愛国者の邪論

日々の生活のなかで、アレ?と思うことを書いていきます。おじさんも居ても立っても居られんと小さき声を今あげんとす

生活保護者いじめから今度は障害者いじめ政治へ、強者の論理がニッポンを徘徊し、不道徳の横行に断罪を!

2013-03-19 | 日記

今日の「赤旗」13面(社会面)の「リアル社会」にとんでもない記事が掲載されていました。この国の政治家たちの不道徳ぶりには呆れます!生活保護精度への圧力の時の事例と同じように今回も弱者への思いやりは微塵もありません。

 かつて国鉄分割民営化を断行する時に、「労働者(公務員)が勤務中に風呂に入っている」式のペテンが仕掛けられ、日本国中を席巻したことを思い出しました。こうした攻撃、イデオロギー攻撃に味をしめた政府など、いわゆる支配層は、次は公務員の「不祥事」を利用したバッシングの嵐を日本国中に撒き散らしました。そうして今や公務員の非正規化、ワーキングプワーは目に余るものがあります。

 公務員をバッシングして、賃金や人数が削られることで住民サービスの低下や肝心な時に公務員の人数が不足しているなど、結果的にはバッシングの側に立って、様々な不満の溜飲をさげてきた住民自身が、不利益を受けることになってきたのではないでしょうか?待機児童や待機老人の増大、消防力の低下、とりわけ先生不足など、深刻です。特に東日本大震災に見舞われた地域の公務員不足を補うために全国各地から派遣された公務員の皆さんの苦労は自殺者も出るなど、相当なものです。

 このような構造は、まさに「いじめの構造」です。この構造で、一番得をしているのは誰でしょうか?被害を受けるのは誰でしょうか?

 それでは、記事をご覧ください。

 先天性心疾患配慮いる ペースメーカー装着者など障害認定基準見直しやめて

 厚生労働省は、命に関わる機器を体内に埋め込んでいるため「身体障害者手帳―級」とされるペースメーカー装着者や人工弁置換患者の障害認定基準を、見直そうとしています。これに対し先天性の心疾患患者らは、不安の声をあげています。   (岩井亜紀)

  認定基準見直しが浮上したのは、民主党の桜井充参院議員の国会質問がきっかけです。参院予算委員会で昨年4月、ゴルフをできるペースメーカー装着者が身体障害者手帳の1級でいいのか質問。小宮山洋子厚労相(当時)が、見直しを進めると回答しました。

 「全国心臓病の子どもを守る会」の下堂前(しもどうまえ)亨事務局長は「成人期以降に心疾患となった人の中には、ゴルフができるまで回復した人もいれば、そうではない人もいるだろう。重大なのは、先天性心疾患患者への配慮がないことだ」と指摘。「先天性心疾患患者の多くは、身体的能力や基礎体力の低さ、社会的、経済的な基盤形成の弱さある」と強調します。

 同会の会員、富山県射水市の高瀬嘉子さん(54)は先天性心疾患の仲間から、体調悪化に伴う生活上の不安や就労が困難な問題など切実な相談を受けています。

 「先天性心疾患患者の心臓は奇形なんです。さらにメスを入れるから、まともではない。もともと正常だったものにペースメーカーや人工弁を入れて治療した後天性の心臓とは、大きな違いがあります」と訴えます。

年金取得に影響

 手帳―級から等級が下がると、どんな影響があるのか―。下堂前さんは「医療費助成や就労、障害年金の取得などに大きく影響する」と指摘します。

 患者の多くが生涯にわたって医療が必要です。重度心身障害者(児)を対象に医療費助成が多くの自治体で行われています。下堂前さんは「見直しで3級になれば、医療費助成の対象外となる人も出る」と語気を強めます。

 同会に届いた患者らの訴えの中には、就労しても継続することが難しいケースが多くありました。「日常生活は何とかしているが、ペースメーカーなので工場系の就職は難しい」、「フルタイムで一般企業に就職するも、残業が続き体調を崩し退職。医師から週4日と制限されている」…。

 就労まで厳しく

一方、下堂前さんは「いまは手帳―級のため、障害斎雇用率制度の中でI人を2人とカウントされるから、就労しやすい」と話します。「見直しで等級が下がれば、障害者雇用率制度枠での就労までもが厳しくなる」と危惧します。

 障害年金と身体障害者手帳の認定はそれぞれ別に行われますが、年金申請時には参考資料として手帳のコピーを提出します。「いまでも障害年金は取りづらくなっている。手帳の等級が下がればもっと困難になる恐れがある」と下堂前さん。

 厚労省の研究事業では、障害認定のあり方に関する研究がされていますが、研究対象者のほとんどが後天性の心疾患患者です。

 小児循環器の専門医からは、生涯にわたって医療を必要とする先天性心疾患愚者と、発症まで元気に暮らしていた後天性疾患患者では、大きな違いがあるとして、二律の見直しに反対の意見が寄せられています。(引用ここまで

 

資料はたくさんありましたが、以下をご覧ください。

ペースメーカーをつけると危険なこと - ペースメーカー装着での就職・求人

http://lacasadelmarre.com/page4.html

警告:ペースメーカーに関する重要事項 ペースメーカー治療 ボストン…

http://www.bostonscientificpt.jp/Pacemaker/index07.html

 

こんな時はご注意を!

www.bostonscientificpt.jp/ICD/pdf/oth_JADIAleaflet_jp.pdf

ペースメーカー埋め込み者は何故障害1級なのですか?

http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1218034482

ペースメーカーを入れると身障者一級でした。一級を認定されるということは、それ...

http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1381705723

 

この問題は、沖縄やフクシマを見捨てる目と同じような気がしました。自分の位置を被害者の位置におくのではなく、或いは被害者への共感と連帯の目はありません、別のところから見ている目です。同じ人間なのに、何故こうなってしまうのでしょうか?

 いじめる側の子どもも、実はいじめられる側に落されるという危機感から、常にいじめる側に身をおかねければならないという不思議な構造です。

 この構造は、アジア侵略の加害国民として被害者への共感と連帯、反省と謝罪、二度と繰り返さないという決意、さらに言えば、実は、日本国民自身も被害者であるという視点など、ないように思います。

 戦争に反対すれば、国賊・非国民と烙印を押されてしまう。戦争反対者や非協力者を孤立させる「空気」の中に身をおくことで、強力加担していくことで、自らを防御していくのです。こうした国民ムードが、国民自身を戦争に駆り立てていったのではないでしょうか?しかし、その防御の結末は、どうだったでしょうか?結果は明らかです。

 桜井充参院議員

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%A1%9C%E4%BA%95%E5%85%85

http://www.dr-sakurai.jp/blog120412180356.html

屑野郎の奇麗事の建て前と、裏の薄汚く卑しい本音:民主党参議院議員・桜井充の例≫

http://www.asyura.com/10/senkyo87/msg/480.html

生活保護受給者急増のワケ

http://fukufukulife.blog.fc2.com/blog-entry-62.html

 

最後に、お礼とお断り

 日頃よりお読みいただきありがとうございます。今日19日より、所用のため、ひと月間、記事の更新ができません。4月20日以後に、更新できればと思います。その日の来るのを楽しみにしております。ありがとうございました。

 愛国者の邪論

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安倍政権の「教育勅語道徳教育」に大喝!日本国憲法に基づく新「道徳教育」論の徹底化こそがいじめを解決!

2013-03-18 | 教育勅語

はじめに

現在、子どもをめぐる状況は大変厳しいものがあります。ルールを守れない状況、特に人権と命の軽視は目に余るものがあります。それらは大人社会の反映であることは疑いありません。メディアをとおして子どもに与えられている情報は戦後民主主義と国際法の合意を踏まえた「人間尊重」の「人づくり」という点で大いに問題ありと言わなければなりません。

 戦争やテロによる命の軽さ、政治とカネをめぐる政治の不正、働く権利が保障されず、生存すら脅かされている社会の風潮などなど、教育現場の「ものさし」が不明確になり、子どもに将来の希望すら与えることができない状況です。このような事実に無力さを感じている教職員も多いことと思います。

 しかし、そうは言っても、逞しく生きている子どももたくさんいることも事実です。スポーツ界で活躍する若者や被災地で、地元の役にたつ人間として生きていくことを決意している若者などなど、否定的な状況を呈している若者以上に生きている若者がいるのですが、これらの若者の存在に光を当てていくことに力を入れていったなら、若者の状況も変わっていくことは、現在のメディア状況をみると確実です。

 ここでは、いじめや自殺事件などを利用した安倍政権の憲法改悪の地ならしとして位置づけた道徳教育の教科化は、一言で言えば、教育勅語の徳目の具体化です。それは旧教育基本法の改悪や日の丸君が代の法制化と強制にみることができます。

 しかし、こうした手法に対して、国民のなかにある、教育勅語の道徳論の古臭い遺産に同意、共感する思想・気分のあることも、また事実です。こうした状況を踏まえながら、国際的視点になった、新たな「道徳」論と、その「教育」論を対置していく必要性を感じています。そのための視点をまとめてみたものです。

 1.日本国憲法はどのような国民像をめざしているか

 (1)日本国民は、日本国憲法を根拠にして以下の人間像を求めるものとする。

①正当に選挙された国会における代表者を通じて行動できる人間。

②政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起こることのないやうにすることができる人間。

③人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚できる人間。

④平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようとすることができる人間。

⑤平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めることができる人間。

⑥全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を行使できる人間。

⑦自国(自民族・自分)のことのみに専念して他国(他民族・他人)を無視してはならないということを自覚し、実践できる人間。

 (2)日本国民は、旧新教育基本法を根拠にして以下の人間像を求めるものとする。

①民主的で文化的な国家を建設して、世界の平和と人類の福祉に貢献できる人間。

②個人の尊厳を重んじ、真理と平和を希求する人間。

③普遍的にしてしかも個性豊かな文化の創造を目指すことができる人間。

④公共の精神を尊び、伝統を継承し、新しい文化の創造できる人間。

⑤勤労と責任を重んじ、自主的精神に充ちた心身ともに健康な人間。

 2.道徳とは何か。

 (1)広辞苑によると

人としてふみ行わねばならぬ理法と、これを実施にあらわす行為、即ち自己の行為または品性を、自己の良心乃至社会的規範を以て律し、善及び正をなし、悪及び不正をなさぬこと。

(2)憲法と教育基本法、国連憲章を根拠にしてみると

①生命を尊び、自然を大切にし、環境の保全に寄与すること。

②個人の価値を尊重して、その能力を伸ばし、創造性を培い、自主及び自律の精神を養うとともに、職業及び生活との関連を重視し、勤労を重んずること。

③正義と責任、男女の平等、自他の敬愛と協力を重んずるとともに、公共の精神に基づき、主体的に社会の形成に参画し、その発展に寄与すること。

④学問の自由を尊重し幅広い知識と教養を身に付け、真理を求め、豊かな情操と道徳心を培うとともに、健やかな身体を養うこと。

⑤世界と日本の伝統と文化を尊重し、他国や他民族を尊重し、国際社会の平和と発展に寄与することとそれらをはぐくんできた諸民族と諸国家、諸国民と地球を愛すること。

⑥国際連合憲章と戦後の国際社会の「理法」を理解し実践すること。

 3.どのような道徳教育を行うか

 (1)命の尊さをあらゆる場において教える。

①「生」の可能性と「死」のもつ意味を、交通事故や自殺など身近な事例を使って、また戦争など歴史や現代社会の諸事実を通して教える。

②人間ばかりでなく、この世のあらゆる生き物の「生」と「死」の関係と、それらのもつ意味を教える。

③生徒を含めてあらゆる「生」が長い歴史の中で連綿と継続してきたことを教える。

④「生」と「死」について、生徒自らの体験や聞き取りを含めた調べ学習をとおして、考え、その考えたことをあらゆる方法を使って生徒自身が表現できるようにする。

⑤生徒間の意見表明をとおして、その多様性や違いを認め合い、命の大切さを自覚し、生徒なりの実践が多様にできるようにする。

(2)自分の尊さと同時に他人の尊さをあらゆる場において教える。

①自分を認めてほしければ、他人も認めなければならないことをあらゆる場をとおして教える。

②人間はその生い立ちや暮らしなど、多様であることを認め合うことを教える。

③意見の違いが起こった時は、相手の立場や考えに耳を傾け、その違いなどを調べ、学び、自分の意見を表明できるようにする。

④意見の違いを、脅しや暴力で解決することは絶対に許されないことを学びあう。

⑤意見の違いを超えて行動する場合は、違いを留保し、一致点を共有しながら、行動できるようにする。

(3)人類の知識の総和を学ぶことをとおして道徳心を培う。

①個人の尊厳と、対等で民主的な人間相互の関係(人道主義)は人類が営々として築いてきた侵すことのできない価値であり、その到達点に立って生徒自身が生きていることを学ぶ。

②そのためには学問・思想・信条・意見表明の自由が果たしてきた役割を学ぶ。

③人類が築いてきた「知」の総和(人文・社会・自然科学、文学、芸術など)を学ぶことは、あらゆる場をとおして、「生きる力」「歴史の主人公として歴史(文化)を創造する力」となることを学ぶ。

④学ぶことの意味は、他人を排斥するための、他人を打ち負かすための、他人との競争的な、ゲーム的なものではないことを学ぶ。

 4.どのように道徳教育を行うか。

 (1)国際社会において合意されてきた諸原則を学校や地域・家庭に具体化するという立場を確立する。

①国連関係

国際連合憲章(1945)

世界人権宣言(1948)

国際人権規約(1966)

友好関係原則宣言(1970)

子どもの権利宣言(1959)と子どもの権利条約(1990)

平和の文化に関する宣言・行動計画(1999)

②ユネスコ関係

教員の地位に関する勧告(1966)

国際理解、国際協力および国際平和のための教育ならびに人権および基本的自由についての教育に関する勧告(1974)

第4回ユネスコ国際成人教育会議 学習権宣言(1985)

ユネスコ第44回国際教育会議・宣言(1994)

(2)学校・地域・家庭において憲法と教育基本法を国際社会の諸原則と関連させて具体化するという立場を確立する。

①各学校の実情に応じて国際的合意と憲法・教育基本法を具体化するために、学校と教師は保護者・生徒と意見を交流し、学校の目標と方針と計画を具体化する。

②各学校は、目標の具体化のため、必要な施設設備の整備を行政に求める。

③各学校の教職員は目標達成のために絶えざる研修を行う。

④各学校は学校づくりにおいて保護者・生徒・地域の連携を重視する。そのための協議会を設置し、意見交流と実践の検証を行う。

⑤行政は学校現場の自主性を尊重し、必要な諸条件の整備のための援助を行う。

⑥そのためにも、教職員の教育研究の場と時間の確保として「ゆとり」を保障する。

(3)各学校における道徳教育の具体化について

①校長は教職員の自主性を最大限尊重し、実践を励ますようにする。

②教職員は、教職員間の連携を図りながら、生徒の自主性を最大限尊重し、分かる授業ができるように努力し、生徒の学習活動を励ますようにする。

③分かる授業づくりのための教材・指導法・評価法のあり方などは、生徒の発達保障を軸にして、生徒や保護者の意見を踏まえつつ、教職員間で話し合いを緊密にして具体化する。

④生徒は、授業を大切にし、授業をとおして生徒間の信頼と絆を培い、知識・学ぶ方法などを向上させ、生きる力を獲得できるようにする。

⑤教職員は、生徒の教科以外の活動(生徒会(部活動を含む)活動・各種行事など)をとおして自治と知識・技術を学ばせ、習得させ、生きる力を獲得できるように励ます。

⑥道徳教育のあり方や内容については、その観点や教材の発掘など、保護者や地域と意見交流の場を設け、生徒の実態を踏まえたものに常に改善するものとする。

(4)道徳教育を具体化する際の教材等の視点について、これまで述べてきたことを再確認する意味で。

①人間や自然界の生物の命の大切さと命を育む教材を作成する。死を扱う場合も、討論や思考のもみ合いを通じて、命の尊重を第一課題にできるようにする。

②他人を脅しや暴力で排除するような発想が生じないような教材を開発・発掘し、その知識・技術を培うようにする。

③意見の違いを寛容のこころで認めることができるような教材を開発・発掘し、その知識・技術を培うようにする。

④世界と日本の歴史において、人権を破壊する歴史や人権尊重を推進する歴史両面から学び、歴史の継承者として自覚できるような教材を開発・発掘し、その知識・技術を培うようにする。

⑤同時に人類の歴史の進歩を支えてきた文化的側面を受け継ぐ自覚を促す教材の開発・発掘を行う。

⑥時代を超えて、特に同じ年代の若者の生き方を視野にいれた教材開発・発掘に系統的に取り組み、生徒の共感的理解がすすむようにする。

 おわりに

以上、ポイントのみを羅列してみました。本来は具体的に指摘しなければならないことがたくさんあるのですが、それでは膨大なものになってしまいます。また、この提案は、この間報道されてきた学校現場の問題の解決のための一つのたたき台に過ぎないものです。

 道徳教育の具体化は諸条件の異なる各現場の責任の範囲内で行われるべきで、そのことは多様な人間の育成をめざす道徳教育本来の趣旨からして当然のことです。従って、ポイントのみとしたのです。

 最後に、このようなメモをまとめる上で参考にした資料を掲載しておきます。

森田俊男『平和・国際教育論』(平和文化刊)

森田俊男『国連憲章・国際法を学ぼう』(平和文化刊)

二.四事件記録刊行実行委員会編『抵抗の歴史 戦時下長野県における教育労働者の闘い』(労働旬報社刊)の「第4章平和と真実をめざす教育―教育課程自主編成の闘い―」より

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国民の要求実現(実利)の救世主としての共産党の姿が全国津々浦々で浮き彫りになれば共感と支持・陣地は!

