「スティーブ・ジョブズ驚異のプレゼン」という本は、最初から興味は持っていたし、売れてるって話は聞いてたけど、出版されてからずっと今まで、スルーしてきた。
←プレゼンだって、ピアノ演奏と同じく、練習が大事らしい
だってね。私は、ジョブズにも、アップルにも、プレゼン技術にも興味なくって、「最初から興味は持っていた」の中身は、「翻訳」なんだもん(^^;; ふつう翻訳見るために本買いませんよね??
でも、数日前ふらっと入った本屋で平積みになってるのを見て、ふらふらっと手に取ってしまったら、中を見るでしょ…
目にとまったのは、ジョブズの基調講演を表にしたもの。日本語にしてあるけど、原語もついてて、スライドで何を見せていたかがまとめられてた。すると、ジョブズのこの無駄のない、そしてインパクトがあるしゃべりの内容もすごいんだけど、翻訳がまたすばらしくて、やっぱり買っちゃった。うまいなーこんなふうに訳せたらいいよね、と思って。
だから、Buckeye氏の翻訳を鑑賞するつもりで読み始めて、そしたらなんか内容にどんどん引き込まれて、気がついたら翻訳のことなんかすっかり忘れてた。よい翻訳ってのは、透明なんです。リズムよく読める、わかる、翻訳であることを感じさせない(*)。
私が仕事(マニュアルの翻訳品質管理)でふだん目にしている翻訳は…翻訳であることを片時も忘れさせない、ごつごつのざらざら、日本語で最初から書いたとしたらそう表現する人はいないよねという訳がほとんどだから…
私が品質担当者になってざっくり10年。その間、格闘してきたのは「間違い」を減らすこと。たとえば、英語には「使用できません」て書いてあるのに「使用できます」と訳されていたり(爆)、原文にある語が飛んでるとか、取り違えてる(deleteとdetectって似てる~みたいな)とか、「できます。」が「できす。」になってたり、そういう間違い。
その格闘で成果が上がらなかったわけじゃなくて、確かにそういうものは大幅に減ってきたんだけれども、一方ではその10年間、翻訳外注単価を下げる動き、原文の品質低下(英語ネイティブじゃない人が書いたり、買収した会社の資料はローカライズしにくくできてたり)、開発のアジャイル化とか状況は厳しくなるばかり。間違いは少ないに越したことはないけど、それだけで「読める」翻訳になるわけでなく、「透明な翻訳」からはむしろ遠ざかっているような気も。
確かに、間違いを指摘するんだってそりゃやらなきゃしょうがないけど、よい翻訳、よいお手本に触れる機会は少なく、足をひっぱるような翻訳(ひどい旧訳とか、機械翻訳とか)ばかり目にしてたらそりゃ良くなっていかないだろうなとか。
そんなわけで、本業については悩み深いんだけれども。
本の内容は文句なくおもしろい。そういえば今年になってから、Buckeye氏の講演を聞いたときはやけにビジュアルな、文字の少ないプレゼンパッケージだったけど、あればジョブズ流ってことね…そういえば、Buckeye氏の堂々とした押し出しっぷりがちょっとジョブズに似てるかも(^^;;
ご本家の有名なプレゼン→iPhone発表
私は、必要に迫られてプレゼンするとき、ごくフツーの、個条書きの並んだつまんないプレゼンをしてるけど、実は昔、駆け出しのころ(卒論発表とか)手描きイラストと、数少ない言葉の並んだOHPでプレゼンしてたのよね。もちろんプレゼン自体すごく下手糞だったと思うけど、とにかくそういう「イラストと、短い言葉」みたいなフォイルは「フォーマルじゃない」ってことでさんざんダメ出しされ、しぶしぶフツーのスタイルに落ち着いていったんだっけ…
っつーことで、私の時代が来たのね~(嘘)
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(*)英語と日本語って、一対一対応するようにできてないから、どう訳してもそれで完璧に同じニュアンスが伝わるってことにはなかなかならない。このすばらしい翻訳の中にもいろいろ悩みや迷いがあるということを感じました↓
Buckeye氏のブログ記事「『スティーブ・ジョブズ 驚異のプレゼン』-誤訳の指摘」
しかしこんなところのコメント欄にもしっかりメゾフォルテさん登場。
←プレゼンだって、ピアノ演奏と同じく、練習が大事らしい
だってね。私は、ジョブズにも、アップルにも、プレゼン技術にも興味なくって、「最初から興味は持っていた」の中身は、「翻訳」なんだもん(^^;; ふつう翻訳見るために本買いませんよね??
