購入」の核心』
『「亡国のカラクリ」をすべて暴く』

「(日本の)米兵器購入の核心」とは、「悪循環」から崩壊しつつある米「三位一体世界政策」を日本に新たに支え直させようとするものと説いている。
 この「三位」とは、「米国の赤字垂れ流しとペトロダラーシステムと巨大軍事力」との一体の世界政治。石油=ドル体制を維持するべく大軍事力に物言わせてきたが、その結果、国家累積赤字が垂れ流され、ドル体制も綻び、軍事力にも限りが見えるなどの悪循環が起こっていると説かれる。石油ドル体制の破綻は、サウジの離米とか、ウクライナ戦争制裁などでさらに増えてきたルーブルや人民元による支払い増とか、イラク、イラン、ベネズエラ、リビアなど産油国への過去の戦争政策とかで説明されている。

 この米世界政策論、「三位一体世界政策の悪循環」における最も深刻な最先端の現実を転載すると、
『米中対立の緊迫が高まるなか、中国の仲介によりサウジがイランと和解することを米国が許容した(止められなかった)ことの重大性はどれほど強調してもし足りない。つまりは、米国はペドロダラーシステムの核心部の支配を失いつつある』
 
 このサウジ米離反の直接原因を僕が付け加えると、シリコンバレー銀行などの破綻と平行して起こったクレディ・スイス倒産がある。サウジ・ナショナルバンクがここの筆頭株主であり、そのサウジがクレディを見限ったことがクレディへの死の宣告となったと報道されていた。さんざんアメリカに貢いだ挙げ句に種々被害ばかり被り、最後は米金融に切り捨てられたに等しいサウジの恨みはいかばかりかと推察していたものだ。

 さて、白井はドルの暴落とか、米国家赤字の増大を避けるために、今度は同盟国・日本にさらなる負担を求めに来たと説いてゆく。
「今日のウクライナは明日の日本」
「他国民の犠牲のもとに敵対的大国を弱体化させることにより覇権を強化するという米国の(ウクライナ戦争の)企図は、戦争がさらに長引けば叶えられるかもしれない。ただしそうなったとき、青年壮年の男子人口を大量に失ったウクライナ国家は果たして再建可能であろうか」

 古くはアフガンの米同盟者タリバンをソ連崩壊に利用してやがてこれを切り捨てて、彼らとの長い長い戦争に敗北したこと。イ・イ戦争時の米同盟者フセイン・イラクがやがて米国に裏切られていった、その末路。さらには、ウクライナやサウジ。これらの末路からこそ、日本は学ぶべきなのだ。アメリカがここまで、同盟国の国民をいくらでも犠牲にする結果になって来たのは、その覇権の維持のためなのである。そして、この覇権維持はもはや不可能と僕は観始めたその現象こそ、「新自由主義経済国が、保護貿易主義に換わってしまったという、手前勝手過ぎる醜態」。元米会計検査院長の15年の計算で、国家累積赤字は当時の米GDPの4倍という数字が報道されたが、現在は遙かにこれを越えているだろうというのも、白井言うところの「三位一体政策悪循環」の末路、結末なのである。

 アメリカと日本がこのまま進むならば、「反撃能力」とかの鳴り物入りで今大々的軍拡中の日本の末路も、想像可能というものではないか。今回の岸田「反撃力」軍拡は、「毒を喰らわば皿まで」、今ルビコンを渡ったという覚悟が、今の自民党に存在しているか? ゼレンスキーも、自分が今のような立場にさせられるとは、去年の初めまで思いもしなかったはずだ。

「NATOには入るが、ロシアは攻めてこない」とどういう根拠があってか言い続けてきたその結果、「国の若者、壮年を数十万単位で殺し続けている大統領」。ゼレンスキーのこの言明は、アメリカに欺されていたのだと、僕は思う。去年4月だったか、「東部を放棄して停戦・和平へ」と進められた交渉も、なぜか突然頓挫させられたのだし。

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サッカー代表戦のテレビ放映 文科系

2023年09月08日 00時29分26秒 | スポーツ

 この10日と12日、サッカー男子代表戦があって、いずれもNHK総合などで放映される。ドイツで行われ、相手はそのドイツとトルコだ。世界ランクで200カ国も順位が付く世界でもずば抜けた人気スポーツだが、ドイツ15位、トルコ41位に対して、日本は随分久々の世界20位。白熱、ガチンコのゲームが観られるだろう。

 テレビやネット、新聞などスポーツ・マスコミを見ていて、「野球ばかりをなぜ映す?」という昨今、「野球(宣伝)主義マスコミ」に反発するスポーツ人は多いと思うが、そんな「人工的光景」を打ち破るためにも、皆がテレビ観戦をしようではないか!