2013-03-18 | 日記

「致命的な問題」を呈している共産党の活動路線の抜本的改善について、前回記事をかきました。それは国民の要求実現の運動を「日常的に」取り組むことでした。

 そこで共産党の規約には、要求実現の責務について、以下のように述べています。

党は、創立以来の「国民が主人公」の信条に立ち、つねに国民の切実な利益の実現と社会進歩の促進のためにたたかい、日本社会のなかで不屈の先進的な役割をはたすことを、自らの責務として自覚している。

支部の任務は、つぎのとおりである。
 (一) それぞれの職場、地域、学園で党を代表して活動する。
 (二) その職場、地域、学園で多数者の支持をえることを長期的な任務とし、その立場から、要求にこたえる政策および党勢拡大の目標と計画をたて、自覚的な活動にとりくむ。(引用ここまで)

 そして、共産党の第25回大会では、要求について、以下のように述べていました。

第一の任務は、国民要求にこたえて現実政治を前に動かすことである。国民の切実な要求から出発し、現実の政治を一歩でも二歩でも前に動かすために力をつくすとともに、要求の本格的な実現のためには「二つの異常」をただす根本的な改革が必要であることを、明らかにしていく。そうした見地で、各分野で、旧来の政策のどこを転換すべきか、それぞれの「要」をにぎったたたかいが重要である。(引用ここまで)

 どうでしょうか?要求実現運動が、まず最初に掲げられていることに注目する必要があることは明瞭です。その要求を実現するためには、それを阻む国政上の「二つの異常」をただす根本的な改革、そのためにも、各分野で旧来の政策のどこを転換すべきか、「要」をにぎったたたかいが重要、と大会で決めているのです。

 しかし、実際のところ、「要求実現」の「たたかい」はどうでしょうか?

 以下の「赤旗」の記事は、そもそも愛国者の邪論で掲載してあったものです。

安倍所信表明にみる空元気の裏のブラックニッポンで総うつ状態と瀕死のニッポンへ!危険な道邁進に大喝!

http://blog.goo.ne.jp/aikokusyanozyaron/e/3797387f7e15ce141d8b4736b049aa0b

 しかし、以下の「赤旗」の記事にまとめられた時、「ちょっと違うな」と思いました。それは、

1.確かに賃上げを要請する記事ではあるけれども、「提言」の意図は、赤旗の意図とは違っていること。安倍政権への応援メッセージなのです。国民要求を大事にして失敗をするなというメッセージなのです。

2.「赤旗」の記事の意図は賃上げを主張している共産党の政策の優位性が富士総研のエコノミストでも言っているということを強調しているのですが、そういう面は持ちながらも、全く違っていると思います。

3.「赤旗」が、このエコノミストの「提言」から学ぶべきところは、違うところにあるように思います。安倍政権応援メッセージを学ぶべきは共産党にあるように思いました。

 ということです。以下その点についてまとめてみます。

 「安倍新総理は賃上げに動くべきだ」 富士通総研のエコノミストが提言 (2月2日)

 「安倍新総理は賃上げに動くべきだ」と題する提言を、富士通総研エコノミストの根津利三郎氏が同研究所のホームページに1月29曰と30日付で連載しています。 日本が長期の「デフレ」に悩まされている原因について、根津氏は「日本だけが傾向的に賃金が下落し続けているからである」と指摘。「いくら金融政策を緩和しても賃金が上昇しなければ、デフレ脱却はできない」と述べています。また、「アベノミクスは根拠の疑わしい論に基づいたものであり、長続きしない可能性が高い」として、「もっと力強い経済成長にするために必要なことは、賃金の引き上げである」と結論づています。 賃上げのメリットについて、根津氏は「収入が安定的に増えるということになれば、消費は拡大し、経済成長につながる。国民の過半数を占める勤労者の給与所得が拡大することで初めて本格的な成長シナリオが描ける」と主張しています。(引用ここまで)

繰り返すな、6年前の誤り (1) - 安倍新総理は賃上げに動くべきだ

http://jp.fujitsu.com/group/fri/column/opinion/201301/2013-1-6.html

国民の関心は常に自分たちの暮らしぶり

なぜ安倍氏率いる自由民主党は、あの時点で選挙に大敗したのか? それを想い起すことは今の安倍総理にとって極めて重要である。先に結論を言えば、あの時、企業だけが豊かになり、国民の生活が良くならなかったからである。選挙で最大の争点は国、時代に関わりなく、いつも国民の生活ぶりだ。米国では “Are you better off ?”とか“It’s economy, stupid.”とか、大統領選挙戦中に吐かれた有名な台詞がある。前者はレーガン大統領(その時点では候補)のもので、「あなたの暮らしは良くなりましたか?」という意味だが、彼は現職のカーター大統領の弱腰外交を批判することで支持を勝ち取ったのではない。国民の生活に対する不満に訴えたのだ。後者はクリントン氏のもので、意訳すれば「国民にとって大事なのは経済だ。そんなこともわからないのか、このばか者」という意味である。対抗する共和党のブッシュ大統領(父)はイラク戦争で見事な勝利を収め、国民的人気も高かった。そのブッシュには勝てないのではないか、と質問されたときの彼の答えだ。いつの時代も選挙の結果を左右するのは経済、なかんずく国民生活だ。…安倍氏は7月には参議院選挙を迎える。経済を良くしておくことは勝利に向けての必須要件だ。彼は2006年9月に人気の高い小泉元総理から総理ポストを禅譲された。自ら勝ち取ったものではないから、翌年夏の参議院選挙はリーダーとしての資質を試す初めてのテストであった。結果は歴史的大敗となったが、この前後の日本経済をよく観察すると、なぜ選挙に負けたかだけでなく、今の状況が6年前と次第に似てきていることがわかる。

絶好調でも良くならなかった国民生活

第1次安倍内閣の時期、企業収益も株価も持ち直した(【図3】、【図4】)。特に株価(日経平均)は前任の小泉内閣の初期に8000円割れしたものが、その後上昇を続け、2007年5月には18000円の大台に達していた。まさに選挙をやるには絶好のタイミングであった。だが、このような一見良好に見えた経済データの裏で国民の不満はむしろ高まっていた。何が起こっていたのだろうか?

この時期、日本企業の多くは1990年代のバブル崩壊の後遺症に悩んでいた。企業は成長することよりも、バランスシートの改善、言い換えれば不良資産の整理に必死であった。設備投資は抑え、正規職員を非正規に置き換え、賃金コストの圧縮に邁進した。拡大した企業収益は借金の返済に回され、あるいは内部に溜め込まれた。これでは需要は盛り上がるはずがない。それでも成長できたのは外需が堅調だからだ。【図5】はこの間の賃金の動向を示している。戦後最長の景気回復の期間を通じて、賃金は下落し続けた。非正規労働者の割合は高まり(【図6】)、労働分配率も下がり、ちょうど安倍内閣のときに最低水準に落ち込んでいる(【図7】)。国民は企業サイドの好景気を一方で耳にしながら、自分たちの生活が一向に良くならないことに不満を感じ始めていたのである。

その頃「実感なき景気回復」という言葉が流行ったのはこのような事情があったからだ。それでも小泉内閣の時代には郵政の民営化など、既得権と戦う姿勢も見られ、改革の効果がいずれ出てくるのではないかという期待もあった。しかし、安倍内閣になるに伴い、そのような改革への情熱は薄れ、代わりに安全保障など国民には必ずしも優先度の高くない課題に議論が移っていった。こうして一見絶好調の経済情勢にありながら、民意は離反し、選挙では歴史的な敗北を喫してしまった。(引用ここまで)

 どうでしょうか!?それでは以下述べてみます。

このエコノミストの指摘は、「二つの異常」の暴露と解説、転換に軸を置く共産党の政策と消費税増税反対・TPP参加反対など、国政上の課題・争点には取り組むものの、地域・現場に生きる国民の諸要求実現運動に力を入れているとはいえない、具体的な諸要求実現運動を重視していない共産党の活動のあり方に示唆を与えていないでしょうか?

 要求の実現には「改良」と「改革」の二つの区別と関連を握って話さない運動が必要であることは、70年代初頭に開かれた第11回党大会でも言われてきたことです。その考え方を、今使うとすれば、地域や職場・学園で暮らす国民の多様な要求を拾い上げ、政策化し、宣伝し、行政や業者や当局、国に持ち込む運動を多面的に行うことでしょう。

 こうした活動が、議会ごとに、議会に持ち込まれるようにしているかどうか、行政に持ち込んでいるかどうか、ここが最大のポイントです。その際に「住民とともに」は原則です。そのためには系統的な宣伝が必要です。ビラをつくるためには、それなりの事実を集めなければなりません。地域や職場、学園での全戸配布や会社の門前ビラや駅頭宣伝など、多様な宣伝をすることで人々に報せていく活動です。

 こうした活動が目に見える活動として住民や労働者や学生の中に写っていった時、共産党への信頼と共感は確実に広がっていくでしょう。こうした活動が全国津々浦々で行われるならば、マスコミの垂れ流す大本営発表、共産党隠し・共産党はずしの報道に痛打を浴びせることになることも確実です。

 以上のような活動の間隙をぬって、マスコミはデマと日米軍事同盟深化派のイデオロギーを振りまいているのです。そうした策略にも国民目線の批判を展開していくことができれば、運動の前進は確実でしょう。「赤旗」が、そのような活動を拾い上げていくことでこそ、部数が増えるのではないでしょうか?地域や職場や学園の運動の発展にとって必要不可欠の情報を提起上する「赤旗」であれば、読者も増えていくのではないでしょうか?

 議員のお願いなどによる「義理」購読も必要なことは必要でしょうけれども、「増やして減らす」原因である義理購読・短期購読の現状を克服していくためにも、「要求実現運動に役立つしんぶん赤旗」というコピーこそ必要な視点ではないでしょうか?

 単なる「読みもの」では「読みきれない」「忙しい」「カネがない」などの理由で、短期契約読者として購読を中止することになるでしょう。今新聞を読まない国民が増えてきているのです。新聞がなくても情報が手に入る時代です。また新聞に書かれている情報がなくても生きていける。間に合うような時代状況があるのです。

 だからこそ、「赤旗を読めば実利が得られる」というコピーです。今必要な視点は!「赤旗」を読むということは、カネを出して買って貰うのです!そのあたりはシビアーですよ!「真実を伝える」は確かにそういう面はあるかもしれませんが、上から目線です!やはり「暮らしに役立つ新聞」「読んで得する新聞」というコピーと事実と実感です。必要なことは!

 以下の世論調査をみると、明瞭です。

テレビ・新聞など、大手マスコミの垂れ流すイデオロギーどおりの世論調査が出され、それで、政策の決定と推進が行われる。悪い結果が出ても、その段階で、悪政の再編が、同じように行われるのです。

TPP「評価」60%、内閣支持72%…読売調査

http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20130317-OYT1T00760.htm?from=top

本社世論調査:TPP交渉63%支持 安倍内閣支持70%

http://mainichi.jp/select/news/20130318k0000m010093000c.html

TPP参加表明「評価する」71% 朝日新聞世論調査

http://www.asahi.com/politics/update/0317/TKY201303170178.html?ref=reca

 この垂れ流しの背後にどんな装置があるか、こことの対決を視野に入れたイデオロギー闘争と実際の運動による運動の正当性の拡大をどのように展開するか、です。共産党の支部を中心とした草の根の果たす役割は大きなものがあるのですが、共産党の関心事は、「党勢拡大」を自己目的にした活動が行われているのではないでしょうか?

 日常的に国民の要求実現運動の絆を深めることでマスコミの垂れ流す日米軍事同盟深化論のイデオロギーと「白兵戦」をおこなう支部ががっぷり四つになれるか、そこから寄り切っていけるか、あるいは打っちゃっていけるか、それは日常的な要求実現運動の稽古ができているかどうかにかかっているのです。

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「致命的な問題」を呈している共産党の活動!考え方(活動路線)を抜本的に変えなければ参院選は厳しいゾ!

2013-03-17 | 日記

今日の「赤旗」の「党活動」版を読んで、このままでは、本当に共産党は社民党のようになってしまうだろうと思いました。社民党よりは、裾野が広いことは事実ですが、この「党活動」版を読んでいると、共産党の日常活動は、旧態依然とした活動に陥っています。国民目線の厳しさに対応した活動にはなっていません。まさに「致命的な問題」と言えます。だからこそ、敢えて記事を、またまた書くことにしました。

 これまでの参考記事は以下のとおりです。

共産党の綱領の未来社会を先取りしている未来工業!会社の主人公は労働者が貫徹されている!学べ共産党!

http://blog.goo.ne.jp/aikokusyanozyaron/e/6befcda4f876fa19edb2975c18e6cb7f

共産党が参議院選挙で本格的な反転攻勢を実現することは難しい!6中総の総括と方針は肝心なことがない!

ttp://blog.goo.ne.jp/aikokusyanozyaron/e/47c805369750eb947c26aa6d3c12a577

共産党は総選挙の後退=敗北に真正面から向き合った総括ができるか?!「党旗びらき」の志位発言に大喝を!

http://blog.goo.ne.jp/aikokusyanozyaron/e/b1b5cd7f20e054b5ac28d9924559d2e6

 

まず、「赤旗」を読んだ感想的意見について、です。

1.毎日毎日対話と支持拡大、「しんぶん赤旗」の拡大と党員の拡大のための活動をしているように思います。

2.「結びつき」を生かす活動、「溶け込み結びつく」活動も、対話と支持拡大、赤旗拡大と党員拡大のための活動という印象です。

3.これらの活動の全ては参議院選挙の公示日(7月4日予定)をめざして行われているようです。

 しかし、こうした活動はどうなんでしょうか?大いに疑問を感じます。理由は、

 1.党員の生活は、多様で、「これらの活動のため」に、いわゆる「国民」、友人や職場や地域の人たちと生きているのではないからです。

2.ということは、日々の生活は、いわゆる「国民」とのお付き合い、肌と肌のふれあい、ご近所のお付き合いは多様であることを抜きに、いわゆる「国民」を支持や赤旗、党員の対象者として捉える性癖がにじみ出てしまっているからです。

3.いわゆる国民との「溶け込み」「結びつき」は、日常生活を豊かなものにするためのものであるはずです。

4.選挙で支持をしてもらうため、「赤旗」をとってもらうため、党員になってもらうためなどという、「下心」をもった「溶け込み」「結びつき」ではないはずです。

 「減らさず前身〟―なんとしても2月から日刊紙も日曜版も必ず」(2月26日)と叱咤激励がなされても、「日刊紙読者で364人、日曜版読者で2906人の後退」(3月2日)してしまいました。日刊紙では23都県、日曜版では39都道府県が後退したことになります。党員拡大では200人を超える人が入党したようですが、6中総後に党員を迎えた支部は0.7%だったとのことです。

 この「成果」「結果」は何を物語っているのでしょうか?情勢は「党の道理ある主張と国会論戦などが大きな力になって、政府や財界を動かし、賃上げの流れをつくりだすなど、『変革者の党』として実際に政治を前にすすめる役割を果たして」いるというのに、です。

 ところが「6中総決定を読了、討議し、決定の核心をつかんだ支部や党員のあいだでは大きな確信が広がり、選挙勝利にむけた意気高い実践が始まっています」とあるように、成果をあげている県や地区や支部があるのですから、可能性は十分あるというのが中央の見解でしょうか。

 ということは、「大きな確信」が広がっていないところは、6中総の決定の核心をつかんでいないということになるようです。だからこそ「6中総決定の全党徹底を促進し、決定の中心点を深くつかむこと」を強調しているのでしょう。

 しかし、以下の一連の訴えを読むと、細々とした手立てのことばかりが事例として提起されているのです。ということは、こういう細々としたことがきちんとできていないから、成果が上がらないのだということを強調しているようでもあります。

 こういう状況が、今後も続くことは、2月9日、10日の会議以降の、下記の一連の文書と「党活動」版をみると、判ります。その最大の問題は、国民の切実な要求実現の運動を全国各地の支部が取り組んでいるかどうか、全くと言って良いほど見えてこないからです。

