今のマンションに住むようになって、春になると毎年この二つの鉢植えを玄関の外に置く。そして、玄関の扉は寒くないかぎり、夜まで開けてある。中から外を見ると、これらがいつも目に入る。
一つは“ニューギニアインパチェンス”。花が華やかで、秋の終わり頃まで咲いてくれる。大好きな花の一つだ。そこはホドホドの日光と、夏は一番涼しい場所だ。本当によく咲いてくれる。
もう一つは“にせアカシア”。どうして“にせ”と言うのかしら、かわいそうに。本当は別の名前があるのかも。
10年以上前に、世田谷の社宅に住んでいた。庭付きのゆったりとした敷地には、にせアカシアの大木が沢山あった。ベージュの花が咲く頃、二階のベランダで、その香りを楽しんだ。藤の花のように沢山の花房が風にサラサラと揺れる。時々、おながどりが枝に止まり、花をつつく。その向こうの公園の鬱蒼とした緑が目に優しかった。
ずーっと住んでいたかったが、会社がその土地を売却する事になり、引っ越ししなければならなくなった。それで記念に、芽を出したばかりの小さな“にせアカシア”を鉢に移した。
背が伸びないように上を切り、横に枝が伸びるようにした。あれから一度も花は咲かないが、涼やかな姿が気にいっている。
これからも毎年、ここに彼らは居続けるだろう。
一つは“ニューギニアインパチェンス”。花が華やかで、秋の終わり頃まで咲いてくれる。大好きな花の一つだ。そこはホドホドの日光と、夏は一番涼しい場所だ。本当によく咲いてくれる。
もう一つは“にせアカシア”。どうして“にせ”と言うのかしら、かわいそうに。本当は別の名前があるのかも。
10年以上前に、世田谷の社宅に住んでいた。庭付きのゆったりとした敷地には、にせアカシアの大木が沢山あった。ベージュの花が咲く頃、二階のベランダで、その香りを楽しんだ。藤の花のように沢山の花房が風にサラサラと揺れる。時々、おながどりが枝に止まり、花をつつく。その向こうの公園の鬱蒼とした緑が目に優しかった。
ずーっと住んでいたかったが、会社がその土地を売却する事になり、引っ越ししなければならなくなった。それで記念に、芽を出したばかりの小さな“にせアカシア”を鉢に移した。
背が伸びないように上を切り、横に枝が伸びるようにした。あれから一度も花は咲かないが、涼やかな姿が気にいっている。
これからも毎年、ここに彼らは居続けるだろう。