 以下前者がNHK総合、後者が日テレで放映、現地との時間のズレから、実況放映が始まる時間はこうだ。
・ドイツ戦が、10日(日)午前3時45分
・トルコ戦は、12日(火)21時20分

 サッカーではアジアが弱くって、近辺の国に勝ち続けてもなかなか順位が上がらない日本。その中で今はザック監督時代並みに断トツに強くなっていて、世界ランク20位まで来た。
 以前8年間も続いたAFCアジアクラブ最強決定大会の大沈滞があったが、これを破って日本クラブが最近復活してきたり、カタールW杯大金星などの結果なのだろう。ここ6年のアジア・クラブ大会では、浦和2回、鹿島1回と、日本が3回優勝と復活しているのである。この大会を目指して強化している事がはっきりしている浦和の健闘、貢献が光り輝いている。

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”ウ戦争のオカシサ”、解禁   文科系

2023年09月07日 12時27分30秒 | 歴史・戦争責任・戦争体験など

 外務省の元国際情報局長・孫崎享氏の「つぶやき」に、最近「この戦争の本質を疑う」世界ニュースが多くなった。ウクライナ戦争についての日本の情報はアメリカ以上に「賛美」ばかりだったのが、変わって行く雲行きに。こんな今は、この戦争の最初のころに台中戦争に結びつけられて日本軍備が急に進んだことをも思い出している。あきらかに「こういう世論操作」をする一大勢力が存在していたのである。NHKも含めてのことに、僕には思える。他方で、少数だが、この戦争をアメリカが人為的に創出したと疑う識者も多かった。佐藤優や鈴木宗男を含めて、東欧情勢に通じている人々の中に「ロシアがアメリカに引っ張り出された」と。

『 日本にもとうとうこういう報道が出始めたか。「ウクライナ支援に反対が過半数 揺れる米の“潮目”(TBS NEWS)“ウクライナを支援する予算を承認すべきでない”。これに米国民の55%が賛成したのだ。民主党支持者でも38%。共和党支持者71%がウクライナ支援に消極的  2023-09-07 06:405 』

『 ウクライナ国防相を交代。後任のウメロフ氏はタタール系、元投資銀行家。ロシアとの穀物交渉に従事。戦争の真最中、非軍人の国防相就任は通常は不可思議。主要理由は汚職関連。米国で対ウ軍事援助制限の動き。その論拠がウ軍汚職、米国先週汚職撲滅に向けウ高官3人と会談。2023-09-05 07:29 』

 ちなみに、ノルトストリーム2の完成寸前における爆破によって西欧にロシア石油が無期限に来なくなったり、対ロシア制裁、円安などで、アメリカの「石油=ドル」体制は莫大な利益を上げている。さらに因みに、イラク戦争の時は「アメリカへの制裁」などは全く問題にもならなかったはずだ。アメリカだけは戦争をしても例外なのであると証明されているわけだ。ということが分かっているから、G7以外のグローバルサウスが国連ロシア非難決議に賛成しないのであろう。世界各国におけるアメリカの信用こそ、これからもっと地に落ちていくのではないか。

 戦車対策や制空権含めて、準備期間を十分に使った万全の防御体制を整えて来た塹壕に突っ込んで、突破の見込みなど最初からなかったのである。ウクライナの若者をこれからさらに何十万人殺していくのか? こんな戦争を導いておいて、自国はどんどん保護貿易主義を取っているアメリカ。株主・株価資本主義の終末として、この本質が暴露された戦争なのだと僕は考えている。

 

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改めて、辞めるべし「統一教会議員」!  文科系

2023年09月07日 06時35分14秒 | 国内政治・経済・社会問題

 文科省が、統一教会の宗教法人格を取り消す申請を決めたと報道された。

 また、2015年にこの団体「悪名」の改名を認めて、再び大暴れさせることになった時の文科相、下村博文が安倍派内の権力を失ったとのこと。

 いずれも「良かった」とまず安堵した。が、自民党、国会がこれだけで終わらせる雲行きのようで、そのことが僕には許せない。先ず、何度も書いてきたその理由。 
 国民生活をよくすべき政治のために税金で雇われた公務員、「全体の奉仕者」国会議員らが、国民の家庭、特に子育てをぶち壊すような団体とどうして持ちつ持たれつの関係に入ったのか。下村が国会議員を辞めるなどは当然のこととして、他の多くの安倍派議員、萩生田、山際、福田らが初め、「どこが悪いの?」などとどうして開き直ることができていたのか。それも、この「持ちつ持たれつ」典型派閥のボスがこの団体への恨みで殺されて初めて、この罪が世に知られることになったわけで、この事件がなければ、統一教会も、その自民党との蜜月も、何事もなくずっと進んで行ったはずだったのだ