 三重・南部地区 谷中三好委員長のレポート「大紀町議選勝利・2月読者前進 6中総が大きな力に」(3月3日)を読んでも、4年間の町議の活動や「住民要求実現」の事実はありませんでした。あるのは5人の党員を迎えたこと、その党員がつながりを生かした支持拡大に取り組んだこと、日曜版で有権者比2.76%の陣地をつくり、支持拡大に取り組んでくれる読者も広げることができたこと、候補者を先頭に取り組む、告示日の時点で得票目標の1.6倍の支持拡大を行ったことが勝利する大きな力となったことなどが、レポートされているだけです。共産党三重県委員会のHPには、以下のように要求実現運動が掲載されていました。

http://www.jcp-mie.jp/senkyo/130123-140648.html

 昨年の総選挙比例票比で247%、前回町議選比で127%だったとありますが、逆に言えば、町議選の支持票が国政選挙でどれくらい獲得できたか、問題です。国政選挙のデーターはわかりませんでしたが、町議選については、ありましたので掲載しておきます。事実は結構厳しいものがあったようです。出馬さんは最下位でわずか23票差でセーフでしたので・・・。

 

2013年

2009年

2005年(合併直前)

投票率

85.01%

90.07

91.85%

有権者

8599人

8176人

8799人

大東政司

535

294

403(大宮選挙区)

出馬ます子

302

364

279(大内山選挙区)

http://go2senkyo.com/elections/2011091310379.html

 さて、愛国者の邪論が問題にしているのは、以下のことです。

1.共産党の議員とか支部とか、党員とかが、住民の様々な要求をどのようにして実現しているか

2.例えば、3月議会にあって、地域の支部が議会にどのようにして要求を持ち込んでいるか、

3.そのために地域の支部は、要求を把握するためにどのような活動をしているか、

4.把握した要求は、どのようにして住民全体のものにしているか、

5.全体のものにした要求を、住民と一緒になって、どのように実現しようとしているか、

 こうした地域に根をはった活動が日常的に取り組まれてこそ、共産党に対する信頼が得られるのではないかという問題意識です。こうした活動が粘り強く行われていれば、メディアをとおして流される共産党はずしの情報に楔を打ち込むことができるのではないかと思うのです。

 こうした運動こそが、目の前の実利を求める住民の期待に応えることができること、いわゆる新自由主義化の地域においては、住民要求は複雑・多様・深刻なはずです。だからこそ、大所の訴えが効果的になるのだと思います。

 もそも、国民の生活は、国会の立法化、自治体の条例化によって決まるものです。愛国者の邪論の住む自治体では国民健康保険料の値上げが条例提案されました。12月議会で資料説明があり、今回具体的に、一人あたり約8千400円、一世帯あたり1万5千円の値上げです。しかし、この事実について、多くの市民は見過ごしているのです。4月より値上げ額が通知されてはじめて驚くのが実態です。

 本来であれば、世帯数で43.5%、被保険者数で33.1%が加入しているのですから、共産党が住民に報せ、署名集める、議員に条例に賛成しないように運動する、市長に要請する活動などを展開すべきところです。しかし、議員任せというか、オトナシなのです。

 こうした共産党は全国各地にあるのではないでしょうか?赤旗を見ている限り、支部の活動が、ほとんど見えてきません。支部の党員の皆さんは、日々地域で暮らしているわけですから、いろいろな結びつきがあるはずです。この結びつきのなかで、国保料の値上げの話が出てこないはずはありません。

 この値上げの大本は、国家からの補助が半減したことが最大の原因です。新自由主義政策です。健康不安に刈られている高齢者、特に国保は退職者が加入するものですから、年々増えてきています。趣味などの「つながり」「むすびつき」のなかで、政治が入り込んでくるというのが、今日の情勢です。要求が渦巻いているのは、この政権が続く限り、悪政が迫ってくるのは必至です。国民生活が、自公政権でも圧迫されるのは明らかです。

 こういう時だからこそ、国民の要求実現で頑張ればというのが愛国者の邪論の考えです。ところが、一連の文書や党活動版には、このような視点と運動の経験はほとんどありません。これではいくら「いい政策」を掲げていたとしても、「口では上手いこと言っている政党」「選挙が終わればどの政党も議員も同じ」という政治不信=国民意識を変えることはできません。

 共産党は、今国民が何を共産党に求めているか、1千万人アンケートを全国津々浦々でやってみれば、本当の世論が見えてくると思います。それを全国の図全ての支部が実践するのです。地域に住む住民の要求を根こそぎ拾い上げる活動です。一連の文書にあるような情勢を語るのではなく、共産党についての御用聞きをやったらどうでしょうか?

 それに成功すれば、参議院選挙の躍進は確実です!未来工業の経営の真骨頂は、ユーザーの耳に傾け、良い商品をつくることでした。今共産党が国民にとって良い商品を提供するということは、国民の要求を根こそぎ拾い上げ、一つ一つ実現する活動を一心不乱に取り組むことです。これが国民が共産党の商品を買うということです。日本共産党株式会社の社員(党員)は、この国民のために活動するという商品価値に磨きをかけ、それを売るために「考えぬいた」活動を展開することです。要求は地域にゴロゴロしているのです。地域に草の根をはるということは、地域にゴロゴロしている地域の要求を実現することなのです。職場でも、学園でも同じではないでしょうか?

 学園であるならば、ブラック企業問題の解明は必須条件ではないでしょうか?職場であるならば、労働組合の活動を労働者の要求実現のために機能させるということでしょう。組合がなければ組合をどうやってつくるかの活動でしょうか?この問題については、以前ロムさんから宿題を出されていますので、後日ということにします。

 以上のような活動を展開しない共産党は、中国や北朝鮮と、さほど変わらない党として、他の政党と同じように実現性の乏しいことを言っているだけの政党と見られるでしょう。それが日米軍事同盟深化派の共産党隠し・はずし、孤立化戦略なのです。こうした戦略に対応した活動の発展こそ、事態を打開していくのだと思いますが、見ている限り旧態依然です。

 投手と打者の駆け引きのない野球のような活動が、今の共産党の活動でしょうね。或いは出ると負けのサッカーチームが、練習方法も、試合の進め方も同じやり方でたたかっているようなものです。相手の戦略と戦術に噛み合う試合のやり方を、そのためには、どんな練習メニューが必要か?そのためには、選手個人はどのような個人練習が必要か、そのためには、監督やコーチはどのようなアドバイスをする必要があるか、会社はどのようなサポートをするか、などなど、検討すべき課題は具体的で、多様です。 

切れない包丁は研ぎなおすか、交換するしかない!研ぎ方にもいろいろあるが・・・。

それでは、「赤旗」に掲載された叱咤激励文をお読みください。

 

減らさず前身〟―なんとしても2月から日刊紙も日曜版も必ず  (「赤旗)2月26日)

 いま全国の党組織は、18日の全国機関紙部長会議をうけ、このまま推移したら、〝致命的な〟問題になりかねないと読者拡大の現状を直視して、とりくみの強化を急速にはかりつつあります。しかし、今月の前進のためには、残る数日間の大奮闘がどうしても必要です。

 安倍首相が、日米首脳会談で、TPP(環太平洋連携協定)交渉参加、沖縄での新基地建設、原発の再稼働と推進などについて異常な対米従属ぶりを示したことへの怒りと不安が広がっています。巨大メディアが、「首相の姿勢を評価する」などTPP交渉参加をせき立てる社説をいっせいに掲げているなかで、「国民の利益に背く対米誓約は許されない」(志位委員長談話)という立場で論陣を張る「しんぶん赤旗」の役割の重要性は明白です。国民の利益を守り、国民のたたかいのよりどころ、「赤旗」の値打ちを語って大いに購読を訴えるときです。減らすわけにはいきません。

 今月前進への展望を切り開きつつある党組織に共通するのは、選挙勝利をすえ、「この2月前進するかどうかは重大問題。必ず結果をだし、自信をもって3月を迎えよう」と前進への構えを明確にして、6中総決定を全支部が討議・具体化する、とくに「六つのよびかけ」の討議を重視して、結びつきに光をあて、ただちに購読を訴える活動を促進していることです。地区役員が手分けして支部を援助し、実践の先頭に立っています。

 いまある結びつき―後援会ニュースを届けている人、元読者、総選挙で支持を訴えた人などに、決意を新たに働きかけて増やしている支部があります。趣味の仲間、同窓会など〝マイ名簿〟に働きかけて、「赤旗」を読むのは初めてという読者も生まれています。「読者を増やしても票を減らした」という意見には、「拡大に問題があったのではなくて、読者と溶け込む努力がどうであったかが問われている」と論議を深め、一気に読者を増やした議員や支部も生まれています。連日、到達点を明確にし、これまでの定石はすべてやりつくす立場で、思い切って日刊紙、日曜版拡大の独自の手だてをつくしましょう。最後まで全支部への6中総決定の討議・具体化と全支部前進

を訴えながら、支部の活動を広げるための手だてをつくしましょう。機関や議員、候補者が先頭に立ち、拡大では常に先進的な役割を果たしている支部、党員の奮起が決定的です。ためらうことなく率直に提起しましょう。(党建設委員会)

 

2月の党勢拡大の結果について

6県70地区で日刊紙・日曜版前進 全党的には後退 半数の県・地区で日刊紙前進

 第6回中央委員会総会決定の討議・具体化をすすめ、それを力に、「しんぶん赤旗」の読者拡大に力をつくし、「″減らさず前進″-なんとしても2月から」「日刊紙を守ろう」と奮闘し、1月を大きく上回るとりくみになりましたが、日刊紙読者で364人、日曜版読者で2906人の後退という残念な結果になりました。日刊紙では過半数の24道府県と141地区が、日曜版では8県と111地区が前進し、このうち日刊紙、日曜版の両方とも前進したのは6県、70地区でした。

 安倍首相が、日米首脳会談で、TPP(環太平洋連携協定)交渉参加、沖縄での新基地建設、原発の再稼働と推進などについて異常な対米従属ぶりを示したことへの怒りと不安が広がり、巨大メディアがTPP交渉参加をあおるなかで、国民の利益を守り、国民のたたかいのよりどころである「赤旗」の値打ちを語って読者拡大にとりくみました。6中総決定と「六つのよびかけ」を討議し、いまある結びつきに働きかけるとりくみを強めるとともに、「マイ名簿」づくりで結びつきをつのよびかけ」を出し合い、参院選の協力とともに、「赤旗」購読を訴える活動が広がりました。

 党員拡大では、200人を超える人が入党しました。6中総後に新入党員を迎えた支部はO・7%です。和歌山・紀北地区は13%の支部で7人を党に迎え、長崎・五島地区では、2月3日投票の市議選をともにたたかった支持者4入が入党しています。読者や後援会員をはじめ結びついている人を「集い」や演説会に誘い働きかけて党に迎えています。

 また、6中総が提起した「青年の集い」を開き、若い世代を党に迎える経験が生まれるとともに、職場支部が結びつきに粘り強く働きかけ、教職員、保育士、医療労働者などを党に迎えています。

 参議院選挙まで4ヵ月、都議選まで3ヵ月と迫った3月、全国の党組織は、全党員に6中総決定パンフレットを届け、しっかり身につけ、参院選勝利にむけた「六つのよびかけ」を具体化し、党勢拡大でも3月こそ本格的に上げ潮をつくり出そうと構えています。(3月2日)

 

「全国は一つ」で結びつきを生かし対話と支持拡大の3月目標をめざしただちに足を踏み出さそう(「赤旗」2013年3月12日)

 参議院選挙の公示日(7月4日予定)まで4ヵ月、都議選まで3ヵ月を切りました。6中総は、「対話と支持拡大に、選挙直前にならないと力が出ないという悪弊を今度こそ克服」することを強調しました。「適切な節目標を決めて具体化し、ただちに臨戦態勢を確立してやりぬく」と、6中総が訴えた活動のなかでも、これは、特に重視すべき課題です。

 各県が決めた3月末の対話と支持拡大の到達目標の合計は、対話405万、支持拡大270万ですが、先週の到達は、各50万、99一万と大きく立ち遅れており、一気に現状を打開することが求められます。

 6中総は対話と支持拡大を、「『いまからただちに』『繰り返し』『固めつつ広げる』という立場でとりくみましょう」と提起しています。毎週、対話と支持拡大で前進している党組織に共通しているのは、「集金での対話も集約するなど意識化をうながし、読者拡大の報告があっても対話の報告がない場合にはごちらから聞いている」ことです。ある県では、支部が記入できる大判の「参院選必勝計画」表を作成し、六つの活動の節目標を記入し、意識化できるよう援助しています。マイ名簿(個人としての結びつきの名簿)をつくるとりくみも、名簿のサンプルを示して促進をはかるなど、創意的な活動も生まれています。

 TPP(環太平洋連携協定)や消費税、原発や米軍基地問題など、要求や課題--対話の対象は無限です。すでに対話用ビラとして「しんぶん赤旗」2・3月号外、「賃上げ・雇用アピール」や参院比例代表候補5人を紹介した「全国後援会連絡会ニュース・特別号」も届けられています。こうした宣伝物も活用し、対話と支持拡大、党員と「しんぶん赤旗」読者拡大を大きく前進させましょう。

 対話をすすめるうえでは、支部が持っている支持者台帳や後援会員名簿に総当たりすると同時に、「国民に溶け込み結びつく力」という角度から、結びつきを生かして「全国は一つ」で「マイ名簿」をつくり、対話と支持拡大、党勢拡大をすすめることが大切です。すでに「支部長が率先してマイ名簿づくりを始めた。自治会員や職場の同僚、保育園・PTA・学童保育のつながりなど約200人になった」経験、「趣味のサークルや年賀状をやりとりしている人を名簿にした」経験も広がっています。

 また、有権者の動向の変化にそくして、新しい結びつきを広げようと、「ブログに挑戦」、「初めてツイッターでつぶやいた」「フェイスブックを通じて、50年ぶりに中学の同窓生から連絡がきた」などの経験も生まれています。

 「国民に溶け込み結びつく力」を発揮し、結びつきに依拠した対話と支持拡大、党勢拡大にただちにとりくみ、3月目標を必ず達成しましょう。(参議院選挙闘争本部)

 

6中総決定を力に、「溶け込み結びつく力」を強めつつ、3月目標を必ずやりぬこう

3月16日 参議院選挙闘争本部

 3月もすでに中盤に入りました。都議選、参院選は期日の決まったたたかいです。すべての党組織が、今月を、6中総が提起した選挙勝利の「六つのよびかけ」で飛躍する、特別に重要な月と位置づけて総力をつくす必要があります。そのために、自ら掲げた3月目標に責任をもち、臨戦態勢を確立し、逆算方式でやるべきことをやりぬくために一日一日、緊張感あるとりくみをすすめましょう。

 日本共産党の役割の発揮がいよいよ重大

 亡国の道をつきすすむTPP(環太平洋連携協定)への交渉参加表明、憲法96条改定策動の加速、米軍オスプレイの本土での低空飛行訓練の強行など、安倍自公政権は国民に背をむける悪政を次々と強行しようとしています。反動的逆流と真正面から対決する「防波堤の党」―日本共産党の役割はいよいよ重大です。同時に、〝賃上げと安定雇用こそ「デフレ不況」打開のカギ″という、わが党の道理ある主張と国会論戦などが大きな力になって、政府や財界を動かし、賃上げの流れをつくりだすなど、「変革者の党」として実際に政治を前にすすめる役割を果たしています。

 6中総パンフを活用し、一刻も早い全党徹底を

「足を踏みだすなかで悪政の矛盾を実感、大変革が求められる時代という綱領的確信をつかむ重要性が胸に落ちた」「『国民に溶け込み結びつく』提起こそ、多数者革命をすすめる大道であり、何よりも参院選勝利の最大の保障」―6中総決定を読了、討議し、決定の核心をつかんだ支部や党員のあいだでは大きな確信が広がり、選挙勝利にむけた意気高い実践が始まっています

 今度こそ、「決定で党をつくる」構えで、「6中総決定パンフレット」の普及に特別の力をいれてとりくむことが大切です。さまざまな意見や疑問がでた場合も、6中総決定を読み、深くつかむチャンスととらえ、その答えは「決定そのものにある」という立場で、その後の情勢や運動の発展・変化を紹介しながら、パンフを活用して理解を促進することを重視しましょう。そうしてこそ、6中総決定の全党徹底を促進し、決定の中心点を深くつかむことができます。

 3月目標達成へ、いま重視すべき点

 2月の全党的な活動のなかで、「国民に溶け込み結びつく」提起が活発に議論され、「マイ名簿」などを生かした多面的なとりくみも広がっています。この方向で努力すれば、対話と支持拡大でも、党勢拡大でも、「のびしろ」が大きくなると確信が深まっています。

 全国のすぐれた経験を全党に普及するために開催する、19日午後2時からの「『溶け込み結びつく力』・支部の経験を聞く会」を、党機関と支部のみなさんが「党内通信」で積極的に視聴し、目標達成の大きな力にしていきましよう。

