東京新聞が、とうとう本質に迫った社説を書くようになってきた!
「減税しても、投資もせず内部留保をため込むのではとの疑念がぬぐえません」
しかし、失政の責任と無策を追及しているか!
追及できないのは、自らの立場があるからだ!
東京新聞が以下の社説を掲載するようになりました。この間どのようなことを主張していたか、ご覧ください。
中日/東京新聞 年のおわりに考える/アベノミクスと「芝浜」 2014/12/30 8:00
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2014123002000118.html
政府・与党が来年度の税制改正大綱をまとめます。振り返れば、経済の話題の中心はアベノミクスと、そして税でした。私たちはよく考えたでしょうか。
すっかり年末の風物詩となった「今年の漢字」。京都・清水寺の森清範貫主が大書したのは「税」の一文字でした。「消費税増税」騒動に明け、「消費税再増税の先送り」騒動に暮れた一年だったということでしょう。
四月に5%から8%へ十七年ぶりとなる消費税引き上げがありました。駆け込み需要の反動減が、政府や大半のエコノミストにとって「想定外」の大きさとなったのは周知の通りです。
◆何のための消費増税
四〜六月期、七〜九月期の二期連続でマイナス成長。安倍晋三首相は二〇一五年十月に予定されていた10%への再増税を一年半先送りすることを決めました。
政府は春の増税に備えて五・五兆円もの経済対策をまとめ、「これで夏以降、景気は回復する」と言ったはずです。
それがアベノミクスによる物価上昇も加わって消費は今に至っても冷え込んだまま。追加の経済対策を迫られ、その規模は三・五兆円、合わせて九兆円に上ります。
消費税を3%引き上げたことによる税収増が一年間で約七・五兆円ですから、景気対策に費やした額の方が大きい。何のための増税なのかという気になります。
消費税は、導入時や増税のたびに巨額の景気対策が必要となるので、かえって財政を悪化させてきました。当然です、国内総生産(GDP)の六割を占める個人消費を破壊するわけですから。
安倍首相は増税先送りの理由を「景気が低迷して税収が落ち込めば元も子もない」と言いましたが、ならば消費税はこれ以上、引き上げるべきでないはずです。
◆所得再分配機能こそ
消費税増税と関連して軽減税率の議論もありました。低所得者ほど負担が重い「逆進性」対策との触れ込みですが正しくありません。富裕層も同様に、いやむしろ富裕層の方が恩恵は大きい。
対象品目の線引きも難しいし、それをめぐり政官に新たな利権を生みかねません。軽減税率よりも低所得者に絞った「給付付き税額控除」の方が効果は高いのです。
税制改正大綱は法人税減税が最大の目玉といわれています。消費税は増税する一方で、逆に法人税は減税する。理解に苦しむ方も少なくないでしょう。
政府や経済界の言い分はこうです。欧州やアジアに比べて税率が高いので国際競争上、不利なうえ、海外からの投資(進出)も増えない。このままだと日本勢は税率の低い海外に逃げ、そうなれば法人税収は落ち込む、と。
半ば脅しのようにも聞こえますが、海外の投資が増えないのは法人税だけの問題ではなく、規制や需要の低さなどさまざまなはずです。欧州は法人税こそ低いが社会保険の負担は重い。そもそも赤字やら節税やらで法人税を納めていない企業は七割に上るのです。
それでも企業寄りの政策に熱心な安倍政権ですから法人税減税は既定路線でした。アベノミクスの第三の矢、成長戦略の柱として「数年で20%台を目指す」と海外と遜色ない水準にする方針です。しかし、減税しても、投資もせず内部留保をため込むのではとの疑念がぬぐえません。
安倍政権の最大の問題は、アベノミクスでこれだけ格差が拡大しているのに、税による所得再分配に冷淡なことです。格差や貧困を放置していると言わざるを得ない。税には、財源調達機能とともに所得再分配機能という重大な役割があるのです。
たとえばアベノミクスで潤った株保有者の譲渡益や配当への課税方法(20%の分離課税)を変えるとか、富裕層の資産への累進強化、所得がありながら年金も受給する高齢者の二重控除の問題など…。首相は株価が上がれば問題はすべて解決するとでも思っているのか、それとも株高に酔って民の声が聞こえないのでしょうか。
