愛国者の邪論

日々の生活のなかで、アレ?と思うことを書いていきます。おじさんも居ても立っても居られんと小さき声を今あげんとす

北朝鮮報道にみるNHKの「やらせ」の実態は、これだ!国民をミスリードする報道は直ちに中止を!

2013-04-30 | 北朝鮮

今日のNHKの安全保障に関する一連の報道をみて、思ったので、記事にします。

 最大のポイントは、以下のとおりです。

 1.北朝鮮に対しては、「挑発的言動を繰り返す」ですが、日米韓は「警戒・監視」、「けん制」「刺激」という言葉を使っているのです。NHKの報道文書を注意深く読めば、そのトリックぶりはいっそう鮮明になります。アメリカ寄りの情報の垂れ流しです。実に巧妙です。北朝鮮の言い分は短く、しかも「挑発」を連発し、アメリカの情報は詳しく、「けん制」「警戒」なのです。国民が、どちらの側に立って、モノをみるようになるか、明瞭です。明らかに意図的であることがわかります。

 2.しかも映像では、北朝鮮のミサイルを「ムスダンとみられるミサイル」「グアム島まで届くとみられる」という言葉を使って繰り返し繰り返し流しているのです。これは、どこのテレビも同じです。しかし、こうした「情報」には重大な「落とし穴」があります。「可能性」という範囲を出ていないからです。この「可能性」が、どんどん一人歩きして、とんでもない「事実」がまことしやかに報道され、国民の中に、北朝鮮と中国不信が「なんとなく」感情として醸成されているのです。

 3.このことは、今日の「朝日」34面の「敵がいる 3」「『売国奴!』 沖縄への理不尽」の記事なかの言葉に見事に反映されています。そのことが、東アジアの不安定要因を醸し出すことにも・・・・。

 「公務員はいい身分で、反日活動ご苦労様」「領土問題で中国の脅威が高まっているのに、デモは日米安保に水を差す利敵行為だ。中国は反基地運動に資金を出している」「沖縄左翼はシナの工作員」「活動資金を受け取っている」「オスプレイに反対しているのは在日朝鮮人」「大半の沖縄県民はアメリカの駐留を嫌がっていない」「中国脅威論に煽られた人たちが『日本を裏切るのか』と攻撃してくる」(松崎泰勝竜谷大教授)とのコメントです。

 4.こうした手法に対して想起するのは、戦前のデマ情報の垂れ流し、大本営発表です。外に対しては、「鬼畜米英」「ABCD包囲網」「自存自衛」、内に対しては「非国民」「国賊」感情です。この構図が、現在も見事に貫徹されつつあるように思います。しかし、戦前とは違います。メディアをどのように使うか、です。

 5.今必要なことは、双方向でものを見る見方考え方です。朴槿恵大統領のいう「北朝鮮との経済協力事業の開城工業団地」をめぐる経済交流を深めていくのか、それとも、お互いに「脅威」「危機感」を煽り、自らを正当化して「抑止力」を強化していくのか、そこが分岐点です。不信感の醸成が経済交流を妨げていることは、石原都知事の尖閣買取発言の時にも、観光関係者の悲鳴が聞こえてきたことで証明されています。

 6.マスコミ関係者が、以上のようなことを自己検討もしないまま、どこまで自覚して、不用意な言葉を使っているか、呆れます。しかし、呆れてばかりはいられません。こうした不用意な言葉をどのように改善していくか、です。まさに日本国民の道徳観が試されていると思います。

 以下、ニュースの流れを一覧しておきます。ご覧ください。

 米韓合同軍事演習きょうで終了  4月30日 4時58分

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130430/k10014268701000.html

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北朝鮮が挑発的言動を繰り返すなか、アメリカ軍と韓国軍が2か月にわたって合同で実施してきた軍事演習が、30日、終了しますが、米韓両軍は、北朝鮮が弾道ミサイルを発射できる状態に変化はないとして、監視態勢を維持して警戒を続ける方針です。この演習は、休戦状態にある朝鮮半島の安全を維持するため、毎年、韓国全土で実施していますが、ことしは先月初めの開始直後から、北朝鮮が演習に反発して朝鮮戦争の休戦協定の白紙化を一方的に宣言するなど、危機をあおりました。さらに、北朝鮮は、日本海側の基地から中距離弾道ミサイルの発射準備を整え、緊張を高めたため、米韓両軍は、挑発には断固対応するとして大型の戦略爆撃機を投入したと公表したほか、演習の一部をたびたびメディアに公開して北朝鮮をけん制してきました。一方で、2か月間に及んだ演習が終了するのを前にアメリカ軍は、29日、「演習は防衛的で事前に北朝鮮側に通知した」と異例の声明を出し、北朝鮮をこれ以上、刺激するのを避けたい思惑をにじませました。米韓両軍は、直ちにミサイルを発射する兆候は見られなくなっているものの、ミサイルが完全に撤収されないかぎり、挑発は常にありえるとして、監視態勢を維持し、警戒を続ける方針です。(引用ここまで

 

「刺激するのを避けたい思惑」を紹介しているということは、アメリカにしてみれば、計画的ということになります。しかも、「この演習は、休戦状態にある朝鮮半島の安全を維持するため、毎年、韓国全土で実施して」いると言っている、紹介しているのです。北朝鮮にしてみれば、どうでしょうか?何故日本では、北朝鮮の側に立ってものをみることができないのでしょうか?中国の危機を煽っている日本が、平和憲法の立場から、北朝鮮の「危機」に「共感」できないのは、明らかにアンフェアーです。

 

米軍B-2爆撃機、韓国を飛ぶ 28.03.2013, 11:44

http://japanese.ruvr.ru/2013_03_28/beikoku-kankoku-kitachousen-b2/

核兵器を搭載可能な米国空軍の戦略爆撃機「B-2」2機が、木曜、ミズーリ州のホワイトマン基地を出発し、韓国に飛行した。米軍韓国司令部が発表した。

 司令部発表によると、「米軍の戦略部隊は木曜、B-2爆撃機2機を韓国に派遣した。目的はホワイトマン米空軍基地(ミズーリ州)と韓国を往復する長期飛行のテスト。米韓年次合同演習『フォール・イーグル(若き鷲)』の枠内で行われた」。

対して北朝鮮外務省は、朝鮮中央通信を通じて次のような声明を発表している。「我々は戦略爆撃機B-2の挙動を注意深く追跡している。爆撃機が再度朝鮮半島上空に侵入した場合には、当該機は深刻な軍事的報復を受けること必至である」。また外務省声明では、「戦争までmmという現下、米国は朝鮮半島に核攻撃を加える準備をしている」と強調されている。(引用ここまで

 

北朝鮮にしてみれば、「脅威」ですね。日本にしてみれば、尖閣に押し寄せる中国漁船と艦船というところでしょうか?何故こうしたことが想定できないのか、日本のマスコミの責任は重大です。国民も、抗議の声を上げるべきです!

 

【北朝鮮ミサイル】搭載可能な核兵器保持、米情報当局が分析「精度は低い」 2013.4.12 06:42 核・ミサイル事情

 http://sankei.jp.msn.com/world/news/130412/amr13041206430001-n1.htm

 【ワシントン=犬塚陽介】米国防総省傘下の国防情報局(DIA)が3月にまとめた報告書で、「中程度の信用度で、北朝鮮は現在、弾道ミサイルで発射可能な核兵器を保持しているが、(精度への)信頼性は低いと評価している」と分析していることが判明した。共和党のランボーン議員が下院軍事委員会の公聴会で、報告書の一部に言及した。 この部分を除いた報告書の内容は機密扱いで、搭載可能なミサイルの詳細などは不明。北朝鮮が実戦配備済みで、日本のほぼ全土を射程に入れる準中距離弾道ミサイル「ノドン」(射程1300キロ)の可能性を指摘する専門家もいる。 ただ、国防総省のリトル報道官は声明で、核弾頭搭載に関して「北朝鮮が十分な試験、開発、(能力の)証明をしたと指摘するのは不正確だ」と述べ、米国政府として北朝鮮が核弾頭の小型化に成功したとは確認していないことを示唆した。 DIAや中央情報局(CIA)の分析官を務めたヘリテージ財団のクリングナー上級研究員によると、情報当局に確実な証拠はないが、さまざまな状況や情報を総合的に判断したときに「中程度の信用度」という表現を使うという。

 複数の専門家は、3回行った核実験の分析内容や2月の核実験後、北朝鮮が核兵器を軽量・小型化したと宣言したことなどから、兵器としての精度は低いが、核兵器を弾道ミサイルに搭載できると判断した可能性があるとの見方を示した。 デンプシー統合参謀本部議長は10日に開かれた別の公聴会で、北朝鮮の対応には「最悪の事態を想定しなければならない」と述べるなど、米国政府として核ミサイルの脅威を想定した対応を進めている。 国際原子力機関(IAEA)の査察官を務めたシンクタンク、科学国際安全保障研究所(ISIS)のオルブライト所長は11日に開かれた下院外交委の小委員会で、北朝鮮には核兵器を「ノドンに搭載する能力がある」と証言した。(引用ここまで

 「ヘリテージ財団のクリングナー上級研究員」については、以下をご覧ください。

http://www.asyura2.com/12/senkyo138/msg/600.html

 

 42万人死亡!? 永田町に北朝鮮核シミュレーション 2013/02/26 20:51

http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/books/breview/633653/

配信元: 【花田紀凱の週刊誌ウォッチング】

 北朝鮮が東京に核ミサイルを発射した場合、永田町に着弾すると死者約42万人、ラッシュ時の新宿駅であれば死者は130万人。 米ヘリテージ財団研究員だったデクスター・イングラム氏(現米国務省大量破壊兵器テロリズム事務所シニアアドバイザー)らが米国防総省の軍事シミュレーションソフトを駆使してはじき出した試算結果を、『週刊文春』(2月28日号)が紹介している。 氏が共同執筆した『ウォー・シミュレイション 北朝鮮が暴発する日』(新潮社)によると、 〈十二キロトン級の核ミサイルが永田町付近に着弾した場合、半径二・五キロが“グラウンドゼロ”と呼ばれる致死率九〇%以上のエリアになる。そのエリアにいた人間は、苦痛を感じることもなく、カメラのフラッシュのような閃光(せんこう)を見た瞬間に消える〉

 千代田区のほぼ全域と港区の半分、新宿区、中央区の一部が〈一瞬にして壊滅し、約十万人が核爆発直後に死亡する。さらに火事や強い放射線被曝、酸素欠乏などにより、約三十二万人が三十日以内に命を落とす〉。 日本はイージス艦から発射するSM3やPAC3で対応することになるが、〈不意の急襲や大量の同時発射にどこまで対応できるか未知数〉だという。(引用ここまで

 

ここまでくると、SFの世界で、どうにもなります。もっとド派手に物語を創れ!って叫んでいる輩の顔が浮かんできます。売れるからです。戦争煽り屋ですね。

 

日米防衛相 尖閣問題で中国をけん制 430 66

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130430/t10014269321000.html

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アメリカを訪問中の小野寺防衛大臣は、ヘーゲル国防長官と初めての会談を行い、沖縄県の尖閣諸島を巡る問題に関連し、「現状の変更を試みる、いかなる力による一方的な行為にも反対する」ことを確認し、領海侵犯を繰り返す中国をけん制しました。

アメリカを訪れている小野寺防衛大臣は、日本時間30日未明、国防総省で、ヘーゲル国防長官と、およそ1時間会談したあと、共同記者会見を行いました。この中で、小野寺大臣は、沖縄県の尖閣諸島を巡る問題について、「日本の固有の領土であることは歴史的にも国際法上も明らかだ。現状の変更を試みる、いかなる力による一方的な行為にも反対する内容を確認した」と述べました。これに対し、ヘーゲル長官は、アメリカ政府は領有権を巡っては特定の立場をとらないとしたうえで、「尖閣諸島は日本の施政権の下に置かれており、日米安全保障条約の適用範囲内だ。緊張を高め、誤算につながる行為は地域の安定を損なうものだ」と述べました。そのうえで、「アメリカは、一方的、威圧的に日本の施政権を侵そうとするいかなる行為にも反対する」と述べ、領海侵犯を繰り返す中国をけん制しました。また、両大臣は、日米防衛協力の指針、いわゆるガイドラインについて、東アジア地域の安全保障環境の変化に対応できるよう見直しを進めていくことで一致し、作業には数年程度かかることを確認しました。一方、両大臣は、日米合意に基づいて、沖縄県のアメリカ軍普天間基地の名護市辺野古への移設や、嘉手納基地より南にある軍施設の返還計画を着実に進めていくことを確認しました。そして、ヘーゲル長官は、アメリカ軍の新型輸送機「オスプレイ」12機を、この夏に、山口県の岩国基地に陸揚げしたあと、沖縄県の普天間基地に追加配備する計画を明らかにしました。さらに、会談では、挑発的な言動を繰り返す北朝鮮への対応について、日米両国が緊密に連携して情報交換を行い、警戒・監視を続けていくことで一致しました。これについて、小野寺大臣は記者会見で、「さまざまな情報を分析して日米間で情報共有しているが、今のところ、警戒レベルを下げる情報には接していない。引き続き警戒監視を続けていく」と述べました。(引用ここまで

 

北朝鮮の危機を利用して、「ちゃっかり」オスプレイ配備、辺野古移設を既成事実化していることが判ります。この脅威のネライが、ここに端的に示されていますが、そのような視点に立たないマスコミは、国民をどこに引き連れていくつもりでしょうか?明らかです。憲法の空洞化と日米軍事同盟の深化による米軍経費の削減、日本国民の血税の横取りです。

 

米国防長官尖閣諸島での中国行動批判  4月30日 7時18

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130430/k10014269341000.html

アメリカのヘーゲル国防長官は、小野寺防衛大臣との会談のあと、記者会見し、沖縄県の尖閣諸島について、「一方的、威圧的に日本の施政権を損なおうとするいかなる行為にも反対する」と述べ、領有権の主張を強める中国側の行動を批判しました。記者会見の中で、ヘーゲル国防長官は沖縄県の尖閣諸島について、「アメリカは最終的な主権がどちらにあるかについては特定の立場を取らないが、現状は日本の施政権下にあると認識しており、日米安保の範囲内にある」と述べ、アメリカの立場を改めて明確にしました。そのうえで、「緊張を高め、双方の誤解を招くような行動は地域の安定を揺るがしかねない。アメリカは、一方的、威圧的に日本の施政権を損なおうとするいかなる行為にも反対する」と述べ、領有権の主張を強める中国側の行動を批判しました。一方、挑発的な言動を繰り返す北朝鮮については、「同盟国との連携によって、強力な態勢ができており、いかなる緊急事態にも対応できる」と述べ、日本や韓国などの同盟国とともに、不測の事態に対し万全の備えで警戒を続けていると強調しました。(引用ここまで

 

日本にも良い顔をし、中国に良い顔をするアメリカというスタンスが見えてきます。米中は、軍事交流を日本を跳び越して行っているのです。ここにアメリカのアジア戦略があるのですが、日本の外交・安全保障は、一貫してアメリカ頼みです。独自の思考がありません。憲法に基づく平和外交のチャンスなのに・・・。

 

米長官、対北朝鮮「核の傘」強調 小野寺防衛相と会談 2013/04/30 05:52【共同通信】

http://www.47news.jp/CN/201304/CN2013043001001334.html

 ワシントン郊外の米国防総省で開かれた記者会見で、握手する小野寺防衛相(右)とヘーゲル国防長官=29日(AP=共同)

 【ワシントン共同】小野寺五典防衛相は29日午後(日本時間30日未明)、米国防総省でヘーゲル国防長官と会談した。ヘーゲル氏は会談後の記者会見で、朝鮮半島情勢の緊迫化を受け「『核の傘』を含む米国の抑止力による日本防衛に揺るぎはない」と強調。北朝鮮の弾道ミサイル発射の動きを「最も明白な脅威は、北朝鮮による挑発的行動だ」と批判した。 会談で米側は、新型輸送機オスプレイの沖縄への追加配備を今夏に実施する方針を説明し、小野寺氏は了承の意向を示した。両氏は、沖縄県・尖閣諸島は日米安全保障条約の適用対象との認識で一致。日本領海侵入を繰り返す中国をけん制した。(引用ここまで

 

日本のマスコミは、この記事のまま、報道していることが判ります。アメリカ脳です。核の傘の抑止力があるから、非人道的核兵器の使用はしないとは言わないのです。被爆国なのに、です。どうして、こういう論調に疑問を持たないのでしょうか?どうして抗議の声をあげないのでしょうか?

 

石破氏 参院選で憲法9条改正訴える 429 184

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130429/k10014262351000.html

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自民党の石破幹事長は熊本市で講演し、憲法改正について「憲法にはどこにも軍隊の規定が書かれていない。時代に合わなくなった憲法を見直すことが自民党の責務だ」と述べ、夏の参議院選挙で、憲法9条に軍隊の規定を盛り込む改正を訴える考えを示しました。この中で自民党の石破幹事長は、憲法改正について「主権独立国家にふさわしい憲法を作らなければならないというのが安倍総理大臣の思いだ。国家の独立が外敵の侵害で揺らいだ場合に独立を守るのが軍隊だが、憲法にはどこにも軍隊の規定が書かれていない。時代に合わなくなった憲法を見直すことが自民党の責務だ」と述べました。そのうえで、石破氏は「参議院選挙では獲得する議席の数も大事だが、有権者にどういう思いで自民党に入れてもらうのかが極めて大事だ。憲法改正などを訴えれば、甘い話ばかりではなく厳しい批判を受けることもあるが、本来は自民党がもっと前にやっておくべきことだった」と述べ、夏の参議院選挙で、憲法9条に軍隊の規定を盛り込む改正を訴える考えを示しました。(引用ここまで

 

「憲法にはどこにも軍隊の規定が書かれていない」のは何故か。憲法に欠いてあります。しかし、この部分だけを報道すれば、「憲法は可笑しいよね」となります。歴史の冒涜です。

「国家の独立が外敵の侵害で揺らいだ場合」とありますが、米軍基地があることは、念頭にありません。あるのは中国・北朝鮮を「外敵」とするデマ、プロパガンダです。

 

「世界の誰が投資するか」朴大統領、北朝鮮を批判 2013.4.30 08:19 韓国 http://sankei.jp.msn.com/world/news/130430/kor13043008210000-n1.htm

 韓国の朴槿恵大統領

 韓国の朴槿恵大統領は29日、大統領府の会議で、操業が中断した北朝鮮との経済協力事業の開城工業団地をめぐり「双方の合意が一瞬にして水の泡になる状況で、世界の誰が北朝鮮に投資しようとするだろうか」と述べ、団地の正常化に応じない北朝鮮を批判した。 朴大統領は「韓国関係者が、車の屋根に製品をいっぱい巻き付けて団地から戻ってくる姿を世界中の人々がテレビで見た」と団地の印象悪化を懸念。「政府は関連企業と従業員が希望を失わないよう、支援に最善を尽くさなければならない」と述べ、進出企業への補償などに取り組む姿勢を強調した。(共同)

引用ここまで

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君が代の口パクからイスラム社会冒涜の口カル猪瀬都知事は辞任スベシ!都民・国民の民度が国際的に大喝に!