 3月後半にむけて、6中総決定の徹底、「溶け込み結びつく力」を強めることを基本に、次の四つの点を重視して促進する必要があります。

 機関を先頭に党の風を吹かせて

 一つは、党機関や議員、候補者が先頭にたって街頭・駅頭などで、「しんぶん赤旗」を活用して、政治の焦点になっている問題や党の政策・役割を訴えるなど、宣伝活動を強め、〝党の風〟を大いに吹かせることです。「赤旗」2・3月号外、「賃上げと雇用のアピール」、参院比例候補5人を紹介した後援会ニュースなどを活用して、宣伝・組織活動を抜本的に強めましょう。

 決定をうけとめた支部が先進的役割を

 二つは、6中総決定を討議して「よし頑張ろう」と決意し、「六つのよびかけ」を具体化する自覚的な支部や党員が広がりつつあり、こうした支部や党員が、宣伝でも、対話と支持拡大でも、党勢拡大でも、「改革ビジョンを語り、日本の前途を語り合う集い」の開催でも、先進的な役割を思い切って発揮することが重要です。このとりくみを全地区、全支部の運動に広げていきましょう。

 「比例5人DVD」を思い切って活所

 三つは、自ら掲げた3月目標をやりとげるにふさわしい具体化と段取りを講じていくことです。これが決定的に重要です。そのさい、参院比例候補5人勢ぞろいの街頭演説のDVD(30分に編集)を活用した「集い」を、気軽にくりかえし開き、対話と支持拡大、党勢拡大の飛躍をかちとりましょう。

党勢拡大の前進には特別の努力を

 四つは、「溶け込み結びつく力」の根幹、土台である党勢拡大で、新しい党員を迎える支部を広げ、日刊紙、日曜版の読者拡大で必ず前進に転じることです。

 党勢拡大は節目標を決めても、手だてが不十分なままでは絶対にすすみません。党機関の責任でその具体化と段取りを促進するイニシアチブがどうしても必要です。「″全国は一つ”であらゆる結びつき」を生かして、党勢拡大の前進への流れをつくりだす活動を太く貫くとともに、試されずみの定石はちゅうちょなくすべて打ちつくすことが大切です。日刊紙読者の拡大には特別の意識性が不可欠です。〝力持ち党員〟が全党のけん引率の役割を果たしながら、全党に奮起を訴えていきましょう。この時期特有の読者の転勤・転居・異動対策に手だてをつくしましょう。

     ◇      

 都議選まで3ヵ月をきりました。参院選まで3ヵ月半です。いよいよ立ちあがるべき時です。6中総決定の徹底を強めつつ、自ら決めた3月目標を必ず達成するため、連日の推進態勢を確立して大奮闘しようではありませんか。(「赤旗」3月17日)

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安倍政権の不道徳は何故糺されないか!その歴史的要因をみる

2013-03-17 | 日記

TPP参加のための交渉参加を表明した3.15をキィーワードに安倍政権の弱者切り捨て=強者の不道徳ぶりをみてきました。その「ものさし」は日本国憲法の各条文に書かれている理念でした。この憲法が自民党政権によってどのように扱われてきたかをみれば、その不道徳ぶりの原因は明らかです。

 その不道徳ぶりを応援しているのは戦後の、そして現在のマスコミであることは、明らかです。政権に対してマスコミが一定の批判的報道をしているのは事実です。憲法擁護の報道をしているのも事実です。しかし、それらの報道が徹頭徹尾、憲法の民主的原則の立場からのものであるかと言えば、検証が必要であるというのが、愛国者の邪論の見方考え方です。政権を応援するマスコミの報道ぶりを一つひとつ検証してきたのは、そうした見方考え方によるものです。

 愛国者の邪論が、敢えてマスコミの立ち居地を問題にして、検証しているのは、戦前の歴史の教訓を踏まえているからです。そうした視点からみると、安倍政権の強者優先思想=弱者切り捨て論の不道徳ぶりを、さらに検証していく必要があるように思います。

 そこで、ある事実を紹介しておきます。『新しい歴史教科書〔改訂版〕』(06年扶桑社刊)の「69中国の排日運動と強調外交の挫折」のページに掲載されている以下の新聞記事、「東京朝日」の28年11月25日と29年1月9日、29年1月16日の記事です。まるで、今日の全国紙の記事を見るような感じです。

28年11月25日:「排日断行の命令 昨日国民政府の名を持って全国各行政機関に」

29年01月09日:「暴動化せんとする 漢口の排日運動 在留邦人を食糧攻の腹か 我が陸戦隊厳戒」

29年01月16日:「漢口の事態ますます悪化 邦人二名暴民に奪わる 便衣隊租界内に潜入し来り 検察隊と呼応し暴行 海軍集会所略奪さる」

(漢字は新字体に直しました)

 この教科書の編集者の意図は、そのまま中国・北朝鮮の「脅威」論と重なります。ということは、1920年代後半から30年代にかけて、日本のマスコミがどのような視点で、どのような情報を国民に垂れ流していたか、明瞭です。この編集者の意図と現在のマスコミ、日米軍事同盟深化派の意図、当時の日本社会の流れがぴったり重なることで、今後の日本がどのような方向に向かおうとしているのか、不道徳ぶりの極地の方向に向かおうとしていることは明瞭です。

 この「不道徳ぶりの極地」が、今日まで継続しているのは、以下の指摘を見ると明瞭です。

 林博史『戦後平和主義を問い直す 戦犯裁判、憲法九条、東アジア関係をめぐって
(かもがわ出版刊)

 「慰安婦」集めと二世、三世議員

 この「慰安婦」集めを担当したのが、内務省警保局警務課長と外事課長ですが、警務課長であったのは町村金五です。「新しい歴史教科書をつくる会」の教科書検定にあたって、その検定合格に便宜をはかった文部大臣であった町村信孝のお父さんです。町村課長は、その後、警視総監、衆議院議員、北海道知事、参議院議員、自治大臣にまでなります。父親がそのような行為をおこない、その息子が、それを隠す教科書に便宜を図り、その採択を進めた、という関連になります。

 安倍晋三元首相ですが、ご存知の通り、母方の祖父、岸信介は太平洋戦争を始めた東条内閣の商工大臣です。この内閣は中国人の強制連行を決めました。その責任者が岸です。

 麻生太郎は麻生財閥の御曹司です。現在では炭鉱はやっていませんが、麻生財閥の炭鉱では朝鮮人の強制労働などもおこなわれていました。

 児玉参上夫という人物がいます。戦時中、アヘンなどあくどい商売を続けてきた商人です。戦後、鳩山一郎が自由党、自民党の源流である政党をつくるわけですが、そのときの政治資金は児玉が出します。海軍など軍に取り入って儲けた政商が、このとき、政治資金を出すのです。

 非自民の連立政権の首相になった細川護煕、この人のお父さんは細川護貞といって近衛文麿の側近で、かつ近衛の娘と結婚しています。つまり細川首相は近衛の孫にあたります。近衛の側近の一人に高村坂彦という内務省の高級官僚がいましたが、この息子は現在の外務大臣です。いま、何人かを取り上げましたが、戦争中の国家指導者たちの息子や孫たちが戦後も日本の指導者であったし、またあり続けているということがわかります。

 二世議員が多いといわれていますが、単なる二世議員ではなく、戦前、戦中の国家指導者だちからつながっているということです。まさに戦前、戦中、戦後の連続性がこの日本にはあるということです。もちろん、二世、三世だから全部が悪いというつもりはありませんが、いずれにせよ、それらの影響を引きずっていることは事実でしょう。(引用ここまで

 「息子は現在の外務大臣」というのは、現在自民党の副総裁、外交再生戦略会議議長の高村正彦氏です。

 戦前、戦中の国家指導者たちが、戦後もつながっているのは何故か、です。その理由を象徴的に解明した本があります。原彬久『岸信介 ―権勢の政治家―』(岩波新書刊)です。

 これを読むと、昨日掲載した安倍首相の「大戦の総括は日本人自身の手でなく、いわば連合国側の勝者の判断によって断罪がなされた…歴史に対する評価は専門家に委ねるべきだ。政府が研究を行い意見を述べることは外交問題に発展する可能性もある」と国会答弁したデタラメさが判ると思います。

 しかし、ここで問題にしなければならないのは、毎日記者小山由宇氏の見解です。

「東京裁判に懐疑的な見方を示したことには中韓両国などのほか、戦勝国の米国から批判が出る可能性もある…「(A級戦犯は)国内法的には戦争犯罪人ではない」(首相は第1次政権)と明言しており、今回の東京裁判に関する発言が日米関係に影響する可能性もある」との見解です。

 これを読む日本国民は、どのような印象を抱くことになるでしょうか?「批判が出る可能性がある」から問題があるのではありません。これは日本自身の問題なのです。

 この手法は、印象操作であり、しかも極めてずる賢い意図的捜査と言えます。それは戦争責任問題が「中韓米から文句を言われるから良くない」という思考パターンを国民に植えつけることを意味しているからです。「戦争が終わっていつまで文句を言うのだ、いい加減にしろ、俺たちは直接の当事者ではないぞ」などなど、戦後世代が多数になってきたことを利用した日米軍事同盟深化派の策略に加担している典型と言えます。

 アジア太平洋戦争では加害者であるにもかかわらず、尖閣・竹島など中韓の主張を垂れ流すことで、いわば被害者への転換を画策しているのです。北朝鮮の拉致問題では加害者である北朝鮮を批判する目線は、ここにはありません。

 原彬久『岸信介 ―権勢の政治家―』(岩波新書刊)です。以下の部分を抜粋してみました。

 こうして彼は「娑婆ヘノ執着」(昭一・五・七)が、みずからのうちに頭をもたげつつあることを自覚しながら、一方で五月三日から開廷された東京裁判にたいしてきわめて強い反発と挑戦の構えをみせはじめる。岸が八ヵ月前、戦犯容疑者に指名されて田布施を離れるとき、長州出身で一高時代の恩師でもある杉敏介から、「名を惜しむなら命を捨てよ」という意味の「自決」を促す短歌を贈られる。岸はこれを拒否して次のような返歌を杉に届けている。「名にかへてこのみいくさ(聖戦)の正しさを来世まで語り残さむ」。

 すでに阿南陸相、近衛元首相が自殺し、東条はみすがらの胸に銃弾を撃ち込んで果てようとした(未遂)。しかし、岸が自害の誘惑に駆られた形跡は全くない。それどころか、今次戦争における日本側の「正当防衛」を主張し、みずからに理あるところを立証したいうのが岸の立場であった。したがって、岸が太平洋戦争を反省することなどありえない。もし反省があるとすれば、それはただ一点、「敗戦」そのものにたいする反省である。つまり敗戦の責任を背負うことこそ、みずからの人生五〇年の「最大の恨事」なのである(昭二一・一一・一三)。かくして「六月一四日」の項は、「余白ラ其ノ信念ヲ法廷二明瞭ナラシムル機会ヲ失ハシメラシ事ハ東条内閣ノー員トシテハ極メテ残念至極ト云ハサルヘカラズ」として、「釈放」への期待とはおよそ裏腹の心情を吐露することになるのである。…

米ソ冷戦という世界の大変動に際会し、強力な指導者による「統制と秩序」の独立国家日本を待望するというこの岸の姿は、戦前・戦中を貫く彼の本領が、敗戦後、獄につながれてなお健在であることを示している。しかも今後数年が日本再建の成否を決すると信ずる岸にとっては、「獄中無為二斯クシテ過ゴス事如何ニモロ惜シキ」(昭二一・八・一)となのである。幽囚岸信介の切切歯扼腕(せつしやくわん)のほどがわかろうというものである。

 いずれにしても岸からすれば、米ソ冷戦は日本にとってまたとない好機であり、その好機は「正に眼前に展開されんとしつヽ」(昭二二・九・二〇)あったわけである。なぜなら、「刻々深刻化しつヽある」米ソ冷戦の危機にあって、アメリカの対日占領政策の矛盾がいよいよ露呈してきたからである。

 岸は昭和二三年三月の日記でこういう。すなわち、アメリカは日本を民主主義陣営の単なる「衛星国」にとどめるのか、それとも「日本を駆って共産主義陣営に投ぜしめんとする」のか、その占領政策を「明確な目標の下に建直す必要に直面している」(昭二三・三・一六)というわけである。岸は、アメリカが対日占領政策を一目も早く断ち切って、「反共」のために闘う対等の「盟友」としで日本を遇すべきことを主張する。だからこそ、岸にとって米ソ冷戦というこの新事態は、「四・二九起訴」以後二年を経た東京裁判そのものの意義を「大半喪失せしめてゐる」のである。(昭二三・四・一七)

 かくして岸は、「防共障壁の日独を打倒し解体したる英米民主主義果して如何なる方策を有するか」(昭二二・一〇・七)として、アメリカを冷たく突き放すが、その含意は明白だ。米ソ冷戦にあってアメリカが「反ソ」・「反共」を推進していけば、必ずや同国が「防共障壁」日本を必要とするであろうことは自明だからである。まさに好機は「眼前に展開されんとしつヽ」あったわけである。…

「日本の出番」が「日本の好機」であり、「日本の好機」がとりもなおさず岸白身の「好機」であったことはいうまでもない。米ソ冷戦が進めばアメリカの対日懲罰が後退し、対日懲罰が後退すれば、戦犯容疑者にたいする追及の手もまた「四・二九起訴」をもって収束するのではないかという観測は、それ自体突飛なものではなかった。実際、岸は後年、次のようにのべている。「冷戦の推移は巣鴨のわれわれの唯一の頼みであった。これが悪くなってくれれば、首を絞められずにすむだろうと思った。したがって米ソの推移は非常に関心が強かった」(岸インタビュー)。(引用ここまで

 どうでしょうか?最大の問題は「みいくさ(聖戦)の正しさ」と天皇の戦争責任の免罪です。大日本帝国憲法の正当化です。

安倍首相の根拠である戦勝国の裁判、東京裁判と、それを受け入れたサンフランシスコ条約によって、日本の戦争指導者たちが、戦争責任を曖昧にしながら、戦後も温存されていったこと、同時に沖縄などを切り離し、生け贄にすることで「主権を回復」したことは紛れもない事実です。それを今、捻じ曲げて、日米軍事同盟深化のために利用しているのです。マスコミも、そうした手法に加担し、歴史の真実から日本国民を遠ざけ、憲法の原則を否定する方向に国民を導こうとしているのです。

 今後、東西冷戦下における東京裁判の不十分さを利用した姑息な思想を解明していくことが大切なような気がしますが、それは今後の課題としておきます。

 因みに東京裁判については、先に紹介したものの他に以下のものだけをあげておきます。今後関連して記事を書いていきたいと思います。

林博史『戦後平和主義を問い直す 戦犯裁判、憲法九条、東アジア関係をめぐって』
(かもがわ出版刊)

清水正義『戦争責任とは何か』(かもがわ出版刊)

中村政則『戦後史』(岩波新書刊)

山田朗『歴史修正主義の克服』(高文研刊)

岩波新書編集部『日本近代史をどう見るか シリーズ日本近代史10』(岩波新書刊)

朴裕河『和解のために 教科書・慰安婦・靖国・独島』(平凡社刊)

 安倍政権に象徴される不道徳を正していくためには、日本国憲法と同時に、国際法を参考にしていくべきだろうと思っています。特に以下のものをあげておきます。

 「国際連合憲章に従った諸国間の友好関係及び協力についての国際法の原則に関する宣言」(1970年10月24日に国連で採択)

戦争及び人道に対する罪に対する時効不適用条約」採択1968年11月26日に国連で決議・効力発生1970年11月11日・日本政府は上記決議を棄権)

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歴史的3.15の日に屈辱と従属、亡国への途を歩む不道徳安倍政権を糺し憲法的道徳の体現を問う!その3

2013-03-16 | 中国侵略と戦争責任

昨日3.15は1928年3.15事件のあった日です。この日のことは、ほとんど記事になることはありませんので、いくつかの事実を掲載しながら、安倍自公政権のウソとデマのイデオロギー攻撃と重ね合わせて、その今日的意味について、考えてみることにしました。

http://tamutamu2011.kuronowish.com/sanntennitigou.htm

 この3.15弾圧事件は、1925年3月にいわゆる普通選挙法と治安維持法を制定をうけて行われた1928年2月の第一回総選挙で労働農民党19万3047人で2人、社会民衆党12万39人で4人、日本労農党8万5698人で1人が当選したことに驚愕した政府が起こした弾圧事件です。

この時の二大政党は立憲政友会424万4885人で217人、立憲民政島425万6010人で216人と、圧倒的多数を獲得したのでした。いわゆる無産政党は圧倒的少数でした。

 この第一回総選挙に先立って27年9月から10月に東京、北海道などを除く2府37県で府県会議員選挙が行われました。結果は、政友会約271万票714人、民政党役240万票576人、革新党約3万票7人、実業同志会約2万票5人、大半が保守である無所属約69万票155人に対して、無産政党は、労農党約12万票13人、日本労農党約3万5千3人、社会民衆党約3万3人、日本農民党4万2千票4人、地方無産党約3万5人、合計25万8千票28人の当選者を出していたのでした。(藤原彰『日本民衆の歴史8』三省堂)

 さらに政府は、この3.15弾圧後の4月、労働農民党(労農党)と日本労働組合評議会に解散命令を出し、京大教授河上肇博士「左傾」五教授の大学追放、東大新人会、京大、東北大・九大社会科学研究会と北大読書会の解散など、一連の弾圧の後に提出」(塚本三夫『侵略戦争と新聞』新日本出版社)しました。

さらに6月、治安維持法の罰則規程10年を死刑に「改正」(実際は改悪)したのです。議会をとおさず、「緊急勅令」によってです。この勅令を発したのは天皇裕仁でした。

 この3.15弾圧事件は新聞によってどのように報道されたのでしょうか?上記に提示した資料の中に写真がありますが、以下のように報道されたのです。

「東京朝日新聞」は、「共産党の結社暴露し全国で千余名大検挙 過激なる宣言綱領を作成して 画策した一大陰謀」という見出しでした。その「朝日」は、「『緊急勅令の濫用も余りに甚しく、正気の沙汰とは思われず、暗黒政治の感益々深きを禁じ得ない』。憲法学者の美濃部達吉博士が、『緊急勅令の濫用』と題する論文を『朝日』に寄せてこう書いたのは、1928年(昭和3)5月19日のことであった」(『侵略戦争と新聞』)とあります。

3.15報道にみるように、実態としては天皇制政府の応援団としての立ち居地からの国民分断に与した報道をしていたことは明らかです。

 それでは「朝日」の記事にある「過激なる宣言綱領」とは何だったのでしょうか?この「宣言綱領」とは、いわゆる「二七年テーゼ」=「日本問題にかんする決議」のことでしょうか?