年の瀬、酔うといえば、落語の人情話「芝浜」が思い浮かびます。早朝の芝浜で大金入りの財布を拾った魚屋の主人は、もう働かなくていいと大酒を飲んで寝てしまう。女房は夫に内緒で財布を届け出、夫には「夢を見たんだろ」と諭す。心を入れ替え、真人間へと立ち直った夫に、妻は謝って真実を打ち明ける…。
◆国民こそが賢妻たれ
いうなればバブルに酔って自分を見失った夫を、機転の利く妻がたしなめたわけです。株高だけで実体経済を好転できないアベノミクスを「この道しかない」と繰り返すばかりの首相−。ここは国民が賢妻となって夢から覚めさせるしかないと思います。(引用ここまで)
安心できる社会保障制度の将来像を具体的に描き、
その実現のために無駄な財政支出を徹底的に削減し、
公平な負担を確立する
のであれば、消費税増税はオッケーと容認する東京新聞!
反対であるかのように装い国民をミスリードするトリック!
中日/東京新聞 増税の大義が見えない/消費税引き上げを決定 2013/10/2 8:00
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013100202000148.html
安倍晋三首相が来年四月から消費税の8%への引き上げを決めた。終始、国民不在のまま進んだ大増税は、本来の目的も変質し、暮らしにのしかかる。
一体、何のための大増税か−。疑問がわく決着である。重い負担を強いるのに、血税は社会保障や財政再建といった本来の目的に充てられる保証はない。公共事業などのばらまきを可能とする付則が消費増税法に加えられたためだ。肝心の社会保障改革は不安が先に立つ内容となり、増税のための巨額の経済対策に至っては財政再建に矛盾する。増税の意義がまったく見えないのである。
◆正統性ない決定過程
わたしたちは、現時点での消費税増税には反対を唱えてきた。何よりも、この増税の決定プロセスには正統性がないと考えたからである。始まりは、民主党の「マニフェスト(政権公約)違反」であった。
消費税増税をしないといって政権に就いたにもかかわらず、突如として増税に舵(かじ)を切った。一千兆円もの財政赤字の現状から、国民にいずれ消費税引き上げはやむを得ないとの覚悟があったとしても、手続き違反だし、国民への背信行為である。
民主党は「天下りや渡りを繰り返すシロアリ官僚の退治なしの増税はおかしい」とも訴えながら、結局、行革も自ら身を切る改革も反故(ほご)にしてきた。政治には信頼が必要なのである。
その民主と組んで昨年八月に消費増税法を成立させた自民、公明も年末の総選挙や七月の参院選で増税を堂々と争点に掲げることはなかった。消費税増税が政治的に国民の理解を得たとはいえない。
それもそのはずである。自公は消費増税法案の付則に「成長戦略や事前防災、減災などの分野に資金を重点的に配分する」と追加し、消費税の使い道を公共事業など何でもありに変更した。
◆変質した増税の理念
国土強靱(きょうじん)化や減災構想のためとみられている。社会保障目的ならまだしも、「何でもあり」を表だって問えるはずがない。
消費増税法の原点は「社会保障と税の一体改革」であり、毎年一兆円ずつ増え続ける社会保障費の財源確保が目的だったはずだ。国民の多くは今でもそう望んでいるだろう。しかし一体改革であるはずなのに、増税だけが先行して決まった。そのうえ年金制度など社会保障の抜本改革は見送られた。
本来なら「社会保障改革のために財源がこれだけ必要となり、そのために消費税を何%引き上げる必要がある」と国民に理解を求めるのが筋である。財政再建を理由に、先に増税ありきの財務省が描くシナリオに乗るから齟齬(そご)を来すのである。消費税増税の理念は変質し、国民に負担を求める大義も失ってしまったといっていい。
消費税は1%で二・七兆円の税収があり、3%引き上げると国民負担は八兆円を超える。財務省にとっては景気に左右されず安定的に税収が確保できるので好都合だ。だが、すべての人に同等にのしかかるため、所得の低い人ほど負担が重くなる逆進性がある。