2013-04-30 | 日の丸・君が代

またまた猪瀬都知事がやってくれました。マスコミにチハホヤされて登場してきたこのお人、そのことで副知事にもなれたし、石原都知事の突然の辞職で、今度は石原氏を越えて400万もの支持を得て都知事になることができましたが、そのことで、いっそう傲慢になったのではないでしょうか?このお人の物言いをみていて、こういうことが起こるのではないかと思っていました。

 

直近で言えば、お供を連れた「大名行列」ぶりのニューヨーク出張とジョギングパフォーマンス、自民党と一緒になって成長戦略・国土強靭化のための電力消費の地下鉄24時間営業など、電力の節約を煽ってきたことはどこ吹く風でした。

 

さて、この発言をみていて、あの金正恩氏の煙草にまつわる「民度」記事を思い出しました。この都知事は「真意が」などと弁解していますが、公人である猪瀬都知事の完全なミスというか、口カルです。これはイスラム社会への冒涜でしょう。「君が代」「日の丸」強制を軽く見ている脳細胞・思考回路の延長線上にある発想・思想が、マスコミの前に、たまたまというか、お友達と思っているマスコミを前にして、ついついホンネが出てしまったということでしょう。この人の文化水準・思想が、浮き彫りになったということです。

 

君が代斉唱・日の丸礼拝で「愛国心」を、という詭弁が猪瀬都知事の口パク発言で浮き彫りに!不道徳に大喝!  2013-04-13 23:44:06

http://blog.goo.ne.jp/aikokusyanozyaron/d/20130413

 日本の喫煙文化の自己検討もせず北朝鮮を揶揄しながら対立と分断を煽る産経の知的退廃に大喝!憲法をこそ!  2013-04-20 09:58:16

 http://blog.goo.ne.jp/aikokusyanozyaron/d/20130420

そもそも「インタビューの文脈と異なる記事が出た」などと言っていますが、「文脈と異なる」と言いますが、そのように解釈をされてしまうような発言をしたのは、猪瀬都知事自身です。弁解は見苦しいものです。弁解をしなければならないような「暴言」「ミス」を犯したのは、猪瀬都知事自身です。猪瀬都知事の言い分が正しいとするのであれば、発言場面のビデオを使って説明すべきでしょう。事実は一つですから。マスコミも、そのことを要求すべきです。

今、テレビ朝日は、NYタイムスが録音を持っているという報道をしました。猪瀬都知事も、オワリですね!今の日本を象徴しているような気がします!この事件は・・・。

 

このことは、この間の北朝鮮の言い分の変化を分析もせず、ただただ「挑発的言動を繰り返す」と、オウムのように、また枕詞のように、日々繰り返している北朝鮮報道と、猪瀬都知事を擁護する報道の仕方を見ると、マスコミ報道の仕方の問題はいっそう明らかになります。

 

そういう点で言えば、北朝鮮は、その発言の内容や方法を含めて、国際社会で、自らの主張の「正当性」を認めさせるのであれば、検討しなければならないことはたくさんあります。このことも強調しておかなければなりません。

 

そこで、この問題を北朝鮮に置き換えてみれば、いっそう、この人の言い分の無節操さが明らかになります。逆に言えば、猪瀬都知事の言い分を、信用するとするならば、北朝鮮の言い分も信用して、北朝鮮の「挑発的言動を繰り返す」報道は直ちに止めなければなりません。これについては、別項で記事にします。

 

今、東京都をはじめ、安倍首相も参加した東京五輪招致作戦、これでオワリです!ヤレヤレです。リングに上がる資格がなくなったというのが、「常識」でしょう。日本の「常識」は国際社会においては「非常識」という事例は、安倍首相の「侵略戦争の定義」発言、「靖国参拝」問題と同じです。この点では、国際社会の目線を無視して安倍首相の応援団化したマスコミも同罪ではないでしょうか?

 

首都直下型地震や南海トラフ地震、富士山の爆発など、危機を煽っているマスコミが、一方ではオリンピックに招致に現を抜かしていて良いのでしょうか?この招致作戦に使うカネと時間、オリンピックの開催に使うカネをどこへ使ったら良いのか?!こうした方向に議論がすすむことを願わざるを得ません。

 

猪瀬知事「イスラム諸国はけんかばかり」 4月29日 18時59

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130429/k10014263411000.html

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アメリカの新聞ニューヨーク・タイムズは、2020年夏のオリンピック招致を巡る東京都の猪瀬知事のインタビュー記事を掲載し、猪瀬知事がほかの立候補都市を引き合いに「イスラム諸国はけんかばかりしている」などと発言したと伝えました。
IOC=国際オリンピック委員会の行動規範は、ほかの立候補都市との比較を禁じており、「すべての候補都市にルールを守るよう強調したい」とする声明を発表しました。

ニューヨーク・タイムズによる猪瀬知事のインタビューは、今月、招致活動のため訪れていたニューヨークで行われ、26日に掲載されました。
この中で、猪瀬知事は「アスリートにとって、いちばんよい開催地はどこか。インフラや洗練された競技施設が完成していない、2つの国と比べてください」とほかの立候補都市に言及しています。そのうえで、イスラム諸国で人々が共有しているのは唯一、アラーだけで、互いにけんかばかりしているという内容の発言をしたということです。
IOCはオリンピックの招致活動についての行動規範で、各都市は互いに敬意を払うべきだとして、ほかの都市との比較を固く禁じています。
ニューヨーク・タイムズは「発言で立候補都市の資格を失うことは考えにくいが、IOC側の信頼は揺らぎかねない」と指摘しています。
トルコのクルチ青年スポーツ相は、記事が掲載された翌日、ツイッターでコメントを発表し「発言は公正ではなく、悲しいことだ。オリンピック精神に反している。イスタンブールはほかの立候補都市に対して否定的な声明を出したことはないし、これからも出さない」としています。そのうえで、「われわれは日本の人々を愛しているし、日本人の信仰心や文化を尊重している。そして若者も、高齢者も同じように尊重する」としています。
IOC=国際オリンピック委員会は声明を発表し「記事に掲載された発言の翻訳を見ただけでは知事が本当は何を言おうとしていたのかは定かではない」として、今後、東京都に対して真意を問いただす考えを示唆しました。そのうえで、「IOCとしてはすべての候補都市に対して招致活動に関連したルールを改めて強調したい」として、招致活動に伴う行動規範を順守するよう各都市に対して改めて求めています
猪瀬知事の発言について、JOC=日本オリンピック委員会の会長で東京の招致委員会の竹田恒和理事長は「猪瀬知事がどういう思いでどのようなことを話したのかまだ確認できていないので、何も申し上げることはできない。招致委員会としては、ほかの立候補都市と比較はしないというIOCのルールをよく理解して今後も招致活動を進めたい」と話しています。

記事の内容はニューヨーク・タイムズに26日、掲載された記事によりますと、猪瀬知事へのインタビューは訪米中、ニューヨークで行われました。
インタビュー記事によりますと、猪瀬知事は開催都市について「アスリートにとって、いちばんよい開催地はどこか。インフラや洗練された競技施設が完成していない2つの国と比べてみてください。ときには例えばブラジルのように、初めて開催するのもよいでしょう。しかしイスラム諸国では人々が共有しているのは唯一、アラーだけで、互いにけんかばかりしていて、階級もある」という内容の発言をしたということです。また、若者の人口の割合が大きいイスタンブールが有利なのではないかという指摘に対して、猪瀬知事は高齢者が健康を維持できるよう、運動できることが日本社会のよさだと説明したうえで、「トルコの人々も長生きしたいでしょう。長生きしたければ、日本のような文化をつくるべきだ。若い人は多いかもしれないが、早く死ぬようではあまり意味がない」という内容の発言をしたと伝えられています。
インタビューは日本語で行われ、同席したニューヨーク・タイムズの日本人記者は「記者による翻訳の偏見を避けるため、通訳の翻訳のことばを採用した」と、個人のツイッターで説明したうえで、「誤訳があったとは認識していない」としています。

 

猪瀬知事発言 五輪招致活動に懸念も 430 425

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130430/t10014267551000.html

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2020年夏のオリンピック招致を巡り、東京都の猪瀬知事がアメリカの新聞ニューヨーク・タイムズのインタビュー取材に対し、「イスラム諸国はけんかばかりしている」などと発言したとして国際的に波紋が広がっています。これに対し、猪瀬知事は、昨夜、「私の真意が正しく伝わっていない」というコメントを発表しました。

今月26日に掲載されたニューヨーク・タイムズのインタビュー記事で、猪瀬知事は、ライバルとなる2つの都市との比較に言及したほか、「イスラム諸国で人々が共有しているのは唯一、アラーだけで互いにけんかばかりしている」などという内容の発言をしたとしています。
ライバル都市と比較したりイメージを損ねたりする行為は、IOC=国際オリンピック委員会が固く禁じていて、IOCは声明を発表し、東京都に真意を問いただす考えを示唆しています。
猪瀬知事は、29日夜、コメントを発表し、「記事の焦点があたかも東京がほかの都市を批判したとされているが、私の真意が正しく伝わっていない。ほかの都市を批判する意図は全くなく、インタビューの文脈と異なる記事が出たことは非常に残念だ」と述べています。
猪瀬知事の発言によって国際的に波紋が広がり、東京都や招致委員会の中には、招致活動への影響を懸念する声が出ていて、今後、猪瀬知事や招致委員会がIOCへの説明も含めてどのような対応をとっていくのかが問われることになります。

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安倍首相も安倍自民党も有権者の多数を得ていない「幻の多数派」!憲法96条改悪の根拠なし!

2013-04-29 | 日記

山口県の参議院補欠選挙の結果が出ました。安倍首相は、以下のようなコメントを発表したと言います。そこで調べてみました。

 ポイントは、以下のとおりです。

1.自民党は、議席獲得の上では「勝利」しましたが、有権者との関係では「幻の議席」であることがハッキリしたことです。

 2.その最大の問題は、自民党と公明党の獲得票の問題の分析と低投票率の意味についての分析が弱いことです。有権者の政治離れは、保守王国、首相のお膝元でも、また大物政治家を投入しても、着実に進行していることが判ります。

 3.争点化の問題で言えば、この選挙期間中に流されていたことは何であったか、マスコミは何を垂れ流していたか、その点での総括を抜きに、野党の責任を説くことは問題です。マスコミ自身が争点の鮮明化のために、どのような情報を国民に流したか、そこが、最大の問題であり、課題と言えます。しかし、そうした視点で、社説は書かれていません。

 4.むしろ、選挙後の国会運営と夏の選挙に話題を向けているのです。これでは、先の総選挙の時に振りまかれた「世論調査」と「偽りの政権枠組み」論と同じ過ちを繰り返すことになります。

 5.この「幻の勝利」を意味づける点で、読売・毎日・東京の見解は、分かれていますが、読売は論外にしても、毎日も、東京も安倍政権の手法に対する批判眼はイマイチポイントがぼけているように思います。

 6.その最大の問題は、先の総選挙の時に、安倍総裁と自民党の獲得した票が、山口県の有権者を代表していないこと、今回も同様であることを、数字を示して、分析していないことです。

 7.それは「例えば国民の70%が憲法を変えたいと思っても、3分の1を少し超える国会議員が反対すれば指一本触れられないのはおかしい」(安倍首相)という屁理屈との関係で、徹底して批判すべきですが、曖昧です。

 (1)「例えば」という「仮定」で、自分の土俵をつくり、そこで、相撲を取らせようとする手法は、「例えば北朝鮮(中国)が攻めてきたら」という「仮定」にもとづいて、敵基地攻撃論を展開する手法と同じものです。

 (2)「3分の1を少し」ということでハードルを提げる手法も同様です。ネライは3分の2を下げ、自分のワガママを通そうとするものですが、このことは、安倍首相と自民党に跳ね返ってくることを気づかねばなりません。しかし、マスコミの突っ込みの弱さは、そうした視点に立っていないため、事実上、安倍首相の好き勝手を許しているのです。

 そこで、この「安倍デタラメ」論を論破する材料を作ってみました。今回の選挙の獲得票と昨年の総選挙における自民党と安倍氏の獲得票を調べてみました。

 参議院補欠選挙結果

江島きよし

ふじい直子

かわい美和子

平岡秀夫

有権者

投票者

投票率

287,604

25,944

10,096

129,784

1,189,665

460,131

38.68

24.18

2.19

0.85

10.91

自民党候補は、山口県の有権者の24%の支持しか得ていないこと、逆に言えば、76%は支持していないことが判ります。同時に、これが国会では1議席、一票になるのです。国民世論を反映していない1票ということになります。

 昨年の総選挙の結果から (少数第三位を四捨五入)

第一区

高村正彦

魚永智行

冨村さとし

飯田てつなり

合計

当日有権者

投票者

投票率

133,776

9,753

23,813

35,622

202,964

357,488

207,405

58.02

37.42

第二区

赤松義生

ハイオカ香奈

岸信夫

平岡秀夫

合計

当日有権者

投票者

投票率

7,894

23,861

105,760

53,493

191,008

299,363

194,129

64.85

35.33

第三区

なかや大介

五十嵐ひとみ

河村建夫

合計

当日有権者

投票者

投票率

28,663

15,709

107,833

152,205

272,343

157,918

57.98

39.60

第四区

あべ晋三

財満慎太郎

ひがき徳雄

合計

当日有権者

投票者

投票率

118,696

19,336

13,815

151,847

263,255

156,446

59.43

45.09

自民党の候補者、とりわけ、自民党総裁、首相になることが予想されている候補である安倍氏の獲得票が、保守王国にしては、極めて少ないことが判ります。過半数に達していない!ここに山口県人の安倍氏に対する「評価」が浮き彫りになっています。これは安倍氏の最大の弱点でしょう。安倍氏の選挙区の有権者数の少なさも、一票の格差という点からみれば、その重さ、逆に言えば、軽さが浮き彫りになってきます。

同時に、山口県の全選挙区における自民党への「期待度」、公明党の支持を得たとしても、「極めて少ないことが判ります。いずれも過半数を超えていないのです。

 因みに、野田首相はどうだったでしょうか?163,334票、千葉4区有権者495,212人、投票者294,453人、投票率59.46%、対有権者比は32.98でした!

 安倍氏と野田氏の選挙区の一票の価値は、263,255対495,212です。1.88倍ということになります。安倍氏の選挙区の有権者の、ということは、安倍氏の有利さが、浮き彫りになります。

 山口県小選挙区における自民党の得票率(少数第三位を四捨五入)

当日有権者

投票者

投票率

当選者の獲得票数

1,192,449

715,898

60.04

346,065

投票者比 48.34

 

対有権者比 29.02

公明党支持者票を加えても自民党の対有権者比は、30パーセントにも達していません。

更に言えば、投票者数に対しても、50パーセントにも達していないのです。

 ここに、小選挙区制度のトリック、偽りの議席の実態があります。これが、自民党の圧倒的多数派の根拠なのです。「野党」票は「切り捨て御免」「死に票」で、国会の採決の一票には、絶対に反映されません。

 比例区獲得票と対有権者獲得票率(少数第三位を四捨五入)

幸福実

共産党

民主党

自民党

みんな

日本維新

公明党

社民党

未来の党

2,892

33,527

90,845

290,758

37,975

105,114

95,182

13,235

29,738

2.43

2.81

7.62

24.38

3.19

8.82

7.98

1.11

2.49

 比例区においても、この傾向は同じです。自民党は対有権者比で言えば、24.4パーセント、75.6パーセントは自民党を支持していないのです。公明党をいても30パーセントを少し超えるだけです。これで政権運営ができてしまうのです。

安倍氏の憲法改悪手続きの論法が、そのお膝元から崩れていることを自覚すべきです。安倍氏が、この事実を承知していないとすれば、ホントに「お坊ちゃま」ですし、こうしたものの見えないお人が、一国の総理大臣というのも、国民にしてみれば、不幸な話です。

いや、判ってやっているとすれば、確信犯です。直ちに退場すべきです。ウソを承知の上での発言をしているのですから。しかも国会という場において、です。

 ところが、今回の参議院補欠選挙の獲得票24.1752は、先の総選挙の自民党と公明党の獲得票385,940票と比べてみても、大きく後退していることが判ります。

 こうした事実に対して、マスコミの分析は、どうでしょうか?デタラメであることが判ります。これでは、国民は、自民党は強い!ということになりませんか?「誘導報道」であることは歴然としています。

 これが、戦後の自民党を長期にわたって政権の座に座らせてきた要因のひとつであると思います。

 こうしたデタラメを何としても改善していかなければなりません!そのためにも、全国各地の議席「占拠」の実態を分析していく必要があると思います。逐次行ってみたいと思います。

 それでは、以下の記事をご覧ください。

 安倍首相「さらに力強く政権運営」  4月28日 23時13分

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130428/k10014253131000.html

参議院山口選挙区の補欠選挙で、自民党の新人で公明党が推薦する江島潔氏が初めての当選を果たしました。安倍総理大臣は、「安倍政権発足後初めての国政選挙であり、日本の将来に関わる極めて重要な選挙だった。今回の勝利は、経済、外交・安全保障、教育など、山積する国家的な課題に対する安倍政権の姿勢と4か月の結果について、国民から評価を頂いたものだと理解している。『日本を取り戻す』戦いはまだまだ道半ばであり、今回の選挙で頂いた国民の声を弾みにして、さらに身を引き締めて力強く政権運営に当たっていきたい」というコメントを発表しました。

山口補選、自民が圧勝=参院で民主に1議席差-安倍首相、政権運営に自信 (2013/04/29-00:49)

http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2013042900007

第2次安倍内閣発足後初の国政選挙となった参院山口補欠選挙は28日、投開票され、自民党公認で公明党が推薦した江島潔氏(56)が、民主党とみどりの風の推薦を受けた無所属の平岡秀夫元法相(59)らを大差で破って初当選した。これにより自民党の参院会派勢力は84議席となり、参院第1党の民主党に1議席差まで迫った。安倍晋三首相は政権運営に自信を深めそうだ。
 自民党は首相の地元で2倍を超える大差で勝利したことで、衆参の「ねじれ」解消が懸かる夏の参院選へ弾みをつけた。民主党は惨敗した昨年の衆院選からの党勢衰退が浮き彫りとなり、執行部の一段の求心力低下は避けられそうにない。離党届を提出した室井邦彦参院議員を会派離脱させれば、両党が同数で並び、後半国会の与野党攻防にも影響しそうだ。  自民党の石破茂幹事長は同日夜、補選勝利を受けて党本部で記者会見し、「非常に大きな意味を持つ。夏の参院選で与党が過半数を得るため最大限努力していく」と表明。民主党の加藤敏幸選対委員長は東京都内で記者団に「期待に応えられず残念だ。党として責任を感じている」と語った。 補選は、自民党の岸信夫氏が昨年の衆院選に参院からくら替えしたことに伴い実施された。共産党公認の藤井直子氏(60)、諸派の河井美和子氏(50)も立候補したが、選挙戦は江島、平岡両氏による事実上の一騎打ちの展開となった。 自民党は、首相自身が選挙区に入り、経済政策「アベノミクス」の成果を訴えたほか、石破氏ら幹部もてこ入れを図る総力戦で臨んだ。平岡氏は脱原発や憲法9条維持を訴え、民主党も海江田万里代表らが応援に駆け付けたが、当初模索した日本維新の会やみんなの党との共闘も実現せず、支持が広がらなかった。 確定投票率は38.68%で、2010年参院選の61.91%を23.23ポイント下回った。

その他、以下の社説が発表されました。

参院山口補選 安倍政権の勢い映した前哨戦(4月29日付・読売社説)http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20130428-OYT1T00942.htm

山口県は、安倍首相の地元で、衆院全選挙区を自民党が独占する「保守王国」だ。江島氏は公明党の推薦も取り付けて、選挙戦を終始優位に展開した。…北朝鮮の核・ミサイルの脅威が高まり、中国が領海侵入などを繰り返す中、安倍政権の日米同盟の立て直しを急ぐ姿勢も、江島氏への追い風になったといえよう。一方、平岡氏は「自民党に対抗する政治勢力の結集」を掲げ、安倍政権の経済政策「アベノミクス」や、環太平洋経済連携協定(TPP)交渉への参加、憲法改正の方針をことごとく批判した。だが、支持は広がらずに終わった。…平岡氏は、民主党の菅元首相らの支援を受け、山口県内で中国電力が進める上関原発の建設計画を争点に据えようと、「脱原発」を主張した。社民党やみどりの風との共闘を図ったものの、主要な争点にならなかったといえる。 代替エネルギー確保の見通しもなく、原発を否定するだけでは説得力を持たなかったのだろう。 民主党の海江田代表は、山口補選を都議選や参院選への前哨戦と位置づけ、「山口の地から『安倍政治ノー』という声をあげたい」と訴えたが、浸透しなかった。 民主党は、参院選戦略の練り直しが迫られよう。