そこでこの「テーゼの」「六 共産党と労働組合 共産党と労働者の体臭組織 統一戦線の問題」の項目をみてみました。以下のように「日本共産党は、次のごとき行動綱領を提出し、次のごときスローガンをかかげなければならぬ」と「過激なる宣言綱領」を掲げていたのです。(『日本共産党綱領問題文献集』)

  一、帝国主義戦争の危険にたいする闘争。

  二、中国革命から手をひけ!

  三、ソビエト連邦の擁護。

  四、植民地の完全なる独立。

  五、議会の解散。

  六、君主制の廃止。

  七、十八歳以上の男女に普通選挙権を与えよ。

  八、集会・結社・団結等の権利、言論・出版の自由。

  九、八時間労働制。

  十、失業保険。

 十一、労働者抑圧法令の廃止。

 十二、天皇、地主、国家および寺社の土地の没収。

 十三、累進所得税の賦課。(引用ここまで)

 今日の日本国憲法体制下からみれば、この「過激なる宣言綱領」という「扇動」がどのようなものであったか、明瞭です。ここで言われている「プロレタリア独裁」の中身については具体的に語られていません。

 1925年3月普通選挙法制定に伴って誕生した無産政党は、27年5月より始まった山東出兵の継続に反対するとともに、小作争議や労働争議を支援していたのです。こうした動きが国民の間に広がることを恐れた天皇政府は「弾圧」という手段に出たのですが、国民の支持を取り付け、彼らを国民から切り離していくために、ウソとデマを流し、ペテンに掛けたのでした。この構造については、今日のマスコミと比較していく必要があるように思います。

 この事件後の30年代、柳条湖事件・満州事変から全面「戦争」へ、アメリカ・イギリス・オランダなど、連合国との最終決戦への道を突き進んで、「戦争の惨禍」(日本国憲法前文)を引き起こしていった構造についても、安倍首相の戦争責任認識と相俟って解明していかなければならないと思っています。その理由は、安倍首相の、以下の発言があるからです。

 安倍首相:「東京裁判は勝者の断罪」…米から批判の可能性 毎日新聞 2013年03月12日 21時23分

http://mainichi.jp/select/news/20130313k0000m010063000c.html

 以上のように、3.15弾圧事件の前後の日本国内の動きは、第一には、戦争に向かってどのようにして国民的支持をとりつけていったか。第二には、国民は何故戦争に加担していったか。第三には、国民世論を形成するうえで、マスコミや教育、文化など、イデオロギーはどのようにして戦争を準備していったか、それに対して、平和を求める国民の運動はどのように戦争イデオロギーと対峙していったか。

 このことの解明は、今日のTPPをめぐる国民世論の動向、日米軍事同盟廃棄か、深化か、普天間の撤去か、県外移設か、辺野古移設か、オスプレイ配備撤回か、横行か、原発再稼動か、原発ゼロか、などなど、国政上の課題の国民的選択についての解明に通じるのではないかと思うものです。

 これに対して、もう一つの3.15は、1945年3月15日、共産党の指導者市川正一氏が宮城刑務所で獄死した日でもあります。

市川は、1929年4月16日の、いわゆる4.16弾圧で逮捕されて以後、約16年間の獄中闘争を余儀なくされました。勿論拷問もありましたが、屈服することなく獄中闘争を展開しました。

 その様子は、同じ獄中にいた同志たちによって次のように伝えられました。市川は、栄養失調になり、歯を失ってほとんど食事もできない状態になりながら、コメを塗りつぶすようにして咀嚼しなくても良いようにして食事を取り、戦後の解放を目指してたたかっていたとのことでした。愛国者の邪論がこの話を聞いたのは、40年も前のことです。

 この事実は当然のことながらマスコミを含めてほとんど語られることはありません。教科書にも掲載されていません。

市川の死は、6ヶ月後の8月15日の敗戦、10月10日の政治犯釈放まで、あと、わずかでした。

 中国の人権活動家の様子について報道する日本のマスコミが、こうした日本の弾圧史に対して鋭いメスを入れることがないのは何故でしょうか?日本における人権と民主主義、平和構築に向けて命を懸けてたたかった人々がいたにもかかわらず黙殺されているのです。こうした社会状況が、安倍自公政権のような戦争責任の免罪を許していることは、ヨーロッパの事例をみても明らかです。

 治安維持法による被害は、「明らかな虐殺は65人、拷問・虐待が原因の獄死は114人、病気その他の理由による獄死は1,503人、逮捕後の送検者数は75,681人、未送検者を含めた逮捕者数は数十万人」(『文化評論』臨時増刊号1976年4月号)とあります。これらの「被害者」に対して加害者である国家は、戦後67年を経過しても謝罪も賠償も、国民教育もしていません。強力加担したマスコミも完全黙殺主義を貫いているのです。これぞ不道徳の典型といえないでしょうか?

 治安維持法犠牲者国家賠償要求同盟http://www7.plala.or.jp/tian/

 日本のマスコミは、中国の人権問題を繰り返し報道し、中国政府の人権無視ぶりを強調し、中国政府の軍拡と軍事行動をの脅威を振りまいて、「抑止力」論としての日米軍事同盟深化論を正当化しています。この「脅威」論を枕詞のように繰り返すことで、国民はマインドコントロールの罠にはまり思考停止に陥っていないでしょうか?

 このことは、あの3.15、4.16弾圧の際の「国賊・非国民」に対して「満蒙は日本の生命線」論が振りまかれ共産党とその支援者・反戦平和運動を展開する労働者・農民・学者などを孤立させ思考停止に陥ったことと同じものと言えます。

 もう一つは、「TPPは自由貿易にとって不可欠」論です。輸出産業の儲けを優先することで、他の部門を切り捨てる、いわば「弱者切り捨て」「自己責任」論の振りまきと同じです。

 この「弱者切り捨て」論は、いじめによる「自殺の防止策」として提言された道徳の教科化について、いくつかの社説が述べていたことを想起すると、その「道徳」論と真っ向から対立するものです。以下みてみます。

 道徳の授業で相手の気持ちを思いやる人間性を育むことは、いじめの未然防止に役立つだろう」(3月1日「読売」社説)

「学校や教育委員会の責任逃れや隠蔽体質も、正す必要がある…生命の尊さに気付かせ、共感力を養うことは教育の目的の一つではある。だが、それは道徳に限らず、さまざまな機会を利用して多面的に学ぶ方がより理解が深まるだろう…言い古されたことだが、多様性を互いに認め合い、寛容さを培う教育を目指すべき」(3月1日「河北新報」)。

「子どもが成長に応じて思いやりの気持ちや規範意識を身につけることは大切」(2月28日「東京」)だ。

「いじめの背景に、他者への共感性や想像力の欠如があることは間違いない…いじめが深刻化するメカニズムを丁寧に検討すれば、死に至るような要因をつぶすことは可能だろう」(3月5日「岐阜」)。

 どうでしょうか?

以上の言葉は「道徳」とは何かついて、ひとつの考え方を示しています。そこで、ここに述べられている「道徳」論を、そのまま、治安維持法の犠牲者を黙殺する国家・政府・政党・日本社会に当てはめて考えてみると、その「不道徳」ぶりが浮き彫りになると思います。このことはTPP参加によってマイナスの効果を受ける国民、基地の負担にさいなまれている国民、原発再稼動の立地地域の国民を切り捨てる国家・政府・政党・日本社会の「不道徳」ぶりも示していると思います。

 次に、最後に、市川正一氏が、31年7月の公判で語った意見の最初の部分を紹介しておきます。

これは、公判後『日本共産党闘争小史』としてまとめられ、戦前は非合法出版されました、戦後は大月文庫にまとめられましたが、世の中に出ることは極めて稀な文書です。したがって、「序論」全文を掲載することにしました。

 日本国憲法の道徳規範からすると、ここに述べられている諸事実は、「不道徳」の極地を示していると思います。こうした「不道徳」が、日本国憲法が制定されたにもかかわらず、継続しているのが、自由と民主主義の国ニッポンなのです。

市川に象徴されるたたかいは、憲法第97条の理念の裏づけを示しています。日本国民にとってみれば、輝かしい歴史的教訓です。

 愛国者の邪論は、10代の時、この文書を読み、憲法97条を読み、身体が震えたことを昨日のこととのように覚えています。

 序論

 われわれぱ日本共産党員であるがゆえに、このゆえにのみ、この法廷に立たされている。多くの同志は日本共産党員であるゆえをもって、また日本共産党のために活動したゆえをもって、ブルジョアから酷烈に追求され迫害され、逮捕され投獄せられ、そして長期の刑をうけ、あるいはブルジョアジーの白色テロのためにたおれた。私もまた日木共産党員であるがために、他の理由は一つもなく、ただそのゆえをもってのみ、この法廷に立だされている。

 その日木共産党、わが日本共産党は、はたして何をなしきたったであろうか。いまここに日本共産党の過去-われわれが逮捕されるまでの活動を具体的に述べて、このことをあきらかにしたいと思う。

…党史なるものは、われわれにとって、党にとって、したがってまた日本のプロレタリアートにとって、きわめて重要なものである。なぜなら、一国の共産党の歴史はその国における階級闘争の最高の経験と教訓とを集中したものだからである。もっとも階級意識のある、もっとも進んだ、もっとも鍛錬された労働者階級の結成、その闘争、その各種大衆団休内におけるまた党内部における活勁とそのはたしてきた任務、あるいは闘争の発展のうちにあらわれた種々の分派および分派活動ならびに党内に生じた諸問題-これらを総括して党史をあむならば、それはプロレタリアートの階級闘争の発展のうえに、革命運動の発展のうえに、きわめて貴重なものをあたえる。私は党史を軽んずるがためでなくて重んずるがゆえに、いまこのブルジョアジーのおこなう階級裁判のもとでは、重要な党史を述べる時機でもなく、また所で心ないと信ずるゆえに、ここに党史を述べることはしない。いまわれわれの念願とするところは、この階級裁判にたいする闘争をもって全休の階級闘争に参加し、日本プロレタリアートの運動の歴史の1ページをこの法廷における行動によってつくらんとすることである。

 この法廷は階級闘争の一場面以外のなにものでもない。日本の国家権力はこの法廷を、徹頭徹尾、階級闘争の場面たらしめている。見よ、法廷には巡査、憲兵、看守がみちみちているではないか、われわれは鉄の手錠によってはこぼれ、法廷に立てば発言を封ぜられ、ことごとに公開禁止をもってせまられているではないか。

 われわれを目して、法廷において大言壮語するというものかある。はたしてしかるか、いな。

われわれはいかなるばあいにも階級闘争をやめるはずはなく、つねに階級戦士としてブルジョアジーと闘争するものである。この階級的法廷に立ったときにも、まだ断頭台上の最後の瞬間においても、われわれ共産党員は階級闘争をやめるものでなく、つねにその先頭に立つ心のである。しかしながら、いま百人たらずの傍聴人をまえにして大言壮語もってみちたれたりとするものではない。われわれはこの法廷において敵から挑戦されている。酷烈な抑圧のもとに挑戦されている。この法廷において言論を抑圧するならば、われわれは一言もいう必要はない。われわれがこの法廷に立って毅然たることそれ自体が、大衆にたいする大きな宣伝となり煽動となることを信じている。われわれは、言論の抑圧を回避してその範囲で大言壮語しようなどという、けちくさい考えは毛頭もっていないのだ。ちかごろ聞くところによると、日本共産党をもっとも破廉恥な方法でうらぎった変節漢、解党派は、われわれが法廷でいたずらに大言壮語している、解党派はそんなことをせずに地下にもぐって闘争をするとかいっているとのことである。今日まで裁判長がわれわれ同志にたいしてとった言論圧迫の態度は暗々のうちに解党派の言と合致する。これははなはだ興味あることだ。法服の形をかりている日本ブルジョアジーの権力と解党派との合致をしめずものでなくてなんであろう。。

 壇上にある裁判長の背後にブルジョアジーの権力のあるごとく、われわれの背後には、一言も発することをゆるされず墓場の静けさをまもる聴衆を通じてすら、せまりつつある階級闘争の波が、広大なる大衆の闘争が、われわれを支援していることを直接に感ずる。われわれのここに述べることはブルジョアジーの挑戦にたいする絶対にさけることのできない、やむをえざる、かつ忍耐を要求される闘争であって、たんなる大言壮語をもって宣伝するというがごときものではない。われわれの背後にある大衆は、ブルジョアジーがわれわれに臨みわれわれを断獄せんとすることをはたしてゆるすべきかいなかを、もっともよくさきんじて判断するであろう。

 われわれは日本共産党の真実をおおわんとするものではない。プロレタリアはけっして真実をおそれない。共産主義者こそもっとも真実を愛するものである。真実をおそれ、または回避し、ゆがめるものは、大衆を抑圧し搾取し隷属せしめることによってのみ生活をたもつブルジョアジーと、そのブルジョアジーの尻尾についている社会民主主義者どもとである。彼らは日木共産党についてあらゆる恥しらずの虚偽、欺瞞、捏造をたくましうしている。われわれはこの虚偽、欺瞞、捏造をぬきだして党の真実をしめさねばならぬ。もちろん、党の機密事項および党の諸組織、ならびに党の諸機関の内部においてのみあつかわれるべき党内問題については、一言も述べるわけにはゆかぬ。それは、共産党の、プロレタリアートの利益のために、絶対に必要なことであるからだ。

 ブルジョアジーは日木共産党を火つけか泥棒か人殺しの団体かでもあるようにふれまわり、陰謀、大逆、売国、国賊とあらゆる悪名をおいかぶせ、極悪非道の憎むべき恐るべき心のであるとして、共産党員に極刑をもって臨んでいる。いな、それで満足するものでぱなく、もしできることなら、日木共産党員と日木共産党を支持する革命的労働者・農民その他の同情者を、法律とか裁判とかいうまがりくどい手続きなしに、みなうちころしてしまいたいと思っている。実際において、ブルジョアジーは法律をもって「合法的」に共産主義者を迫害しているだけでなない。彼らは「非合法的」にいっさいの手段をつかって共産主義者を迫害しきったし、また現に迫害している。

 かくのごとくブルジョアジーから極度の憎悪と酷烈きわまりない迫害とをうけている日木共産党は、はたしていかなる「悪事」をなしたであろうか、またいかなる「恐るべきこと」をなしたのであろうか。そのなしきたったことは、そもそもだれのために恐るべく、だれのために憎むべきであったろうか。日木共産党ははたしてなにものの敵であり、またなにものの味方であるのか、このことこそ真に問題である。

 三・一五以来日本共産党ぱ、あらゆる弾圧にもかかわらず、つねにますます発展しているのはなぜだろうか。十人の党員が逮捕されれば、百人、二百人の新しい党員がつぎつぎとあらわれて、ますますブルジョアジーの恐るべき敵となっている。共産党はなにゆえになにものをもってもころしえぬ不死身のものなのだろうか。それは、共産党はプロレタリアートの党であるからである。

