アンダンテのだんだんと日記

ごたごたした生活の中から、ひとつずつ「いいこと」を探して、だんだんと優雅な生活を目指す日記

弾いた感じと聞いた感じは違う

2015年12月26日 | ピアノ
さて、ラフマ二台を二度目に弾いた発表会は23日にあったわけだが、そして今日は26日。

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弾いた感触が、あーーよかったーってなものなら、その日のうちに記事にしてそうなもんで、
じゃー今まで何も言わないのって何かっていったらそりゃ、

自分的にやや落ち込んでいたから。

弾き終わった直後、きーちゃんさんが「今日のよかったよ」といってくれたんだけど、ぜんぜんそうは思えなくって。

11月末の「ばんたの」のときには、演奏中、すごくアンサンブルにすっと入り込めた感覚があって、笑えるミスタッチもいろいろとあるものの(そりゃ、ノーミスクリアなんてあるわけがない)、
流れがとてもよかった。ある意味実力より良い演奏だったと思う。

なんというか、中川P先生が引っ張ってくれるところにうまく即応できたという感じがして、弾いているときも気持ちがよかった。

それが、なんか23日のほうは集中できなくて…

特に緊張していたわけではない。緊張なら、自分が主催者のほうの「ばんたの」のほうがずっと緊張していて、会としていい感じにまとまることと、自分の演奏としていいものを出したいということがひっからまって、けっこうでかいプレッシャーなのだ。(そうは見えてなかったと思うけれど!!)

緊張よりむしろ散漫。

椅子の位置とか、おしりの乗っかり具合とか、照明とか、直前に弾いた人がこんな感じだったとか(関係ないっての)、やらかしちゃったミスタッチとか(しないわけないんだし!!)、いろんなことに気を取られて、中川P先生の演奏にうまく乗っかる柔軟性が持てない感じ。緊張してないのに硬い。

それで、ヒドイ演奏をしてしまった、と思ったの。
(ミスタッチも多めだったけれど、そのことではなくて。)

だもんで、録音もなんとなく聞く勇気が出なくて、一日たち二日たち…

けどさ、そういうときの演奏って、聞いた感じどうなのか知りたいじゃない??

だから、好奇心に負けて、ようやく今日聞いてみました。

そしたら、意外とふつーだった(^^;;
少なくとも、この日初めて聞いた人は不審に思わなかったと思う。

というか、11月にうまく弾けてなくて練習したところは、ちゃんと改善してた(最後のページとかね)。

ただ、中川P先生が…私が柔軟性を失っていることを微妙に察知して、加減しているというのはちょっとわかる。つまり、あんまりゆらさないとか。

流れについてはやはり、一回目のほうが自然に聞こえます。でも、二回目も悪くはないし、二回目のほうが良いところもあった。

頭が「よそごと」に気を取られている間も、練習は裏切らないというか、ちゃんと無難に進行してるんですよ、曲が。

たくさん練習したときは頭が真っ白になったりしても小人さんが出てくるという噂ですが、今回は伝説の小人さんにお会いしたようです。練習するといいことあるんだね!? ふだんあまりやらないうちに本番終わっちゃうから、よく知らないんだけど(←おい)

二回目本番の直前レッスン二回目のときの演奏が、自己ベスト。録音してないから幻の演奏だけど。あんな演奏が本番でできたらスカーッとするだろうけど(^^;; それはともかく、そこまでいかないにしても、練習した分の痕跡はちゃんとあった、と思います。

(という、微妙に良かったり悪かったりして、総合的にはちょっと劣るかも、の二回目の演奏ってどう違うの? という好奇心のある方がもしいらしたらこちら→一回目二回目)まぁ本人以外には気にならない程度の違いって気もしてきたわなんとなく(笑)

本番二回終わって、中川P先生に、「ありがとうございました!! 思い切って挑戦してよかったです。来年も二台やりたいのでよろしくお願いします」といったらばニヤッとして「タランテラ?」だって。ナイナイナイナイ

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駆けつけフィンランディア

2015年12月25日 | バイオリン
千住真理子のコンサートを聞いたあと、私ときーちゃんさんはサロンエスプリへと急ぎました。

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12/23の発表会でやる「フィンランディア」の合わせ練習がこの日(12/20)ってことで…

えっやるの? 私も??
曲の練習する時間がないだけではなくてそもそもバイオリン弾いてないからバイオリン発表会でピアノ弾くってこの私がやりますかね??