毎日社説:補選自民勝利 「1強」許す野党の甘さ 毎日新聞 2013年04月29日 02時32分

http://mainichi.jp/opinion/news/20130429k0000m070103000c.html

地力、勢いの差が出た。…民主党など野党勢にとって、参院選で何を安倍政権との対立軸とするか、真剣な点検を迫られる状況だ。一方で補選の低投票率や最近の地方選結果が物語るように、自民党の勢いが本物かどうかもなお疑問がある。勝利を冷静に受け止めるべきだ。…安倍晋三首相、民主党の海江田万里代表がてこ入れするなど総力戦だったが、経済政策などで攻勢に出る自民党に勢いがあった。もともと山口は党の厚い地盤があり、しかも首相のおひざ元だ。各種世論調査で自民党の支持率は極めて高い水準にある。与党・公明党の推薦も得て「圧勝」が義務づけられていたといっても過言ではあるまい。 退潮に歯止めがかからぬ状況を浮き彫りにしたのが民主党だ。推薦候補は中国電力上関原発建設計画の争点化を目指したが論戦はかみあわず、さきの党首討論で海江田氏はエネルギー問題を取り上げなかった。…民主党に限らず、野党全体がこのところ埋没気味で、自民党の「1強」構図を加速している。たとえば日本維新の会は直近の地方選で公認候補が惨敗、勢いにかげりがみえる。政策の優先順位が有権者の目から見て、ぼやけているのではないか。 一方で自民党も勝利で浮つくのは禁物だ。比較的順調な政権運営を反映したことは事実だが、4月の地方選では福島県郡山市長選、青森市長選で与党系候補が敗北するなど取りこぼしも目立つ。「『国政と地方選は別』と割り切らない」と石破茂幹事長が語るように、足元を再点検すべきだ。…今補選は前回衆院選や10年参院選の山口の投票率を大きく下回った。4月の多くの地方選も投票率低下が目立った。夏の政治決戦を前に政治への無関心が有権者に広がりつつあるのではないか、と危ぶむ。

自民補選勝利 政権に緩みはないか 2013年4月29日

http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013042902000122.html

参院山口補選を制した自民党。夏の参院選勝利に向けた弾みにしたいのだろうが、閣僚の靖国神社参拝を機に周辺国との関係が緊張するなど、政権運営に揺らぎも見える。政権に緩みはないのか。…首相の地元、山口県は首相の祖父、岸信介氏や大叔父の佐藤栄作氏ら多くの首相を輩出した自民党王国でもある。安倍内閣の支持率も70%台の高水準で推移するなど、もともと自民候補が戦いを優位に進め得る状況だった。…ただ、補選の結果だけで、安倍内閣や自民党への「追い風」が引き続き吹いていると受け止めるのは早計だろう。名古屋や青森、郡山など政令指定都市や県庁所在地、経済県都と呼ばれる大都市の首長選で、それぞれの事情があるとはいえ、自民系候補が軒並み敗北を喫しているからだ。…憲法改正の発議要件を緩和する九六条改正を参院選の公約に掲げる決意を強調するようにもなった。 高い支持率に自信を深め、政権運営のタガが緩んでいるのなら看過できない。自民党への政権交代は民主党に嫌気が差した有権者が消去法で選んだことを忘れてはならない。 衆院選に続き、今回の補選も低投票率だったことは、政治不信が解消されていない現実を突き付けていると受け止めるべきだろう。(引用ここまで

今日は、本来は、4.29とは、どんな日か?4.28主権回復のお祝いの日について、記事にする予定でしたが、山口県の補欠選挙の勝利を受けて、「憲法改悪を参議院選挙の争点にする」とした石破幹事長発言がありましたので、急遽変えてみました。

 国防軍創設、参院選公約に=自民幹事長  (2013/04/29-18:39)

http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2013042900267

 自民党の石破茂幹事長は29日、熊本市内で記者会見し、自衛隊を「国防軍」と位置付ける憲法改正の実現を夏の参院選公約に掲げる考えを示した。 石破氏は「自衛隊の究極の任務は、国の独立を守ることだ。これは軍だということをどうしても訴えていかなければならない」と指摘。「どうすればご理解いただけるか、最大限に努力して実現を期したい」と語った。(引用ここまで)

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自国民だけでなく国際的に敬意を表される国旗国歌こそ道徳的にふさわしい!血塗られた日の丸の実態!その2

2013-04-28 | 日の丸・君が代

「日の丸」が、その由来とかけ離れて、明治以降の歴史のなかで、いかにして血塗られたものであったか、古茂田信男・矢沢保・島田芳文・横沢千秋編日本流行歌史 戦前編(社会思想社81年1月刊)を調べてみました。

 これらの歌の内容をみると、以下のことに気づきました。

 1.時代とともに、次第に歌の内容は好戦的になっています。

 2.「募集」=国民参加という形式をとりながら、強制性を排除しているように見えますが、逆に言えば、当時の国民の意識状況を見ることができるのではないでしょうか?

 3.戦意高揚を図らなければならないような戦争、その戦争の継続は難しいという国民意識と戦意高揚が浸透していくために何を装置として使ったかという事実が見えてくるのではないでしょうか。

 4.これらの歌に込められた思想と感情は、好戦的・攻撃的なものでした。ということは、攻撃される側からみれば、どのように映ったのでしょうか?戦前において、そのような視点で捉えることができなかったからこそ、今日において、必要な視点ではないでしょうか?

 5.このことは、現代社会では当たり前のこととしてやっていることです。たとえば「伝統の巨人阪神戦」か「伝統の阪神巨人戦」か、東日本大震災の被災者の立場に立つかどうか、あるいは「いじめる側から」か、「いじめられる側から」か、など、日常的に行われていることです。しかも立ち居地によって、見えてくる景色は大きく違ってくるのです。

 6.以上のような諸事実を抜きに、戦後「日の丸」「君が代」が、サンフランシスコ条約締結による「主権回復」後の1952年4月28日以後、再び国民の中に、「国旗」「国歌」として、当たり前のように浸透していった結果、圧倒的多数の国民の中に、疑問すら浮かばない状況がつくりだされてしまったのです。戦争責任問題を含めてです。しかも、反対者たちを孤立させるなかで。さらに言えば、「道徳」の名の下においてです。

 

次に問題は、こうした状況をつくりだしてきた国歌の装置について記事を書いていきます。

つづく

 明治26(1893)年

一月一日    詞 千家 尊福    曲 上 真行

年の始めの 例(ためし)とて     終わりなき世の めでたさを

松竹たてて 門ごとに         祝う今日こそ 楽しけれ

初日のひかり さしいでて       四方に輝く 今朝のそら

君がみかげに 比(たぐ)えつつ    仰ぎ見るこそ 尊けれ

 ※官報第3037号付録で告示発表当時は二番の歌詞は「初日のひかり、明きらけく、治むる御代の今朝のそら」となっていた。大正二年文部省告示で現歌詞に改められた。

 天長節  詞 黒川真頼  曲 奥 好義

今日(きよう)の吉(よ)き日は 大君の    うまれたまいし 吉き日なり

今日の吉き日は 御光(みひかり)の      さし出(で)たまいし 吉き日なり

ひかり遍(あまね)き 君が代を        祝え 諸人(ものびと) もろともに

恵み遍き 君が代を              祝え 諸人 もろともに

 明治43(1910)年

出師営(すいしえい)の会見    詞 佐々木 信綱    曲 岡野 貞一    文部省唱歌

一 旅順開城約なりて 敵の将軍ステッセル  乃木大将と会見の 所は何処(いずこ)水師営

二 庭に一本聚(ひともとなつめ)の木 弾丸あとも著(いちじ)るく  崩れ残れる民屋(みんおく)に 今ぞ相見る二将軍

三 乃木将軍は厳かに 御恵み深き大君の  大みことのり伝うれば 彼畏(かしこみ)みみて謝しまつる

四 昨日の敵は今日の友 語る言葉もうちとけて  我は讃えつ彼の防備 彼は讃えつ我が武勇

五 かたち正して言い出でぬ 「この方面の戦闘に  二子を失い給いつる 閣下の心如何にぞ」と

六 「二人の我が子それぞれに 死所を得たるを喜べり  これぞ武門の面目」と 大将答え力あり

七 両将昼食(ひるげ)ともにして なおも尽きせぬ物語  「われに愛する良馬あり 今日の記念に献ずべし」

八 「厚意謝するに余りあり 軍の掟(おきて)に従いて  他日わが手に受領せば 長く労(いた)わり養わん」

九 「さらば」と握手懇(ねんご)ろに 別れて行くや右左  砲音(つつおと)絶えし砲台に 閃き立てり日の御旗

 ※明治三十九年『尋常小学読本巻十』にのった佐々木信綱の詩に、岡野貞一が作曲し、明治四十三年の『尋常小学読本唱歌』に収められた。

 明治44(1911)年

日の丸の旗    詞 高野 辰之    曲 岡野 貞一  文部省唱歌

1 白地に赤く 日の丸染めて ああうつくしや 日本の旗は

2 朝日の昇る 勢い見せて ああ勇ましや 日本の旗は

 この歌は、戦後、昭和22(1947)年文部省著作教科書「一ねんせいのおんがく」では、2番が「あおぞらたかく 日のまるあげて  ああうつくしい にほんのはたは」と変更されました。

 因みに昭和16(1941)年には、

一、青空高く 日の丸揚げて ああ美しい 日本の旗は

二、朝日の昇る 勢い見せて ああ勇ましい 日本の旗は

 昭和7(1932)年

満州行進曲    詞 大江 素天    曲 堀内 敬三

一 過ぎし日露の戦いに 勇士の骨を埋(うず)めたる  忠霊塔を仰ぎ見よ 赤き血潮に色染めし  夕日を浴びて空高く 千里礦野に聳えたり

二 酷寒零下三十度 銃(つつ)も剣も砲身も  駒の蹄(ひづめ)も凍る時 すわや近づく敵の影  防寒服が重いぞと 互に顔を見合わせる

三 しっかり冠(かぶ)る鉄兜(てつかぶと) たちまち造る散兵壕(さんぺいごう)  わが連隊旗翻(ひら)々と 見上げる空に日の丸の  銀翼光る爆撃機 弾に舞いたつ伝書鳩

四 戦い止んで陣営の 輝き冴える星の下  黄色い泥水汲取って 炊(かし)ぐ飯盆(はんごう)にたつ湯気の  温(ぬく)みに探る肌守り 故郷(ふるさと)いかにと語りあう

五 面影去らぬ戦友の 遺髪の前に今ひらく 慰問袋のキャラメルを 捧げる心君知るや 背嚢枕に夜もすがら 眠れぬ朝の大吹雪

六 東洋平和の為ならば 我等が命捨つるとも 何か惜しまん日本の 生命線はここにあり 九千万の同胞(はらから)と 共に守らん満州を

 ※満州事変勃発に伴い、朝日新聞が募集した軍歌の当選歌。昭和最初の軍歌。

 走れ大地を    詞 斎藤 竜    曲 山田 耕筰

一 走れ大地を 力のかぎり  泳げ正々 飛沫をあげて  君等の腕は 君等の足は 我等が日本の  尊き日本の 腕だ 脚だ

二 跳べよ雄々しく 地軸を蹴りて  投げよ堂々 青空高く  君等の力は 君等の意気は  我等が日本の 輝く日本の 力だ 意気だ

三 揚げよ日の丸 緑の風に  響け君が代 黒潮越えて  君等のほまれは 君等の栄(はえ)は  我等が日本の  青年日本の ほまれだ 栄だ

 ※ロサンゼルスの第十回オリンピックの応援歌として募集されたもので、このためでもないが、わが水泳チームは総合成績第一位で「水泳日本」の名を世界にとどろかせた。

 昭和11(1936)年

 日の丸行進曲    詞 松坂 直美    曲 河村 光陽

一 姿やさしく 朝日をうけて  におうさくらは われらの誇り

「日本よい国 日の丸あおぎ  みんな仲よく 暮らしましょう」

 赤は勇気を 正義を示し  白は博愛 平和のしるし

「日本よい国 日の丸あおぎ  みんな仲よく 暮らしましょう」

 強い体に 明るい心  町に野山に 希望はおどる

「日本よい国 日の丸あおぎ  みんな仲よく 暮らしましょう」

 遠い千島の あの果てまでも  風にいさまし 我らの旗よ

「日本よい国 日の丸あおぎ  みんな仲よく 暮らしましょう」

 昭和12(1937)年

露営の歌   詞 藪内 喜一郎    曲 古関 裕而

一 勝ってくるぞと勇ましく  誓って国を出たからは  手柄立てずに死なれよか  進軍ラッパきくたびに  瞼に浮かぶ旗の波

二 土も草木も火と燃える  果てなき礦野踏みわけて  進む日の丸鉄兜  馬のたてがみ撫でながら  明日の命を誰が知ろ

三 弾丸もタンクも銃剣も  暫し露営の草枕  夢に出て来た父上に  死んでかえれと励まされ  さめて睨むは敵の空

四 思えば今日の戦いに  朱に染ってにっこりと  笑って死んだ戦友が  天皇陛下万歳と残した声が忘らりょか

五 戦闘(いくさ)する身はかねてから  捨てる覚悟でいるものを  鳴いてくれるな草の虫東洋平和のためならば  なんで命が惜しかろう

 ※毎日新聞募集「進軍の歌」第二位当選歌。第一位の「進軍の歌」よりこの方がヒットした

 昭和13(1938)年

皇軍大捷の歌    詞 福田 米三郎    曲 堀内 敬三

一 国を発(た)つ日の 万歳に  しびれるほどの 感激を  こめて振ったも この腕ぞ  今その腕に 長城を  越えてはためく 日章旗

二 焦りつく雲に 弾丸(たま)の音  敵殲滅(せんめつ)の 野にむすぶ  露営の夢は 短か夜に  ああ ぬかるみの迫撃の  汗を洗えと 大黄河

三 地平か空か 内蒙の  砂塵(すな)に 勝利の眼が痛む  思えば 遠く来たものぞ  朔風(さくふう) すでに吹き巻いて  北支の山野 敵もなし

四 南の空 雲燃えて  陸戦隊の 陣堅く  逆巻く浪に 沿岸の  航路を断てば 敵の船港に島に 影ひそむ

五 八機 二機 五機墜(お)ちてゆく  敵へ情けの 一旋回(ひとめぐり)り  機首をかえして 更に衝(つ)く  鉄路 トーチカ 幾山河  手柄に残る 弾丸(たま)の痕(あと)

六 大上海(シャンハイ)に 火は消えて  暗(やみ)のクリーク 星凍る  黒い太湖の 北・南  見よ 戦友の肩の霜  もろくも解けし 敵の守備

七 首都南京は 遂に陥(お)つ  焼けた砲銃(ほづつ)の 手をとめて  ニッコリ笑めば 隊長も  莞爾(かんじ)と見やる 城壁に  御稜威(みいつ)かがやく 朝日影  皇軍大捷 万々歳

 ※当時の朝日新聞社懸賞募集の当選歌である。

 愛国行進曲    詞 森川幸雄   曲 瀬戸口藤吉

一 見よ 東海の空明けて  旭日 高く輝けば  天地の正気 溌刺(はつらつ)と  希望は躍る 大八洲(おおやしま)  おお 清朗の朝雲に  聳ゆる富士の姿こそ  金甌(きんおう)無欠 揺るぎなき  わが日本の 誇りなれ

二 起て 一糸の大君を  光と 永久(とわ)にいただきて  臣民われら 皆共に  御稜威(みいつ)に副(そ)わん 大使命  征け 八紘(はつこう)を宇(いえ)となし  四海の人を 導きて  正しき平和 うち建てん  理想は花と 咲き薫る

三 いま幾度か わが上に  試練の嵐 哮(たけ)るとも  断乎と守れ その正義  進まん道は一つのみ  ああ 悠遠(ゆうえん)の神代より  轟く歩調うけつぎて  大行進のゆく彼方  皇国つねに栄えあれ

 ※これも国民から公募した歌である。当選したこの詞の作者は二十三歳の青年。詞が決定してから曲も公募した。この作曲者は当時七十歳の元海軍軍楽隊長で「軍艦マーチ」の瀬戸口藤吉だった。レコード各社が競作し、当時としては空前の百万枚突破の大ヒットとなった。

 日の丸行進曲    詞 有本 憲次    曲 細川 武夫

一 母の背中に ちさい手で  振ったあの日の 日の丸の  遠いほのかな 思い出が  胸に燃えたつ 愛国の  血潮のなかに まだ残る

二 梅に桜に また菊に  いつも掲げた 日の丸の  光仰いだ 故郷の家  忠と孝とを その門で  誓って伸びた 健男児

三 ひとりの姉が 嫁ぐ宵  買ったばかりの 日の丸を  運ぶ箪笥(たんす)の 抽斗(ひきだし)へ  母が納めた 感激を  今も思えば 眼がうるむ

四 去年の秋よ つわものに  召し出だされて 日の丸を  敵の城頭 高々と  一番乗りに うち立てた  手柄はためく 勝ちいくさ

五 永久(とわ)に栄える 日本の  国の章(しるし)の 日の丸が  光そそげば 果てもない  地球の上に 朝が来る  平和かがやく 朝が来る

 ※大阪毎日新聞・東京日日新聞の懸賞当選歌で、国民の間でひろく愛唱された。

 からゆきさんの唄    詞 時雨 音羽    曲 細川 潤一

一 暗い海辺の 船着き場  見送るものは 波ばかり  買われてゆくのは からゆきさん 心ひとつが 身のたより  遠いボルネオ 旅の果て

二 潮(しお)の香りが 身にしみりゃ  日の丸恋し 故郷(さと)恋し  船を見送る からゆきさん  シンガポールの 黄昏に  泣いて暮らして 母となる

三 躍る白波 おどる胸  はるばる帰る ふるさとは  唐から帰る からゆきさん  人は冷たく 身は細く  空の陽までが 目に痛い

 ※“からゆきさん”とは、江戸時代から九州の一部の土地の者で、海外に出稼ぎに行った女を、そう呼んだのである。出稼ぎと言っても女の事ゆえ、多くは半分買われて外人や中国人の妻妾となって外地に赴いたのである。そこに種々の哀話があった。

 荒鷲の歌    詞・曲 東 辰三

一 見たか銀翼 この勇姿  日本男子が 精こめて  作って育てた わが愛機  空の護りは 引受けた  来るなら来てみろ 赤トンボ  ブンブン荒鷲 ブンと飛ぶぞ

二 誰がつけたか 荒鷲の  名にも恥じない この力  霧も嵐も なんのその  重い爆弾 かかえ込み  南京(ナンキン)ぐらいは ひとまたぎ  プンプン荒鷲 ブンと飛ぶぞ

三 金波銀波の 海越えて  曇らぬ月こそ わが心  正義の日本 知ったかと  今宵また飛ぶ 荒鷲よ  御苦労 しっかり頼んだぜ  プンプン荒鷲 ブンと飛ぶぞ

四 翼に日の丸 乗組は  大和魂の 持主だ  敵機は あらまし潰したが  あるなら出てこい お代り来い  プロペラばかりか 腕も鳴る  プンプン荒鷲 ブンと飛ぶぞ

 昭和14(1939)年

父よ あなたは強かった    詞 福田 節    曲 明本 京静

一 父よ あなたは強かった  兜(かぶと)も焦(こが)す 炎熱(えんねつ)を  敵の屍と 共に寝て  泥水すすり 草を噛み  荒れた山河を 幾千里  よくこそ撃って 下さった

二 夫よ あなたは強かった  骨まで凍る 酷寒を  背(せい)もとどかぬ クリークに  三日もつかって いたとやら  十日も食べずに いたとやら  よくこそ勝って 下さった