 プロレタリア階級が存在するかぎりぱ、またそれが成長するかぎりは、その前衛たる共産党は存続し成長し発展するものなのである。

 プロレタリア階級は資本主義社会の産物である。現在の日本の社会は資本主義社会であり、資本主義の社会はブルジョアジーとプロレタリアート、この二階級の階級対立を根幹とする社会である。ブルジョアジーは社会的な生産手段を私有独占し、国家権力を掌握し、これによってプロレタリアートを搾取し隷属させている。プロレタリアートは、社会のすべての富を生産するにかかわらず、自分では労働力のほかなんら売るべきものをもたない。主人にして搾取者たるブルジョアジー、被搾取者にして賃金奴隷たるプロレタリアート、このあいいれない階級の対立している社会が今日現にある日本の社会である。かくのごとき階級社会の根本的な否定者、反対者、徹底的な革命的階級はすなわちプロレタリアートであって、資本主義社会を根底から掘りくずす歴史的任務をもっているのである。したがってプロレタリアートは過去の階級でなくして未来の階級である。未来はプロレタリアートのものである。プロレタリアートの党たる共産党は、ブルジョアジーのいっさいの支配の転覆、プロレタリアートの独裁の樹立、社会主義の建設という歴史的偉業の指導者である。それゆえに、共産党はプロレタリア階級の存在するかぎり不死身である。

 共産党がプロレタリアートの党たることはつぎのことを意味する。第一、人類の歴史において最後の階級社会である資本主義社会そのもののなかにふかく根をおろしているために、共産党は勝手気ままにつくったりこわしたりすることはできないものである、第二、共産党は労働階級の前衛であり、広範な労苦大衆のもっとも信頼すべき味方であるとともに、ブルジョア、地主らいっさいの搾取者の徹底的な敵であること、第三、共産党はブルジョアジーの規律、現在国家の法律に服従するものでなくこれに敵対するものであり、ただ国際的プロレタリアートの規律―これはけっして抽象的なものでなく、もっとも具体的にコミンテルンの規律に集中的に表現されている―にのみ服従し拘束されるものであること、すなわち共産覚がブルジョアジーにたいして非合法であるのは、まったくプロレタリア階級本来の性質であり、自国のブルジョアジーに反抗して万国の労働者が団結することは、いずれの国のプロレタリアートにとっても無条件の信条である。

 日本共産党にたいする日本ブルジョア政府の迫害弾圧は、階級対階級の闘争すなわち政治的闘争である。日本共産党と日本ブルジョア政府とのあいだの闘争は、公然権力のための闘争、権力争奪の闘争であって、他の犯罪的事件でもなく、またいわゆる社会問題というがごときものでもない。ブルジョアジーはこの真実を労働者・農民の大衆が知ることをおそれる。このために彼らは、日本共産党にたいして野蛮酷烈な弾圧をくわえるばかりでなく、おりとあらゆる悪辣な下劣な中傷讒誣をこころみ、日本共産党はプロレタリアの味方でなくて敵であるかのように見せかけようとして、苦心惨憺しているのである。

 このブルジョアジーの仕事をたすけるのに頼もしい友人として、彼らは社会民主主義者をもっている。彼ら社会民主主義者は、ブルジョアが直接手のおよばない労働者のあいだに、プロレタ

リアートの革命的組織でありその集中的な指導者である共産党にたいする不信をまきちらして、その勢力の破壊につとめ、そして裏切り社会民主主義政党によってプロレタリアートをブルジョアジーにむすびつけようとするのだ。

 数年前までのように、日本共産党がその政綱を公然とかかげて大衆のうちに活動することをしなかった時代ならば別であるかもしれぬが、すでに共産党が公然と大衆のうちに活動している今日においては、ブルジョアジーと社会民主主義者とのいっさいの努力もむだである。彼らの共産党にたいする迫害憎悪が強いということは、大衆の共産党にたいする信頼が強いことをしめすものなのだ。

 さて、日本共産党ははたしていかなる「悪事」をなしてきただろうか。これから悪事の数々を述べるのであるが、その主要なものにとどめる。しかし、日本共産党の「悪事」をあざやかにしめすためには、プロレタリアートの敵であるブルジョアジーがいったいどんな「善事」をしたかを述べる必要があると思う。日木共産党は相手なしの一人相撲をやったのではない。敵失ブルジョアジーととっくんでたたかったのであるから、敵がどんな手をつかったかを述べることは、日木共産党がどんなことをやったかをあきらかにすることになる。…(引用ここまで)

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歴史的3.15の日に屈辱と従属、亡国への途を歩む不道徳安倍政権を糺し憲法的道徳の体現を問う!その2

2013-03-15 | 沖縄

TPPは日米安保条約第二条の経済条項の具体化と推進であることは、「その1」で述べました。「主権回復の日」として始まった日米安保条約の歴史は、沖縄県民と日本国民の「屈辱の日」の始まりでした。

 それらを無視する安倍首相の思想は、歴史の事実を偽造するものです。この思想がTPPと同じように、不利益を受ける人を、利益を受ける輩を優先することで、切捨てる不道徳の極地であることを、以下、述べてみます。

 1.「屈辱の日」を「主権回復の日」とする不道徳について、です。

安倍首相は、12日、共産党の赤嶺議員にとんでもない発言をしました。このお坊ちゃまの身勝手さを如何なく発揮した事例で、断じて許すことのできないものです。

 「主権回復」式典 「屈辱」の歴史正当化 衆院予算委 赤嶺議員が批判2013年3月13日(水)

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik12/2013-03-13/2013031301_02_1.html

安倍晋三首相は「まずは占領政策を終えなければ主権を回復できなかった。4月28日は沖縄返還の第一歩を記した」と正当化。(引用ここまで)

 これを視ていて驚きました。怒りました。安倍首相は、赤嶺氏の追及に対して長々と、デタラメを言いました。それは日本の主権回復があり、それを受けて叔父の佐藤首相の沖縄の復帰ながければ日本の戦後は終わらないとした復帰政策がなされたから、沖縄が復帰できたとする思想です。

 この思想は国際法に違反して銃剣とブルドーザーで土地を強奪し、県民を弾圧と懐柔によって全面占領と統治を維持してきたことを正当化するばかりか、主権回復に向けた沖縄県民の不撓不屈のたたかい、国民のたたかいを無視・黙殺し、愚弄する、歴史の事実を歪める思想です。

 例えば愛国者の邪論が最初に沖縄に触れたのは1968年の秋でした。嬉野京子氏の写真に衝撃を受けました。

http://blog.livedoor.jp/ikedakayoko/archives/51424388.html

 その後1970年安保条約第10条にもとづく廃棄の是非を掲げた70年安保闘争への参加でした。この頃は安保・沖縄・ベトナム・憲法を暮らしに活かす、を一体のものとして考えていました。これらの運動が沖縄の「施政権返還」「祖国復帰」運動へと発展し、1971年11月、本土の沖縄化を策した「沖縄協定」が反対世論を押し切って強行採決され、72年5月15日「祖国復帰」が実現したのです。まさに歴史の真っ只中にいました。

 その時に読んだパンフ「海鳴りの島から」(沖縄祖国復帰同盟)の2冊だったと記憶しています。今、手元にありませんので、不確かです。嬉野氏の写真と、沖縄戦と米軍の理不尽さは少年のこころを揺さぶりました。そのこころを捉えたのは「これが日本か!?」という怒りでした。今も覚えていることは。

 さて、この安倍首相の思想に対して、以下の表明がなされました。

首相が表明 4月28日サ条約発効の「記念日」化 沖縄と国民全体の「屈辱の日」 2013年3月12日(火)

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik12/2013-03-12/2013031202_03_1.html

従属と屈辱の日を「祝う」のか――「主権回復の日」式典の中止を求める

2013年3月14日 日本共産党幹部会委員長 志位和夫2013年3月15日(金)

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik12/2013-03-15/2013031503_01_1.html

 しかし、比較的まともな「東京」でさえも、以下のような程度の見解しか出せないのです。

【東京社説】主権回復式典 心の底から祝えるのか 2013年3月13日http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013031302000122.html

 一九五二年に講和条約が発効した四月二十八日。安倍内閣は「主権回復の日」として政府主催式典の開催を決めたが、米軍統治が始まった沖縄県では「屈辱の日」に当たる。心の底から祝えるのか。 「主権回復の日」式典を政府主催で開くのは今年が初めてだ。安倍晋三首相はその理由を「(終戦後に)七年という長い占領期間があったことを知らない若い人たちが増えている。節目の日を記念し、わが国による国際社会の平和と繁栄への貢献の意義を確認する」と説明した。

 敗戦後の占領からの再独立、主権回復を祝うのは、日本国民なら当然といえる。焦土から驚異的な復興を成し遂げた先人の労苦をしのぶ機会になるかもしれない。 しかし、唐突感が否めない。 安倍総裁率いる自民党は二〇一二年十二月の衆院選で、政府主催式典の開催を公約したが、それ以前の選挙公約には見当たらない。 政権奪還に向け、保守層の支持を得ようと公約に入れ込んだのなら、党利党略が過ぎないか。 主権回復の日を強調することで占領下に制定された日本国憲法の正統性に疑問を呈し、憲法改正の機運を高めようという狙いもあるとしたら、素直には祝えない。 日本の不可分の一部である沖縄県、奄美群島、小笠原諸島にとっては、この日が本土から分離され、苛烈な米軍統治の始まりだったことも、忘れてはなるまい。 特に沖縄県内には本土復帰後も在日米軍基地の74%に当たる基地が残り、米軍の排他的な使用、管理が続く。在日米軍の軍人・軍属が事件、事故を起こしても、特権的な法的立場が認められている。 これらは日米地位協定に基づくが、あまりにも治外法権的と言えまいか。日本政府は民主党政権時代を含め、運用改善に努めても、改定を提起しようとすらしない。 安全性に疑問が残る垂直離着陸輸送機MV22オスプレイや米軍機が、日本提供の訓練空域でないルートを飛び回る姿は、日本がいまだに領空の主権を完全には回復していない現実をも見せつける。 安倍内閣がこれら「半主権」的状況の改善に本腰を入れるのならまだしも、放置しながら主権回復を祝うのは独善的に過ぎないか。 主権行使できない状況が続く北方領土や竹島が日本国民の手に戻る。地位協定が改定され、沖縄の米軍基地負担も抜本的に軽減される。そうした「真の主権回復」の日が来るまで祝うのは待ちたい。(引用ここまで)

 どうでしょうか?これはゴマカシ「社説」です。安倍首相の不道徳振りを免罪する「社説」です。

 今回の「主権回復の日」設定は、「憲法改正の機運を高める狙い」があることは周知の事実ではないでしょうか?米軍の軍人・軍属の事件・事故に対する「特権的法的立場」は「地位協定に基づく」「治外法権的」「立場」であるとしていますが、「的」は曖昧です。

 また米軍の「特権的な法的立場」が「地位協定に基づく」のであれば、日米安保条約に、その根拠があることは常識中の常識です。何故このことにメスをいれないのでしょうか?

 何故「特権的な法的立場」は「治外法権」=「日本国憲法外」と言わないのでしょうか。まさに「苛烈な米軍統治の」「継続」ではないのでしょうかです。「『半主権的状況の改善」とは一体どんな「改善」でしょうか?「地位協定の改正」でしょうか?日米安保条約の廃棄と日米平和友好条約の締結でしょうか?

 「『半主権的状況」を「放置しながら主権回復を祝う」のは、「独善的に過ぎないか」ではなく国家主権と国民主権を曖昧にする不道徳さを示すものです。

 真に「主権回復」を「祝う」ためには、「日本がいまだに領空の主権を完全には回復していない現実」を「改善」していくことです。「領空の主権」が「完全に回復していない現実」を「改善」していくためには、日米安保条約の軍事的・経済的関係を曖昧にし、政治的従属性を黙殺することができないことは明らかです。

 以上、沖縄に対する戦前の不道徳ぶりが戦後も継続していることを書いてみました。次は今日3.15が、歴史的にどのような日であったかを、さらに検証しながら、安倍政権の不道徳ぶりを、さらにさらに告発してみたいと思います。(つづく)

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歴史的3.15の日に屈辱と従属、亡国への途を歩む不道徳安倍政権を糺し憲法的道徳の体現を問う!その1

2013-03-15 | TPP

今日、公約違反のTPP参加に向けた交渉参加が表明されました。そのことについては、昨日記事にしました。TPPの本質をスリカエて、事が進められていきました。具体的には、

 「自由な貿易の競争の中で取り残される」「輸出にはプラス」「聖域は認められた」「強い交渉力で聖域・国益を確保する」「競争力をつければプラスになる」「交渉力で聖域が守れないようでは脱退も辞さない」など、TPPの本質を覆い隠すイデオロギーが振りまかれ、国民世論を分断しての「決定」でした。具体的には、「工業と農業」「都市部の消費者と地方の生産者」の分断。「安い輸入品が入ってくるのはプラス」との意見が「大勢」であるかのように「世論調査結果」がテレビで「宣伝」されたことに象徴されています。

 ところが、昨日の記事にも紹介しましたが、普天間・オスプレイに見るようにアメリカに追随して「強い交渉力」など有り得ないこと、TPPの具体的内容は秘密主義であること、関税に聖域などは設けていないこと、アメリカの多国籍企業の控訴権による国家主権の侵害は不問であることなどは不問でした。この不問に付すことそのものに矛盾が示されています。

 安価な輸入品は安全か?アメリカ農業の生産は磐石か?輸入が途絶えない保障は?食糧を握られてアメリカのモノを言えるか?など、秀吉の城攻めの教訓は完全に忘れられています。植民地宗主国の嗜好品を生産させられて飢餓による貧困化をつくらされたアフリカの旧植民地国の教訓は完全に想定外です。

 この間の日米貿易・日中貿易の「発展」にみるように非正規労働者の氾濫・国内産業の空洞化による輸出産業の発展は有り得ないこと、むしろ空洞化は都市も地方も国民生活も疲弊していること、などなど、日本経済の衰退を加速させる亡国政策であることを見抜いていく必要があるでしょう。しかし、こうした経験も全く想定外なのです。

 国内生産の脆弱化・空洞化による国家の衰退による安全保障のアメリカ依存・従属によってアメリカ頼みに陥る日本の亡国は明らかです。

 もう一つあります。この政策の最大の問題は「自由競争」です。この「自由」のウラにあるのは「優勝劣敗」「弱肉強食」思想です。TPPに参加すれば「プラスもある」論のウラ側にある「マイナス」の「恩恵」を受ける人たちを切り捨てる「切り捨て御免」思想です。この「マイナス」を受ける人たちがプラスの恩恵を受ける人たちの生け贄・犠牲になるという思想です。

 「弱者切捨て」論は、「自己責任」論のウラ返しです。少数のエリートの下には広く厚い堕ちこぼれ組みをつくる思想です。しかもその堕ちこぼれ組みを団結させない、分断する思想です。

 今日、特別支援学校に息子を通学させていた友人の子どもが卒業するというので、その子どもが校舎から出てくる場面だけを参観に行きました。子らの卒業を祝う先生たちの温かいまなざしと就職していく子らに対する励ましの言葉などなどを観ていて思いました。健常者とは違う子らも人間であること、この子らを切り捨てることのない社会、人間集団にしていかなければならないと、別れを惜しむ子らと先生・保護者たちを観ていて思いました。

 そのようなことを考えたのは何故かと言いますと、今朝のテレビ朝日のモーニングバードは、昨日と違って、TPPに参加して群馬県のこんにゃく生産者のマイナス面をプラス面に転換していく事例を紹介しながら、TPP参加にはマイナス面もあるがプラス面もあるので参加やむなしとするコメンテーターがいたことに、マイナス面の人たちへのまなざしの欠落した発想に疑問を持ったからです。

 これは、ある政策実行によってマイナスの被害を受ける人がいたとしても、プラスの恩恵を受ける人がいることを優先する政治そのもので、マイナスの被害を受ける人たちはガマンを強制されることを意味しています。

 これは日米安保のために、中国・北朝鮮の脅威の抑止のために沖縄県民に被害を受け入れろということを意味しています。日本国民の生活のために、日本経済のために原発再稼動を認めろ、原発立地地域の安全はガマンしろということを意味しています。日本経済の輸出産業のために農業や中小企業、非正規労働者などはガマンしろという意味です。日本の国益のためには少々のことはガマンしろという意味です。この思想は、まさに

 輸出産業をささえる国内の地場産業・国内の労働力の質がアメリカの多国籍業の食いものにされてしまうことを容認して、輸出産業を守ろうとする思想です。この思想は、この間の歴史的経過をみれば、これは失敗するでしょう。何故ならば、1960年代以降の農業の自由化政策によって工業立国として大儲けをして経済大国ニッポンをつくってきましたが、その結果、どのような「自由」が作り出されたかです。

 一部の大企業だけが大儲けし、圧倒的多数の国民をワーキングプアーに脱落させてきた「自由」でした。自民党の票田として農家保護政策は農業自給率の低下や農業人口の激減、休耕地と耕作放棄地の増加などの現実が如実に示しています。アメリカ型大型店舗を容認した結果、街は、日本社会がどうなったか、を見れば明瞭です。

 大店立地法は大店法とどう違う?2000年7月29日 (土)「しんぶん赤旗」

http://www.jcp.or.jp/faq_box/001/2000729_faq_daitenhou.html

1992年大店法が改正され、日本中の商店街がシャッター通りと化した。

http://blog.goo.ne.jp/2005tora/e/f1e4c02d086dbc13f1b61eac9301be36

日米構造協議・構造改革の帰結 (2012/12/20)

http://www2.rikkyo.ac.jp/univ/hikita/JapaneseEconomy/2012/212economicconfricts.htm

破たんした小泉「構造改革」 社会と国民に何もたらした2009年2月20日(金)「しんぶん赤旗」

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik07/2009-02-20/2009022008_01_0.html

 以上のような諸事実をいっさい不問に付しながら、NHKは安倍首相を登場させ、TPP参加交渉に参加しなければ、自由貿易(競争)に遅れる、強い交渉力で聖域と国益を守る、と、TPP参加交渉に入る無謀さを正当化させました。大越キャスターは、最後に今後の問題だと、問題の所在を認めながら、安倍首相の「決定」を容認しました。

 石破自民党幹事長も「首相(政府)の決定だから」と、公約違反にはならないと言うのでしょうか?理由にならない理由を述べ、公約違反を正当化していました。各党の意見表明も「生活」「共産」「みどり」「社民」以外は賛成でした。国益が守れないことは明らかなのに、「国益が守れるかどうか注目・監視していく」などと追認していた民主。同罪でしょう。

 このTPP参加に向けた交渉参加が日米軍事同盟の対中・対北朝対策であること、日米安保条約第2条の経済条項の具体化で、対米追随であること、ウソで固めた「交渉参加」決定であること、このウソはいつまで取り繕うことができるか、そのほころびは早晩、国民の前に晒されるであろうこと、TPPの事実はゴマカスことはできことが、明らかになるでしょう。

 それにしても、こうした弱者を切り捨てる思想が日本に蔓延してしまったことに疑問をもつことすらできなくなってしまった日本国民の思考回路には驚きと怒りすら湧いてきます。こうした事実に対して道徳心の欠如を見るのは愛国者の邪論だけでしょうか?