 自ら国会議員の資格を放棄しているのにそれが分からない議員など、皆辞めさせろ。結果から見れば「教会を選挙運動などに活用するために、統一教会の広告塔を務めた」ということが明らかなのだから。萩生田光一などはその典型議員との悪評が高いのに、いまだに政調会長に居座っている。こんな「選挙のために、その本分を大きく踏み外して、手段を選ばぬ」という議員を大量に続けさせていては、日本国会が恥ずかしい。また、こんな議員らを辞めさせる動きすらしない国会、野党も恥ずかしすぎる。マスコミもこの問題性をどうして取り上げることを止めているのか。自分らの国会議員らの資格に関わるような重大問題のはずだが。こんなだから「選挙のためには何でもやる」という根っこから腐った自民党がずっと国政を担い続けてきたのではなかったか。典型的な利権政治の証拠とも言えるものなのに。

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「プレス」習得中の遠藤航  文科系

2023年09月06日 00時18分27秒 | スポーツ
 イングランド・プレミアリーグのリバプールに行った遠藤航が、監督クロップの言葉によればこういう教育を受けている真っ最中と報道された。
「我々はカウンタープレスのチームだ。それにしては、君の守備位置は下がりすぎている」

 このカウンタープレスこそ、ドイツの中堅チーム・ドルトムントからプレミア一方の雄リバプールにまで監督クロップがのし上がって行ったその戦術・ゲーゲンプレスの英語読みなのである。クロップは、ドルトムント時代には世界的強豪バイエルンを押しのけて何回も優勝するようになったり、このドルトムントをチャンピオンズリーグ決勝戦まで導いたり、リバプールに移ってから19年度には、チャンピオンズリーグ優勝までを成し遂げたのだった。日本では、このカウンタープレスを普通のカウンター戦術と同一視する解釈もあると僕は知ったのだが、全く違うとここに何度も書いてきた。どう違うか。

 普通のカウンターは、例えば最近までの世界的名監督モウリーニョの得意技。彼のは普通のカウンター戦術で、イタリア・インテル時代には、当時旭日の勢いであったガルディオラ・バルサをこの戦術によって退けている。ただこれは2010年4月の話であって、当時のこのブログにはこの闘いの詳報がいくつもある。ちなみに、クロップ・ゲーゲンプレスの出現以来、このモウリーニョがどんどん勝てなくなって来たのだから、サッカーは面白い。
 
 新たなカウンター得点法、ゲーゲンプレスは、引いて守るリトリート陣によるプレスからのカウンターではなくて、味方陣地を上下に縮めたコンパクトプレスを敵陣近くでも布陣するなど高低に使い分ける。そのいずれにしても「速攻中の敵ボールをできるだけ高い位置で奪い取って、得点に結びつける」という得点戦術・陣形なのだ。
 15年から始まったクロップ・リバプール時代は、この戦術による失点の多さもあったのだが、これが改良されてどんどん減ってきた末に、19年チャンピオンズリーグ優勝が実現したのだった。


 さて、遠藤航のポジションには、最近新たに有望な若手がリクルートされた。それも遠藤の倍ほどの移籍金だったかと覚えている。彼と張り合って30歳の遠藤がレギュラーをとれるかどうか? 日本代表のキャプテンが、ドイツ1と言われたその「強力な1対1能力、デュエル」を生かして、日本人リバプール・レギュラーを続けていくのを見たいものだ。 


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米軍が引っ張る日米政治統合  文科系

2023年09月05日 06時56分33秒 | 国内政治・経済・社会問題
 昨年末敵基地反撃能力保有が決まってから、標記のことが急速に進んでいるようだ。4日の毎日新聞で横須賀の米空母打撃軍元司令官がこんな事を語っているが、その言葉が日本のアジア外交・軍事の現状と未来を率直に表現している。