でも、数日前ふらっと入った本屋で平積みになってるのを見て、ふらふらっと手に取ってしまったら、中を見るでしょ…
目にとまったのは、ジョブズの基調講演を表にしたもの。日本語にしてあるけど、原語もついてて、スライドで何を見せていたかがまとめられてた。すると、ジョブズのこの無駄のない、そしてインパクトがあるしゃべりの内容もすごいんだけど、翻訳がまたすばらしくて、やっぱり買っちゃった。うまいなーこんなふうに訳せたらいいよね、と思って。
だから、Buckeye氏の翻訳を鑑賞するつもりで読み始めて、そしたらなんか内容にどんどん引き込まれて、気がついたら翻訳のことなんかすっかり忘れてた。よい翻訳ってのは、透明なんです。リズムよく読める、わかる、翻訳であることを感じさせない(*)。
私が仕事(マニュアルの翻訳品質管理)でふだん目にしている翻訳は…翻訳であることを片時も忘れさせない、ごつごつのざらざら、日本語で最初から書いたとしたらそう表現する人はいないよねという訳がほとんどだから…
私が品質担当者になってざっくり10年。その間、格闘してきたのは「間違い」を減らすこと。たとえば、英語には「使用できません」て書いてあるのに「使用できます」と訳されていたり(爆)、原文にある語が飛んでるとか、取り違えてる(deleteとdetectって似てる~みたいな)とか、「できます。」が「できす。」になってたり、そういう間違い。
その格闘で成果が上がらなかったわけじゃなくて、確かにそういうものは大幅に減ってきたんだけれども、一方ではその10年間、翻訳外注単価を下げる動き、原文の品質低下(英語ネイティブじゃない人が書いたり、買収した会社の資料はローカライズしにくくできてたり)、開発のアジャイル化とか状況は厳しくなるばかり。間違いは少ないに越したことはないけど、それだけで「読める」翻訳になるわけでなく、「透明な翻訳」からはむしろ遠ざかっているような気も。
確かに、間違いを指摘するんだってそりゃやらなきゃしょうがないけど、よい翻訳、よいお手本に触れる機会は少なく、足をひっぱるような翻訳(ひどい旧訳とか、機械翻訳とか)ばかり目にしてたらそりゃ良くなっていかないだろうなとか。
そんなわけで、本業については悩み深いんだけれども。
本の内容は文句なくおもしろい。そういえば今年になってから、Buckeye氏の講演を聞いたときはやけにビジュアルな、文字の少ないプレゼンパッケージだったけど、あればジョブズ流ってことね…そういえば、Buckeye氏の堂々とした押し出しっぷりがちょっとジョブズに似てるかも(^^;;
ご本家の有名なプレゼン→iPhone発表
私は、必要に迫られてプレゼンするとき、ごくフツーの、個条書きの並んだつまんないプレゼンをしてるけど、実は昔、駆け出しのころ(卒論発表とか)手描きイラストと、数少ない言葉の並んだOHPでプレゼンしてたのよね。もちろんプレゼン自体すごく下手糞だったと思うけど、とにかくそういう「イラストと、短い言葉」みたいなフォイルは「フォーマルじゃない」ってことでさんざんダメ出しされ、しぶしぶフツーのスタイルに落ち着いていったんだっけ…
っつーことで、私の時代が来たのね~(嘘)
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(*)英語と日本語って、一対一対応するようにできてないから、どう訳してもそれで完璧に同じニュアンスが伝わるってことにはなかなかならない。このすばらしい翻訳の中にもいろいろ悩みや迷いがあるということを感じました↓
Buckeye氏のブログ記事「『スティーブ・ジョブズ 驚異のプレゼン』-誤訳の指摘」
しかしこんなところのコメント欄にもしっかりメゾフォルテさん登場。