さらに法人税は赤字企業には課せられないが、消費税はすべての商取引にかかり、もうかっていなくても必ず発生する。立場の弱い中小零細事業者は消費税を転嫁できずに自ら背負わざるを得ない場合がある。このままでは格差を広げ、弱者を追い込む「悪魔の税制」になってしまう。
消費税を増税する一方、法人税は減税を進めようというのは大企業を優先する安倍政権の姿勢を物語っている。消費税増税で景気腰折れとならないよう打ち出す経済対策も同じである。五兆円規模のうち、企業向けの設備投資や賃上げを促す減税、さらに年末までに決める復興特別法人税の前倒し廃止を合わせると一・九兆円に上る。公共事業などの景気浮揚策も二兆円である。国民から吸い上げた消費税を原資に、財界や建設業界といった自民党支持基盤に還流されたり、減税に充てられる構図である。過去に経済対策と銘打って公共事業をばらまき、借金を積み上げた「古い自民」の歴史を忘れてもらっては困る。このままでは社会保障の充実も財政再建もかなわないまま、消費税率だけが上がっていくことになりかねない。
◆安心できる社会保障を
安倍首相は「持続可能な社会保障制度を次の世代にしっかりと引き渡すため、熟慮の末に消費税引き上げを決断した。財源確保は待ったなしだ」と理由を述べた。そうであるならば、やるべきことは、安心できる社会保障制度の将来像を具体的に描き、その実現のために無駄な財政支出を徹底的に削減し、公平な負担を確立する。それなしに国民の理解は得られるとはとても思えない。(引用ここまで)
与野党の低調さを強調して政治不信を助長し低投票率に向けて世論誘導する!
中日/東京新聞 <2013岐路>消費増税/意思示す最後の機会だ 2013/7/18 8:00
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013071802000167.html
消費税を来年四月に引き上げるか、あるいは延期するか。おそらく参院選は消費増税への意思を示す最後の機会である。問題の多い増税にノーを突き付ける時だ。
昨年八月に成立した消費増税法は消費税を二〇一四年四月に8%、一五年十月から10%に引き上げると定める。ただ、付則で「景気を勘案する」との条項がある。
一年半の間に5%から10%に倍増させる消費増税は、上向きかけた景気を腰折れさせるおそれがある。一方で消費増税を延期した場合、財政再建に消極的だとして海外から不信を買う可能性はある。
安倍政権は八月に発表される今年四〜六月期のGDP(国内総生産)速報などの経済指標をみて秋に最終判断をするという。しかし、大事なのは官庁発表の数字よりも国民の生活実感である。有権者の声にもっと耳を傾けるべきだ。
今参院選は増税決定前の最後の国政選挙になるだろう。本来なら、引き上げの是非のみならず消費増税そのものについて、活発な議論があってしかるべきだ。自民、公明、民主、維新が賛成。みんな、共産、生活、社民などは反対を主張するが与野党ともに低調なのはどういうわけか。
それは安倍政権の態度がはっきりしないせいである。決定は秋だとしても、延期しない場合に景気腰折れを防ぐにはどうするのか、延期の場合には財政再建にかける信認をどう取り付けるのかを示すべきである。増税延期への期待をつなぎ留めつつ選挙戦を乗り切ろうというのであれば、これほど有権者をばかにした話はない。
私たちは消費増税にずっと反対している。逆進性のある消費税で社会保障費を賄うのであれば低所得層ほど重い社会保障コストを負担することになる。健康保険や雇用保険などの社会保障は労使折半で負担してきたのに、消費税となれば企業の負担だけ軽減されることになる。結局、企業や金持ちが優遇されるのである。
行財政改革、例えば天下り先に巣くうシロアリ官僚の退治など、増税前にやるべきことがあるとも主張してきた。復興予算の流用のように、血税が無駄な公共事業や利権に回る懸念もある。
英国では付加価値税(消費税に相当)を一〇年から一年間に段階的に5%引き上げたところ、景気が減速し税収総額は増えなかった。デフレ脱却のためにも、無理な消費増税は見送るべきだ。(引用ここまで)
増税改憲を検証すべき!失政の責任と無策を追及すべき!
