たんぽぽの心の旅のアルバム

旅日記・観劇日記・美術館めぐり・日々の想いなどを綴るブログでしたが、最近の投稿は長引くコロナ騒動からの気づきが中心です。

宙組『FLYING SAPA-フライングサパ-』日生劇場公演を観劇(5)

2020年10月06日 22時44分30秒 | 宝塚
宙組『FLYING SAPA-フライングサパ-』日生劇場公演を観劇(4)

(公演プログラムより)

「夢 他の人間の 誰かの この場所は 知らない 誰かの夢

 交わったのか いつ眠ったのか いつ 偶然

 偶然とは何か 道を尋ねる だがどこへ?

 この星の夜はやけに長い。

 一つの夜の間に、俺は88回眠る。

 これは何回目の眠りだ・・・43回目か、44回目か・・・。

 まだ夜の真ん中。

 あと何回眠れば、二度と目覚めないで済むのか。

 誰のものでもない

 俺だけの眠りに入っていけるのか。

 他人の夢ほど興味の持てないものはない」

 4年分の記憶しかないオバク@真風涼帆さんは一幕眠ってばかり、けだるそうにコーヒーを飲む渇いた心。ウエクミ先生らしい詩だなあと思います。ノア先生@芹香斗亜さんの、優しさ、澄み渡るような歌声との対比がおもしろいなあと今になってじわり、じわり。そのオバクが二幕終盤総統01@汝鳥伶さんと対峙して、自分の過去を知り、ぐらぐらと大きくすさぶられたときの慟哭、葛藤の場面がウエクミ先生のいちばんみせたところだったのかな。自分が誰なのかわからず湧いてくるべき感情が湧いてこない自分への渇いた心の裏で苛立ちを秘めているようにもみえたオバクの渇いた心。沸き起こってくるべき感情が沸き起こってこない渇いた心、人は時として自分を守るために感情が沸き起こることに疲れてしまい蓋をしたくなるものなのかもしれません。

宝塚歌劇宙組公演 三井住友カード ミュージカル『アナスタシア』特別プロモーション映像(ロング) 
https://www.youtube.com/watch?v=e52R6ZDLs3g

 遠くなった宝塚大劇場に遠征することはきびしいのでライブ配信とライブビューイングのお知らせをお待ちしています。それまで生き延びなければと思える。まかまどの敵役として存在するけれど悪ではないキキちゃん、宙組の安定のトライアングル、楽しみすぎます。

 オンデマンド配信の視聴期限がせまってきたサパの梅田芸術劇場初日カーテンコール、真風さんが挨拶している間あふれてくる涙をこらえきれなくなってべーべー泣いているキキちゃんをみた真風さんも天をあおぎながらしゃくりあげるように泣いていて、そんな二人を涙ためながら見守るまどかちゃんの図。美しい涙は何回みても沁みます。

 生きることにほとんど希望をもてないけれど、舞台の上には希望がある、劇場に灯るあかりは希望。観劇は生きることそのもの。いちるの希望をもって自分の命をつないでいくために明日もなんとか体を動かすのかな、まだ家賃一カ月分に到達していないからせめて到達するまでは動かすしかない。眠らなければならないプレッシャーにうちかつの大変ですが、眠れなくても横になって体を休めるしかない。自分の体をバスと電車に乗せて往復するだけで疲れるし、色々な雇用形態が入りまじるカオスの中にいるだけで疲れます。明日は水曜日か、長い、考えない。