三 兄よ 弟よ ありがとう  弾丸(たま)も機雷も 濁流も  夜を日に進む 軍艦旗  名も荒鷲の 羽ばたきに  のこる敵機の 影もなし  よくこそ遂げて 下さった

四 友よ わが子よ ありがとう  誉れの傷の ものがたり  何度聞いても 目がうるむ あの日の戦に 散った子も  今日は 九段の桜花  よくこそ咲いて 下さった

五 ああ 御身らの勲こそ  一億民の まごころを  一つに結ぶ 大和魂  いま 大陸の青ぞらに  日の丸高く 映えるとき  泣いて拝がむ 鉄かぶと

 ※朝日新聞社が“皇軍感謝の歌’として国民から募集して当選した歌である。

 愛馬進軍歌    詞 久保井 信夫    曲 新城 正一

一 国を出てから 幾月ぞ  ともに死ぬ気で この馬と  攻めて進んだ 山や河  とった手綱に 血が通う

二 きのう陥した トーチカで  きょうは仮寝(かりね)の 高いびき  馬よ ぐっすり眠れたか  明日の戦(いくさ)は 手強いぞ

三 弾丸(たま)の雨降る 濁流を  お前頼りに 乗り切って  任務(つとめ)果した あの時は  泣いて 秣(まぐさ)を食わしたぞ

四 慰問ぶくろの お守札(まもり)を  かけて戦う この栗毛(くりげ)  ちりにまみれた ひげ面に  なんでなつくか 顔寄せて

五 伊達にはとらぬ この剣(つるぎ)  真っ先駈けて 突っこめば  なんと脆(もろ)いぞ 敵の陣  馬よ いななけ 勝鬨(かちどき)だ

六 お前の背(せな)に 日の丸を  立てて入城 この凱歌(がいか)  兵におとらぬ 天晴れの  勲は 永く忘れぬぞ

 ※馬匹愛護の思想を普及させるため当時陸軍省が公募したもの。詞曲両者がすぐれているためか、この歌を通して馬ばかりでなく兵士への思いがつよく盛り上げられている。

 幻の戦車隊     詞 横沢 千秋   曲 細川 潤一

序 唱

噫々(ああ)悲か壮か はた神か  斃(たお)れて後も 尚(なお)已まぬ  忠勇・武烈の 日本魂(やまとだま)  死にゆく息の 一瞬時(たまゆら)も  起(た)ってぞ邀(むか)う ますらおは-  北支の戦野 かけめぐり  ただ 尽忠に余念なき  兵等がひとしく 威(おそ)れたる  神魂(しんこん)「幽霊戦車隊」-  その不可思議を 君知るや

本 歌

一 戦線百里 荒涼と  風なまぐさき 火の巷(ちまた)  敵撃退の 命(めい)くだり  敢然すすむ 小部隊

二 味方は わずか五十人  敵の干騎に 及ばねど  覚悟は なんで劣るべき  銃火みじんと 地を払(はら)う

三 敵 有力をこと頼み  危うく迫る 幾(いく)そ度(たび)  されども我は 退(しりぞ)かず  たちまち追うぞ 頼もしき

四 脚傷(あしきず)つけば 手にて匐(は)い  手くだくれば 口で撃つ  “撃てよ 退(ひ)くな”と呼交(よびかわ)し  鉄血かたき われの陣

五 かくて 交戦数時間  夕闇寒く 野にみちて  かえり見すれば わが兵の  半ばはすでに 斃(たお)れたり

六 残るも無慙(むざん) 傷ふかく  撃ちつづくるは 五名のみ  折しもあれや 敵軍がこれを最後と 攻めきたる

七 鬼神も辞せぬ 勇あれど  不足の兵を いかにせむ!  無念! 頬(ほ)を灼(や)く血の涙  あわやと見えし 一刹那(いちせつな)

八 重傷(ふかで)に喘(あえ)ぐ 兵士等の  耳に 瞳(ひとみ)に 瞭(あり)ありと  轟然せまる 姿あり!  日の丸たかき 戦車隊

九 夢にか? 非(あら)ず 現(うつ)つにか?  いずれと知らね その勇姿  ましぐら進む 戦車隊―  奮い起たでや 死せる身も

一〇 この時! すでに地に臥(ふ)して  息絶ゆと見し 傷兵ら  “友軍きたる 戦車隊!戦車ぞきたる! 怯れな”と

一一 血ぶるい猛(たけ)く とび起きて  一斉(いっせい) やにわ突貫す!  雄叫びすごく突貫す!  壮絶 悲絶 たぐいなし

一二 残る五名も〝素破こそ!〝と  つづけば高し 鬨(とき)の声  一心凝(こ)って 衝くところ  山も巌(いわお)も 裂(さ)け! 力(ちから)

一三 斯(か)くとは 敵の思いきや  鬼神もひるむ 反撃に  敵は わが兵なお在(あ)りと  あわてて 遠く逃れたり

終 唱

銃音(つつおと)絶えし 戦場に  けぶれる月の ただ蒼く  噫々摩詞不思議(まかふしぎ) たまゆらに  重傷(ふかで)の兵が 見しという  戦車の影の さらに無し

これぞ“幽霊戦車隊“―  斃れて已まぬ 気概もて  絶えんとはする 息のもと  なお奮い起つ 尽忠の  至誠(まこと)が描く まぼろしか

それとも神の 呼ぶ業(わざ)か  戦士(つわもの)どもの 忠魂の  最後を鼓舞し 咲かしめて  常に われをば護るてう  ああ 幻の戦車隊  ああ 幻の戦車隊―

 ※太平洋戦争の時代に当たって唯一つの珍しい本格的な物語詩としての歌謡曲。長いので余り巷間ではうたわれなかったが、悲愴雄渾なメロディと共に作詞の上でも傑作の一つとして賛えられたもの。樋口静雄の歌唱でキングレコードから出され、一般家庭や将兵の間でかなり愛好された。なおこの。“幽霊戦車隊“の現象は、傷兵の心理上の幻党によるものか、実際に当時の北支の戦線で度々あったもので、作詞者は陸軍病院において、その現実の体験者である傷兵たちから聞いて作詞した。

 出征兵士を送る歌    詞 生田 大三郎    曲 林 伊佐緒

一 わが大君に 召されたる  生命(いのち)栄えある 朝ぼらけ  讃えて送る 一億の

歓呼は高く 天を衝く  いざ征(ゆ)け つわもの  日本男児!

二 華と咲く身の 感激を  戎衣(じゆうい)の胸に 引きしめて  正義の軍(いくさ) 征くところ  誰か阻まん その歩武(ほぶ)を  いざ征け つわもの  日本男児!

三 かがやく御旗 先だてて  越ゆる勝利の 幾山河  無敵日本の 武勲(いさおし)を  世界に示す 時ぞ いま  いざ征け つわもの  日本男児!

四 守る銃後に 憂(うれい)なし  大和魂 ゆるぎなき  国のかために 人の和に  大磐石(だいばんじゃく)の この備え  いざ征け つわもの  日本男児!

五 ああ万世の 大君に  水漬(みず)き草むす 巾心烈の  誓い効(いた)さん 秋(とき)到る  勇ましいかな この首途(かどで)  いざ征け つわもの  日本男児!

六 父祖の血潮に 色映ゆる  国の誉れの 日の丸を  世紀の空に 燦然(さんぜん)と  掲げて築けや 新アジア  いざ征け つわもの  日本男児!

 ※講談社が公募した当選歌。曲も公募したが、当選した曲は当時歌手として活躍していた林伊佐緒のものであった。キングレコードより出され全国的に大ヒットした。

 昭和15

空の勇士    詞 大槻 一郎    曲 蔵野 今春

一 恩賜の煙草(たばこ) いただいて  あすは死ぬぞと 決めた夜は  曠野の風も なまぐさく  ぐっと睨んだ 敵空に  星がまたたく 二つ三つ

二 すわこそ行けの 命一下  さっと羽ばたく 荒鷲へ  なにを小癩(こしゃく)な 群雀(むらすずめ)  腕まえ見よと 体当り  敵が火を噴く 堕(お)ちてゆく

三 機首を返した 雲の上  いまの獲物を 見てくれと  地上部隊に 手を振れば  どっと揚がった 勝鬨の  中の担架が 眼に痛い

四 しめたぞ敵の 戦車群  待てと矢を射る 急降下  けぶる火達磨 あとにして  悠々還る 飛行基地  涙莞爾と 部隊長

五 世界戦史に 燦然(さんぜん)と  かがやく 陸の荒鷲へ  今日もうち振る 日章旗  無敵の翼 とこしえに  守るアジアに 栄えあれ

 ※詞・曲とも陸軍省後援で読売新聞社で公募したものの当選作。レコード六社の競作として出され、曲と詞のみごとに合致した名作として愛唱され、大ヒットした。

 昭和16

勇む銀輪-自転車部隊に捧ぐ―    詞 勝 承夫    曲 須磨 洋朔

一 ぐんとふめぐんとふめ ぐんとふめば  勇む銀輪 この軽さ  胸にうれしや そよ風うけて  越える赤道 熱砂の道よ

二 ぐんとふめぐんとふめ ぐんとふめば  山の敵から 弾丸(たま)が来る  目ざす都に 行きつくまでは  無事でいてくれ 大事な銀輪

三 ぐんとふめぐんとふめ ぐんとふめば  鳥も鳴く鳴く ゴム林  車かついで 敵前渡河の  今日のいくさの 苦労も消える

四 ぐんとふめぐんとふめ ぐんとふめば  はずむ銀輪 気がはずむ  明日は入城 日の丸つけて  急ぐおいらは 自転車部隊

 ※これは太平洋戦争の折、マレー半島北部に上陸した日本陸軍が、烈しく戦いながら南端のジョホールまで約一千百キロを、一日平均二十キロという記録的な進撃をしたが、その大活躍をした自転車部隊という特殊な部隊をうたったもの。

 昭和17

戦友の遺骨を抱いて    詞 逢原 実    曲 松井 孝道

一 一番乗りを やるんだと  力んで死んだ 戦友の  遺骨を抱いて 今入る  シンガポールの 街の朝

二 男だ なんで泣くものか  噛んでこらえた 感激も  山からおこる 万才に  思わず 頬が濡れてくる

三 負けずぎらいの 戦友の  遺品(かたみ)の国旗(はた)を とり出して  雨によごれた 寄せ書きを  山の頂上に 立ててやる

四 友よ見てくれ あの凪(な)いだ  マラッカ海の 十字星  夜を日についだ 進撃に  君と眺めた あの星を

五 シンガポールは 陥(おと)しても  まだ進撃は これからだ  遺骨を抱いて 俺は行く  守ってくれよ 戦友よ

 ※作詞者は、シンガポール作戦に参加した海軍主計曹長。実際の姿を歌ったものであろう。実感味が豊かである。作曲者も軍楽隊士。

 ハンケチ日章旗    詞 深沢 健三    曲 上原 げんと

一 野越え山越え 泥濘(ぬかるみ)の  悪路進んで 幾十里  みごとに陥ちた 敵陣へ  戦友(とも)の 屍(かばね)を越えて行く

二 そうだあのとき 戦友(せんゆう)の  赤い血潮で 染め分けた  この日の丸の ハンケチを  銃に結んで 翳(かざ)すのだ

三 聞けよわが戦友(とも) 霊あらば  君が形見の ハンケチを  振りつつ叫ぶ 万才の

 声も涙で ふるえるぞ

四 憶(おも)や去年の 花の春  故郷(くに)を発(た)つ日の 駅頭で  首途(かどで)を送る 母上が  君に渡した ハンケチだ

五 ほまれ輝く 入城だ  とも いのち たましい  戦友(とも)の生命と 魂魄(たましい)が  こもっているのか 朝風に  鳴るぞハンケチ 日章旗

 ※十七年キングレコードから近衛八郎の歌で出されたもの。素直なわかりやすい詩句とメロディの良さに、近衛の魅力ある歌唱が受けて、よく歌われた歌であった。

 南から南から    詞 藤浦 洸   曲 加賀屋 伸

一 南から 南から  とんで来た来た 渡り鳥  嬉しそに 楽しそに  富士のお山を 眺めてる  茜の空 晴れやかに  昇る朝日 勇ましい  その姿 見たこころ  一寸(ちょっと)ひと言 聞かせてよ

二 南から 南から  そよぐソヨソヨ 南かぜ  爽やかに 和やかに  村の鎮守の 森をゆく  深みどり 色も濃く  娘十八 神詣で  その姿 見たこころ  一寸ひと言 聞かせてよ

三 南から 南から  遠く海越え 来た人は  村里に 町かどに  なびく日の丸 たのもしく  じっと眺めて 涙ぐむ  強いお国 日本の  その姿 見たこころ  一寸ひと言 聞かせてよ

 日本軍の緒戦のかんばしさはつぎつぎと南方にも占領地をのばした。それで大陸メロディが流行した。その一つ。

 昭和18

加藤隼戦闘隊     詞 田中 林平 朝日 六郎    曲 原田 正幸 岡野 正幸

一 エンジンの音 轟々(ごうごう)と  隼(はやぶさ)は征く 雲の果て  翼(よく)にかがやく 日の丸と  胸に描きし 赤鷲の  印は われらが戦闘機

二 寒風酷暑 ものかはと  艱難(かんなん)辛苦 うち堪えて  整備にあたる 強兵(つわもの)が  しっかり やって来てくれと  愛機に祈る 親ごころ

三 過ぎし幾多の 空中戦  銃弾うなる その中で  必ず勝つの 信念と  死なば共にと 団結の  心でにぎる 操縦悍

四 干戈(かんか)まじゆる 幾星霜  七度重なる 感状の  いさおの蔭に 涙あり  ああ今は亡き 武士(もののふ)の  笑って散った そのこころ

五 世界にほこる 荒鷲の  つばさ伸ばせし 幾千里  輝く伝統 うけつぎて  新たに興す 大アジア  われらは皇軍 戦闘隊

 ※かずかずの作戦に空中から協力して感状七度という、殊勲の戦闘機部隊の歌だが、曲もよかったので一般にもよくうたわれた。正しくは「加藤部隊隊歌」が歌の名である。

 昭和19

特幹の歌    詞 清水 かつら    曲 佐々木 俊一

一 翼(つばさ)かがやく 日の丸に  燃える闘魂 眼にも見よ  今日も 逆(さか)らう雲切れば  風もしずまる 太刀洗(たちあらい)  ああ 特幹の大刀洗

二 強く雄々しい 若松に  匂う暁 宇品港(うじなこう)  ゆくぞ波風 岩も裂く  船の男児(おのこ)の 心意気  ああ 特幹の心意気

三 吹けよ朝風 初陣(ういじん)の  翼さやかな 肌ざわり  胸の火玉に 昇る陽(ひ)に  命捨て身の 武者ぶるい  ああ 特幹の武者ぶるい

四 叩(たた)く敵陣 矢が尽きりゃ  なんの当て身の 弾丸吹雪(たまふぶき)  母も見ている 聞いている  船とつばさの 勝ち名乗り  ああ 特幹の勝ち名乗り

 ※特幹とは陸軍特別幹部候補生のことである。海軍の予科練と共に当時の若者・少国民の憧れの的であった。読売新聞社の選定歌で藤原義江がうたい、全国に普及した。

 勝利の日まで    詞 サトウ ハチロウ    曲 古賀 政男

ー 丘にはためく あの日の丸を  仰ぎながめる われ等の瞳  いつか溢るる 感謝の涙 燃えてくるくる 心の炎  われ等はみんな 力の限り  勝利の日まで 勝利の日まで

二 山で斧振る おきなの腕も  海の若者 櫓を漕ぐ腕も  町の工場の 乙女の指も  今日も来る来る お国のために  われ等はみんな 力の限り  勝利の日まで 勝利の日まで

三 雨の朝(あした)も 吹雪の夜半(よわ)も  思うは一つ ただただ一つ  遠い戦地と 雄々しき姿  浮かび来る来る ほほ笑む顔が  われ等はみんな 力の限り  勝利の日まで 勝利の日まで

四 空に飛びゆく 翼に祈り  沖を過ぎゆく 煙に誓う  国をあげての この戦いに  湧いて来る来る 撃ちてし止まん  われ等はみんな 力の限り  勝利の日まで 勝利の日まで

 ※同題名の映画の主題歌。明るくてしかもナイーヴなメロディが、四六時中戦意の強制に疲れた大衆の心に、和やかな慰めと救いを与えてくれたので、方々でうたい広められた。

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自国民だけでなく国際的に敬意を表される国旗国歌こそ道徳的にふさわしい!血塗られた日の丸の実態!その1

2013-04-28 | 日の丸・君が代

先に、以下のテーマで記事を書きました。

国歌「君が代」強制こそ、伝統文化の破壊・不道徳の極地、日米軍事同盟深化派の愛国心教育を断罪する!

http://blog.goo.ne.jp/aikokusyanozyaron/e/dcca98f5b928e12ae4135e66028936aa

 そこで、以下のコメントが寄せられましたので、調べ、考えてみました。

 日の丸・君が代の問題は、国旗・国歌に関する世界共通の問題か。それとも、国旗・国歌に関する共通の問題とは関係ない日本独特の問題か。もしも、それが日本独特の問題であるならば、我が民族の特性に焦点を当てて深く論じなくてはならない。そうでなければ、理性的な解決は得られない。(noga

 その上でなお、「大切な人に長生きしてほしい」と願う本来の「君が代」が、戦争を放棄した平和憲法を持つ日本にふさわしい国歌であると考えます。(えまのん

 平和憲法に相応しいのは、何か、大いに議論して見る必要があるように思います。国旗・国歌のことですから。それにしても、他民族を抑圧するための道具として使われた日の丸・君が代を国旗・国歌とするのは、どうでしょうか?(愛国者の邪論)

 

そうしたら、以下の記事を見つけることができましたので、その事実を踏まえて、記事を書いてみることにしました。

 英ロックバンド、新PVに「旭日旗使用」と韓国からクレーム受ける  2013年4月24日(水)14時9分配信 サーチナ

 http://news.nifty.com/cs/world/worldalldetail/sech-20130424-20130424_00023/1.htm

 韓国世論「旭日旗とナチス党旗を同一視」の大いなる誤解 20130416(火) 13:41

http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2013&d=0416&f=national_0416_026.shtml

 

この「サーチ」の記事のポイントと、それに対する愛国者の邪論の意見は、以下のとおりです。

 1.「旭日旗」が「日本軍国主義の象徴」として描かれているのには、それなりの事実があります。日本国民として、その事実をどのように捉えるか、です。

 2.上記の「サーチ」の記事(編集担当:新川悠)だけでは、「韓国では、旧日本軍が軍旗として用い、現在は自衛隊が用いている『旭日旗』を、『ナチス党旗と同じ性格の旗』と」と同じと捉えているかどうかは読み取れません。

 3.ところが、「編集担当:如月隼人」氏の記事になると違った展開になってきます。

それは「『旭日旗』を、『ナチス党旗と同じ性格の旗』として「非難する世論が沸騰することがある」と述べているからです。しかも、「『思想的背景』がとくにあったわけではない」「旭日旗」「日章旗」と「当初から『アーリア民族の優位性』『アーリア人勝利のために戦う、侵略主義的発想』と結びついていた、ナチス特有の思想のシンボル」「ナチス党旗」の違いを強調しているからです。

 4.それでは両者の違いはどうでしょうか?そこで、その由来を「ハーケンクロイツ」「エアハルト海兵旅団」「卍)(まんじ)」「太陽十字」「太陽のシンボル」で検索してみました。その結果、判ったことは、両者の由来そのものについては、たいした違いのないことが判ります。

 5.問題は、これらの「シンボル」が、忌避されている理由です。因みに「卐はナチスの忌まわしいシンボルマークとして認識されている。右卍か左卍に関わらず、両方がほとんどのヨーロッパ諸国で法律によって使用が禁止されている。特にドイツではハーケンクロイツの使用が完全に禁じられており、学術的な目的や、反ナチ意識高揚のための使用を除き、公の場で使用すると逮捕される。そのため、ハーケンクロイツとよく似ている卍の使用もヨーロッパでは忌避されることがある」と、韓国の場合と同じような「非難する世論が沸騰することがある」という反応のあることが判ります。

