路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

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【社説①】:沖縄戦と教科書 史実正しく学ぶために

2023-04-10 07:01:50 | 【終戦・敗戦・第二次世界大戦・旧日本軍・広島、長崎原爆投下・原水爆禁止

【社説①】:沖縄戦と教科書 史実正しく学ぶために

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説①】:沖縄戦と教科書 史実正しく学ぶために

 第二次世界大戦末期の一九四五年三月に始まった沖縄戦では、米軍が島に上陸した際、住民の集団自決が起き、旧日本軍が関与したとの住民の証言が多数ある。

 しかし、文部科学省の教科書検定で旧軍関与の記述が削除されたことがある。先月下旬に検定結果が発表された来年度から小学六年生が使う社会の教科書=写真=も現行の教科書を踏襲し、旧軍の関与に触れた記述はない。
 
 
 これでは米軍の攻撃だけで住民が死に追いやられたような誤解を生みかねない。小中高校生らが沖縄戦の惨状や背景を正しく学べるよう、その糸口となる教科書や検定のあり方を考えたい。
 
 検定に合格した小学六年社会の三冊は「アメリカ軍の激しい攻撃に、追いつめられた住民のなかには、『集団自決』した人も多数いました」「多くの住民が集団で死に追いこまれるできごとが起こりました」などと集団自決に触れてはいるが旧軍の関与は記していない。
 
 出版社側は「子どもの発達段階を考慮した」「集団自決の背景を記すには紙幅が限られる」などと本紙の取材に説明している。
 
 集団自決は、米軍の攻撃に追い詰められた住民が家族などの間で命を奪いあった惨事であり、そこでは旧日本軍が事前に配っていた手りゅう弾などが使われた。
 
 しかし、二〇〇七年の検定で高校歴史教科書に突然「実態に誤解を生むおそれがある」との意見が付けられ、集団自決への軍関与を示す記述がいったん削除された。
 
 沖縄県民の猛反発で後に記述は復活したが、それ以降、軍関与の記述を控える傾向が続く。一四年に改定された検定基準では政府見解や最高裁判例を踏まえた表現が求められるようになった。
 
 ただ、昨年検定に合格した高校教科書では、軍の関与や強制性に触れた記述が複数ある。工夫すれば児童にも沖縄の惨劇を分かりやすく伝える表現はある。
 
 沖縄戦は米軍統治と基地集中の源流でもある。戦争を知らない世代が多数派になった今こそ、住民がなぜ集団自決という異常な死を強いられたのか、教科書を通じて史実を正しく学ぶべきである。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2023年04月10日  07:01:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

 


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