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国民無視の不道徳の極地!安倍自民党!茶番とペテンのTPP交渉参加とマスゴミは亡国へ加担!大大喝!

2013-03-14 | 日記

日米共同声明でTPP交渉の参加にあたって「関税撤廃」を強制されない、選挙で約束した「聖域を設けない関税撤廃を前提とするTPPには参加しないことが確認された」と言い放った安倍首相でした。トンチンカンぶりを如何なく発揮してマスコミの質問を視ていただければと思います。

http://www.kantei.go.jp/jp/96_abe/statement/2013/naigai.html

 またTPP参加を煽る全国紙は、この言葉をそのまま垂れ流しました。これについては、以下の記事を掲載しました。

対米従属を卑屈なまでに露わにした安倍首相と全国紙社説、政権公約違反の声に晒して内閣打倒を!

http://blog.goo.ne.jp/aikokusyanozyaron/e/54513b753ac6e24defa3a8333533d745

自由と民主主義はお坊ちゃまに全てお任せで決着したデタラメ声明=TPP参加決定は国民との矛盾拡大で・・・!

http://blog.goo.ne.jp/aikokusyanozyaron/e/f10c42afd5d638d2e89f296fe19ba0f5

 昨日自民党のTPP対策委員会(西川公也委員長)は総会で交渉参加の容認を決めました。

自民、交渉容認へ 慎重派にも配慮2013.3.13 21:04

http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130313/stt13031321050005-n1.htm

自民反対派、あっさり了承 TPP交渉 2013年3月14日 朝刊

http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2013031402000128.html

…カナダ、メキシコ両国が昨年交渉参加した際、既に参加していた米国など九カ国から不利な条件の受け入れを求められたことや、米側が日本との事前協議で自動車や保険に関して「あまりに不公平」(民主党の前原誠司衆院議員)な要求をしていたことが明らかになった。日米政府間の事前協議で、コメなどの農産品の関税維持はこれまで議題にせず、今後も議題として取り上げないことも分かった。TPP参加が国民生活に大きな影響を与えないのか、分からないままだ。首相は決議にあるように、十分な情報を国民に提示し、戦略的方針を確立することが求められる。(引用ここまで)

 TPP 米、車・保険で譲歩要求2013年3月12日 朝刊

http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2013031202000130.html

民主党の前原誠司衆院議員は十一日の衆院予算委員会で、環太平洋連携協定(TPP)の事前協議で、米側が自動車の安全審査の除外やかんぽ生命の学資保険の内容変更などを交渉参加入りの条件として民主党政権当時の日本政府に要求していたと明らかにした。安倍晋三首相は近く交渉参加表明する意向だが、米側は安倍政権にも同様の要求をしている可能性が高い。 前原氏は、米政府が野田政権当時の日本政府に、TPPの事前協議で(1)米国が輸入乗用車に2・5%、トラックに25%を課している関税撤廃に猶予期間を設ける(2)米国の安全基準を満たした車は日本の安全審査なしとする輸入枠を米韓自由貿易協定(FTA)と同様に設ける(3)かんぽ生命の学資保険の内容変更-を要求したと説明した。 前原氏は、これらの要求について「米政府が、これらを武装解除しなければ(日本がTPP交渉に参加するために必要な)米議会への通告をしない、と言っていた」と指摘。「われわれは、あまりに日本に不公平だったので妥協しなかった。安倍政権は妥協して交渉参加表明することはないですね」と譲歩しないよう迫った。 首相は「交渉していることをいちいち外に出していたら交渉にならない」と明確には答えず、「守るべき国益は守っていきたい」と述べるにとどめた。 首相は、事前交渉の内容について「(当時の政府関係者として)守秘義務がかかっているはずだ」と前原氏をけん制したが、前原氏は「本当に国益にかなうか、(首相が)見切り発車をしないために言った」と反論した。 前原氏は野田政権で民主党政調会長を務め、昨年十月から衆院解散までの三カ月間は、TPP交渉問題を担当する国家戦略担当相だった。 衆院予算委では民主党の玉木雄一郎氏が、首相がオバマ米大統領との日米首脳会談で確認した日米共同声明で自動車や保険部門が懸念事項として明示されたことを追及。「譲歩を具体的に行わなければ交渉参加できないのではないかと言われているが、門前払いを約束したものになっていないか」と指摘した。(引用ここまで)

 TPP 首相「熟慮の時間ない」2013年3月9日 夕刊

http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2013030902000258.html

 安倍晋三首相は九日午前、BS朝日の番組に出演し、環太平洋連携協定(TPP)の交渉参加問題で、米国が年内妥結を目指していることについて「判断、熟慮する時間が限られてしまっているのは事実だ」と、日本にとって厳しい状況にあるとの見解を示した。 首相は、先に交渉を始めた米国など九カ国が後発組に不利な条件を課していることに関し「最初に入った人たちは、自分たちの議論を覆されたら困ると思うだろう」と指摘。「ただ、われわれも参加の判断をしたら、きっちり主張していきたい。強い交渉力を持って結果を出していく責任を背負っている」と強調した。(引用ここまで)

 TPP不利な条件 首相、事実説明を拒否 照会の有無も答えず2013年3月8日 夕刊

http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2013030802000256.html

 安倍晋三首相は八日午前の衆院予算委員会で、環太平洋連携協定(TPP)への交渉参加に関連し、カナダ・メキシコ両国が交渉参加に際し、既に交渉を始めていた九カ国から不利な追加条件の受け入れを求められていたことを民主党政権時代に日本政府が把握し、両国に問い合わせをした事実について「相手国に問い合わせをしたかどうかも、この場で言うことは今後の情報収集に大きな影響がある」と、明らかにしなかった。 不利な追加条件については、カナダ・メキシコ両国の交渉参加が決まった二〇一二年六月までに日本政府が把握し、両国政府に「こんな条件を受け入れるのか」と問い合わせをしていたことを、野田前政権の関係者が認めている。

 首相は、不利な追加条件を政府が把握していたかどうかについても「参加国同士のやりとりは当然、(参加国に)守秘義務がかかっている。私たちはコメントするべきではない」と答弁を拒否した。 その上で、参加条件も含めた関係国間のやりとりについて「TPP交渉にまだ参加していないから、情報収集は難しい」と釈明した。 岸田文雄外相は「少なくともわが国には、そうした条件の提示は全くない。引き続き情報収集に全力を挙げる」と述べた。 岸田氏は、関係国からの情報収集では日本など遅れて参加を希望している国に(1)包括的で高いレベルの貿易自由化を約束する(2)交渉進展を遅らせない-などの要求があることを示した。 質問した日本維新の会の松野頼久国会議員団幹事長は「政府が交渉参加のルールを探って議会に説明するのは当然の責任だ」と批判した。(引用ここまで)

 極秘条件 6月には把握 TPP 政府公表せず 2013年3月8日 朝刊

http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2013030802000116.html

 図は省略

 環太平洋連携協定(TPP)交渉参加をめぐり、先に交渉を始めた米国など九カ国が遅れて交渉参加したカナダとメキシコに交渉権を著しく制限した条件を課した事実に関し、民主党政権時代に日本政府が把握しながら公表しなかったことが新たに分かった。安倍晋三首相は、近く日本の交渉参加を正式表明する方針だが、国民生活に重大な影響が及ぶ可能性が高いTPP問題で、現政権が説明責任を求められるのは確実だ。  一連の事実は、複数の日本政府関係者や外交関係筋への取材で明らかになった。 TPPをめぐっては、九カ国は二〇一〇年までに交渉入り。九カ国は、一一年十一月に参加の意向を表明したカナダとメキシコ両国に対し、すでに合意した条文は後発の参加国は原則として受け入れ、交渉を打ち切る終結権もなく、再協議も要求できないなどの不利な条件を提示。両国は受け入れ、念書(レター)も交わしたが、極秘扱いにしている。 当時の野田政権は、この事実をカナダとメキシコの参加意向表明後に把握。著しく不利なため、両国政府に水面下で「こんな条件を受け入れるのか」と問い合わせたが、両国は受け入れを決めた。両国の交渉参加が決まったのは昨年六月、実際の参加は同十月で、野田政権は昨年六月までには念書の存在を把握していた。 野田政権は両国の参加国入り後も、新たな後発国が九カ国の決めたルールを守る義務があるのかを探った。両国と同様、後発国は再協議できないとの情報を得たが、事実関係を詰める前に十二月の衆院選で下野した。 先発組と後発組を分けるルールの有無に関し、安倍首相は七日の衆院予算委員会で「判然としない部分もある。参加表明していないから十分に情報が取れていない」と否定しなかった。 菅義偉官房長官は記者会見で「わが国としてメキシコ、カナダのTPP交渉国とのやりとりの内容は掌握していない」と述べたが、政府関係者は本紙の取材に「九カ国が合意したものは再協議できないとの話は聞いたことがある」と認めた。 カナダとメキシコの事例では、秘密の念書は交渉参加の正式表明後に届く。安倍首相はオバマ米大統領との会談を受け「聖域なき関税撤廃が前提ではないことが明確になった」と強調しているが、野田政権の政務三役経験者は「カナダとメキシコが条件をのんだことで、日本も約束させられる危険性がある」と指摘する。 オバマ氏は先月の一般教書演説で、TPP交渉妥結を目指す考えを明言し、米政府は年内決着を目標に掲げた。九カ国が交渉終結権を握れば、年内という限られた期間に、日本はなし崩しに農業など各分野で譲歩を迫られる可能性もある。(引用ここまで)

 TPP「聖域」守れない=交渉参加に不当な条件

http://www.kasai-akira.jp/news/130309-111813.html

<TPP問題>実際に守ってるのは米国益/日の丸に頭下げさせ国を売る/新顔は蒸し返すなという交渉

http://www.asyura2.com/13/senkyo144/msg/826.html

TPP参加に極秘条件あり!後発国、再交渉できず!

http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2013/03/post-d101.html

 以上、「東京」を中心にTPP交渉参加のウソとペテンぶりをみてみました。こうした諸事実が判っているにもかかわらず、「交渉に参加してみなければ判らない」「聖域を撤廃されないよう交渉力を高め強く交渉していく」「輸出業はプラス」「今のままでは農業もつぶれる、それよりも競争力をつけて対抗して」「聖域が守れなければ交渉から抜ければ良い」などとアチコチで扇動して交渉参加を正当化しているのです。その典型が昨日の自民党のTPP対策委員会でした。

これを視て、これほど有権者をバカにした話はないと思いました。

 先の総選挙でTPP交渉参加に反対を表明して当選した議員たちは、「公約違反」問題は、「次の総選挙までは時間があるので、有権者も忘れるだろう」程度のことしか考えていないのでしょう。問題は7月の参議院選挙です。彼らの心配は切実です。だから、パフォーマンスを演出し、演じました。

「静かにしろ!!」「声を張り上げるな!」 TPPめぐり、自民会合であわや乱闘騒ぎ 013.3.11 19:43

http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130311/stt13031119450000-n1.htm

 だからこそ、時間稼ぎをしたのです。ウソと判っていることなのに、自民党は先送りをすることで、有権者をごまかそうとしたのです。こうした手法が自民党を追い込めていくのか、TPPに参加することで「主権国家」としての機能をかなぐり捨てていくのか、今後のたたかいの成否にかかっているでしょう。

 その際の最大の問題は、マスゴミです。これだけの「公約違反」問題を、民主党時代の、普天間・消費税のようには取り上げないのです。「東京」でさえも、「首相は決議にあるように、十分な情報を国民に提示し、戦略的方針を確立することが求められる」と述べているのです。「戦略的方針の確立」とは何か?です。これまた追認と茶番以外の何物でもありません。

 安倍首相の「戦略的方針」とは「日米同盟の深化」と「憲法9条の改悪」なのです。それを「確立することを求め」ているのですから、呆れます。「比較的まともな『東京』にして」こうなのです。日本のマスコミ・メディアの退廃ぶりには怒りが湧いてきます。今日の「東京」の「筆洗」は以下のように述べているのです。

http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2013031402000132.html

 オバマ米大統領との首脳会談で「聖域」を勝ち取ったというパフォーマンスを演じた安倍晋三首相にだまされたふりをしているのか、環太平洋連携協定(TPP)反対を公約して当選した自民党の衆院議員が静かだ▼事実上、交渉参加を容認する党の決議案をきのう了承。これを受けて、首相はあすにも交渉参加を正式表明する。選挙前にあれだけ激しく反対していた人たちの驚くような豹変(ひょうへん)ぶりだ民主党政権時代から、政府は大事なことを隠している印象を持っていたが、極めて重要なことが分かってきた。交渉の根幹にかかわる内容である▼遅れて交渉参加を表明したカナダとメキシコは、既に交渉を始めていた米国などから「交渉を打ち切る権利は九カ国のみにある」「現在の参加国間で合意した条文は原則として受け入れ、再交渉は要求できない」などと極めて不利な条件をのまされ、その念書を両国は極秘扱いにしていた▼交渉参加を正式に表明しても、参加国と認められるまで三カ月以上、日本政府は協定条文の素案や交渉経過を閲覧できない。これでは、日本側がルールづくりに主張を反映させる余地が乏しいのは明らかだ▼支持率の高い首相には勝てないという判断なのか。死守できる聖域は果たしてどれぐらいあると、自民党の議員の皆さんは考えているのだろう。有権者への背信とは思わないのですか。(引用ここまで)

 どうでしょうか?ま逆のことを同じ紙面で書いているのです。「自由」と言えば聞こえは良いでしょうが、こうした「論評」が国民にどのような影響を与えているか。そうして決定された政策が国民生活にどのような災厄をもたらしてきたか。小泉構造改革礼賛報道で結論は見えています。

 それでは何故、このようなウソとペテンがまかりとおっていくか。それは対等な「日米同盟」を求めた民主党ではなく、従属の「日米同盟」への復帰を自民党政権に委ねるための一つひとつの布石だったのです。安倍首相の「共同声明」と全国紙の評価と安倍内閣の支持率はそのことを象徴しています。

 その芝居は、実は、赤木昭夫「日本財政の結末 ジャパノミクスとポピュリズム」(『世界』4月号)に解明されています。以下要点を掲載しておきます。

 「政権を取れば、物価上昇率が三%になるまで無制限の金融緩和(継続的な国債買い入れ)を日銀に求めると言明」した安倍首相の発言は、実は「財務省の見えない網」によって仕組まれたものであり、その後、この「網」が「政党間に張り巡らされてい」く「舞台裏」の話を検証しています。そうして「財務省、学者、自民党政調部会、超党派議員連盟へと賛同の輪を広げ、記者クラブを通じてマスコミも使って、政策を浸透させ、実現させていく政治手続き、いわゆる根回し、『空気』の醸成が、官僚と政党の間で日常的に繰り広げられている」という指摘です。これは消費税増税への布石としてのアベノミクスの話ですが、政策のあらゆる分野で官僚主導の「政府」の「政策」実現パターンを指摘しているだろうと思います。(引用ここまで)

 ところが、まともなメディアもあります。

TPP参加は売国の所業 株高の裏で進むこの国の破滅(日刊ゲンダイ)

http://www.asyura2.com/13/senkyo145/msg/172.html

「TPP参加」大合唱 大新聞テレビの身勝手大追跡 2013/3/14 07:00 - 日刊ゲンダイ

http://netallica.yahoo.co.jp/news/20130314-00000003-a_aaac

日刊ゲンダイ記事「スッパ抜きTPP日本支配草案」

http://richardkoshimizu.at.webry.info/201303/article_38.html

アメリカ市民団体がTPPについて報道した驚異の内容とは

http://www.youtube.com/watch?v=HLVKAalmD48&feature=youtu.be

 その他『世界』4月号に、参考になる論文を紹介しておきます。

鈴木宣弘「許しがたい背信行為 この国に未来はあるのか」

孫崎享「国家主権投げ捨てる安倍政権」

 孫崎氏は今朝のテレビ朝日モーニングバードに出演し解説しました。コメンテーターは言葉を失っていました。当然です。そういう意味ではアッパレ!です。国民世論を反映したのでしょうか?こういう番組が繰り返されていったら、どうなるか。明らかです。

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共産党の綱領の未来社会を先取りしている未来工業!会社の主人公は労働者が貫徹されている!学べ共産党!