コンサート経由でいくのにバイオリン持ってくと邪魔だし…

と渋っていたけど「大丈夫だいじょうぶ(^^)」「サロンのバイオリン貸すから」と先生。


それで、サロンの扉を開けるとですね、
もう合わせの真っ最中。その音圧がズンと。

管楽器が十数名、弦が10人くらいですか、いつもの穏やかな(バイオリンひとりふたりの)音量と違って、ブラバン的勢いです(実はちょっと苦手)。

先生が、さっと調弦したバイオリンを手渡してくれて、曲の切れ目に指定された席に滑り込んで楽譜を見ると(これがほんとの初見)

・フラットが四つ!!
・フィンランディア、曲自体よく知らない
・ぱっと見ほとんど刻みで、聞いてもイマドコかわからない
・バイオリンずっと弾いてなかったらミのフラットとかラのフラットとか押さえるの自信ない(おぃ)
・しかもみんななんだかほぼ出来上がってて、わかってないの私だけ

…私のアンサンブル人生最大のピンチ!!(o_o)

しかし隣の人(同じく2ndバイオリン)が行き届いていて、
・楽譜はめくらなくていいように3ページをつないで見開き2ページに改造
・弓の上げ下げは丁寧に漏れなく記入
・その他、注意事項が他人にも読める字で記入済み
で、「イマココ」もさりげなく教えてくれて、ではまぁ弾ける刻みからいこうか

で、だんだん落ち着いてくると、前で先生が指揮してるのを見るとタイミングも分かるし、
刻みが多いってことは弾けるところも多いってことで、
重音のところは片方弾けばいい(マイルール)

弾けないところは拍の頭を死守して弓の上げ下げは合わせる

みたいな。

繰り返しを忘れて次にいっちゃうとドツボにハマるんだけど、それ以外はなんとか…
どこ弾いてるかはわかる。

つまり、弓の上げ下げと、強弱を大事にすればなんとかなるかな(勝手な解釈)
強弱は、実際に出てる音の強弱が上手く出てなくても、動作(弓を動かす幅)はしっかり出す。

うん。

と、大人数合奏マイルールを固め、練習終了。

家でも、ほぼラフマしか練習できなかったけど、
・YouTubeでフィンランディア聞く
・バイオリンを久しぶりに出してフラット系の音程チェック
だけはしました。

本番は気持ちよく弾いて、お隣さんも「今日の良かったネ」(たぶん繰り返しをちゃんと覚えてたので褒めてくれた)って。お世話になりました_o_

中に入ってしまうと、聞くのは苦手なブラバン的大音量も心地よさに変わり、
大きな響きの中で「のる」演奏ってほんと素敵

人はこうしてアマオケにハマっていくのだろうか。

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ショパコンでのピアノメーカー競争

2015年12月24日 | ピアノ
昨日、「もうひとつのショパンコンクール~ピアノ調律師たちの闘い~」という番組を見た。

   にほんブログ村 クラシックブログ ピアノへ←やわらか調律のファツァオリって弾いてみたい

今年のショパコンで、参加者がチョイスできたのは4メーカー、
スタインウェイ、ヤマハ、カワイ、ファツィオリ
だそうで、でもファツィオリの演奏に記憶がないような…

と思っていたら、まぁそれも無理はないというか、
ファツィオリを選んだ参加者は一名だけ。しかも一次予選で終了。

私は二次予選あたりからようやく「YouTubeで何でも聞ける」ということに気づいて聞きだしたので、気づかなかったんですね。

この番組では、主に日本人調律師に密着して、ピアノメーカーのバトルを追っていたんだけど、そうすると、
ヤマハ、カワイ、ファツィオリ
と、4メーカー中、3メーカーが押さえられてしまうというこの不思議。

いつの間にこんなことに(o_o) 天下のファツィオリが社運をかけてショパコンに送り込んでくる調律師が日本人。
いやそもそも、各ピアノメーカーがなくなったり吸収されたりとか多過ぎ。

カワイ、というかシゲルカワイは、私は一回しか弾いたことないけど味のあるいいピアノだったと思います。ショパコンでも、11人の参加者が選びました。本選に進めた人はいないんだけどね。

この、カワイの調律師さんは、笑顔の素敵なおじさんで、その人柄の温かさというかコミュ力が、3メーカーの日本人調律師の中では断トツだったようです。

ちなみに、ヤマハはちょっと悪代官ぽいおじさんで、ファツィオリはナーバスな技術者のお兄さんって感じ。

で、調律師の人柄がピアノ選びに何の関係があるかというと、これがもう大有りで、ピアノに対する要望をどう吸い上げるかってことももちろんだし、参加者の精神的フォローまでするのね。まぁ、ピアノメーカーにとっては、自分のところのピアノを選んでくれた人が、先のステージに駒を進めてくれること…もっといえば優勝してくれることが心からの望みなんだから、これはもぅ、こんなに信頼できるサポーターもいないわけで。

