路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

 路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

【社説①・12.24】:ホンダと日産 統合効果を生かせるか

2024-12-24 04:05:50 | 【経済・産業・企業・関税・地球資源・IT・ベンチャー・起業・インバウンド】

【社説①・12.24】:ホンダと日産 統合効果を生かせるか

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説①・12.24】:ホンダと日産 統合効果を生かせるか 

 ホンダと日産自動車が経営統合に向けた協議を始めたことを正式に発表した。三菱自動車も今後合流を検討するという。
 
 販売台数でトヨタ自動車、ドイツのフォルクスワーゲン(VW)に次ぐ世界3位の巨大グループが誕生する。両社は「スケールメリットは大きな武器」として、競争力強化を掲げた。
 
 自動車産業は電気自動車(EV)やソフトウエア搭載など、エンジン車普及以来100年に1度の変革期にある。EV市場を米中メーカーが席巻する中、生き残り戦略が注目される。
 今後は共同持ち株会社の下で両社のブランドは維持するが、部品調達や供給で延べ3万5千社の取引先を抱えている。
 生産や販売体制の合理化によっては道内をはじめ地域経済に影響が生じかねない。将来展望を早期に示す必要がある。
 業績不振が続く日産救済の側面も強い。ホンダの三部敏宏社長は会見で「持ち株会社の社長と取締役の過半数をホンダが指名する」と述べ、日産の内田誠社長は現在取り組む事業再生の「成果を形にする」とした。
 自動車は米テスラや中国・比亜迪(BYD)のように車載ソフトウエア開発力のある企業が市場を制する時代だ。独VWは戦略を見誤り迷走している。
 台湾の電子機器大手・鴻海(ホンハイ)が日産を買収し自動車に進出する見方も強まっていた。3月に戦略提携を検討したばかりのホンダは統合を急いだとみられる。
 ハイブリッド車と二輪車に強いホンダはEVで出遅れ気味。日産は2010年に世界初のEV量産車リーフを投入した。
 EV市場拡大も足元では伸びが鈍い。米国のトランプ次期大統領が天然ガスや石油開発を重視し、両社が拠点を持つメキシコからの関税強化も図るなど業界を取り巻く環境は不透明だ。
 まずは守りの姿勢を余儀なくされようが、統合効果を生かしガソリン車、ハイブリッド車、EVなど全方位展開に加え自動運転の技術開発も期待したい。
 ホンダは創業者・本田宗一郎のチャレンジ精神と独立志向が根付く。旧財閥から続く日産は官僚的とされ、フランスのルノーと長く提携してきた。企業風土をどう融合するかも課題だ。
 
 日産は再来年度までに世界で全従業員の7%に当たる9千人削減や生産能力20%縮小を打ち出している。ホンダでは国内販売会社の統廃合が進む。
 
 道内には両社のテストコースもある。また販売会社は地域経済のリーダー的役割を担ってきた存在だ。急激な合理化で影響が出ないよう求めたい。
 
 元稿:北海道新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年12月24日  04:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 【社説②・12.24】:臨時国会... | トップ | 【能登半島地震】:能登49... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

【経済・産業・企業・関税・地球資源・IT・ベンチャー・起業・インバウンド】」カテゴリの最新記事