アンダンテのだんだんと日記

ごたごたした生活の中から、ひとつずつ「いいこと」を探して、だんだんと優雅な生活を目指す日記

「前に奏でる」わけじゃない前奏曲

2020年02月22日 | ピアノ
スクリャービンの前奏曲op.11-11を弾いてみようとしたとき、この曲自体はたった見開き2ページなのだけど、「ついでに」op.11を丸ごとスキャンしておこうと思い立った(いつか弾くかもしれないし!?)。

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それで、ページをめくりながら、ガーコガーコとScanSnapを動かしていて思ったのだが、
「変なカタチした楽譜が多い」

たとえば、ショパンのノクターンだとかいう場合は楽譜の譜ヅラというか模様というか、わりとパターンがあるし、モーツァルトとかならそれなりの…落ち着いた模様があると思うんだけど、

前奏曲24曲あるなかで、くるくると模様がドラスティックに変わっていくのね。一曲一曲が短いし。

この、バラエティーある楽譜の見た目ということでいうと、そういや、先日ショパンの24の前奏曲をスキャンしたとき(雨だれを弾こうとして)も思ったんだけど…

というか、どっちも24の前奏曲ですね。ピティナのピアノ曲事典でスクリャービンの24の前奏曲解説を見ると、

「スクリャービンが若い頃に傾倒していたショパンの《24の前奏曲 作品28》にならい、平行調の組み合わせによって5度圏をめぐる構成となっている」

とあるので、楽譜の見た目が偶然似たということではなくて、「リスペクト」の必然的結果なのでしょう。

それならショパンの24の前奏曲はどこから来たのかというと(同じくピティナのピアノ曲事典で解説を見ると)
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ショパンにとって、バッハ《平均律クラヴィーア曲集》の伝統に連なる作品を残すことは、かねてからの願いであり、音楽家としての使命でもあったのだ。
《練習曲集》においてショパンは、《平均律》の伝統を音楽内容と機能の面で継承したのだったが、《24の前奏曲集》では、同じ源泉からおもに曲集の外形を受け継いだ。マヨルカでのショパンの様子を伝える書簡からは、彼が四六時中バッハの楽譜を手放さずにいたことが判るが、《平均律》とショパンの《前奏曲集》の共通点はほとんど唯一、24の長短調で書かれていることだけである。
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となっており、つまりリスペクトの系図は

バッハ平均律 - ショパン24の前奏曲集 - スクリャービン24の前奏曲

ということになるが、バッハとショパンはそんなに似てるわけではない。そもそも、ショパンになったところで、前奏曲が(フーガの)前に奏でる曲ではなくなっている。

なんだか「前奏曲」という言葉の意味が、改めて考えるとよくわからないのだが、今度はウィキペディアに頼りますと

「後には独立した楽曲として演奏技巧を発揮するような、また即興的な自由な作風の作品、特にピアノ曲にこの名が付けられるようになった」

ということで、わりとテキトーでいいというか、決まった形式のようなものはなく、あまりふつうでない伴奏型とかいろいろ試せたんでしょう。

私の都合からいうと、短くて、面白い曲がたくさんある「前奏曲(集)」というのは大変魅力的なカテゴリーなんだけど、でもプロがやるように「24(25)曲セットで」というのは一生弾けないわけで(なんだかどなたの曲集も超絶技巧が混じりますよね)、せいぜいバラで楽しませていただきます。せっかく作曲家さんたちは全調の配置とかに工夫凝らしてるんだろうけれども…

ウィキペを見ると、ずいぶんたくさんの作曲家が全調セット前奏曲に取り組まれているので驚きます。一度は作ってみたくなるもんなんかねぇ。

アルカンの全調ものというとエスキスしか知りませんでしたが前奏曲もあるんですね。


今日のブログ書きながらCD:
内藤 晃 /ショパン≪24の前奏曲 作品28≫ 他


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