ウィーンの森 ヒンターブリュールという小さな町(ウィーン市中心部から
南西へ約20km)の水車小屋・ホルドリッヒシュミーレ(現在はカフェ)へ。
フランツ・シューベルト(1797~1828年)は 体調崩し
ここで静養している間に 歌曲集「冬の旅」の第5曲「菩提樹」を
作曲したところ、といわれている。
*歌曲集『冬の旅』は ドイツの詩人ヴィルヘルム・ミュラーの詩集。
24の歌曲の構成で 「菩提樹」は第1部の5曲目。
”青年が失恋した場面から始まり 絶望 さすらいの旅
最後に自害するまでの悲しい物語”
建物の 左手に古風な木製の手押しポンプの井戸があって
軒の中にはシューベルトの肖像画が 壁には歌詞つきの五線譜が
描かれたリボンがある。
Der Lindenbaum 菩提樹
Am Brunnen vor dem Tore (門の前の 泉の側)
Da steht ein Lindenbaum (そこに一本の菩提樹が立っている)
「泉に沿いて繁る菩提樹・・・」と唄うが 周りは“ポンプ”であった・・・
また 菩提樹が植えられていることになっているが
ガイドさんは「楡の木」だという。
*「リンデン」は ヨーロッパ原産のシナノキ科の落葉高木。
「菩提樹」に歌われているのはこのリンデンの木のことで
日本でいう菩提樹とは別の木なる。
また 花や葉を薬用にし 花を煎じたハーブティーに発汗作用があり
カゼなどに効くとして医薬品に認められている。