たんぽぽの心の旅のアルバム

旅日記・観劇日記・美術館めぐり・日々の想いなどを綴るブログでしたが、最近の投稿は長引くコロナ騒動からの気づきが中心です。

『ローマの休日』-帝国劇場に太陽のような笑顔

2020年10月24日 23時51分43秒 | ミュージカル・舞台・映画


 10月24日(土)17時開演『ローマの休日』、無事に観劇してきました。映画でお馴染みのシーンをほぼ忠実に舞台化、24時間の物語を2時間半で上演するので時間の流れ方がゆったり。展開がわかっているので安心して楽しむことができました。3年前、退団公演『神々の土地』で軍服をカッコよく着こなしていたまあ様の、太陽のような笑顔が帝国劇場にあふれていました。王女に戻ってからは輝くように綺麗でした。オペラグラスの貸出が中止となっているので一週間前キャトルレーヴでついにオペラグラスを購入、宙組の太陽といわれたまあ様の、帝国劇場中を照らす笑顔をアップでたくさんみることができました。自分、自覚している以上に心が疲れてしまっているのかもしれないと感じました。無理ないか、メンタルやられて突然来なくなった人の替わりとして疲れとストレスがたまった所に緊張しながら毎朝時間かけて出かけて慣れないことをおぼえながらやっているのですから疲れて当然。キュートな笑顔が沁みました。和樹さんのツィッターをのぞくと東京公演でまあ様との組み合わせはラストだったのですね。帝劇コン以来のお似合いの二人でした。優しくてかっこいい和樹さん、宝塚OGとの共演が続いていて夢咲ねねちゃん、柚希礼音さんと似合っていると思いましたが、まあ様とも和樹さんファンの方々に納得してもらえるカップル感だったかなと。『レディ・ベス』初演のロビンからほんとにいいミュージカル役者に成長されました。まあ様を軽々とお姫様抱っこできるところはそりゃそうか。まあ様はスカートでもわかる腰の位置の高さ、ダンスシーンは足の長さが舞台映えしていて、さすがのカッコよさでした。聞こえてくる会話から客席にはヅカファンもたくさんいたかな。宙組生たちにもみてほしいですが大劇場で『アナスタシア』の稽古中だから無理ですね。仲良しのだいもん(望海風斗さん)、帝国劇場まで来る?ないかな。同期の紅ゆずるさんは観劇しないかな、コンビを組んだみりおん(実咲凛音さん)は?とか気になります。

 帝国劇場、なんども坐っているA席、最前列、思い出の補助席が目の前、一つずつ空けるソーシャルディスタンスは続いていましたが生演奏でした。指揮は若林裕治さん、お久しぶりな気がします。演奏は東宝ミュージック/ダット・ミュージック。オーケストラボックスで奏でられる音色がいちだんと美しく帝国劇場に響いていました。今日もこの劇場のどこかで『ミス・サイゴン』初演ロングランでキムをつとめあげた本田美奈子さんが見守ってくれているにちがいないと幕間には天井をみあげました。関東エリアでも〇〇県は東京NGという話が聞こえてきてほんとに厳しいのだと思いました。自分もまずいのかなと一瞬思いましたが特に何も言われていないし、でも劇場に行っていることをあまり公言しない方がいいのかなと思ったり、わからないですね。今年の2月半ばぐらいまでは当たり前みたいだったひとつひとつの全てが奇跡なのだとあらためて思いました。いろいろな人の力があって自分はこうして無事に往復できたし、楽しむことができました。

 劇場の入口で検温はないですがずっとモニターをみながらチェックする人がいてチケットは自分でもぎる、スタッフはほとんど声を発しませんが終演後出るときに深々と頭をさげてくれてまたまた恐縮しました。シャンテのキャトルでは整理券開演時間には間に合わなかったのですが、旦那さんが具合悪くなって入れなくなったからとすぐに入店できる時間帯の整理券を一枚譲ってくれた女性がいたおかげでキキちゃん表紙のグラフを無事にゲットできました。帰りにシャンテでお腹を満たしてややぎりぎりの時間想定で地下鉄に乗ったら途中駅で止まってしまいバスの時間に間に合わなくなるかもと背中がひやっとなりましたがほどなく運転再開。何があったのかわかりませんがいちばん後ろの車両で駅員さんたちがバタバタしているのがみえました。わたしたちの当たり前の暮らしを維持するために働いてくれているんですよね、ほんとにありがたいことだと思いました。ひとつひとつの力に支えれて無事にかなった観劇。上演が発表されたとき秋に自分がどこでどうしているかわからないけれど観劇したいと誓ってから何カ月が過ぎたでしょうか。ずいぶん長い時が流れたような気がします。

日比谷シャンテの3階では『ローマの休日』のサイン入りポスター展が開催されていました。
カメラマンのアーヴィングがルキーニにみえてしまうのは『エリザベート』あるある?
まあ様のポスターは明日以降に。