『現状では米軍と自衛隊の連携が先行しているが、政治レベルでも追いつかないといけない。戦争を防ぐ最良の方法は、敵に「準備はできている」とアピールすることだ。「日米の意思決定プロセスが統合されている」と外に見せられれば、これ以上強い抑止のメッセージはない。結果として日本で平和が続くことにつながる』

 米インド太平洋軍司令部と自衛隊司令部との「指揮統制の統合強化」の話であって、この進行現状に政治も遅れるなと述べているわけだ。

 ここでは、戦争抑止のために外交統合を進めようと語っているのだが、「戦争をするために軍事統合を進めて来たから、日本の政治も早くそうなれ」と、僕には聞こえる。というのは、米政府はともかく、米軍は「近い内に中国が台湾を攻める」と語り続けて来たように臨戦態勢に近い状態なのだし、米国の近い過去には、戦争口実を作り上げてでも戦争を仕掛けてきた例が多すぎるからだ。

 ベトナム戦争のトンキン湾事件、イラク戦争の大量破壊兵器、頓挫した対イラン参戦有志国募集行動や、同じく対ベネズエラのそれ・・・・。このイランとベネズエラに対する参戦有志国募集には応募がほとんど無くて失敗に終わったから良かったが、これが軍事統合されていたらどうなのだろう。政府を飛び越えたような「常時軍事統合」国であったら、いやも応もなく参戦させられないか? 「日本は賛成、参戦決意をした」といち早く内外に広宣してそうさせられないか? 政府が後からこれを追認という「実質珍事」も含めてのことである。僕はそういうことを、今、大変危惧している。20世紀後半以降、アメリカ程多く戦争をしてきた国はないからである。ウクライナ戦争も、2014年以来のウクライナ東部「内戦」へのアメリカの関わりが無かったら、起こっていないものだと観てきたし。

 日本国家がどんどん主体性を失って来たということである。「トンキン湾事件」も、「大量破壊兵器」なども、容易に「突発」、出現しうるし、アメリカが中国に「そういうこと」を敢行する「蓋然性」こそがまた、非常に高いと考えている。
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「敵」の側から観たウ戦況  文科系

2023年09月04日 00時08分19秒 | 歴史・戦争責任・戦争体験など
 いったん戦争勃発なら、両軍、両国が大本営発表になるのは自明。が、代理戦争の主・英米側ニュースも「その良い所だけ採り」が流れる日本では、これを信じる人々は間違いなく欺されている。そこで、アメリカが「ロシアサイド・ニュースだけ」と語るそのネットの記事をご紹介するのも、大切。「マスコミに載らない海外記事」サイトの9月2日掲載「ニュー・イースタン・アウトルック」からの記事とある「ウクライナ反攻失敗」と題されたものを、長くなるが全文そのままお伝えする。


『 ウクライナ反攻失敗 2023年8月31日 タウト・バトー New Eastern Outlook

 ウクライナでの軍事紛争は、それ以前の多くのものと同様、メディア、特に欧米メディアと容赦なく結びついている。ウクライナ支持をかき立てるため、または少なくとも状況を混乱させるために欧米が考え出して広める偽情報の量は恐ろしいほどだ。CNNからガーディアン、BBCからフォーリン・アフェアーズまで、英米が支配するメディアの隅々まで、主に物語の片方しか伝えない。マスコミはロシアを絶えず揶揄し、損失を膨らませると同時に、ウクライナ軍を英雄、勝利者として描いている。この一面的報道は、イラク戦争、シリア内戦、最近の中台間緊張で、アメリカと同盟諸国が天使のように宣伝され、反対勢力は悪魔的だと宣伝される他の無数の例でも明らかだ。

 ウクライナでの代理戦争は現在ロシアが勝利している消耗戦争なのが真実だ。ゆっくり確実に、ロシア軍はウクライナの抵抗を出血させ、NATOがウクライナに提供する膨大な弾薬、戦車、兵器を破壊している。ロシアがいかなる損失や挫折も経験していないというわけではないが欧米マスコミが彼らについて描く残酷な図柄は真実と乖離している。

 現在の反攻はウクライナにとって最悪だった。民間軍事会社に捕らえられ、ウクライナ人の死傷者を多く出したバフムトの屈辱後、切望された今の反攻に対しウクライナは過度に楽観的でだった。しかしウクライナにとってニュースは良くない。アメリカ陸軍中佐ダニエル・デイビスなどの専門家は「今日のロシアとウクライナ間戦争における冷たく厳しい真実は、ウクライナの最後のあがき反攻は失敗し、どんなに歪曲しても結果は変わらない」と書いている。欧米/NATOの兵器やNATOの「高度な訓練」が戦争の流れを変えると長い間メディアは報じてきたが、「ウクライナが数週間や数ヶ月の訓練とNATO装備の寄せ集めで自身を変革するのはほぼ不可能だった。」

