キョーサントー本部を表敬訪問した翁長県知事!
どれだけのマスコミが注目したか!
民主主義の試金石!踏絵だぞ!
共産党政権になったら、中国や北朝鮮、ソ連のような独裁国家になるのではないか、とマジに思っている国民が、未だ多くいるのではないか、ということが、今回の選挙でも多く出されました。それは「キョーサントー」という政党の名前について、変えたらどうかという声が寄せられたことに、象徴的でした。
この声そのものは、「共産党に伸びてほしい」という声の反応として出されてきたことからみると、「キョーサントー」に対する同情的、共感的な声であることが判ります。それにしても、このような声を出させるような「キョーサントーアレルギー」の発信源があることも、また事実だと言わなければなりません。
それは、戦後、ソ連「脅威」論が振り撒かれたこと、ソ連・東欧崩壊後は、中国・北朝鮮「脅威」論が振り撒かれたことが大きいことも明らかです。日本国民の腹の奥底に、どこか、キョーサントー=独裁=人権と民主主義否定政党としてイメージされているのでしょう。これには「天皇は神様」「自由と民主主義」は「資本主義」、「社会主義」は「全体主義」と同じくらいに根が深いものではないでしょうか。
これはもはや「文化」「政治文化」「政治風土」「政治風評」と言っても言い過ぎではありません。理屈ではないのです。感覚・感情・イメージの世界です。「フクシマ」と言えば「汚染」=「危険」と同じようなものです。
安倍首相は、フクシマの「風評」について、その被害を取り除くために、『美味んぼ』を批判しました。その「風評」は自民党政権が創りだしてきた「安全神話」の裏返しであることは明らかですが、安倍政権がとった行動は、この「風評被害」を取り除くためのパフォーマンスでした。
そのパフォーマンスを、この「政治風評」にそのまま使うとすると、この「キョーサントー」「脅威」論はどのようなパフォーマンスで、払しょくしていくのでしょうか。ま、このことはあり得ないことですが、他国の政治体制の問題点を使って、自国の政治体制の延命と温存に利用するほど不道徳はありません。
というようなことはさておき、この一年、沖縄を見ると、日本の民主主義を尊重している政党が、「自由民主党」か「共産党」か、浮き彫りになるのですが、このような視点で両方の政党を評価するマスコミは、国民はどうでしょうか?
沖縄の米軍基地は、中国「脅」威論に備えているというのが、安倍政権の言い分です。その安倍政権が、批判している中国共産党と同じように自国の国民には民主主義を否定するのです。そして中国共産党の人権と民主主義否定も政治を利用して政権の安泰と温存を謀るのです。
ところが、中国共産党と同じ名前を使っている日本共産党が、しかも中国共産党とは自主独立政党として、尖閣問題などでは日本領土でるとして中国政府に意見を述べながら、中国「脅威」論の克服のためには憲法9条を活かした対話と交流の外交政策の徹底化を主張しているのです。同時に、沖縄の米軍基地の撤去を求めながらも、沖縄の民意を尊重するからこそ、翁長県知事誕生に大きな役割を果たしたことは明らかです。どちらが民意・民主主義を尊重しているか、明らかです。
その象徴的出来事が、今年の最後に起こりました。この出来事は、歴史事件と言わなければなりません。元自民党の、仲井間県政を誕生させた、那覇市長であった翁長県知事が、キョーサントー本部を表敬訪問したのです。安倍政権が拒否した時に!です。
しかし、この出来事は、無視されるか、軽く報道されただけでした。ここに日本の民主主義の重大な問題点があることが浮き彫りになりました。そこで、記事にすることにしました。以下ご覧ください。
沖縄県知事 翁長雄志さん 共産党本部を表敬訪問! https://www.youtube.com/watch?v=xXre_OYjxa0
翁長知事が党本部訪問 山下書記局長らと懇談 沖縄新基地阻止へ 力合わせよう 2014年12月26日(金)http://www.jcp.or.jp/akahata/aik14/2014-12-26/2014122601_01_1.html
沖縄県知事選挙(11月16日)で示された名護市辺野古の新基地建設ノーの民意を伝えるために上京中の翁長雄志沖縄県知事が25日、日本共産党本部を訪れ、山下芳生書記局長、穀田恵二国対委員長、赤嶺政賢衆院議員らと懇談しました。
到着した翁長氏は、党本部職員の割れんばかりの拍手とオナガコールで迎えられました。
花束を贈られた翁長氏は顔を紅潮させながらロビーでマイクを握り、「ハイサイ、グスーヨー、チューガナビラ(こんにちは。ごきげんいかがですか)」と沖縄方言であいさつ。「沖縄が変われば日本が変わるという気持ちで赤嶺代議士ともども知事選挙をたたかわせていただきました。本当にその意味では、新しい歴史の一ページが出来上がったと思っています」と述べ、盛大な拍手を浴びました。
さらに翁長氏は「政治に保革を乗り越える包容力があるかどうかです。その包容力がなければ沖縄の政治も日本の政治も変わりません。こうした言葉を大切にしながら、一生懸命頑張りたい」と決意を語りました。
懇談では、山下氏が「知事と力をあわせて、お互いに知恵を出しながら何としても新基地建設を阻止するためにがんばりましょう」という志位和夫委員長のメッセージを伝達。翁長氏は「大きな政治の流れを、またいい方向に動かせればありがたい。これからは保守は革新に敬意を表し、革新は保守に敬意を表し、これからの沖縄のあるべき姿をめざして、心を一つにやっていきたい」と応じました。
山下氏が「沖縄での共同の発展は、政治を変えていく上ですばらしいお手本を示していただいた。いろいろな問題で沖縄のような立場を超えた共同で政治をよくする運動、たたかいが広がればいいと考えています」と語ると、翁長氏は「ぜひ今後ともよろしくお願いします」と述べました。懇談後、翁長氏は山下、穀田、赤嶺各氏らとがっちり握手を交わしました。懇談には沖縄県東京事務所の田端一雄所長と日本共産党の水谷定男選対局長も同席しました。(引用ここまで)
愛国者の邪論は、コミュニズムが、「共産主義」と訳されるのは、訳語として相応ししいかどうか、「マニフェスト オブ コミュニストパーティー」が「共産党宣言」として訳されていることが相応しいかどうか、検討する必要があると思っています。
また「キョーサントー」=「中国共産党」とイメージされてしまうのも、日本型共産主義、ジャパニーズコミュニズムのイメージが不足しているからだと確信するものです。
この「日本列島」に人間が住みついて以降の歴史の発展を踏まえた「未来社会」論と「未来社会」像を、国民とともに語り合うことができれば、外国の「共産党」や政党がどうであろうと、自国の歴史と未来に責任を持つ国民・主権者が育つのではないでしょうか。
マルクス・エンゲルス・レーニンが発展させてきた「共産主義」の思想と運動と制度を日本に適用するということで、先人から学ぶことは大切なことです。しかし、これらの先人たちが活躍した18世紀から20世紀の時代に構築した思想と理論は、日本の歴史の中にも脈々と流れていることは明らかです。それは日本国憲法の人権思想を視れば一目瞭然です。
この視点を使って、また人類の進歩と発展が人権思想にあるということを前提にするならば、現行憲法を徹底させていくことです。その先に先人たちが掲げた思想の実現があることは明らかです。この視点が明確になれば、安倍派の野望も、外国の共産党がどのようなものでも、日本の歴史の発展に責任を持つ立場は不動です。