 6.「編集担当:如月隼人」氏の言うように、

(1)世界的にも珍しくはない「太陽信仰」であり、民衆も愛好したデザインだった。

(2)人々は要するに「めでたい」と感じたから「日の丸」を好んだわけであり、「思想的背景」がとくにあったわけではない。

(3)日章旗の場合、素朴な太陽信仰を起源に持ち、多くの日本人が「そのデザインが好きだった」ということで、最終的に国旗にもなった。

(4)誤解を恐れず言えば、“きわめてのん気”にできあがった国旗であり、その思想的背景は「争いごと」と無縁だった。「争いごと」と無縁だった…

(5)旭日の意匠は軍旗として採用されるはるか以前から、「めでたさ」を強調するために、民間で祝い事などに用いられていた。

 としていますが、その「日章旗」「日の丸」を「軍旗」として「思想的背景」を持たせ、ある時は強制的に、ある時は国民感情を巧に利用して浸透を図ってきたことに最大の問題があります。ここに最大のゴマカシ、スリカエ、不道徳があります。その理由は、以下の事実を見れば明瞭です。

 7.国民学校国語教科書『初等科國語二』の中にある「十四  軍旗」に、民間の太陽信仰を利用した不道徳ぶりが、皮肉にも明解に書かれているのです。このことは、戦前「日の丸」を歌った歌謡曲にも如実に出ています。別項に記事にします。

http://www.geocities.jp/sybrma/156syotoukakokugo2.html

「軍旗、軍旗、天皇陛下の御前に、死ぬるかくごで敵地に進む、わが陸軍のひかりの軍旗。」
「軍旗、軍旗、天皇陛下のみいくさに、いつでも勝っててがらをたてる、わが陸軍のほまれの軍旗。」

 しかも、「軍旗として旭日旗」を「旧陸軍軍旗を元にした八条旭日旗」を「自衛隊旗(連隊旗)」に、さらに「旧海軍軍艦旗と同じ意匠」の「自衛艦旗」に採用したことは、その意味から、大いに批判されなければなりません。しかし、ここでは何ら問題にはしていません。

 8.それでは、神社本庁は、「民間信仰」である太陽信仰について、その「メッカ」「総本山」=「伊勢の神宮」をどのように述べているか、調べてみました。

http://www.jinjahoncho.or.jp/izanai/ise.html

「日本全国にたくさんある神社の中で、古来、特別な神社として敬われてきたのが伊勢の神宮です。伊勢の神宮は、正式には神宮とのみ申し上げ、三重県伊勢市とその周辺に鎮座する百二十五のお社の総称です。その中心は、皇室のご祖先である天照大御神をおまつりする皇大神宮(内宮)と、天照大御神のお食事をつかさどり、衣食住はじめ産業の守り神である豊受大御神をおまつりする豊受大神宮(外宮)です。(引用ここまで

 また「神道への誘い」を見ても「五穀豊穣」を願う「民間信仰」にもとづく神道思想を否定した「軍旗」思想の誤り、不道徳は明確です。そもそも、この太陽信仰は、「生産」を願い、祝うものであって、殺人を尊ぶものでないことは明らかです。ここに最大のトリックがありますが、これについては、別項で記事にすることにします。

http://www.jinjahoncho.or.jp/izanai/index.html

 9.「たいていの日本人」が、こうした不道徳に対してきっぱりとした態度を示していくことは、韓国人や他国から言われるからなどという理由などを持ち出すまでもなく、「人間の特性として」、すなわち道徳的な意味からも大切なことです。

 10.「編集担当:如月隼人」氏は、「ベトナム戦争における侵略側」にたった韓国、「かつての欧州列強が伝統的に用いている旗」を持ち出し、その「異議」の是非について以下のように論じています。

 (1)「もちろん、純粋に論理的に考えれば、『日本が過去において、周辺国を侵略する際に使った国家的なシンボルは、すべて使うべきではない』と主張することもできる」

(2)「仮にベトナムが韓国軍旗について『わが国侵略のシンボルだった。使用は好ましくない』と主張した場合、韓国人は(旭日旗を排斥するならば)自らの主義主張にもとづき『誠実に対応すべき』という“理屈”になる」

(3)「ただその場合、旭日旗や日章旗だけでなく、英国国旗、英国軍旗、フランス国旗、フランス軍旗など、かつての欧州列強が伝統的に用いている旗には、すべて異議を唱えなければならなくなる」

 しかし、「ベトナム戦争における侵略側」に立った韓国の太極旗、植民地支配を行った「かつての欧州列強が伝統的に用いている旗」の是非を論じなければ、「日章旗」の是非も論じることはできないとする論法によっても、日本の侵略を正当性すること、神道を歪曲することはできません。この論法は、犯罪者が、別の犯罪者を持ち出して自らの犯罪を正当化するのと同じと言えないでしょうか?これまた不道徳の象徴と言えます。

 11.その点で言えば「ベトナム戦争における侵略側」に立ったアメリカ国旗、星条旗も同様です。しかし、だからと言って、日本の侵略の事実を正当化できるものでないことも明らかです。そのような不道徳は、断固として排除していかなければなりません。イラク・アフガン戦争にして然りです。

 12.以上のような論法が出されてくるのには、背景があります。それは、世界の侵略の歴史についての、反省・謝罪・補償の現状についてのバラツキ、国際法で確認された諸原則についての不徹底もあります。とりわけ日本の現実があります。その点で被侵略国の側に立った視点で歴史を捉え、どのようにして「反省」「補償」「和解」をしていくか、まさに国際社会における課題と言えます。そのためにも、憲法において二度と戦争をしないと世界に宣言した日本国とその国民の果たす役割は大きいと言えます。

 以上、民間信仰として存在していた「日の丸」が、国家信仰としての「日の丸」、国家神道に転嫁していった経過の一端を述べてきました。まだまだありますので、今後も記事にしていくつもりです。「日の丸」「君が代」を容認する現在の国民感情の最大の背景にはこうした議論が国民的になされてきたとは言えない状況があることにもよりますので、あえて記事にしてみました。

 つづく

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マスコミ・学界・教育界は安倍首相の大ウソを批判できるか!マスコミを利用した大ウソ国家を許すな!2

2013-04-27 | 日記

つづきです。

さて次は、靖国神社参拝を正当化した安倍首相の言い分と靖国神社の主張から、その大ウソとスリカエを観てみたいと思います。

 2.安倍首相「靖国神社で、ご英霊にご冥福をお祈りすることを批判されることに対して、なんにも痛ようを感じないのは、おかしいと思う。国益を守り、歴史や伝統の上に立った誇りを守っていくことも私の仕事で、それをどんどん削れば、関係がうまくいくという考え方のほうが間違っている」」(24日参議院予算委)

 全くのスリカエです。靖国神社が「侵略戦争」を正当化しているのは戦犯の合祀と遊就館の展示物を観れば明瞭です。万歩譲って、「侵略戦争」でなかったとしても、アジア諸国への加害を黙殺し、その加害を進めてきた「ご英霊」たちを顕彰するという点において、その反省どころか、正当化していることに、中韓が「反発」、本当は「抗議」しているのです。

 こうした事実を一般的な「慰霊」にスリカエ、国民の中にあるナショナリズムを煽り、利用して、中韓の主張をスリカエ、この問題をとおして、マスコミを使って、日本における侵略戦争の歴史認識を一気に変えてしまおうというネライです。80年代の国際公約である「近隣諸国条項」の見直しは、そのことを示しています。

 自民・教科書検定部会始動 「近隣諸国条項」見直し着手 6月上旬に中間答申 2013.4.24 21:16 [自民党

http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130424/stt13042421180011-n1.htm

 では、靖国神社史観はどのようなものでしょうか?靖国神社の発行している「遊就館図録」(平成十五年五月刊)より、いくつか観てみます。

 (1)「韓国併合」

明治四十二(一九〇九)年七月、小村外相提案の韓国併合の意見書が閣議で承認された。翌四十三年八月、新任の寺内正毅統監が、李完用総理と会見。条約案が協議された。韓国政府では、二十二日に、閣僚を含む御前会議で条約案を承認・裁可し、同日韓国併合の条約が調印された。(引用ここまで

 (2)満州事変 

昭和六年九月十八日、奉天郊外柳条溝付近の鉄道爆破事件をきっかけに、関東軍が満洲全域の軍事占領を図った事変で、昭和八年五月三十一日の塘浩停戦協定によって事実上終結した。日本は、日露の戦勝で満洲に権益を有していたが、「滅満興漢」を旗印に新国家中華民国を建国した熱気は、既存の条約を無視した過激な国権回復運動となって満洲に波及した。この反日行動を武力で制圧した関東軍の行動は、国民に支持されたが、列国はこれに強く反発し、日本は国際連盟から脱退して、国際的孤立を深めるに至った。

昭和六(一九三一)年九月

満州における張学良政権の露骨な排日政策と日本政府の対中宥和外交への不満は、満州、特に関東軍内部で鬱積していた。事変後、関東軍は清朝最後の皇帝溥儀を擁して満州国を建国した。(米国政府は、国内の反対を押さえて積極的に介入し、日本孤立化の外交戦略を展開した)(引用ここまで

 (3)南京攻略作戦

中国の戦争意志を挫折させる目的で首都南京を包囲攻略した防衛司令官唐生智が、部隊に固守を命じて自らは逃走したため、戦闘が始まると指揮官を失った将兵は潰走または投降して壊滅。南京城は一二月十三日に陥落した。(引用ここまで

 愛国者の邪論 どうでしょうか?クロをシロと言い換える不道徳・退廃ぶりが見えてきませんか?これでは、被害国が「反発」するのも判ります。いじめの構造と同じです。

 靖国神社は、軍事力と強権によって、時の政府に圧力を加えて、条約が調印されたことを、いっさい無視しています。竹島の領有確定も、この植民地化のなかで宣言されているのです。ここに韓国の「独島」領有主張の根拠のひとつがあります。

 しかも、1907年6月オランダで開かれていた第2回万国平和会議に初代大韓帝国皇帝高宗(・李太王・李熙)の信任状を持参した、いわゆるハーグ密使事件と皇位「譲位」、植民地化に反対する義兵闘争など、朝鮮人民の「愛国闘争」は、いっさい無視です。これが道徳的かどうか、明瞭です。(山辺健太郎『日韓併合小史』岩波新書66年2月)

 また寺内正毅初代朝鮮総督は「小早川、加藤、小西が世にあらば、今宵の月をいかにみるらん」と詠んだそうです。この朝鮮総督は、天皇によって任命される陸海軍大将で、しかも立法・司法・行政・軍事の権限を一手に握っていました。この朝鮮植民地統治によって朝鮮人民の生命・財産・こころを奪ったことは、語っても語りすぎることはないでしょう。(尹健次『もっと知ろう朝鮮』岩波ジュニア新書01年2月)

 もう一つ紹介します。中国戦線における皇軍の実態についてです。以下をご覧ください。

 小林英夫『日中戦争 殲滅戦から消耗戦へ』講談社現代新書07年7月)

中国に対しても、同様です。国際法に違反して殺戮・略奪の限りを尽くし、かつ、その情報を徹底して検閲・削除し、闇から闇へ葬り去ってきました。石川達三『生きてゐる兵隊』の発禁処分、火野葦平『土と兵隊』『花と兵隊』、『麦と兵隊』の連作「兵隊三部作」は、「すでに殺戮、強姦、強奪といった場面ぱ消えうせている。火野白身がのちに日本車の負け場面、戦争の暗黒面、作戦の全貌、部隊名ぱ描いてはならず、逆に中国軍は憎々しくいやらしく書くことが求められ、「麦と兵隊」でも検閲で中国軍捕虜斬首の場面は伏字とされたと回想している(『火野葦平全集』第二巻解説)。この三部作があわせて二百万部を超える部数を記録して空前のベストセラーとなったことはよく知られているが、その執筆基準を見てみると、第六章で述べる郵便検閲の基準とまったく同一で、いわば石川の作品が「検閲前」であれば、火野の作品は「検閲済み」だといってもよいほどである」(引用ここまで

 という事実を、靖国神社は国民に知らせようとしていません。無視・黙殺です。これが道徳的かどうか、です。

安倍首相らの大東亜戦争正当化発言と大ウソ、北朝鮮の「挑発的言動」を伝える日本のマスコミには、歴史の真実に向き合った報道を求めていくべきでしょう?

 3.次に問題にしなければならないのは、靖国神社の「ご英霊」に対する冒涜ぶりと戦争の正当化、戦争責任の曖昧化についての不道徳さです。以下資料「隠滅」ではなく、「湮滅」の持つ意味からくる不道徳さです。

 (1)粟屋憲太郎他『戦争責任・戦後責任 日本とドイツはどう違うか』(朝日選書94年7月)

重要資料の焼却と検察側による収集

 ポッダム宣言はその第一〇項で、われらの俘虜を虐待したものを含む一切の戦争犯罪に対しては厳重な処罰が加えられるであろう」(傍点部分は東京裁判開廷後、「裁判」と改訳された)として、目本の戦争犯罪人への厳罰方針を規定していた。

 日本の支配層はホッダム宣言を受諾して降伏したのだが、連合国の戦犯処罰方針に対処するため敗戦直後になされたのが、関係重要資料の焼却であった。ドイツ降伏に際しては、連合国はべルリンに突入して、ドイツを無条件降伏させ、中央文書機関などを押さえて、大気の重要資料を確保した。このためニュルンベルク裁判では、証拠資料の不足はあまり問題にならなかった。ところが日本の場合、連合国の日本本土侵攻以前に日本の敗戦が実現し、しかも占領軍が日本に進駐したのは、日本の降伏後二週間たってからだった。

 この間、政府機関や陸海軍は戦犯処罰に対処するため、どさくさにまぎれて大量の機密重要資料を焼却、湮滅した。日本の戦後は、「過去の克服」ならぬ「過去の湮滅」で開始したことが、ここでは重要である。

 この重要資料の焼却は、東京裁判でも犯罪行為として追及され、国際検察局(IPS)はこれについてかなり詳細に調査した。田村浩俘虜情報局長官・俘虜管理部長は、検察側の尋問を受けて、その間の事情を次のように語った。

 すなわち陸軍の場合、一九四五年八月十五日、市ヶ谷台で陸軍の連絡会議が開かれ、陸軍省から、機密資料については、保持を必要とするもの以外はすべて遺漏なく焼却するよう口頭指示が出された。このため田村も俘虜関係の機密、極秘資料の焼却を命したが、敗戦の混乱もあって必要だった書類までが燃やされてしまったとのことである。このような状況は、他の政府機関でもだいたい同様であった。

 もちろん、すべての重要書類が焼却されたわけではない。…東京裁判について手放しに全面評価できる点があるとすれば、日本の戦争指導者たちの処罰を裁判方式で追及することになったため、証拠用に多量の資料が収集され、それが現在では有用な歴史資料として保存、公開されていることにある。(引用ここまで

 (2)『餓死にした英霊たち』の叫びと嘆きを無視する安倍首相・靖国神社の不道徳ぶり!は、以下をご覧ください。

http://www.asyura2.com/07/war87/msg/795.html

http://www7a.biglobe.ne.jp/~mhvpip/PacificWar.html

 (3)沖縄をはじめとした「臣民」は」「ご英霊」には含まれないし、いわんや植民地の「皇国臣民」も!今後「ご英霊」の数を、一般的な「ご英霊」ではなく、具体的に検証していく必要があると思います。

靖国神社『遊就館図録』(平成十五年五月刊)より

沖縄作戦 昭和二十(一九四五)年4月1日~七月七日

大東亜戦争で最初で最後の国土戦「沖縄決戦」は、本土決戦に寄与するため、第三十二軍が堅忍不抜に徹して、全県民が一体となり、三ヶ月近く戦い抜いた激戦である。それだけに県民の犠牲者も多く、海軍の大田實中将は、訣別電報でその涙ぐましい活躍を報告した。戦場では、空と海と陸の全てで特攻攻撃が繰り広げられ、大和以下の水上艦艇も航空機も対戦車攻撃の肉攻班も特攻となって突入した。(引用ここまで

http://tamutamu2011.kuronowish.com/okinawasenn.htm

http://www.geocities.jp/torikai007/pearlharbor/okinawa.html

 淵弘『朝鮮人特攻隊』(新潮新書09年12月刊)より

 さらに、真珠湾攻撃で太平洋戦争の火蓋が切られると、陸軍の志願兵制度は台湾でも実施され、四三年五月には海軍も、朝鮮と台湾で特別志願兵制度の導入を決めた。しかし、海軍は兵学校や士官学校への道を閉ざしたため、軍での立身出世を目指す朝鮮人と台湾人は、陸軍にその活路を求めることになる。

 四二年に陸軍士官学校に入校した朴正煕は、その代表的な人物といえよう。五十七期生だった朴正煕は、満州国軍中尉として終戦を迎え、独立後の韓国で軍事クーデターをおこして政権を奪取した。「維新革命」と名づけたクーデターを実行する前夜、朴正煕は「鞭声粛粛夜河を過る 暁に見る千兵の大牙を擁するを」と、日本の詩吟を繰り返し歌っていたという。その朴正煕を暗殺した韓国中央情報部長の金載圭は、日本陸軍の少年飛行兵を志願し、特攻隊に編入される前に終戦を迎えた…朝鮮人で最初に「散華」した特攻隊員の松井秀雄伍長は、「半島の神鷲」として大々的に報じられていた。果樹園を営む松井家には、阿部信行総督はじめ朝鮮総督府幹部が続々と弔問に訪れ、新聞には家族写真まで掲載されていた。…熊谷陸軍飛行学校を卒業後に特別攻撃隊の「靖国隊」に参加した。少年飛行兵の第十三期卒業生だった。松井伍長を称賛する記事は連日のように続き、十二月九日付の『毎日新報』には、後に韓国文学界を代表する詩人となる除廷柱の追悼詩まで掲載された。

朝鮮総督府の朝鮮語機関紙『毎日新報』の四四年十二月二日付の記事、「松井伍長に続け」と題した1面の社説には、こう書かれてあった。

 必死必中の特別攻撃を敢行して、レイテ湾内の敵艦隊を撃沈炎上させた我らの特別攻撃隊に、半島出身の荒鷲が参加していたことが明らかになった。彼こそ開城出身の松井秀雄伍長だ。(中略)松井伍長は実に半島二千六百万(註・当時の朝鮮半島の人口)肉弾総突撃の最先鋒になった。我々は襟を正し、頭を下げ、伍長の冥福を祈る。(引用ここまで

 安倍首相の祖父岸信介と朴の関係の検証も今後触れなければなりませんが、特攻隊に志願したにもかかわらず「天皇の為に死ねぬ」との思いを胸に体あたりして「散って」いった朝鮮人特攻兵士の思いを「ご英霊」として「慰霊」できるか。日本の植民地統治と大東亜戦争正当化論の事実が、韓国で肯定できるか。日本国民は、よくよく考えてみる必要があるのではないでしょうか?