 湾岸戦争で活躍したもう一人のアメリカ人大佐ダグラス・マクレガーは最近彼のYouTubeで「戦争は終わった、ロシアが勝った」という題名の映像を公開した。マクレガーは何カ月間もワシントンのウソを暴露し、戦場の現実を暴いている。約300,000万人から350,000万人のウクライナ人が亡くなったと彼は述べている。ブライアン・バーレティックなどの他の評論家も欧米の欺瞞を解明している。ウクライナ軍は現在疲れ果てており「この攻撃でひどく打ちのめされたこれら旅団は再構成できず、次の攻撃をする場合、NATOでさえ新たな軍隊構築に大いに苦労するだろう」と彼は述べている。

 実際、一部欧米マスコミさえ自分たちの偽報道が受け入れられないのを自覚するようになっている。したがって面目を保つため、多くの人がウクライナ反攻が失敗している理由を報じ始めている。たとえば最近Voxは、欧米の装備にもかかわらず「キーウと新しく訓練された軍隊は大規模諸兵科連合作戦を実施してロシア防衛を突破するのにほとんど失敗した」と述べる記事を発表した。そうしようとしたことで、ウクライナは多くの死傷者と装備の喪失に悩まされている。ウクライナが反攻最初の数週間で武器と鎧の約20%を失ったとニューヨーク・タイムズは書いている。一部地域ではロシアの堅固な防御のため反攻は停止している。

 別のNYタイムズ記事は、反攻最初の数週間で多くの兵士を失ったと言い、上官だけでなくNATOを非難するウクライナ兵の発言まで引用している。同じ記事は「最前線の兵士は新兵を戦闘に追いやったかどで指揮官たちを非難した...他の人々は、様々なNATO諸国での数週間の基礎訓練の不十分さを批判した。欧米車両のいくつかは任務に不適切だと不満を言う人もいた。」現在CNNも、NATOが支援する反攻は領土を奪還できないと報じている。ある欧米の上級外交官はCNNに次のように語った。彼ら[ウクライナ]がこの紛争のバランスを変えるような前進をすることは殆どありそうもないと思う。」地雷と巨大塹壕ネットワークでいっぱいのロシアの多層防御はこれまでのところ突破できず、ウクライナは最初の防衛線にさえ到達できないと報じられている。アメリカは「文字通り数千台の装甲車両、数百万発の砲弾、ミサイル、爆弾、訓練や諜報支援、その他数十億ドルの援助を提供した。しかし、その助けもウクライナの勝利をもたらさなかった」

 今でも「ロシアが勝っている Russia is winning」とグーグル検索すると、それに言及する記事を見つけるのに苦労するはずだ。実際は逆のことが起きている。スカイニュース、BBC、ランド、ニューヨーカーその他多くの記事が「プーチンの戦争は失敗したのか、ウクライナからロシアは何を望んでいるのか?」や「ロシアは既に負けた。来年ウクライナが勝てるかどうか決まるだろう」だ。したがって、この紛争の報道という点で、客観性は非常に不足している。

 時が経てば、アフガニスタン戦争でそうだったように、そして今ウクライナでゆっくりそうなっているように、現実が落ち着けば、欧米プロパガンダ逆流機構は、おそらく再び歴史の間違った側に立っているのに気づくだろう。しかし同時に、石油、武器、ブラックロックなどの企業が紛争を通じて利益を上げているため、この戦争が衰えることなく続くのを欧米がどれほど熱望しているかを軽視すべきではない。したがって差し迫ったウクライナの敗北に直面して、ポーランドや他のNATO諸国が戦闘に加わり、これがロシアとNATO間の遙かに大きな戦争、おそらく第三次世界大戦の始まりに変わるのも驚くべきことではない。うまくいけば西側はこれを危険にさらすほど愚かではないだろう。』


