【筆洗】:雪国・越後生まれの田中角栄元首相は通産相時代、就任間もない…
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【筆洗】:雪国・越後生まれの田中角栄元首相は通産相時代、就任間もない…
雪国・越後生まれの田中角栄元首相は通産相時代、就任間もない秘書官が岡山出身と知ると「君にとって雪はロマンの世界だよな」と語ったという
▼こう続けた。「トンネルを抜けたら銀世界が広がっていて、それをめでながら酒を酌み交わす川端康成の『雪国』みたいなイメージだろう。だがな、俺にとっては生活との戦いなんだ」
▼住まぬと分からぬ苦労があるということであろう(前野雅弥著『田中角栄のふろしき 首相秘書官の証言』)
▼サッカーJリーグで雪国チームの苦労が増しそうだ。2026年にリーグ戦が8月開幕、翌年5月末ごろ閉幕の「秋春制」に移行する見通しになった。現行は2月ごろから12月ごろまで。秋春制は欧州でも主流といい、酷暑の試合が減るが、寒冷地の冬の集客などが心配という
▼秋春制でも厳寒期は中断するようだが、その間の練習環境も課題。支援策に全天候型施設整備の補助などがあがるが詳細未定らしい。越後のクラブJ1新潟は秋春制に反対。社長は移行決定なら対策を「必死に考えていく」と地元紙に語っている。悩みはリーグ全体で共有すべきだろう
▼雪国を思う若き日の角栄氏の「三国峠演説」は有名だ。「新潟と群馬の境にある三国峠を切り崩してしまう。そうすれば、日本海の季節風は太平洋側に抜けて、越後に雪は降らなくなる」。山は削れまいが、知恵は絞りたい。
元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【筆洗】 2023年12月16日 06:58:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。
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