日比谷コテージにはイケメンたちが。









かいちゃんも何の違和感もなくイケメン。



ゆうみちゃんはいちだんと可愛かった。





CD、写真集、買えるといいけど、ほしくなるときりなくてごめんなさい、写真だけ。





宙組『FLYING SAPA』日生劇場公演を観劇(7)

2020年10月24日 12時13分00秒 | 宝塚
宙組『FLYING SAPA』日生劇場公演を観劇(6)
https://blog.goo.ne.jp/ahanben1339/e/f8084d36616beac8682745d784e7ad56


『ル・サンク』に掲載されているStorydigestより


「ポルンカ基本法の定めるところにより、”へその緒”は各個人の身体及び精神の健康に関するデータを、総統府中枢データベース”ミンナ”に送信し、あなたのデータはこの星の幸福と平和に恒久的に役立てられます」

 第1幕第1場 ポルンカの夜 真っ白な衣装に身を包み、アンドロイド的な表情で語るスポークスパーソン101@紫藤りゅうくん。


ミレナ「あなたは誰」
オバク「30011」
ミレナ「素数なのね、とても大きな。私は02。とても小さい素数」

 第1幕第3場 タウン01 一度も笑顔をみせることのない総統01の後継者で自暴自棄に生きるミレナ@星風まどかちゃんの渇いた声、記憶を消去され自分が誰なのかわからず生きる意味を見失っている渇いた心のオバク@真風涼帆さんの声、二人が最初に出会った場面。素数なんて言葉、高校を卒業して以来何十年ぶりかできい、なんだったかと考えてしまいました。ネットで調べてみると、「1と自分自身以外では割り切れない自然数。2、3、5、7、11、13、17、19……と続き、無限個存在することが、古代ギリシャでユークリッドによって示されていた。」とあります。こういう言葉を宝塚の脚本にのせる上田久美子先生の頭の中はどうなっているんでしょうね、ほんとに。

「ポルンカの厳しい環境下で、人類の生存は当初絶望的と見られていましたが、難民船で漂着したある科学者が人類の運命を変えました」

 第1幕第4場 15周年特別番組 スポークスパーソン101@紫藤りゅうくんと共にアンドロイド的な表情で総統01の功績を称えるアンカーウーマン777@瀬戸花まりさん。

 第1幕では声だけが聴こえ、総統01@汝鳥玲さんがようやく観客の前に姿を現すのは第2幕7場になってから。総統01となった難民ブコビッチは、SAPA中心の地下基地にこもって、全人類の意識データ”ミンナ”をミレナの意識と融合させることを目指していたのでした。そうすることで人類の平和は恒久的に保たれる。「違い」によりひきおこされた大世界大戦によって娘たちを殺され、科学者であったために地球を脱出する難民船に乗ることができたブコビッチがつくりあげた完璧にみえる管理社会。その社会の中に身を置くことなく、自分自身は研究室にこもって誰にも邪魔されることのない次元から見守り続けていました。

 ウエクミ先生は、物語の中でブコビッチが管理社会をつくり上げたことを肯定も否定もしていないと思います。観客を信じ、それぞれの心の中に湧きあがってくるものに答えを委ねる。宝塚でこんなに大胆な挑戦ができるのかと唸りました。赤坂ACTシアターではなく、東京公演は日生劇場で上演されたということも作品にとっては幸運なことでした。ウエクミ先生のデビュー作、たまきち(珠城りょうさん)主演『月雲の皇子』がすごい作品だとききます。たまきちがそういっています、お芝居とはなにか根底から揺さぶられたと。オンデマンド配信で出会えるといいな。雪組も月組もトップコンビの退団公演を担うのはウエクミ先生、最後までどんな新しいものを演者から引き出してくれるのか、期待しかありません。宝塚、深い。

ナウオンステージより、

真風さん:上田先生が作品の参考になる資料をけっこう明確に示してくれた。ふだんわたしはあまりみたことがない作品だったので新しい世界観。宇宙ものはみたことがあるけれど荒廃的な世界観の作品にはあまり触れたことがなかったので勉強になりました。

キキちゃん:わたしも宙組にいるけど宇宙ものとか興味がなかったので勉強になりました。手塚治虫先生の作品に宇宙ものが多くて、自由で奥深くて興味深いなと思いました。

まどかちゃん;ミレナの役作りにあたって上田先生からいろいろ教えていただいたことが勉強になりました。SAPAのこの場面で・・・、言っていいのかな、(真風さん;それは言っちゃだめだよ)、はい勉強になりました。

京三紗さん@キュリー夫人、総統01@汝鳥玲さん、専科のお二人が稽古場で役としてすごいのに素になるとめっちゃ可愛くてそのギャップに心癒されているという話はまた次回。