2013-03-13 | 高校生でも判る日本型共産主義

「赤旗」日曜版が、岐阜の未来工業の山田昭男さんを取り上げました。内容は、以下のとおりです。

給料をきちんと払えば会社も伸びる 岐阜 未来工業創業者・取締役 山田昭男さん(81) しんぶん赤旗日曜版 2013年2月24

 働く人の賃金を上げるべきだ。それが景気回復につながり、会社経営にもいい結果を生む―という日本共産党の主張に賛成です。民間の平均賃金は97年から70万円も下がったそうですね。うちは賃下げなんてしません。給料は60歳で平均700万円。残業は禁止。社員800人はみな正社員です。今は大きな内部留保がある大企業までパートや派遣社員を使い、コストを下げる。人間をコスト扱いするなと言いたい。きちんと給料を払えば、社員はよく働くし、もらった給料を使うから製品も売れる。景気がよくなって会社も伸びるんです。「馬にニンジン」という経営論からノルマ主義が生まれました。しかし、人間は動物じゃない。しかも、一生懸命働いても賃金は下げ、派遣の首は切る。こんなことをやっていたら日本経済はますます悪くなりますよ。日本共産党の言っていることは、まともだと思います。格差拡大を批判し、雇用の安定を求めるなら、自民党ではなく、共産党にもっと投票しろよと、私は言っています。この前、韓国のサムスンの幹部が来て、「共産主義経営ですか?」と聞かれてびっくりした。私は、当たり前のことをやっているだけですよ。

    ◇

未来工業(電気設備資材の製造販売など。本社は岐阜県輪之内町。名古屋証券取引所2部上場)(引用ここまで

 「赤旗」が未来工業の山田昭男さんを取り上げた理由は、賃金値上げの正当性でした。しかし、未来工業の経営から学ぶべきことは、上記のことではありません。経営方法と思想は、現在の共産党が抱えている問題を解決するうえで、大いに参考になるのではないかと、ずっと思ってきました。

そこで、「赤旗」日曜版に掲載されたことを契機に、その考えをまとめてみました。

愛国者の邪論が、未来工業の経営を知ったのは、以下のテレビ番組でした。

この未来工業の経営を取り上げたカンブリア宮殿を視て得心しました。以下を参照してください。

カンブリア宮殿2011年1月20日 放送

http://www.tv-tokyo.co.jp/cambria/backnumber/20110120.html

『カンブリア宮殿』'11.01.20 会社は自分のものだ! 自ら考え、自ら良くしろ

http://v.youku.com/v_show/id_XMjYzMjA4NDQ4.html

カンブリア宮殿【未来工業山田昭男】詳細情報

http://topicsnow.blog72.fc2.com/blog-entry-1160.html

 ここで、注目すべきことは、以下のことです。括弧のなかは愛国者の邪論が挿入しました。

「会社(共産党)は自分のものだ!自ら考え、自ら良くしろ!」ということです。未来工業(共産党)では、毎日新製品が誕生していますが、社内で掲げられているのは「常に考える!」という標語です。

未来工業(共産党)では、毎日1、2個は新製品が誕生しているという。そのおかげで、シェアトップのスライドボックスだけでも85種類も作っているのだ。例えば営業社員(共産党員)にノルマはないが、ユーザー(住民・有権者)を必死に訪ねては、製品開発の種(要望・要求)を拾い続ける。その結果、開発部門(中央委員会・県委員会・地区委員会・議員)には全国(各地)の営業(支部)から毎日10件程の要望や提案が寄せられ、新商品化(新しい政策・方針)にこぎつけるのだという。「コストがかかるからダメとかではなく、どうしたら売れるか(共産党を支持)、客(住民・有権者)が便利だと思うものを『考え』ればいいんです」
そして「考え抜く」ための社内制度…改善提案は、全て1件500円で買い取りを行い、毎年1万件近く集まる。創業者・山田昭男氏の「大手(他党)と同じものを作っていては負けてしまう、考え続けて差別化しろ!」が徹底されています。(引用ここまで

 どうでしょうか?

 日本共産党は、党員の党費によって運営されています。いわば日本共産党株式会社です。この会社は「赤旗」やその他の出版物を販売して経営が成り立っています。勿論カンパも重要な資金でしょう。

 この日本共産党株式会社の商品(政策)が他の会社(他党)と「差別化」された時、国会や地方議会にたくさんの議員が誕生することになります。そして、国会や地方議会で、よりいっそう差別化されれば、ユーザー・消費者・住民・有権者は共産党株式会社の商品(政策)を求めることになるでしょう。それは、その方が自分の暮らしが良くなる、実利がかなうからです。ということは、共産党的に言えば、社会変革の事業は進むということになります。

 ここで問題なのは、日本共産党株式会社と、その社員(党員)が「考え抜く」ということ、「会社は自分のものだ! 自ら考え、自ら良くしろ」というような状態で、日々ユーザー(住民・有権者)を必死に訪ねては、製品開発の種(要望・要求)を拾い続け、開発部門(中央委員会・県委員会・地区委員会・議員)に要望や提案を寄せているかどうかです。

 そうして新商品化(新しい政策・方針)にこぎつけ、ユーザー・住民・有権者に買っていただいているかどうかです。買っていただくためには、その商品を買った方が自分の暮らしが良くなるということがなければなりません。ユーザー・住民・有権者は霞を食って生きているのではないからです。未来工業の商品を買った方が安くて便利、実利があるからこそ、未来工業は儲かっているのです。

 今、全国各地の住民・有権者が自公政権の悪政によっていじめられていることは周知の事実です。しかし、いじめられているにもかかわらず、日本共産党株式会社の商品を買っていただけないのは何故か、です。「赤旗」の読者が不足しているからでしょうか?党員が少ないからでしょうか?或いは党員が高齢化しているからでしょうか?

 もし、これらが日本共産党株式会社の商品を購入していただけない主要な理由だとしたら、「赤旗」や党員が増えない限り、党員の高齢化が解消されない限り、日本共産党の商品ユーザー・住民・有権者に買っていただけないことになります。

 日本共産党の商品を買っていただけないのは、他党との差別化に失敗しているということです。成功していないということです。それは日本共産党株式会社の商品を買っても実利がないとユーザー・住民・有権者が思っているということです。別の言葉で言えば、ユーザー・住民・有権者要求の実現をしていないということです。政策だけでは「共産党は良いことばかり言っているけど・・・・」となりませんか?実際にそのような声はたくさん言われています。

 しかし、日本共産党株式会社の商品政策)の性能は抜群!と多くの党員の皆さんは思っている?し、6中総もそのように決めたのです。総選挙の時の政策は基本的には参議院選挙でも使うと言っていました。

 しかし、だけれども、買っていただけないのは、何故か?です。全てはここから始めなければなりません。そこで、ヒントは、

 日々ユーザー(住民・有権者)を必死に訪ねては、製品開発の種(要望・要求)を拾い続け、開発部門(中央委員会・県委員会・地区委員会・議員)に要望や提案を寄せているかどうか、ということです。

 これに成功していないのが、現在の共産党ではないでしょうか?以下みてみます。

第22回党大会第6回中央委員会総会 2003年5月24・25

http://www.jcp.or.jp/jcp/22th-6chuso/2003_0527_hokoku.html

 それぞれの地域、職場、学園での、すべての有権者を視野にいれ、対話にとりくみ、要求をつかみ、結びつきを広げ、後援会員をふやし、党勢拡大に結実させ、わが党の陣地をつねに拡大していく。この運動の到達点を、つねにあきらかにし、きちんと反映させるようにする。こうして、党の陣地拡大の到達点を、私たちがつねに科学的につかみ、系統的に発展させていくようにしたいと思います。…わが党は科学的な世界観と、科学的な政治路線をもつ党でありますが、組織活動・陣地拡大でも科学的に現状をつかみ、前進をはかることのできる党へと成長をかちとることを、この「大運動」での大事な課題の一つとしてとりくむことを提案するものです。(引用ここまで

第6回中央委員会総会志位委員長の幹部会報告 2013年2月9日

http://www.jcp.or.jp/web_jcp/html/25th-6chuso/20130209-houkoku.html

1.すべての支部・グループが会議を開き、6中総決定を議論し、生活と「結びつき」の現状を出し合い、支持者名簿を整備しましょう。支持者名簿は、党としての結びつきの名簿と区別して、「マイ名簿」(個人としての結びつきの名簿)をつくることも大切です。

2.すべての支部と党員が、「国民の苦難の軽減」という立党の精神に立って、多様な要求と関心にこたえた、多面的な活動にとりくみ、また、参加しましょう。要求にこたえた活動という場合、それを狭くとらえず、さまざまな趣味の活動、ご近所・職場づきあいなど、国民の願いにこたえた活動全体を広く視野に入れて大切にしましょう。

3.得票目標と支持拡大目標を決め、広い有権者を対象とした声の宣伝やポスター張り、ビラ配布などの大量宣伝、「結びつき」を生かした対話と支持拡大に、ただちに足を踏み出しましょう。対話と支持拡大に、選挙直前にならないと力が出ないという悪弊を今度こそ克服し、「いまから直ちに」「繰り返し」「固めつつ広げる」という立場でとりくみましょう。党員の「踏み切り」――成長を援助するとりくみを、支部も党機関もさまざまな形でおこないましょう。対話と支持拡大と一体に、広く募金を訴えましょう。

4.党員拡大を、党勢拡大の根幹に位置づけ、6中総を起点に、すべての支部が、新しい党員を迎えて参議院選挙をたたかいましょう。「しんぶん赤旗」読者拡大では、前回参議院選挙時の回復をめざし、全都道府県、全地区、全支部が、毎月、日刊紙、日曜版ともに前進をかちとり、党勢の上げ潮のなかで選挙をたたかいましょう。国民に「溶け込み結びつく」ことと一体の新しい独自追求をすすめましょう。読者拡大では、読者と人間的・政治的に日常的に結びつき、「減らさず、前進する」活動に挑戦しましょう。

5.すべての支部が、「改革ビジョンを語り、日本の前途を語り合う集い」を、多種多様な形で開きましょう。単位後援会を確立し、要求にこたえた、楽しい多面的な活動をすすめましょう。後援会ニュースを発行し、後援会員との結びつき・協力依頼を不断に強めましょう。

6.学習の強化は、「結びつきの強化」とともに、党の活力を高める二つの根本の力となります。新入党員学習、「綱領・古典の連続教室」を活用した学習、毎日の「しんぶん赤旗」を使った学習をすすめましょう。すべての党員が「しんぶん赤旗」日刊紙を購読することを、党の質的建設の要の一つと位置づけて、力をつくしましょう。(引用ここまで

 どうでしょうか?10年前と今日と比べて、ほとんど変わっていないことが判ります。しかもユーザー・住民・有権者要求実現運動を徹底化する、ドブ板活動をすることの意味づけは、極めて弱いことが判ります。要求実現は「拡大のための手段」のように考えていると言われても仕方のない表現となっています。

日本共産党株式会社の社員(党員)は「会社は自分のものだ! 自ら考え、自ら良くしろ」と考え抜く」ような活動になっていないことが判ります。これでは国民的共感を得ることは厳しい限りです。未来工業の経営と大きく違っていることが判ります。

 その最大の問題は何でしょうか?未来工業の経営のやり方、社員に対する見方、ユーザー・住民・有権者の見方に、その最大の要因があります。一言で言えば、社員(党員)の「自発性」、「自治」、「民主主義」、お客様(主権者)は神様(主人公)!これがカギでしょう。

 もう一つは、生産手段を持たない労働者が、意欲をもって労働する。自分の労働力を未来工業に売ることで、生活する。徹底して8時間労働以内の労働時間を守る。会社のサークルに資金援助する。地域の文化活動に資金援助して貢献する。海外旅行、国内旅行などをとおして労働者に儲け分を分配する。しかも労働者が行く先を決める。労働者が資格を取る場合も援助するなどなど、資本主義社会の経営として、労働者を大切にするという点で群を抜いています。

 こうした経営は未来社会の会社経営を先取りしていることは明らかです。会社経営に対して、労働者の意見を最大限尊重していることです。しかも報奨金を出しているのです。これは形をかえた職場民主主義と言えます。これは偉大な教訓です。社会のあらゆる部署で徹底して民主主義を実現するのです。共産主義は民主主義を社会のあらゆる部署で徹底的に、具体化、実現した社会です。

 労働者は生産手段は持っていないが、会社経営に労働者を参画させている。しかも儲けを労働者に分配しているのです。これが資本主義社会のなかの会社経営なのです。夢を見ているようです。

 これぞ、「共産主義」と言われる所以です。共産党の綱領の最後の部分が未来工業においては実現しているのです。

 「ミニ共産主義(未来)社会」を実現している未来工業このような経営の手法を、現在の共産党に適用することが、国民的共感を得ていく道であることは明らかではないでしょうか?

 日本共産党綱領2004年1月17日 第23回党大会で改定

http://www.jcp.or.jp/web_jcp/html/Koryo/

生産手段の社会化は、人間による人間の搾取を廃止し、すべての人間の生活を向上させ、社会から貧困をなくすとともに、労働時間の抜本的な短縮を可能にし、社会のすべての構成員の人間的発達を保障する土台をつくりだす。

 生産手段の社会化は、生産と経済の推進力を資本の利潤追求から社会および社会の構成員の物質的精神的な生活の発展に移し、経済の計画的な運営によって、くりかえしの不況を取り除き、環境破壊や社会的格差の拡大などへの有効な規制を可能にする。

 生産手段の社会化は、経済を利潤第一主義の狭い枠組みから解放することによって、人間社会を支える物質的生産力の新たな飛躍的な発展の条件をつくりだす。

(1)生産手段の社会化は、その所有・管理・運営が、情勢と条件に応じて多様な形態をとりうるものであり、日本社会にふさわしい独自の形態の探究が重要であるが、生産者が主役という社会主義の原則を踏みはずしてはならない。「国有化」や「集団化」の看板で、生産者を抑圧する官僚専制の体制をつくりあげた旧ソ連の誤りは、絶対に再現させてはならない。

 (2)市場経済を通じて社会主義に進むことは、日本の条件にかなった社会主義の法則的な発展方向である。社会主義的改革の推進にあたっては、計画性と市場経済とを結合させた弾力的で効率的な経済運営、農漁業・中小商工業など私的な発意の尊重などの努力と探究が重要である。国民の消費生活を統制したり画一化したりするいわゆる「統制経済」は、社会主義・共産主義の日本の経済生活では全面的に否定される。(引用ここまで)

 

それでは参考にしていただく資料を掲載しておきます。 

日本一幸せな会社(上)未来工業創業者・山田昭男 社員をコスト扱いするな【話の肖像画】2012.6.12 03:16

http://sankei.jp.msn.com/economy/news/120612/biz12061203170002-n1.htm

カワムラ社労事務所

http://kawamura-sr.blogdehp.ne.jp/article/13148017.html

【流儀あり】知恵を絞って先手必勝 未来工業・山田昭男相談役2009年12月17日

http://www.chunichi.co.jp/article/feature/ryugi/list/CK2009121702000208.html

社員にはアメを、ムチはいらない 未来工業~社員を大切にすれば必ず会社に報いてくれる

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/2717

あるSEとゲーマーの四方山話

http://finalf12.blog82.fc2.com/blog-entry-471.html

社員を幸せにすれば企業は繁栄する(未来工業・山田昭男)

http://www.youtube.com/watch?v=Wc-TophrkD8

 

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