カワイの調律師さんは、参加者向けの休憩室みたいなのを設置して、コーヒーなど飲み物、バナナやお菓子や焼き鳥缶(!)まで提供して和んでもらうんです。飲み食いにつられて、あれースタインウェイ弾いてる○○さんも、ってやってくるんだけど、そこまでまとめて話が聞き出せるんだからおいしいといえばおいしい。

ファツィオリはそもそも選んでもらえなかった理由というのが、チューニングの方向性を見誤ったということにあるようで(少なくとも番組構成上はそうなってた)、まぁ確かにいいピアノだし、他コンクールではけっこうぶいぶいいわせてたようなので、やっぱり照準の合わせ方が失敗したのかもね。ショパンだからやわらかくて心に染み入るような音色、的な狙いでいったんだけれども、参加者はもっとがつんといけるピアノを求めていたとかいうふうに番組では言ってました。

それがほんとかどうかはわかりませんが、ともかく参加者ニーズを吸い上げるパイプがもともとあまりなかったところが敗因なのでしょう。

ヤマハは、物量作戦というか、参加者すべての個室にヤマハの電子ピアノを提供する(!)ということまでしたそうなのですが、電子ピアノねぇ…ピアノと感触が違うのでかえって狂いそうだけど、いいのかな? まぁ、どうしても確認したいときとか、あって安心ということはあるかも。

ヤマハは、ピアノの調整もチームでやってて、深夜ひとりで孤独に作業してるファツィオリとは対照的。

それと、ピアノも響き重視でブリリアントな感じの選択、調整をしたためか、とにかくたくさん選んでもらえた。

本選に進んだ人の過半数がヤマハだったんだから、
ヨーロッパで相手にされなかったころから考えると隔世の感があります。

ということで、ヤマハさんはおいしいお酒を飲んだようです。
(という場面があった。こんなおいしいビールは飲んだことがないとか)

けど、大人数抱えちゃうと、そのすべての要望には応えられないとか(方向性が異なる)新たな悩みも生まれるようで、

そこから「二人」寝返られて、本選ではスタインウェイとイーブンに。
ピアノコンチェルト弾くとなると、スタインウェイのほうが信頼感あるのかもしれない。

そして、優勝はスタインウェイに持ってかれちゃったので、完全勝利とはいかなかったけど。
日本メーカー、がんばってます。営業も技術も。

* 1/3に再放送されるようですよ~

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楽器と湿度

2015年12月22日 | ピアノ
コンサート会場で購入した「ヴァイオリニストは音になる」千住真理子を読んでいたら、驚きのシーンが出てきた。

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真理子さん小学生の夏休み、暑いのに扇風機しかないので、タライに氷水を入れてそこに立ってバイオリンを練習していたのだそうな。それだけならまだよかった(?)のだけど、それでも暑いので肩に濡れタオルをかけ、そこに扇風機の風を当て(かなり涼しくなる)、バイオリンを何時間も練習していたら…

バイオリンがかぱかぱ開くようになっちゃった(o_o)

コンクールの予選当日、なんだか壊れて変な音がするというと「楽器が二つに剝がれたなら、音が二倍に出るかもしれないからいいんじゃないの」とお母さん。それで、「あぁ、そうか」と…

んなわけあるかーの怖すぎる話だけど、そんなおうちからでも立派なバイオリニストが育つ、と。

もちろん大人になった真理子さんは、バイオリンが湿気に弱いことは百も承知で、愛用のストラディバリを必死に日本の湿気から守っています。「湿度50%を超えると機嫌が悪く、60%を超えるとガラガラ声、70%を超えると膠が剥がれて修理が必要になる」というから大変です。

それも、おうちの中にじっと囲っておけばいいピアノと違って、どこへでも持っていって本番をこなさなければいけないんだからね!?

自宅の中に置くときは、専用部屋に除湿器かけて40%くらいを保っているそうなんですけど。

40%…

そういえば、シンメルについてきた説明書きによれば、湿度は45%~60%推奨だって。デュランティくんのほうがめるちゃんより乾燥寄りがお好みなのかしらねぇ、バイオリンとピアノでちょっと違うものでしょうか。

いずれにせよヨーロッパ育ちのコたちに日本の高温多湿すぎる夏はつらいと思うんですけど。

今は冬ですから、めるちゃんの上に洗濯物を干してもぜんぜん60%には行かず、むしろほっておけば30%を切るかという勢いです。洗濯物はいつでもあるとは限らないので、用もないのにタオルを濡らして干してみたりもしてみましたが、もうそんなんじゃ追い付かないので諦めて加湿器を買いました。

アイリスオーヤマ 加湿器 加熱式 アロマ対応

コンパクトでシンプル操作、音もしないし良いんですが、ちっこいだけあってリビングにはパワー不足らしいです。まぁつけないよりはよい(人間の喉にも?)。

調律師さんが前に言ってたのによれば、高湿度は致命的だけど低湿度のほうはそんなに気にしなくてもいいというのですが「そんなに」ってどんなくらいなのか確かめていません。まぁやれる範囲のことをやって様子を見ましょう。