 この記事とは違って、『地雷と巨大塹壕ネットワークでいっぱいのロシアの多層防御』の「その最前線ラインだけ1~2箇所」がやっと破られたとこの1、2日に報道されている。ただこの遅さに米英が大いに不満を述べていると記事にもあるとおりのことから、堪りかねたウクライナのクレバ外相がこう混ぜっ返したのも当然のことだろう。「自分らが最前線に立ってみよ!」。
 米英は、ウクライナの若者らに、どれだけ死ねと実質命じ続けるのだろう。


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ACL、浦和レッヅ暴力事件に因んで  文科系

2023年09月03日 14時45分26秒 | スポーツ
 8月2日の天皇杯、名古屋・浦和戦における浦和サポーター集団暴力事件によって、17人の無期限入場禁止処分がでた。グランパス・ファンだけど浦和レッヅを尊敬している一熱烈サッカーファンとしては残念の極み、この事件を少々振り返るなどしてみたい。

 その数もJ最多で、強烈なファンも多い浦和は、アジアチャンピオンズリーグ(ACL)で3回優勝している。最近では、この5月にも。そして、この度の暴力事件は、明らかにこのACL出場権が関係しているのだ。今年の浦和は、来年のACL出場確実なリーグ2位以内確保が難しい雲行きになって、天皇杯優勝かリーグ戦3位に入ってプレーオフで勝つかという道だけが残っていたのが、その天皇杯で負けたからファンが荒れたのだろう。浦和のファンが、それだけACLの重要さを押さえているということで、そのこと自身は一ファンとして素晴らしいことだと思う。ACLをJリーグ全体が明らかに軽視していた時代もあったが、Jチームが世界一クラブ決定戦で、レアルやマンチェスター・シティ、バイエルンとガチンコで戦える唯一の場所だと分かってからは、Jクラブにも憧れの場所となったのだろう。

 さてそれで、このACL日本チームの闘いの歴史を振り返ってみよう。これによって、Jリーグの良さも悪さも分かるような気がするからだ。ちなみに、ACL日本最近の勝敗について、こんな疑問、問題を立ててみた。
「08年度から17年度(それぞれの年から翌年までのアジア最強クラブを決める、そういう年度である)まで8年間も、日本はどうして一度も優勝できなかったのか?」
 7、8各年度は浦和とガンバが優勝した。17、18各年度は浦和と鹿島、この5月にあった22年度も浦和優勝となると、この8年の空白がどうしても目立つ。なぜだったのか。ちょうどこの間の14年にあったブラジルWCの「史上最強代表」惨敗と並べて僕には大きな疑問になっていたのだった。

 この答えは簡単に思えた。当時の世界新潮流に反する方針をJ全体が取っていたからだ。そのことが、当時のACLを見続けていた僕には、分かりすぎる程に分かった積もりだ。
「J全体がスペイン流繋ぎに拘って、当たり弱いチームになっていた。時あたかも、ドイツ発祥のゲーゲンプレスが2010年前後から世界を席巻した格闘の時代に突入していたのに・・・」

 細かいことは省くが、13年のチャンピオンズリーグにおけるバイエルン優勝、14年のブラジル・ワールドカップでのドイツ優勝という世界潮流激変に日本全体が乗り遅れていたのである。僕はこのことを当時のACLの日本チームの弱さによって痛い程見せつけられて来た。「スペイン流の繋ぎに拘る」も何も、この8年の間に4回も優勝した韓国や1回優勝のオーストラリア・チームの強い当たりに、ボールコントロールが乱されてばかり。この姿に、切歯扼腕だったのである。
 ちなみに、「俺たちの(敵ゴール前中央などで繋ぎ尽くす)サッカー」がブラジルで惨敗を喫してからは、流石にこの「繋ぐサッカー」潮流は見直され始めた。僕は、評判の悪かった代表監督ハリルの「デュエルこそ日本に不足した世界潮流」と叫んだ代表強化が、この流れに画竜点睛を付したと確信している。ハリルがいなかったら、遠藤航や「1対1で負けていたら、話にならない」(長谷部誠)が日本全体の常識に素速くなったかどうか。ロシア大会の吉田、長谷部などはオランダの大男たちに一歩も当たり負けることなどなくなっていたのである。全盛期の吉田などは、あのイブラヒモビッチとさえ互角に格闘し、イナしていた。「日本人は小さいから、当たり強いサッカーはできない」などと、誰が言い続けていたのかという話である。

 さて、クリロナ、ネイマール、ベンゼマ、カンテ、デンベレなどを初めヨーロッパ最高選手らが、サウジアラビアにどんどん集められている。サウジが強くなるのは日本、アジアの強化にとっては望むところ。今から始まるACL予選も、目を皿にして見守りたい。マリノス、神戸、そして、日本人監督に替わって名古屋を完敗させた柏レイソルが出るのか? もし柏の進出が起こったら、これはもう劇画の世界、もう一人の日本人名監督誕生である。井原正巳と選手たちの健闘を祈る!