 以上の諸事実から言えることは、何か。それは、靖国神社の史観にもとづく教科書をつくれ、ということです。それを正当化するために、国民のなかにある「死者を悼むこころ」を「ご英霊」を「慰霊するこころ」に発展させ、国内問題だとスリカエ、同時に、高齢化してきた遺族会だけに頼るのではなく、今度は国民に向かって、その「こころ」を揺さぶることで、自分たちへの支持を取り付けていこうとする企みです。

 だからこそ、平気でウソをつくのです。日本固有の領土である竹島・尖閣に対する中韓の軍事的「脅し」はひどい!と単純に印象操作を行うのです。しかも「北朝鮮の挑発的言動」を利用して、日米軍事同盟を深化させながら、憲法を改悪していこうとするのです。

 夕方のテレビ朝日のニュース番組に登場しているコメンテーターは、危機感を煽ってきたことの誤りに反省するどころか、北朝鮮のミサイル発射の危機の継続に固執し、「敵基地攻撃」論を吐いているのです。ここに思考停止の日本のマスコミと、国民を思考停止に追い込む装置が見えてきます。

 こうしたイデオロギー状態に対して、事実を持って反論していく必要があります。日々垂れ流されている「なんとなく危ない」意識、「何となく日本は間違っていない」感情、間違っているのは、黄砂や汚染物質や病原菌を運んでくる、尖閣に入りこんでくる中国、日本の固有の領土である竹島を占領して、自分たちの政権が危なくなると竹島を使って日本を攻撃してくる韓国、国が貧しいくせに核兵器保持に固執する、ミサイルを撃ち込もうとする北朝鮮、などなど、「何となく」意識・感情を沈澱させているマスコミの使う言葉などに対して、憲法の知る権利を具体化させていくことが、今とりわけ必要です。靖国神社のウソのトリックについては、今後も記事にしていきたいと思います。

 そのためにも、マスコミ界や学界、教育界に関係する人たちの奮起に期待したいと思います。

 最後に、以下の見解をご覧ください。

「靖国問題」講演抄録 高橋哲哉 東京大学教授

http://www.diplo.jp/articles07/0703-3.html

 

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核兵器使用は国際法に違反している!戦争犯罪を繰り返さないためには加害の事実と向き合う道徳論を!

2013-04-26 | 核兵器廃絶

つづきです。以下お読みください。コメントは最後にあります。

 

核兵器の使用も威嚇も国際法違反 国際司法裁判所での広島市長の陳述

 1995年11月7日 広島市長 平岡敬

…(略)…

1.原爆の瞬間的な無差別殺りく(略)

2.原爆がもたらした人間的悲惨(略)

3.被爆者も訴え(略)

4.核兵器の非人道性

 これまでのべてきたように、核兵器が恐ろしいのは、その強大な破壊力はもちろんですが、後代にまで影響をおよぼす放射線を発するからです。

 戦争が終わり、平和を回復して五十年たった今、なおも多くの人が放射線後障害で苦しんでいることほど、残酷なことはありません。

 つまり、核兵器による被害は、これまで国際法で使用を禁じているどの兵器よりも残酷で、非人道的なものです。

 国際法にいう一般市民にたいする攻撃の禁止と、人間に不必要な苦しみをもたらす大量破壊兵器の使用が過去において、国際宣言や拘束力ある協定によって禁止されたことの根底には、人道的な思想が流れています。これこそが近代ヨーロッパから発した国際法の精神であります。

 一八六八年の「セント・ペテルスブルグ宣言」、一八九九年の「特殊弾丸の使用禁止の宣言」(ダムダム弾の禁止に関するハーグ宣言」)、一九〇七年の「ハーグ陸戦条規」ニ陸戦ノ法規慣例二関スル条約付属書陸戦ノ法規慣例二関スル規則」)の第二三条、一九二五年の「毒ガス等の禁止に関する議定書」、一九七二年の「生物・毒素兵器禁止条約」などが生まれた底流には、人間の非理性的行為を防止しようとする人道主義が存在しています。

 さらに、一九六一年の国連総会では、「核兵器・熱核兵器の使用は、戦争の範囲を超え、人類と文明に対し、無差別の苦しみと破壊を引き起こし、国際法規と人道の法に違反するものである」を内容とする「核兵器と熱核兵器の使用を禁止する宣言」が決議(国連総会決議一六五三()されております。

 市民を大量無差別に殺傷し、しかも、今日に至るまで放射線障害による苦痛を人間にあたえつづける核兵器の使用が国際法に違反することは明らかであります。また、核兵器の開発、保有、実験も非核保有国にとっては、強烈な威嚇であり、国際法に反するものです。

 現在地球上には、人類を何回も殺りくできる大量の核兵器が存在しています。核兵器は使用を前提として保持されていますが、核兵器の存在が平和の維持に役立つという納得できる根拠はありません。核兵器によって、自国の安全をまもることはできず、いまや国家の安全保障は、地球規模で考えなければならない時代が到来しています。

 核兵器が存在するかぎり、人類が自滅するかもしれないということは、けっして想像上の空論ではありません。核戦争はコントロールできるとする戦略、核戦争に勝つという核抑止論にもとづく発想は、核戦争がもたらす人間的悲惨さや地球環境破壊などを想像できない人間の知性の退廃をしめしています。

 それゆえ、私たちは、広島・長崎の体験にもとづいて核兵器の問題を考えるとき、さらに核保有国の核実験場周辺の被曝住民の苦しみを知るとき、核兵器廃絶を明確にする条約を結ぶことによって、世界は希望の未来へと足を踏み入れることができるのです。

 私は、核兵器の問題を現在の国際政治の力関係のなかで考えるのではなく核兵器は人類の未来にとってどのような意味をもつのかという視点から考察すべきであると思っております。

 一九八一年二月、広島を訪問されたローマ教皇ヨハネ・パウロニ世は、「過去を振り返ることは、将来に対する責任を担うことです。広島を考えることは、核戦争を否定することです」とのべられました。

 人類の運命は、今あなた方の手の中にあります。

 どうか、神のごとき叡知と明察と人間への愛をもって、この核兵器の問題にたいして、正しい判断を下していただくようお願いして、陳述を終わります。(引用ここまで

「赤旗 評論特集版 №983」(1995年11月27日)より

 

 「核抑止力論」は恐怖の均衡を保つこと 国際司法裁判所における陳述

1995年11月7日 長崎市長 伊藤一長

…(略)

写真を示して被爆の悲惨さを訴える

…(略)

 恐るべき放射線は、その後次第に人びとの身体をむしばみ、死者は波紋のごとく爆心地を中心とする同心円上にふえつづけていった。被爆から四ヵ月後、死者約七万四千人、負傷者は約七万万五千人にいたった。市民の三分の二にも及ぼうとする人びとが犠牲となったこの惨状は、まさにこの世の終わりを思わせるものであった。

 これが、わずか一発の爆弾の結果であります。第二次世界大戦後期の一九四五年二月、ドイツのドレスデンにおいて無差別爆撃がおこなわれました。イギリスの爆撃機のべ七百七十三機が大型爆弾を投下し、アメリカ空軍の四百五十機が六十五万発の焼夷弾を落としたといわれています。ある文献は、死者は十三万五千人を数えたと記録しています。

 わが国において、通常爆弾によって最も大きな被害をうけた一九四五年三月の東京大空襲では、三百二十五機の爆撃機が一蒔間半にわたって約千六百六十五㌧もの焼夷弾を投下し、およそ十万人が亡くなったといわれています。

 しかし、広島と長崎では、わずか一機の爆撃鉄が、一発の原子爆弾によって、それぞれ十四万と七万四千もの人びとを死にいたらしめたのです。それだけではありません。かろうじて、死を免れた人びとも、今なお、原爆特有の後障害に悩まされつづけています。

 このように核兵器は、無差別に大量の一般市民をも殺傷するものであります。

 一九四五年八月九日。この日、爆撃機は第一目標となっていた小倉(現在の北九州市)への投下を視界不良のためあきらめ、第二目標の長崎上空にさしかかりましたが、ここも小倉と同じく雲に覆われていました。すでに爆撃機の燃料は欠乏しつつあり、爆撃手はあせりのなか、雲の切れ間からわずかに見えた浦上の地の上空で原爆を投下したのです。

 浦上は、かつて、わが国の過酷なキリシタン弾圧の歴史のなかで、迫害に耐えながら秘かに信仰を守りつづけてきたキリシタンのまちでした。一万二千人の信者のうち八千五百人が瞬時にして命を奪われ、まちは廃墟と化しました。…(略)

核保有国は被爆の実相を直視すべき(略)

恐るべき放射線の影響

 ご承知のとおり、原子爆弾が通常の火薬爆弾と根本的に異なる点は、爆発のさい、放射線を放出する点にあります。

 一九四五年八月九日の長崎では、爆発後一分以内に放出される初期放射線を多量にあびた者は二週間以内に全員が死亡。中性子によって地上の物質が放射性をあひる誘導放射能と爆発時に空中に飛散した核分裂生成物や未分裂プルトニウム等の放射性降下物は、風とともに移動拡散するため広範囲に、しかも長期にわたって放射線を放出しました。直接被爆した人だけでなく、後日、爆心地付近にはいった人や、風によってはこぼれた放射性降下物をあびた人びとにも重大な影響をあたえました。

 これら高い放射線量をうけた人びとは、疾病の発生率が高く、なかでも注目されなければならない点は、白血病や悪性腫瘍などが長い潜伏期間の後に発生する率が高いことであります。

 これまで、白血病は被爆後二年から三年目にあらわれはじめ、六年から七年目をピークに次第に発生率が減少し、がんについては被爆後十年以上の長い潜伏期間をへてあらわれ、時の経過とともに増加していくと推測されてきました。その推測を裏付けるように、本年十月に聞かれた日本癌学会において、広島・長崎の被爆者の追跡調査の結果、放射線をあびたことにより白血病やがんでの過剰な死亡例が認められたとの報告がなされております。

 しかし、遺伝的要因については未知の部分が多く、今後、数世代にわたって観察する必要があるといわれており、被爆者の子孫は、これから何代にもわたって、不安をかかえながら生きていかねばならないのであります。

 以上のことから、核兵器は、その強大な威力により戦闘員と非戦闘員、また軍用物と民用物とにかかわらず無差別に殺傷または破壊する兵器であり、また、核兵器特有の放射線は、特定の軍事目標のみを対象とすることができず、直接戦争に関係ない人びとをも殺傷する非人道的な大量殺戮兵器であるといわざるをえません。

 核兵器の犠牲者は、広島、長崎だけではありません。核兵器開発の歴史のなかで、核実験による放射線で多くの人が犠牲になっているといわれています。

 今年五月、私は、ビキニ市の市長に会いました。ビキニ島は、二十回以上の大気圏内核実験の結果、島は放射性物質で汚染されました。住むことが不可能になった住民が、移住を余儀なくされました。半世紀をへて、いまなお故郷に帰社ない人びとが、核実験によって破壊された自然をとりもどし、安全な生活ができるよう必死になっており、来年こそは生まれ故郷に帰りたいと熱望していることをビキニ市長からお聞きし、その心情に、私は胸を締めつけられる思いでした。

核兵器は明らかに国際法違反

 私は、戦闘にかんする国際法では、兵器の選択について無制限な自由は認められておらず、その禁止を明文化されていない兵器であっても、①文民を攻撃すること、②不必要な苦痛をあたえること、③環境を破壊すること、は禁止されていると聞いております。核兵器の使用は、まさしくこれらの禁止事項に該当するものであり、国際法に違反していることはあきらかであります。

 長崎では、毎年八月九日の「原爆犠牲者慰霊平和祈念式典」において、核兵器廃絶と世界平和への願いをこめた「長崎平和宣言」をおこなっております。

 私は、今年の平和宣言において、被爆地長崎の立場として、わが国は、核兵器使用が国際法違反であることを明確に主張するとともに、国是としている「核兵器をつくらず、持たず、持ち込ませず」の非核三原則を法制化し、同時にアジア水平洋地域の非核地帯創設につとめるよう、わが国政府にたいし提唱しました。

 核兵器を保有することによって、敵対する相手の核兵器使用を抑制しようとする、いわゆる「核抑止論」は、恐怖の均衡をたもつことにほかなりません。

 このたび、ノーベル平和賞を受賞される、パグウォッシュ会議の会長、ジョセフ・ロートブラット博士は、本年八月、長崎で聞かれたシンポジウムにおいてつぎのようにのべております。

 「広島、長崎の原爆のもつ意味について、あらためて皆さまに想いおこしてほしいのです。核兵器は、人類の存続すらも危険におとしいれました。この危険は常に存在し、ダモクレスの剣のように我々の頭上にぶらさがっています。この危険は、すべての人びとに、科学者に、市民にも常に注意深くあらねばならないと教えています。我々は戦争をなくさなければならない。なぜなら、いかなる戦争も、核の惨事にエスカレートするかもしれないからです」

 私たちは、東西冷戦体制の終結をむかえたいまこそ、核兵器のない世界の恒久平和を達成するまたとない機会だと考えています。しかし、狭疑心や威嚇の心理に裏打ちされた核の抑止にとよっていては、多国間の相互信頼にもとづく真の平和をきずくことは到底不可能だと考えます。

 私は当裁刊所が、このたびの審理にさいし核兵器のもつ非人道性と国際法上の違法性についての公正な判断をしめされ、核兵器廃絶を悲願とする広島・長崎の市民はもとより世界の同じ思いの人びとにこのうえない力と勇気をおあたえくださいますようねがってやみません。そして、このことこそ、去る五十年まえ、長崎、広島のあの原子原で悶え死んだ、老若男女二十一万四千人の犠牲者にたいする最大の鎮魂となるであろうと信じます。

 長崎では、被曝から五十年をへた今日もなお、被爆者のうち毎年およそ千三百人が亡くなり、六万二千人が原爆後障害の恐怖におびえる口々をおくっております。

 裁判官の皆さま、最後にあえて再び申し上げます。長崎市民の半世紀にもおよぶ核兵器廃絶への悲痛な訴えと世界平和への願いをご理解ください。長崎市民の悲惨きわまりない体験と筆舌につくしがたい苦しみは、けっしてくり返されてはなりません。今後、ひとたび核兵器が使用されることがあれば、地球環境の破壊はもとより、人類生存の道が危ぶまれることをここに確信をもって申し上げます。

 数万年にわたり営々として築かれ、発展をとげてきた人類の文化と歴史に、けっして終止符がうたれることのないよう、人類愛の見地に立ったご判断をくがされることを心から願い、私の陳述を終わらせていただきます。(引用ここまで

「赤旗 評論特集版 №984」(1995年12月4日)より

 

アジアでは、原爆投下によって戦争が終結し、日本軍から解放されたとの考え方があります。同時に、日本においても、加害責任との関係から、原爆投下は仕方がないとの声もあります。そのような発言をして辞職に追い込まれた大臣もいました。ま、これは核の傘論がホンネではないかと思いますが・・・。

 このヒロシマ・ナガサキの惨状は、トルーマン大統領の声明によって、正当化され続けてきましたし、現在も「核抑止力」論として、現在進行形でもあります。しかし、この二人の意見陳述によって、その誤りが証明されているのではないでしょうか?

トルーマン米大統領声明 - ヒロシマ新聞

http://www.hiroshima-shinbun.com/abroad/abr1945080602.html

トルーマンと原爆投下

http://www.max.hi-ho.ne.jp/nvcc/WA15.HTM

 もう一つあります。安部首相の「東京裁判は勝者によって裁かれた」論です。

確かに、そういう面があることは事実でしょう。

 それでは、敗者である日本国が裁判によって裁くことができたというのでしょうか?東久邇宮内閣の「一億総懺悔」論に象徴されるように責任棚上げと責任を東條に押し付けていった支配層内部の一部グループの天皇免責論、証拠資料の焼却などを、安倍首相は、どのように説明するのでしょうか?

 さらに言えば、日本の重慶爆撃などを含めて、勝者であるアメリカの無差別爆撃の戦争犯罪について、又関東軍も関与したシベリア抑留についても、安倍首相は、どのように正していくつもりでしょうか?

 こうしたことを抜きに、東京裁判の弱点の一部を強調することで、大東亜戦争を正当化しようとあいているのです。この不道徳ぶりを暴いていかなければなりません。このことは、安倍首相自身が、繰り返し主張している戦争の評価の問題に対する「後世の史家が判断する」論です。

 アメリカの指導が入った「成果」でしょうか?!今日の国会でも弁解していました。これほど潔さの欠落している人間の不道徳ぶりを告発していかなければなりません。

首相「政治問題化望まず」 歴史認識めぐり 2013年4月26日 11時44分

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2013042601001588.html

 だからと言って、日本国の戦争犯罪とその責任、加害責任が曖昧にされることは、あってはならないことです。同時に、その際の犯罪と責任の具体的解明は必要不可欠なような気がします。それは安倍首相たち大東亜戦争肯定・正当化論にみられる「素朴な感情論」にどのように対していくかという意味からです。

例えば、

1.第一次世界大戦後の「戦争の違法化」とABCD包囲網という「脅威」論の関係と責任転嫁の不道徳ぶり。

2.欧米諸国の植民地と日本の植民地は違う、アジアの解放に貢献したという身勝手な思想の不道徳ぶり。

3.三光作戦や731部隊などの犯罪を防げなかった装置として、兵士に国際法を教育していなかったことの責任と不道徳ぶり。

4.多くの兵士を餓死させたこと、国際法に則って捕虜になることを遺棄させた不道徳ぶり。

5.軍人勅諭で上官の命令は天皇の命令と教育しておきながら、強姦や略奪を命令で防止できなかった、しなかった上官の不道徳ぶり。それらの上官の教育の在り方の問題と、大元帥・現人神としての天皇の命令によって国家が運営されていたにもかかわらず天皇の責任の回避と免罪の不道徳ぶり。

6.とりわけ、天皇の開戦決定は曖昧に、「終戦決定」は「聖断」として、スリカエル不道徳ぶり。

 第 4条 天皇ハ国ノ元首ニシテ統治権ヲ総攬シ此ノ憲法ノ条規ニ依リ之ヲ行フ

第 6条 天皇ハ法律ヲ裁可シ其ノ公布及執行ヲ命ス

第11条 天皇ハ陸海軍ヲ統帥ス

第13条 天皇ハ戦イヲ宣シ和ヲ講シ及諸般ノ条約ヲ締結ス

 7.従軍看護婦と従軍慰安婦の違いを意図的に避け、皇軍の不道徳ぶりを曖昧にする。

8.特攻隊創設と強制の責任を曖昧にする不道徳ぶり。

9.戦争協力者・推進者を公職追放したにもかかわらず、その責任を曖昧にして解除し、要職に復帰させた不道徳ぶり。

 10.「教育勅語の「徳目」や「靖国」「遊就館」「明治・大正・昭和・平成」など、その根源には「中国思想」が色濃くあるが、その中国を蔑視し、侵略し、それを進出とゴマカス不道徳ぶり。

 などなど、解明していかなければならないことは、たくさんあります。このことは、現在中国製品が日本国内に溢れているにもかかわらず、何となく「中国危険」感に陥っている日本国を思うと、いっそう解明しなければと思います。

今後勉強して、記事にしていきたいと思います。

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沖縄・広島・長崎・福島の屈辱、大東亜戦争正当化論を押し付ける安倍不道徳自公政権は退場すべし!

2013-04-26 | 日記

昨日も驚くべきニュースが飛び込んできました。日本政府が、非人道兵器である核兵器の不使用を拒否したからです。これほどの不道徳があるでしょうか?

