《社説①》:国産の量子計算機始動 研究加速し裾野広げたい
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:《社説①》:国産の量子計算機始動 研究加速し裾野広げたい
「夢の技術」に向けた重要な一歩だ。実用化を見据えて研究開発を加速させたい。
スーパーコンピューターをはるかにしのぐ計算能力を持つ「量子コンピューター」の国産初号機が始動した。
古典力学に基づく従来のコンピューターとは異なり、20世紀に確立された「量子力学」の原理を応用している。
従来型は、あらゆる情報を「0」と「1」に置き換えて一つずつ処理する。量子コンピューターは大量の計算を同時にこなすため、能力が飛躍的に向上する。
実用化されれば、恩恵は幅広い分野に及ぶ。金融、物流、防災などに役立つのに加え、脱炭素技術、新薬開発、人工知能研究でも革新的な成果が期待される。
一方、暗号解読が容易になることから、安全保障と密接に関わるテーマとして、各国が国家戦略に位置づけて研究を進めている。
先頭を走るのは、年間2億ドルの公的資金を投じる米国だ。IT大手グーグルは2019年、スパコンで1万年かかる問題をわずか200秒で解いてみせた。中国も威信をかけて猛追する。
元稿:毎日新聞社 東京朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】 2023年04月09日 02:01:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。
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