 ところで、僕の当ブログ記事をマイクロソフト・ビーイングでウェブ検索・移行する時、どうしてこんな「注意・警告」が出るのだろう。「この英文記事を日本語に翻訳してお読みいただきます」・・・。僕の記事がすべて「英文」とは、日本人に読みにくくさせる工作? あるいは中国か朝鮮の方の文章にする? 
 ちなみに、当ブログの週間アクセス合計は、2020年なかごろの3000~4000越から最近の1000前後へと極端に下がってきています。 
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名監督グァルディオラが出現した時  文科系

2023年09月02日 01時23分28秒 | スポーツ
 フットボールでは、監督の能力がチーム強化に非常に大きい位置を占める。これは集団球技共通の特徴と言える。日本プロ野球の野村、落合や、ラグビーやバスケットの日本代表が外国人監督を得て急に強くなったことなどが、このことを示していよう。
 フットボール界の現在世界一と識者らだれでもが認めるであろう名監督は、イングランドはマンチェスター・シティのガァルディオラである。以下は、彼が世界に出現、台頭して来た時のことを描いたものだ。当時既に功成り名遂げた感があったモウリーニョに鍛えられていったとも言えるのだが、2010年度では彼のバルサはまだモウリーニョに勝つことができなかった。グァルディオラのバルサが、モウリーニョのインテルの守備の前に、チャンピオンズリーグで完敗を喫したのだった。この完敗については当ブログ2010年4月にその記録が全部存在するので、興味のある方はごらん願いたい。7、21、29、30日などである。


『 モウリーニョとグァルディオラ  文科系  2009年07月22日
 ストイコビッチの監督初体験が失敗に終わりそうな光景を見ながら、サッカー監督というものをいろいろ考えていた。「集団球技はある程度お金があれば、あとは監督次第」と何回かここにも書いてきた。もう少し若い頃までの野村克也や今の落合を見ても、アメリカや日本のバスケットチームなどを見ても。まして、世界でずば抜けて人気のあるサッカーの世界なら、なおさらである。なにしろ、老舗チームや国家代表を有名な外国人監督に委ねることなどは日常茶飯事になっているのだから。金のあるグランパスも、ちょっとはサッカー監督の大事さというものを学ぶと良いなどと思う。

 サッカーでは特に誇り高いイギリス人が今、国家代表をイタリア人に任せているし、世界10強クラブにも入るであろうイングランド4強クラブの監督3人までが外国人であって、残りの1人も確かイングランドならぬスコットランド人なのである。外国人3人とはそれぞれ、スペイン、フランス、オランダ人だ。日本野球界でも外国人監督が増えているようだが、読売巨人軍がアメリカから監督を呼ぶなどということが、近く起こりうるだろうかと考えてみていただきたい。

 さて、現在の世界で最も優れたサッカー監督は、5人いると思う。まず、イングランドはマンチェスターユナイテッドのファーガソンと、イングランド代表監督を務めるイタリア人のカペッロ。あまりにも功成り名遂げた感のあるファーガソンと、日本の中田英寿とも縁が深いカペッロのことは省く。
 次いで、同じくイングランドのチェルシーに臨時で雇われて見事に持ち直してみせたオランダ人・ヒディング。韓国をワールドカップ4強にまで上らせたこの名監督は、ロシア代表の現役監督だったかとの二股を見事にやりおおせてしまい、世界を驚かせた。

 さて、この3人に比べれば非常に若いが、既に彼らの名声に近い監督が2人いる。1人は、イタリアはインテルミラノのモウリーニョだ。ポルトガル人の彼の名が初めて世界に知られたのは、04年にポルトガルのとあるクラブをヨーロッパチャンピオンクラブにしてしまったときのことだった。それからの実績が凄い。直後にイギリスはチェルシーの監督に転出するとすぐに何回かリーグ優勝をして見せた。これには前述のファーガソンも、アーセナルのベンゲルも本当に驚いたはずであって、彼に一目も二目も置いていることは間違いない。そのモウリーニョの現在の野心はこんなところだろう。去年の夏に就任したイタリアはインテルミラノにおいて、ヨーロッパチャンピオンクラブ杯を握ること。今年1年目にして即座にイタリアリーグ優勝を成し遂げながら、ヨーロッパチャンピオンクラブ杯は惜しくもスペインはバルセロナに取られてしまったからである。