安倍内閣総理大臣記者会見 平成25年10月1日
http://www.kantei.go.jp/jp/96_abe/statement/2013/1001kaiken.html
赤旗主張 [10月2日]消費税率引き上げ/国民は増税の実施を認めない http://www.jcp.or.jp/akahata/aik13/2013-10-02/2013100201_05_1.html
安倍晋三政権が実施を決めた来年4月からの消費税の税率5%から8%への引き上げは、総額で8兆円に上る巨額の負担を国民に押し付ける暴挙です。物価を上昇させ、国民の消費を冷え込ませて、暮らしと経済に壊滅的な打撃を与えます。しかもそのあとには再来年10月から消費税の税率をさらに10%に引き上げる増税が待ち構えています。消費税の増税を押し付ける一方、大企業の法人税を減税するなど論外です。消費税増税との「一体改革」と称した医療、介護、年金など社会保障の改悪も目白押しです。国民は決してこんな庶民大増税は認めません。
厚顔無恥にもほどがある
「国民は景気回復を実感できていない。消費税増税などもってのほか」「被災地はまだまだ復興の途中。復興を妨げる消費税増税は中止を」―安倍政権による消費税増税実施の決定を目前に、先週末東京で開かれた「消費税大増税ストップ」を求める国民集会での声です。会場の日比谷野外音楽堂は、「絶対中止」とかかれた真っ赤なプラスターで埋まりました。
安倍政権の実施決定直前の9月末、「日経」がおこなった世論調査でも、来年4月からの消費税増税に「賛成」が47%、「反対」が48%と拮抗(きっこう)したままです。国民の多数が増税に納得しているとはとてもいえません。消費税増税の強行は「同意なしには課税なし」が原則の、民主主義の根本を破壊します。
だいたい民主党政権のもとで昨年8月、自民、公明、民主の3党で消費税増税法を強行成立させたさい、増税の実施は経済状況の「好転」が条件でした。安倍政権が経済の再生を最優先させてきたのもそのためですが、「アベノミクス」の結果、株価や物価は上がっても国民の所得や雇用は増えていません。安倍政権が実施決定の直前になって追加的な経済対策をめぐり大騒ぎしたのも、経済が好転していないのを証明するものです。
しかも、景気を「腰折れさせない」と称して安倍政権が持ち出してきた追加的な経済対策の中身はひどすぎます。消費税の増税に直撃される国民の暮らしはそっちのけで、大企業向けの法人税については、復興特別法人税は前倒しで廃止する、設備投資などへの減税は拡大すると、至れり尽くせりです。大手ゼネコンのための公共事業の追加も盛り込みました。
与党内の調整で復興法人税の廃止には「検討」ということばが加わりましたが、単なる取り繕いです。被災地や増税が続く国民は念頭にありません。法人税を減税しても賃金に回るかどうかわからないと疑問が出されると、では賃金を上げたらその分も減税しましょうと言い出す始末です。大企業のためには何でもありという態度を大企業いいなりの厚顔無恥といわずになんといえばいいのか。
増税中止の一点で共同を
安倍政権も否定できないように、経済状況の不安が解消していないなら、まず消費税の増税を中止すべきです。4月からの増税中止には、時間は十分あります。
税と社会保障のあり方や財政再建について意見の違う方を含め、4月からの消費税増税中止の一点で力を合わせ、やめさせなければなりません。消費税増税が暮らしと経済をめちゃくちゃにするのを許さないために、増税中止の世論と運動を広げることが重要です。(引用ここまで)