いずれにせよ、高湿度も低湿度もすべて我が家のあるがままで早や27年の健康体。やまちゃん強い。

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大ホール、空っぽの舞台の上で

2015年12月21日 | バイオリン
オペラシティコンサートホールは、広さもあるけれど高さがあって、教会のような厳粛な雰囲気のある大空間です。

   にほんブログ村 クラシックブログ ヴァイオリンへ←バイオリンひとつ、すごいインパクト。

その舞台の上に、何にも乗っていないというのが新鮮でした。

オケのコンサートなら所狭しと椅子や譜面台、
ピアノのソロコンサートに行ったって、ピアノの一台は乗っているわけで…

それが、無伴奏バイオリンだけのコンサートだったら、確かに何もいらないんですね。

楽譜も乗らないような小さなスタンドだけ置いてあって、なんだろうと思ったら、ハンカチを乗せとく用でした。

千住真理子さんはアニバーサリーイヤーごとに、無伴奏イザイ全曲演奏会、無伴奏バッハ全曲演奏会を行うのだそうだ。誰かの音と力を合わせることができず、休む暇もまったくない、全曲暗譜で弾ききるコンサートは、弾くほうはもちろんものすごい緊張とストレスがかかっているだろうけど、聞くほうも単に楽しい~きれい~とかではなく、心して聞かなければいけないような気持ちになる。

「別に誰に頼まれた訳でもないのに、やらなければやらなくてもすむことであるのに、なぜ私はこんなことをすると決めたのだろう、と考える時がある。
分からないが、ここに志を置いてしまった。私の人生において、私は、自分が弾けなくなる寸前までこれをやる、と自分に約束してしまった。」(「ヴァイオリニストは音になる」千住真理子、時事通信社)

バッハの無伴奏バイオリン曲は、ソナタ三曲、パルティータ三曲。これを、昨日は1→2→3ではなく、1→3→2と演奏していた。もちろん、シャコンヌを最後に持ってくるためだろう。

大きな空間に、バイオリンひとつ、マイクもなしに、隅々のお客さんの心にきちんと届くように響いていて、バイオリンってこういうものだっけ?? と不思議に思うほどだった。

ストラディバリウスは、名器の中でも、特に遠くまでよく響く音が出せる楽器だと聞いたことがあるけど、じゃあたとえば同じ千住真理子さんの演奏で、300万くらいのいちおうちゃんとしたバイオリンを弾いてもらったら、この会場でどんなふうに聞こえるんだろうか。と興味本位で考えたりして。


一流のバイオリニストの中であえて優劣というのはまったく私にはわからないのだが、千住さんの演奏は、いつもYouTubeのお気に入りに入っていてよく聞いているヒラリー・ハーンのパルティータとはかなり印象の異なる演奏だと思う。

ヒラリー・ハーンの演奏は、クリアで完璧で、その鮮やかさはケチのつけようがなく、聞いていてとても気持ちがよい。

千住真理子さんの演奏は、聞いているともっと切なくて、苦しさとか、人生とか、いろんなものが混ざって耳ではなくもっと深いところに届くような感じがする。

曲自体の構造とか、なにか全体像がわかりやすいのはヒラリー・ハーンのほうだと思う。

一方、一音一音の音色そのものに、何かいっぱい詰まっているのは千住さんのほうだと思う。

昨日の曲目、6曲の中で、1曲(パルティータ第三番)のうちの、さらにごく短い部分(ブーレ、ジーグ)を私は先日、「無伴奏の会」で弾いたのだけれど(ぶっちゃけ同じ曲には聞こえないと思うが)、6曲全部のどこを探しても、そうやって「嘘でも弾いてみる」ことのできる部分はほかに存在しない。

「一生の憧れ」が、同じくパルティータ第三番の中のプレリュードといったところだけれど、全曲演奏を聞くと、そのパルティータ第三番が、プレリュードからジーグまで合わせても、快速で通過していく比較的軽い部分であることがわかる。

そして、ずっと気を張り詰めっぱなしの演奏会において、やや集中力が低下するのがその、一番易しい部分だったようで、ブーレではちょっとアレ? と思うところがあり、ジーグでは流れを乱す大ミスがあった。

けれど、15分休憩ののち、ソナタ第二番にさしかかるとこれがもう張り詰めた空気の中にドラマチックに展開する音楽で、ものすごい集中力。最後のシャコンヌまで迫力でつっぱしって万雷の拍手だった。

アンコールはなし。

確かに、何を付け加えても蛇足か? というような完璧な空間でした。

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