 このことを日本のマスコミはどのように意味づけ報道しているか。そこに注目してみました。

 以下、そのポイントについて、述べてみます。

 1.問題は、署名を拒否した以下の発言です。

「核兵器が使用された場合の影響が非人道的なものだという点では賛同している」「いかなる状況でも使用しないとしている点が、日本の安全保障政策と相いれない」(天野万利大使)

「わが国を取り巻く安全保障環境は厳しいので、『いかなる状況でも』という文言を削除してほしいと働きかけをした」「日本の置かれている安全保障の状況を考えたときに、ふさわしい表現かどうかを慎重に検討した結果、賛同することを見送った」(菅義偉官房長官)

 2.このポイントは、「日本の置かれている安全保障の状況を考えたときに、ふさわしい表現かどうかを慎重に検討した」とありますが、どのように「慎重に検討した」か、判りません。その「慎重に検討の結果」として、言えることは、

「核兵器は非人道的兵器である」が、「いかなる状況でも使用しない」ということは、「日本を取り巻く安全保障政策」が「厳しい」場合は、核兵器を使用する可能性があることを認めたこと、「安全保障」論を使えば、「核兵器は使用できる」ということです。

 3.このことは、アメリカがヒロシマ・ナガサキに投下した残虐な兵器を「安全保障」論から認めたことを意味しています。まさに「敵ハ新ニ残虐ナル爆弾ヲ使用シテ無辜ヲ殺傷シ惨害ノ及フ所真ニ測ルヘカラサルニ至ル」とした「大東亜戦争終戦の詔書」の否定とも言えます。

 4.また三度核兵器の被害を受けたビキニなどで使用したアメリカの核兵器使用とイギリス・フランスなどの核実験、その他の核保有国を、その「安全保障」論を理由に認めたことです。このことは、ヒバクシャや日本国民のみならず、他民族の被害をも、日本の「安全保障」を理由に貶め、冒涜した暴挙でです。

 5.この暴挙は、北朝鮮の核兵器保有と朝鮮半島の非核化に対する大義名分を「安全保障」論を理由に放棄したことです。これでは、アメリカの核兵器による「脅し」(核兵器抑止力)に対抗して、北朝鮮が核兵器の保有を認めさせようとしていること、そのために「挑発的言動」を繰り返している北朝鮮の「脅し」(「核抑止力」論)ことを認めることになります。

 6.同時に、非暴力・非軍事・非核の「抑止力」論としての日本の「安全保障」論の根拠である憲法第9条と非核三原則を「国是」としている日本国の立場を放棄したことを、国際社会に、とりわけ北朝鮮に宣言したことを意味しています。北朝鮮にしてみれば、日本の言うことは「綺麗ごと」「絵空事」になります。そのことを安倍政権が宣言したのです。

 7.日米軍事同盟にもとづく核密約によるアメリカの核の傘の下における日本外交の欺瞞と矛盾、すなわち対米従属性=自主独立外交・思考の放棄による問題点。矛盾が、一気に浮き彫りになったことを意味しています。

 このことは、安倍自公政権のすすめる政策にも象徴的に表れています。これらの政策の推進を「安全保障」論で糊塗したのです。以下まとめてみました。

 (1)本土から沖縄に米軍基地を集中させたサンフランシスコ条約・日米安保条約発効の4.28を「主権回復の日」とゴマカス。しかも沖縄をアメリカの生け贄に差し出した裕仁天皇の息子で「国政に関する権能を有しない」明仁天皇を「お祝いの日」に「内閣の助言と承認」によって参列させるものの、お言葉を賜ることをしないことで、その政治利用ぶりと、「不忠」ぶりがいっそう浮き彫りになった。

 (2)4.28以前の占領下においてアメリカから「押し付けられた憲法」は、主権回復後には、「国民による自主憲法の制定を」とゴマカス。しかも国民というハードルを低くして。

 (3)アメリカの傘の下のおける「安全保障」論に依存しながら、アメリカが主導した東京裁判を「勝者の裁判」と否定することで、アメリカとの矛盾が浮きぼりになった。

 (4)東京裁判で「確定」した天皇とアジアへの免責・東條英機に責任を集中させ戦争犯罪など、問題点はたくさんあるものの、それでもサンフランシスコ条約で承認された戦争犯罪人に対して、一宗教法人である靖国神社は、大東亜戦争正当化論の立場から、国と謀議して、「昭和殉難者」として、こっそり合祀。この「ご英霊」に「尊崇の念」を込めて「慰霊」「感謝」として参拝したことでアジア諸国の被害国とその国民との矛盾が浮き彫りになった。

 (5)アメリカの傘の下における「安全保障」論に基づく従属性と日本の自主性のなさが明確になったにもかかわらず、「国益を実現する本当の勝負はこれから」「一日も早く交渉に参加し、交渉を主導していきたい」などと、日米軍事同盟の「経済協力」条項の具体化として亡国TPP参加のゴマカシが浮き彫りになった。

 (6)「原発安全神話」によって引き起こされた福島の原発事故が汚染水の垂れ流しなど、収束していないにもかかわらず、アメリカの核の傘の下における「安全保障」論と「日米経済協力」条項による再稼動や原発の輸出の画策が浮き彫りになった。

 8.北朝鮮の「挑発的言動」の非難と金正恩氏と北朝鮮軍の映像を繰り返し流し、ミサイル発射時期を引き延ばしながら、それらの動向を貶める日本語で表現し、さらに尖閣への中国の干渉による「危機」を演出しながら、敵基地攻撃論など、憲法改悪の地ならしを推進するマスコミ報道が、ミサイル未発射によって破綻した。

 9.北朝鮮の側にも大きな問題があることは明らかです。北朝鮮が国際社会で承認されるためには、北朝鮮自身が関係している諸国との友好の事実を公開すること、国連決議の履行を誠実に果たした上で、アメリカの核抑止力を国連の部隊で批判し、緊張緩和と朝鮮戦争終結の平和協定を調印することです。国民向けの強がり的・威圧的言葉によるメッセージではなく、紳士的な言葉を使うことで、国際社会の「批判」「非難」の口実を除去していくことです。そのためにも、六カ国協議の再開、日朝平壌宣言の具体化に向けて誠実に行動することです。

 10.経済が疲弊している北朝鮮がアメリカ陣営に対する「抑止力」として軍事的脅威を煽りつつも対話を求める変化を読み取ることができない「アメリカ脳」=アメリカの核の下における「安全保障」論の呪縛から抜けられないマスコミは、その報道姿勢を変えず、対話による和解と交流、連帯への道を模索しない思考停止と矛盾が浮き彫りになった。

 11.危機を煽れば、煽るほど、人とカネなど、経済・文化交流などが減速していることが明らかになってきているにもかかわらず、国際紛争を「脅し」の掛け合いと軍事的手段で解決する思考回路でしか垂れ流さないことが浮き彫りになった。「脅し」や武力紛争より、和解と平和による経済、文化交流でこそ、儲かる、生活改善が図れることが、浮き彫りになった。

 12.以上の諸要因から、安倍自公政権を認めることはできないと思います。安倍自公政権にレッドカードを突き付ける時ではないでしょうか?憲法の平和主義に基づく政権づくり、非核・非軍事・非暴力・アジアに軸足をもった政権づくりとマスコミを何としての誕生させなければなりません。

 それでは、現時点における主な報道を一覧しておきます。

 日本 NPTの核不使用声明に署名せず   4月25日 6時56分http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130425/k10014172481000.html

スイスのジュネーブで開かれているNPT=核拡散防止条約の会議で、核兵器は非人道的なものだとして、いかなる状況でも使用すべきではないなどとする共同声明が提出…唯一の被爆国の日本はこの声明に署名せず、NGOなどから批判の声が上がりました。声明では「核兵器の使用によって、直接に人が死ぬだけでなく、社会や経済の発展は停止し、環境は破壊され、将来の世代は健康や食糧や水を失うことになる」と…核兵器の非人道性を強調し…「いかなる状況でも核兵器を二度と使わないことこそが人類生存の利益につながる」として、核兵器の不使用を訴えています。共同声明には74か国が名前を連ねましたが、唯一の被爆国である日本は署名しませんでした。天野万利大使は、…「核兵器が使用された場合の影響が非人道的なものだという点では賛同している」「いかなる状況でも使用しないとしている点が、日本の安全保障政策と相いれない」と述べました。日本がアメリカのいわゆる「核の傘」で守られていることを、署名をしない理由の1つにしたものですが、会議に参加しているNGOなどからは批判の声が上がり、ジュネーブの軍縮会議日本政府代表部の建物の前で、およそ50人が抗議活動を行いました。

 「核の傘」で守られている署名見送り   4月25日 13時55

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130425/k10014181551000.html

菅官房長官は、…「わが国を取り巻く安全保障環境は厳しいので、『いかなる状況でも』という文言を削除してほしいと働きかけをした」「日本の置かれている安全保障の状況を考えたときに、ふさわしい表現かどうかを慎重に検討した結果、賛同することを見送った」と述べ、日本がアメリカのいわゆる「核の傘」で守られていることなどから、共同声明への署名を見送ったことを明らかにしました。一方で、…「わが国は唯一の被爆国なので、核兵器使用の影響についてはどの国よりも実態を知っている。二度と核兵器が使用されないことが人類の生存にとって利益であるという方向に全世界が進んでいく努力をするのは当然のことだ。今後もこうしたテーマの共同声明に参加できる可能性を真剣に探っていきたい」と述べました。

 官房長官、NPT声明賛同見送り「日本の安保環境踏まえ判断」 2013/4/25 11:59 http://www.nikkei.com/article/DGXNASFS25014_V20C13A4EB1000/

 菅義偉官房長官は25日午前の記者会見で、核拡散防止条約(NPT)再検討会議の準備委員会がまとめた共同声明に日本が賛同を見送ったことについて「日本が現在置かれている安全保障環境を考えたとき、参加するのがいいか判断した」と説明した。

 「核兵器の非人道性」訴え=NPT準備委で演説-広島、長崎市長 (2013/04/24-19:13)

http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_date2&k=2013042400908

 【ジュネーブ時事】広島市の松井一実市長と長崎市の田上富久市長は24日、ジュネーブの国連欧州本部で開かれている核拡散防止条約(NPT)再検討会議第2回準備委員会で演説した。両市長は各国に「核兵器の非人道性」に焦点を当て、廃絶に取り組むよう訴えた。 松井市長は、広島と長崎の被爆体験に目を向けるよう求め、「核兵器は非人道兵器の極みであり絶対悪であることは明らか」と断じた。その上で、現在の安全保障の枠組みに根差した「国家間の相互不信」の壁を乗り越えるべきだと語った。 田上市長は「核抑止力に基づく安全保障を追求した結果、テロ組織や政情不安国による核保有の危険性を高めた」と指摘。北朝鮮の核開発をめぐり緊張が高まる北東アジアでの非核兵器地帯創設が必要だと語った。

 「核の非人道性」声明に賛同せず=日本、安保政策と一致しない(2013/04/25-01:07)

http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_date1&k=2013042500019

 【ジュネーブ時事】日本政府は24日、スイスなど70カ国以上が支持した核兵器の非人道性を指摘した共同声明に賛同しないと表明した。「いかなる状況下でも核兵器が二度と使われないことは人類生存の利益」との表現が、日本の安保政策と現時点では一致しないと判断した。
 共同声明はスイスや南アフリカが主導。ジュネーブの国連欧州本部で開かれている核拡散防止条約(NPT)再検討会議第2準備委員会で提出された。
 声明は「核兵器の人道的影響は根本的かつ世界的な懸念として認識が高まっており、核廃絶と核不拡散を実現する上で中心となるべきだ」と明記。「核兵器が二度と使われないことを保証する唯一の手段は核兵器の全廃だ」とした。
 スイスは日本にも賛同を求め、両国は協議を重ねてきた。だが日本は米国による「核の傘」が事実上、北朝鮮などによる攻撃の抑止力となっている。このため、「いかなる状況下でも核兵器が二度と使われない」との表現について、「現実に核兵器が存在する中で(実態と)相いれない」(天野万利軍縮大使)として、賛同を見送った。 

 被爆者ら日本代表部へデモ行進 共同声明の不賛同に抗議 2013/04/25 08:42 【共同通信】

http://www.47news.jp/CN/201304/CN2013042501000791.html

 NPT準備委、核不使用をと声明 日本、加わらず 2013/04/24 23:51 【共同通信】

http://www.47news.jp/CN/201304/CN2013042401002284.html

 「核の不使用」共同声明、日本署名せず NPT準備委  2013年4月25日21時17分

http://www.asahi.com/international/update/0425/SEB201304250002.html

共同声明に賛同しなかった日本政府への抗議に訪れたデモの参加者たち。警察官に行く手を遮られた=24日、スイス・ジュネーブの軍縮会議日本政府代表部前

共同声明に賛同しなかった日本政府への抗議に訪れたデモの参加者たち=24日、スイス・ジュネーブの軍縮会議日本政府代表部前

 【ジュネーブ=斎藤靖史】2015年の核不拡散条約(NPT)再検討会議に向け、スイス・ジュネーブで開かれている第2回準備委員会で、核兵器の非人道性を訴えて24日に発表された共同声明に、日本政府は署名しなかった。米国の「核の傘」に頼る安全保障政策と整合性がとれない、と判断した。 共同声明は、核が使われると人道上、破滅的な結果を招くとして、「二度と使われないことを保証する唯一の手段は完全な(核)廃絶だ」とする内容。南アフリカスイスなど75カ国が賛同した。 昨年5月の第1回準備委では、スイスなど16カ国が同様の共同声明を発表したが、日本は「事前の打診がなかった」として参加しなかった。また、昨年10月の国連総会第一委員会でも34カ国が同様の共同声明を発表したが、日本は「核兵器非合法化」を求める内容が米国の核抑止力に依存する政策と合わないとして、賛同しなかった。

 

朝日は、昨日の夕刊1面・14面で、今日は2面で「核の傘 矛盾またも」「核使用声明 日本署名見送り」「対朝鮮 立場難しく『いかなる状況でも』文言削れず」「広島・長崎失望と批判 『非人道性、訴える機会放棄』」

 防衛大綱、敵基地攻撃能力を提起 自民素案 2013年4月25日 18時07分

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2013042501001547.html

 自民党は25日までに、政府が年内に策定する長期的な防衛力整備の指針「防衛計画の大綱」に向けた提言の素案をまとめた。北朝鮮による核・ミサイルの脅威などを念頭に、敵基地攻撃能力の保有を提起。テロなど多様な事態に対処する大綱の基本方針「動的防衛力」については、自衛隊の機動力強化を重視した新たな概念を検討する。 党安全保障調査会と国防部会の合同会議が大型連休明けから議論に入り、5月末をめどに提言を取りまとめる。防衛省の「防衛力の在り方検討委員会」が6月中に策定する新防衛大綱の中間取りまとめに反映させる考え。夏の参院選の党公約にも盛り込む方針だ。(共同)

 米政権、安倍首相発言に懸念 中韓にらみ自制促す 2013年4月26日 08時57分

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2013042601001387.html

 【ワシントン共同】歴史認識をめぐる安倍晋三首相の発言や閣僚の靖国神社参拝に対し、オバマ米政権が東アジア情勢の不安定化を招きかねないとして、日本政府へ外交ルートで非公式に懸念を伝えていたことが分かった。日米外交筋が25日、明らかにした。

 国務省のベントレル報道部長は「公式な抗議」はしていないとした上で「中国や韓国のように他国も懸念を表明している。各国間の強く建設的な関係が地域の平和と安定をもたらすことを、われわれは今後も訴えていく」と述べ、安倍政権に中韓を刺激しないよう自制を促した。(引用ここまで

 

 

社説は、以下の中国高知・読売の三つです。要約しておきます。日米軍事同盟深化派の読売と被爆地広島の中国、太平洋で被爆したマグロ漁船の高知の主張を比べてみれば、どちらが現実的か、明瞭ではないでしょうか?

 中国新聞 核不使用に賛同せず 「被爆国」名乗る資格ない '13/4/26

http://www.chugoku-np.co.jp/Syasetu/Sh201304260069.html

確かに中国の海軍増強や北朝鮮の核開発などによって東アジアの情勢は緊迫し、日本の安全保障環境が揺らいでいるタイミングではある。 とはいえ視点を変えれば、米国のあまりに強大な核戦力が中国や北朝鮮を軍拡へと突き動かしてきたのは紛れもない事実である。そして「核の傘」は、これらを抑止できていない。 いま安倍政権がなすべきは、周辺国と「脅し、脅され」の関係を築くことではなかろう。緊張を解きほぐすには、原点に立ち戻って考えるしかあるまい。…「核の傘」に頼らず、東アジアの平和をどう構築するか。真の非核外交への転換と模索を始める機会を安倍政権は自ら遠ざけるばかり。本当にこれが被爆国なのか。もはや政府には、そう名乗ってもらいたくはない。

 高知新聞 【核不使用声明】被爆国がなぜ賛同できぬ 2013年04月26日08時03分

http://www.kochinews.co.jp/?&nwSrl=301732&nwIW=1&nwVt=knd

米国が提供する「核の傘」への影響や、核使用をちらつかせる北朝鮮への抑止力低下を懸念したためとされる。だが、同じく米国の核抑止力に依存する北大西洋条約機構(NATO)加盟国は名を連ねている。唯一の被爆国の姿勢が問われる事態だ。…裏返せば、日本は場合によっては核使用を認めるということだ。しかし、そんなことがあっていいのだろうか。…現実に核兵器が存在する限り核抑止力は必要というのも、日本政府の基本的な立場だ。だが、現実論にとどまっているだけではいつまでたっても「核なき世界」は訪れない。核不使用声明にあるように、核兵器が再び使われないことを保証する唯一の手段は核廃絶である。究極の目標に少しでも近づくためのリーダーシップを、日本はもっと発揮すべきだ。

非核化拒む「北」 警戒も制裁も緩めてはならぬ (4月26日付・読売社説http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20130425-OYT1T01561.htm

「核保有国」の既成事実化を図ろうとする北朝鮮の姿勢が、ますます鮮明になってきた。国際社会は、警戒も制裁も緩めるべきではない。…4月末には米韓合同軍事演習が終わる。北朝鮮が先週、米国の対話の呼びかけに反応し、対話再開へ条件を提示したのは、対米交渉へ動く布石とも受け取れる。北朝鮮の国防委員会の声明は、対話再開には、安保理の制裁決議の撤回や、米韓合同軍事演習の恒久中止、戦略爆撃機など「核戦争手段」の撤収が必要だとした。制裁撤回要求は虫がよすぎる。決して容認できないのは、「核保有国」としてなら対話に臨むという北朝鮮の姿勢である。 日本や米国、韓国などが「対話再開はあくまでも非核化に向けたもの」として、北朝鮮がつけた条件を一蹴したのは当然である。北朝鮮の核武装は、日本の安全への重大な脅威だ。日本の安全保障を強化するため、外交にも全力を挙げなければならない。

 別項で、核兵器が国際法に違反していることを根拠付けた広島・長崎市長の歴史的陳述を掲載します。

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マスコミ、学界・教育界は安倍首相の大ウソを批判できるか!マスコミを利用した大ウソを許すな!その1

2013-04-25 | 日記

昨日のつづきです。

 1.安倍首相「国のために尊い命を落とした英霊に尊崇の念を表するのは当たり前のことで、どんな脅かしにも屈しない自由を確保していくのは当然のことだ…韓国が抗議を始めたのはいつかといえば、ノ・ムヒョン大統領の時代に顕著になっている。中国も、A級戦犯が合祀されたときには、総理大臣の参拝には抗議しておらず、ある日、突然、抗議を始めた。そのことをよく認識しておく必要がある」(24日参議院予算委)

 「英霊に尊崇の念を表する靖国参拝は関係ない!」理由にあげている安倍首相のスリカエを検証しておきます。中韓の側の意図は何か、です。まず以下の指摘です。

 (1)中村政則『戦後史』(岩波新書05年7月)より

4 忘却の中の戦争―アジアから問われる戦争責任

教科書問題

 一九八二年はアジアから対日批判が噴出した年であった。きっかけは八三年春から使われる高校社会科教科書の検定で、文部省が自民党などの“偏向キャンペーン”を背景に、歴史の事実をゆがめ、侵略戦争を美化したというのであった。とくに対日批判の急先鋒は中国であった。中国共産党機関紙『人民日報』(七月二〇日)は「この教訓を銘記せよ」と題する論評を掲載して、次のように述べた。

 日本側新聞報道によると、日本の教科書は、①一九三七年一二月の日本車による南京大虐殺を中国軍が抵抗したためであると、虐殺責任を中国側に押し付けた、②日本の華北「侵略」を「進出」に変えた、③「中国への全面侵略」を「全面的侵攻」としたなどを上げ、検定権をにぎる文部省の責任を追及したのである。さらに新華社は、「こうした歴史の改ざんは目中共同声明と日中平和友好莱約に違反する」と報道した。