 さて、本年度彗星のように世界に出現したのがもう1人の名監督、スペインはFCバルセロナのグァルディオラである。1部リーグでは監督初年度の08~09年シーズンでスペイン杯を得て、先頃ヨーロッパチャンピオン杯をも握って見せたのである。ヨーロッパチャンオン杯決勝の相手は、誰もが連覇を予測した先述のファーガソン・マンチェスターユナイテッドであった。若干38歳、これら全てが監督初年度のことなのだから驚きのほかはない。
 ちなみに、スペインの”読売巨人軍”、レアルマドリードが最近300億円を遙かに超える大型補強に打って出たのは全て、このガァルディオラ対策と言えなくもない。よほどのことをしない限りは、彼のチームを崩せないと見たはずなのだから。前にもここに書いたが「阪神タイガース子飼いの新人監督に日本1、いや世界1を取られたら、そのオフの期間には読売巨人軍が黙っているわけがない」と、そういうことなのである。しかしながら、この超大補強は実を結ぶまい。多分400億円近い金(ドイツはバイエルンミュンヘンのリベリーのマドリード移籍がまだ流動的である)を予定しながら、マドリードの大補強は失敗に終わるであろう。サッカーは組織で戦うものであって、だからこそ監督が最も大切なのだから。
 さてまた、このガルディオラから、グランパスのストイコビッチが学ぶべき点があるので、ここに特記しておこう。ガルディオラは就任早々、花形幹部選手二人を切って捨ててみせた。有名なロナウジーニョと、現在チェルシーで大活躍中のデコである。さらに今年の今も、チーム内得点王(確かリーグ2位)エトーを切ることも発表してしまった。ガルディオラが既に「俺が決めた」と広言している。規律を乱すダビにいつまでも恋々としていたピクシーに見習わせたいものである。
 このガルディオラ、サッカー選手としては野球のキャッチャーに似ていると思う。ボランチという、攻守双方が見える立場の名選手だった。

 ジョゼ・モウリーニョとジョゼップ・グァルディオラ、世界のサッカー界はこれから間もなく、この二人を中心に回り始めるのではないだろうか。』


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日本国家の品性下劣  文科系

2023年09月01日 08時47分05秒 | 歴史・戦争責任・戦争体験など
 今日は関東大震災の日。1923年のこの日の朝鮮人虐殺問題をめぐって、昨日、松野官房長官が記者会見でこう述べたとのこと。
「(過去の政府の会議が報告書で虐殺を認定していることについて、その報告書は)有識者が執筆したものであり、政府の見解を示したものではない」
「政府内で事実関係を確認できる記録が見当たらない」
 松野氏はさらに、この事件の事実関係を調査することも否定的だと報道された。歴代内閣が調査もしていないのをよいことに記録がないと言い続けるのは、否定できない事実からただ逃げ回っているだけ。相手を人として馬鹿にした卑劣な外交と言えて、恥ずかしい限りだ。

 この問題については、当ブログのこの24日にも、国家公安委員長の同じ答弁をご紹介した。一体どういうことなのだろう。自国の見栄えだけのために、殺された人々、その国のことを全く考慮しないという意味で、人の仕業としてあまりにも品格がない態度だと言いたい。自民党政府がよくやって来たように、今でもこういう言葉、考えを押し通して、開き直っているような。

「震災当時においては、植民地は合法。当時の合法を現在の観点で裁くことはできない」

 この言葉、考えに基づくような開き直りが内々に存在しているからこそ、韓国がよく怒ることになるのではないか。歴史的現在の観点からこそ、他国への言動を決めるべきなのだ。それが普通の人の道、それに沿った外交というものだろう。こと植民地問題が関わる外交言動については特に、日本国家は品性下劣である。

 ちなみに、サッカー関連その他のネットに韓国を貶めつつ日本を持ち上げる品性下劣ニュースが多いのも、こういう政府姿勢に迎合したものではないか。新自由主義経済全盛以降の日本国家は、何かやたらに国家間競争、闘争意識が強くなりすぎているように思われてならない。こういう感性が政治・外交を覆う時、関係他国に対してのみならず、自国の民主主義にとっても悪いことにしかならないと思う。戦前日本をまともに反省していない姿でもあるのだから。
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