アンダンテのだんだんと日記

ごたごたした生活の中から、ひとつずつ「いいこと」を探して、だんだんと優雅な生活を目指す日記

ホラー小説の中のピアノ

2020年02月05日 | ピアノ
タイトルに「ピアノ」が入っている小説って、世の中いったいどれくらいあるものだろう?

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その中の、かなりの部分は、いくら「ピアノ」がタイトルに入っていてもそれは、雰囲気とかお飾りとか、ちょっとしたアイテムであって、ピアノについてもピアノ曲についても演奏についても、ちょろっとしか触れられていなかったり、そりゃないよというくらい的外れだったりするかもしれない。

だから、あまり期待しないで読み始めたんだけど…
「ピアノ・レッスン」(林 巧)
なにせ、図書館で見かけて借りただけだから、つまんなくても別にショックじゃないしね。
(注: 同タイトルの映画とは何の関係もないよ)

がっつり、ピアノが主役でした。

ドビュッシーがいたころのパリ音楽院にあったという、古い古いプレイエルのスピネット。

なかなか、マニアックなところを突いてくるじゃありませんか。

そして、小説の中で、一番重要な、鍵を握る曲が「パスピエ」(ベルガマスク組曲の)で、二番目が、「月の光」。

「パスピエ」というのはブルターニュ地方の古い踊りだとか。
といっても、ドビュッシーのパスピエで実際に踊る人はあまりいないんだろうけれども、
小説の中では、女の子(バレリーナの卵)が恋人(ピアニストの卵)の弾くパスピエで踊り出す…どうしても踊りたくなるというシーンがあります。

「パスピエ」はどうやら、この古いスピネットにとって思い出の曲(?)らしく、
ピアニストの彼がふつうのピアノで演奏する曲としてのパスピエとはちょっと違ったほうへ誘導するようなのです。

その辺が「ホラー」というかファンタジーの入り口なのね。

この本は「角川ホラー文庫」におさめられているものだけれど、ホラーといっても別に怖くはありません。悲しくはあるかも。

古いピアノが持つ何かの力って、ピアノファンならなんか信じてしまうところ、あるでしょう。

実際、「私のベヒシュタイン物語」とかには、ピアノが意志を持って戦災を生き延びたとしか思えないようなストーリーがいくつかありましたよね。ま、そんなところからすると、そういうこともあるかな、みたいな(もちろん実際にはないけど)物語でした。

----- 以下は、ネタバレ嫌な人はやめといてください(ま、誰もこの本を読まないと思うけど)

この小説は、現実世界と非現実世界が交錯して進むんだけれど、現実世界の中で主人公の男の子は、音の出ない壊れた古いピアノを使って「一人で(幽霊を除けば)」練習して素敵なモーツァルトやパスピエを弾けるようになってしまったことになるので、

つまり、アレと同じですね

「ピアノの森」。(^^;;


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