 いっぽう韓国の『東亜日報』(七月二〇日)は、三.一独立運動が日本の教科書では「暴動」と書かれ、また戦時中の強制連行を単に「徴用」とぼかされたことを取り上げ、日本の植民地支配を正当化していると批判した。『東亜日報』に続いて韓国各紙も激しい対日本批判を展開したが、とくに韓国マスコミを怒らせたのは、日本政府や国民が中国からの批判にはすぐ対応したのに、それに先立つ韓両側の批判を冷淡に受け止めたことであった。これは韓国軽視の表れであるとして、事態を一層こじらせた。このほか北朝鮮、香港、フィりピン、インドネシア、ベトナム諸国からも、日本の支配層は「過去の侵略」をたたえているなどの批判が相次いだ。

 アジア諸国と日本における歴史認識の落差がこのときほど浮き彫りにされたことはない。

日本政府の対応

 これに対し、文部省は当初「検定は適当」「誤りはない」の一点ばりで取り繕おうとしたが、結局、八月二六日の官房長官談話で「政府の責任で是正する」と約束し、ようやく外交決着にこぎつけた(『毎目新聞』一九八二年八月二七日)。その第三項でアジア近隣諸国との友好、親善を進める上で、今後は「検定基準を改め」と明記したように、それまで言不適切な検定を行たってきたことを日本政府は暗に認めたのである。

 侵略戦争を否定する保守派・民族生義者のなかには「侵略」を「進出」に書き替えさせた事は一つもないと主張して、文部省の検定を擁護する人がいるが、帝国書院の『世界史』も教科書二冊は「侵略」を「進出」と書き換えさせられている。これは氷山の一角で、検定過程で語句の修正・削除を求められた事例は枚挙にいとまがない。従来から「密室検定」批判が繰り返されてきたのである。(引用ここまで

 「ご英霊を慰霊する靖国参拝が問題ではない!」と言いたい安倍首相の言い分は、確かに教育問題、特に教科書問題が、その始まりで、直接には靖国神社参拝ではありません。直接には、以下が発信源です。

 「憂うべき教科書の問題」(自由民主党調査局政治資料研究会議1980年11月)

森本真章・清原俊彦『疑問だらけの中学校教科書』(ライフ社1981年2月27日)

 その前後の流れについては、以下をご覧ください。

安倍晋三首相、下村博文文科相は、「教育再生実行会議」を自らの「利権誘導」に利用するつもりか?

http://blog.goo.ne.jp/itagaki-eiken/e/2e2f328e282cdc7f9ba6a998e46bc60e

「つくる会」の教科書を総点検する 藤永 壯(大阪産業大学教員)

http://www5d.biglobe.ne.jp/~tosikenn/kouzahuzinaga.html

 ここで強調しておかなければならないのは、自民党がすすめてきた「教科書問題」、これが発信源になって、韓国と中国のナショナリズムに火を点けることになったということです。安倍首相はそのことを意図的に隠して、中韓の側に問題があるとスリカエているのです。侵略戦争を正当化する安倍首相や靖国神社側のナショナリズムが、中韓のナショナリズムに火を点けた!のです。

 (2)天安の独立記念館設立の趣旨と経過を見れば、自民党のナショナリズムと戦争責任の正当化を書き込ませる教科書問題に対する韓国国民に対する冒涜が見えてきます。

 「1982年の日本の教科書検定問題がきっかけになり、1987年に開館した」「独立記念館法(1986年)の制定により、1987年8月15日に開館した」「1982年から建設資金を韓国の全国民からの募金活動で集め、5年間の建設工事の末に、解放(独立)以来の韓国国民の宿願事業のひとつとして1987年8月15日に開館した」とあります。

http://www.d4.dion.ne.jp/~ji2txu/korea1/korea.htm

http://ha3.seikyou.ne.jp/home/tom-hase/peace/aala/kore00_3.htm

http://www.k-plaza.com/seoul/memorial_05.html

 愛国者の邪論は、この記念館を3回ほど訪れたことがあります。呆然でした。こうやって韓国ではナショナリズムを育てているのか!ということでした。日本で言えば、靖国神社です。しかし、立場が完全に違っています。侵略の側と被侵略の側という立場の違いです。独立記念館の駐車場から会館まで林立し、はためく韓国の国旗=太極旗をみていて、そのことを強く感じました。

 この独立記念館に入館しない韓国人もいることを知りました。それは朴政権時代に弾圧を受けた人(T・K生『韓国からの通信』岩波新書参照)でした。「日本帝国主義の弾圧を告発するのであれば、日本帝国主義と同じように韓国内の民主主義を弾圧したことも展示しろ」ということでした。その他の中身については、別の機会で述べてみたいと思います。

 (3)南京大虐殺紀念館の設立経過をみると、韓国の場合と同じです。一つの資料として、どうぞ。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8D%97%E4%BA%AC%E5%A4%A7%E8%99%90%E6%AE%BA%E7%B4%80%E5%BF%B5%E9%A4%A8

ところで、南京大虐殺問題については、かつて記事に書きました。河村市長再選に南京問題は関係ありませんでした。ここに日本国民の歴史認識の一旦が見えてきます。

 日本人の「潔さ」「愛国心」をスリカエ、国際社会における信用失墜行為の河村市長は即時辞任すべき 2012-02-29 21:26:32

http://blog.goo.ne.jp/aikokusyanozyaron/e/087758c4c1a98187c499814e853b4c65

名古屋市民の知的レベルを世界に示した市長の見識 2012-02-28 23:42:14

http://blog.goo.ne.jp/aikokusyanozyaron/e/e4ac5d9c22c46accbf6e4fa16f1a1738

 

現在、事件の有無の是非について、その議論が意図的に逸らされています。そこで、以下をご覧ください。

 『南京大虐殺全史』が刊行 多くの史料で日本右翼に反撃  発信時間: 2012-12-09 14:21:39 | チャイナネット

http://japanese.china.org.cn/life/txt/2012-12/09/content_27360066.htm

 ところで、この南京大虐殺事件についても、安倍首相をはじめとした靖国神社派の不道徳ぶりは、目に余るものがあります。以下をご覧ください。

 小林英夫『日中戦争 殲滅戦から消耗戦へ』講談社現代新書07年7月)より

…鈴木明は著書『「南京大虐殺」のまぼろし』において、「上海百人切り競争」としてマスコミで取り上げられた記事の虚偽性を追いながら「南京事件の真相はわからない」として、政治的作為のなかでこの事件の実像が被害者寄りにゆがめられていると強調した。これをきっかけに論議が沸騰、推定犠牲者数も最大は五十万人から百万人、最小は千人と大きな開きがあるなかで現在に至っている。

 犠牲者の数が何人かを確定することは、いまに至ってはおそらく困難だろう。当時でも戦時下の混乱のなかで戦闘兵と投降兵、さらには民間人を正確に識別することなど至難の業であったに違いない。はっきりしているのは日中両軍間で激烈な戦闘、というより死闘が繰り広げられたことである。上海を舞台に描いた石川達三の『生きてゐる兵隊』を読むまでもなく、犠牲者の数は常識を超えていた。

 満足な糧抹の支給も受けぬまま、異常な戦場心理のなかで敵愾心に燃えた将兵が、殺戮、強姦といった残虐な事件を起こすことを想定していなかったとすれば、それは指揮官の怠慢である。その対策を講じるのは、日本の司令部の責任であったはずである。また、捕虜をいかに扱うべきかを含めて、兵への教育や軍規の徹底が不十分であったことは明らかである。これらの点で、この事件発生の最大の責任が日本側にあることはいうまでもない。(引用ここまで

 (5)靖国神社参拝が問題にならない理由として、安倍首相があげているのが、ノ・ムヒョン大統領の時代からだとしていますが、これについても、以下の記事をご覧ください。

 淵弘『朝鮮人特攻隊』(新潮新書09年12月刊)より

火付け役は盧武鉉大統領

 結城少尉の姿を追った時から五年が過ぎた二〇〇五年春。ソウルに長期滞在する機会を得た私は、激変する韓国社会の渦の中にいた。島根県議会の「竹島の日」条例制定(二〇〇五年三月十六日)に端を発した反日デモが、かつてない勢いで高まっていたのだ。鐘路区にある日本大使館前では、連日のように激しい示威活動が繰り返され、毎週水曜日には元従軍慰安婦たちがデモの最前列に並んだ。

 一連の抗議活動の火付け役が、当時の青瓦台の主、盧武鉉大統領であるのは誰の目から見ても明らかだった。歯にかを着せぬ大統領の物言いが、国民の反日感情をあからさまに煽っていた。

 だが、事情を探ってみると、それが単なる国民感情の発露ではなく、政治的に計算されたものであることに気づいた。高野紀元駐韓大使の召還という事態にまで発展した反日デモの背景には、竹島問題より根深い問題が潜んでいた。

 竹島騒動の一年前、盧大統領を弾劾訴追した保守野党「ハンナラ党」は、その直後に実施された総選挙で惨敗。盧大統領の支持母体である与党「ウリ党」が過半数を上回る大躍進を果たした。多数与党となったウリ党が最初に着手したのが、成立したばかりの「日帝強制占領下親日反民族行為の真相糾明に関する特別法」、いわゆる「親日法」の改正だった。

 親日法は、植民地時代に日本に協力して利益を得た親日派を断罪する法律だ。だが、とうの昔に死んでいる人間を処罰することもできないので、罰則規定はない。国家が親日派の名簿を作成して反民族行為者の烙印を押し、「民族精気」を正すのが狙いであるという。(引用ここまで

 安倍首相の言い分をみると、ノ・ムヒョン大統領の時代も李明博大統領も、竹島(独島)に訪問した時の韓国内事情と同じだ、だから靖国神社参拝は問題ないのだ、ということを言いたいのだと思います。だから、今回のような中韓の発言は「脅し」だとして、靖国参拝を正当化したのです。

 ところが、大東亜戦争の責任を問われ、サンフランシスコ条約で国際的に確認された戦犯をこっそり合祀していた大東亜戦争を正当化している靖国神社の歴史認識と侵略戦争を正当化しようとする教科書問題は、根っこは全く同じです。それが、80年代からずっと続いてきましたが、偽りの議席を獲得した安倍首相の人気・支持率などを利用して、一気に変えていこうと画策しているのです。

 しかし、こうした見方に、実は安倍首相とその勢力と支持者たちの傲慢さ、本質が見えてきます。

 この竹島問題は、韓国併合時と日本の主権を回復したと主張するサンフランシスコ条約時の歴史の検証が必要です。そのことでのみ、領土の確定ができるからです。こういう事実を曖昧にしたまま、推移してきたからこそ、この問題が起こるたびに、両国民のナショナリズムが煽られ、解決を遅らせてきたのです。その最大の問題は、歴史認識の矛盾です。日本における戦争責任の免責です。

 実は、この竹島問題は、戦争責任を曖昧にして政権を維持してきた自民党政権にとって、また日本も韓国も軍事同盟下においておくことで、アジアにおける覇権を維持しようとするアメリカにとっても、日本の戦争責任を戦後責任、戦後処理問題を曖昧にしておくことの方がアメリカのリーダーシップを発揮し、利権を維持拡大するメリットがあるということを見ていく必要があるように思います。

 それは、サンフランシスコ条約締結に伴って合意された天皇の戦争責任の曖昧化に深く関わっているからです。戦後の日本に「無責任」が席巻したことの最たる事例が、君主として、神様としての裕仁天皇の免責でした。しかも、これはタブーでした。

 これらが不道徳と退廃の最大の要因であることを国民的に認知していく必要があるように思います。

 つづく

コメント (2)
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またまた不道徳の模範となった安倍首相と靖国参拝国会議員!子どもの教育に責任を持つ大人は怒れ!

2013-04-24 | 靖国神社

またまた呆れました!この国の首相のレベルの低さ、極まれり!というところです。この人の愛国心、道徳教育の低レベルの低さ、いや道徳に値しない不道徳ぶりが、ここでも証明されました。以下指摘して見たいと思います。

 

1.NHK、毎日は中韓の「反発」と表現してしまったことです。これも重大な認識間違い、安倍応援団ぶりです。こうした報道が、国際社会では受け入れられないことは明らかです。

 2.安倍首相は、こうした「反発」を「脅し」という感情的な言葉を使ってしまいました。マスコミ以上に問題があります。

 3.「国のために尊い命を落とした英霊に尊崇の念を表するのは当たり前」と、彼らのロジックを改めて強調しました。しかし、これとて「ご英霊」を冒涜するものです。安部首相の言う「国のため」の意味にあります。それこそが、「教育勅語」の真髄です。

 (1)「常ニ國憲ヲ重シ國法ニ遵ヒ一旦緩急アレハ義勇公ニ奉シ以テ天壤無窮ノ皇運ヲ扶翼スヘシ是ノ如キハ獨リ朕カ忠良ノ臣民タルノミナラス又以テ爾祖先ノ遺風ヲ顯彰スルニ足ラン」

 (2)この教育によって「天皇のために死ぬ」臣民を錬成、鋳型にはめ込んできたものですから、それを信じて疑わない臣民を「ご英霊」として「尊崇」するのは、当然のことです。さもなければ、「国家的詐欺」ということになります。「遺族会」が自民党の集票マシンになっている最大の理由は、ここにあります。

 (3)だがしかし、「国のため」に命を懸けたのは、何も「天皇のため」だけではありません。そこが最大のポイントです。会津や西郷隆盛は、「逆賊」です。当然「英霊」にはなりません。天皇制政府の起こした戦争に反対した「国賊・非国民」はどうでししょうか?「大東亜戦争終結時にいわゆる戦争犯罪人として処刑された方々などの神霊も祀られています」とまであります!居直り!

http://www.yasukuni.or.jp/history/detail.html

 4.「侵略に対する定義は学界でも国際的にも決まっていない。国家間の関係をどちら側から見るかにより違う」(23日参院丸山和也議員に)と、侵略戦争ではなかった。自存自衛の戦争だったという屁理屈、正当化です。

 (1)(清水正義『戦争責任とは何か』かもがわ出版 08年9月刊)より

…日本は第11条によって極東裁判等で認定された「平和に対する罪」(侵略戦争開始遂行の罪)を認め、従ってまたその戦争によって生じた被害損害の賠償責任を第14条によって認めた、ということになるでしょう。こう考えれば、第11条の戦争戦争裁判条項と第14条の賠償条項との論理的関係をもっとも無理なく解釈することができます。従って、サンフランシスコ条約は日本の戦争責任を、明示的にではありませんが、前提としたうえで、全体の構造を構築していると言えるのであり、その意味で日本は責任を問われたのです。(引用ここまで

 (2)ここまでくると、国際公約を反古にして、侵略戦争を正当化しているのです。これは被害国民のこころを傷つけるばかりか、加害国の国民の反省も教訓化もあったものではありません。これが果たして教育的かどうか、ということも厳しく問われなければなりません。

 5.「中国も、A級戦犯が合祀されたときには、総理大臣の参拝には抗議しておらず、ある日、突然、抗議を始めた」「韓国が抗議を始めたのはノ・ムヒョン大統領の時代に顕著に」と正当化しているのです。

 (1)これこそが、不道徳ぶりの極地と言えます。安倍首相風に言えば、「悪いことをしないと約束したからこそ、国際社会への復帰が認められたにもかかわらず、悪いことをしたが、誰も糺さなかったから、また悪いことをやったのだ。文句はないだろう」ということです。これは子どもの言い分です。

 (2)ここにも大きなウソがあります。アジア諸国が、靖国問題を批判するようになったのは、教科書問題など、日本の軍国主義復活への「脅威」が顕著になってきた80年代からでした。その最大の火付け役を担ったのは、教科書問題でした。

田中伸尚『靖国の戦後史』(岩波新書02年6月刊)より

 靖国法案の挫折後、靖国推進派の戦略は、改憲を視野に入れながら、現実的には違憲にならない行為の積み重ねによって国民意識を変え、最終的には国家護持へ、という道である。具体的には、靖国法案後の主流になる、国の代表が公人の資格で靖国神社に参拝できるようにし、その実績を重ねていく方法であった。七〇年代半ばから八〇年代半ば過ぎまでの「靖国問題」は、政治と社会の双方の響きあうような右傾化か際立つ中で、戦後二度目のピークヘ向かっていた。具体的には、教科書問題、中曾根首相の不沈空母発言や防衛費のGNP一%枠撤廃などに見られるように、ナショナリズムを高揚させながら戦後政治総決算路線へとなだれ込んでいく文脈上に、「靖国問題」はあった。(引用ここまで

 最大の課題は首相の「公式参拝」問題でした。しかし、その結果、憲法施行以来6回も「私的」「公的行為」参拝していた天皇でさえも参拝できなくなってしまったのです!このことそのもの問題あり!ですが、天皇信奉者である安倍首相は、この問題をどのように考えているのでしょうか?

 中国について言えば、「日本側は、過去において日本国が戦争を通じて中国国民に重大な損害を与えたことについての責任を痛感し、深く反省する」とした72年の日中共同声明から、78年の日中平和友好条約を調印することで、日本側の中国敵視政策から脱却していく歴史、尖閣を棚上げしてみせた中国の立場を黙殺しています。

 しかし、教科書問題が起こった82年の検定で、その批判が激しく展開されることになります。今回の問題と同様に、日本が撒いた火種が大陸で大火災になったのです。その歴史を再度検証していく必要があります。

 韓国について言えば、1960年以来の朴正煕政権以来全斗煥大政権までの関係を語っていません。しかし、その政権であっても、教科書問題では、韓国のナショナリズムに火をつけてしまったのです。しかし、このことを無視してウソを付いているのです。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%85%A8%E6%96%97%E7%85%A5

 以上、テレビから流される情報を計算して、平気でウソをつく、安倍首相の幼児性を何としても打ち破っていかなければなりません。この問題が日中・日韓国民の暮らしに大きな影響を与えていくことは、確実です。そういう意味からも、大嘘を暴いていかなければなりません。

  首相 「どんな脅かしにも屈しない」 4月24日 18時19分http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130424/k10014161371000.html

安倍総理大臣は、参議院予算委員会で、閣僚の靖国神社参拝などに対する中国や韓国の反発について、「国のために尊い命を落とした英霊に尊崇の念を表するのは当たり前のことで、どんな脅かしにも屈しない自由を確保していくのは当然のことだ」と述べ、反論…閣僚3人が…参拝したことなどに中国や韓国が反発していることについて、「韓国が抗議を始めたのはいつかといえば、ノ・ムヒョン大統領の時代に顕著になっている。中国も、A級戦犯が合祀されたときには、総理大臣の参拝には抗議しておらず、ある日、突然、抗議を始めた。そのことをよく認識しておく必要がある」…「国のために尊い命を落とした尊いご英霊に対して、尊崇の念を表することは当たり前のことだ。わが閣僚においては、どんな脅かしにも屈しない自由を確保していくのは当然のことだ」…「靖国神社で、ご英霊にご冥福をお祈りすることを批判されることに対して、なんにも痛ようを感じないのは、おかしいと思う。国益を守り、歴史や伝統の上に立った誇りを守っていくことも私の仕事で、それをどんどん削れば、関係がうまくいくという考え方のほうが間違っている」と述べ…
サンフランシスコ平和条約が発効し、日本が主権を回復したことを記念して政府が開く式典について、「奄美、小笠原、沖縄が、平和条約が発効した以降も施政権の外に置かれたという、苦難の歴史を忘れてはならない。苦難を耐え抜いた先人の心情に思いをいたし、沖縄が抱える基地負担の軽減に取り組むとともに、奄美、小笠原、沖縄を含めたわが国の未来を切り開いていく決意を新たにする」と述べ、沖縄県民などの感情に配慮する考えを重ねて示しました。(引用ここまで

 安倍首相:「脅かしに屈せず」 靖国参拝で中韓反発に 毎日新聞 2013年04月24日 20時38分(最終更新 04月24日 20時50分)http://mainichi.jp/select/news/20130425k0000m010067000c.html

靖国参拝批判に首相「わが閣僚はどんな脅かしにも屈しない」 2013.4.24 14:27 安倍首相 http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130424/plc13042414280009-n1.htm

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