これでは〝事実上の同族経営〟だ――。創業者の故ジャニー喜多川前社長による性加害問題に揺れるジャニーズ事務所の新社長として所属タレントの東山紀之(56)が就任すると「文春オンライン」が4日に報じた。現所属タレントの中で内部昇格するなら〝長男格〟に当たる東山しかいないという選択だが、この人事で本当に〝新しいジャニーズ〟を見せることができるのか、疑問の声が上がっている。

解体的出直しを迫られるジャニーズ事務所だが…
             解体的出直しを迫られるジャニーズ事務所だが…

 

 文春オンラインによると、ジャニーズ事務所関係者の話として新社長に東山が就任し、7日に行う事務所の会見にも出席するという。

 外部専門家による再発防止特別チームが「ジュリー氏が経営トップのままでは、今後社員、役職員の意識を根底から変えて、再出発をすることは、極めて困難」として現社長の藤島ジュリー景子氏の辞任を提言。これでジュリー氏の社長辞任は既定路線となり、7日のジャニーズの会見で新社長が明らかにされるとみられていた。

 当の東山は3日に放送された、自身がメインキャスターを務めるニュース情報番組「サンデーLIVE!!」(テレビ朝日系)に出演。この問題を取り上げた際に「8月29日に再発防止特別チームにより発表された厳しい指摘と改革案を含む調査結果を重く受け止め、9月7日に会見を開き、今後の取り組みに関して事務所がご説明することになっています」とし「今日の段階では、私としてはこれ以上のコメントは控えさせていただきますことをご理解いただければと思っています」と話すにとどめた。

 ある芸能関係者がこう指摘する。

 「新社長に当初は大手レコードメーカーのOBをはじめいろいろ候補が挙がりましたが、火中の栗は拾えないといずれもNOを突きつけられたそうです。もう身内に求めるしかなかったのでは」

 ただ、かつて東山が〝ジャニーズの後継者〟と言われた時期はあるという。

 ある芸能プロ関係者は「ジュリーさんが若かりし頃にお気に入りだったのが東山。母親のメリー喜多川副社長(当時)も、娘のお気に入りの東山を何かと寵愛するようになり、所属タレント内では徐々にトップクラスの地位になっていきました。そのため、メリーさん、ジュリーさんの寵愛を受けた東山の後継者説がまかり通っていた」。

 そして現在もジュリー氏と東山の関係は〝蜜月〟だという。

 「これまでの経緯や2人の関係を考えれば、東山も受けるしかなかったのでしょう。ただ、ジャニーズ事務所の株を持ったままジュリーさんが表舞台から退くようなら、女帝の〝院政〟を危惧されても仕方がありません」(同)

 そもそも東山が新社長に就任しても、本当に新生ジャニーズと言えるのか疑問は残る。

 「再発防止特別チームは、ジャニーズ事務所のガバナンス不全の最大の原因の一つとして同族経営を挙げています。東山には喜多川家の血が入ってはいませんが、メリーさんやジュリーさんに長年寵愛を受けてきたタレント。文字通り〝事務所の長男格〟なのです。となれば〝事実上の同族経営〟ではないか」(同)

 ジュリー氏は一連の性加害問題を動画で謝罪した際、「知らなかった」と言い放ち猛批判を浴びた。もはや同じ轍(てつ)は踏めないだけに、新社長の発言が注目されるところだ。

 ■東スポWEB