「(あちわ・さとみ)。エリザベートの母親ルドヴィカを演じる。硬軟自在、達者な演技派女優である。高校の演劇部時代、民芸で奈良岡朋子が演じた「奇跡の人」アニー・サリバンに感動して、俳優を志し、故加賀原夏子主催の劇団NLTに入団、その劇団カラーだった喜劇舞台に役者人生を託したが、その後、テレビ、映画にも進出、持ち前の幅広いキャラクターで多彩な活動をしている。印象的な作品には、『雨よりも優しく』(TBS)をはじめ、『連続テレビ小説・ひらり』(NHK)のすみれ役、『九門法律相談所』の梅子役、最近作『離婚計画』(TBS)などのテレビドラマ、『スーパーの女』、『プライド』、『愛を乞うひと』他の映画、そして舞台では『フィレモン』や『血とバラ』他の小劇場系から『ブラックコメディ』や『華岡青洲の妻』他の商業演劇系まで、ユニークな個性を発揮して活躍中。
また、ミュージカル舞台での活躍も周知で、1987年に日本初演された『レ・ミゼラブル』に初演から90年まで、テナルディエの妻の役で出演していた。実は、びっくりする美声の持ち主だ。ミュージカルではないが、99年に帝国劇場で上演された浅丘ルリ子主演『西鶴一代女』の劇中、夜鷹のひとりに扮し、「ふたり懺悔」という劇中歌をきれいな声で歌っていた。今回、本格的なミュージカル。どのような味わいを出すのか、楽しみである。94年、広島市民劇場女優賞受賞。北海道出身。」