ふみさんの日々雑感

生活の事、家族の事、大好きなサッカーの事・・・日々いろいろ

山種美術館と靖国神社

2006-08-11 23:13:09 | Weblog
久しぶりに美術館に夫と行った。昔はよく美術館に行ったが、最近行っていない。夫は絵が大好きなので(自分でも書く)一人で時々見に行っていた。

夫は病気してから美術館に出かけるのは初めて。招待券もあるし、私が今日休みだったので一緒に行く事にした。病気をしてから体力が無くなったので、ワンメーターでも、タクシーを利用する。

絵を見ながら思った。そう言えば私も子供の頃は絵が好きでよく書いたなと。高校の頃は油絵を夢中で書いた。田舎の市の展覧会に出したこともある。去年、姉の家に遊びに行った時、ビックリした。玄関の正面に、どこかで見た絵だと思ったら、私の油絵が飾ってあった。田舎の家にほったらかしにしてあったのに、いつの間にかもっていったのか。

すぐ近くに靖国神社があるので、帰りに寄った。まだお盆ではないので、参拝者は少なかった。

田舎に住んでいる母が20年近く前、「どうしても、靖国神社に行きたい。ノモンハンで戦死した兄に会いたい」と言うので連れて行ったことがある。冬の暖かい日だった。

母はお賽銭を入れ、手を合わせ肩を震わせるように長い長い時間、たたずんでいた。顔を上げても、しばらくは放心したようにじーーと神社の奥を見つめていた。私達は、母のお祈りを黙って待っていた。静かな静かな時間が流れていたのを今でもハッキリと思い浮かべることが出来る。

母は涙顔で言った。「一度来たいと思っていたけど、来て良かった。兄がここにはいないと言う事が良くわかったから」母は歩きながら言った。「兄は家の仏壇にいると言った。フジ、苦労かけたなと。皆を見守っているからと」私も夫も何も言えなかった。あの戦争でたった一人の跡取り長男を失った農家の生活は辛苦を極めた。

あれから、母は靖国神社の事は一度も話題にしない。家の仏壇に毎日お祈りしている。

会社が靖国神社の近くにあるが、行ったのは今日で二度目。15日は出勤なので、昼休みに行ってみようかな。

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