ふみさんの日々雑感

生活の事、家族の事、大好きなサッカーの事・・・日々いろいろ

雪がふりつむ

2008-02-03 14:14:49 | 花と自然
朝起きたら雪が積もっていた。ビックリ!この間、雪が降った時には積もった所を見なかった。今日は日曜日なので、ゆったりと、降る雪を見ていた。

そして、フッと思い出した。多分、小学生の時だったと思うが、教科書に載っていた詩。この詩を読んだ時に感じた思いが、何十年経った今、浮かび上がって来た。


   
    雪             三好達治


     太郎をねむらせ、太郎の屋根に雪ふりつむ。

     二郎をねむらせ、二郎の屋根に雪ふりつむ。


小学校の教室で、この続きを心の中で読んでいた。

三郎をねむらせ、三郎の屋根に雪がふりつむ
四郎をねむらせ、四郎の屋根に雪がふりつむ
五郎をねむらせ、五郎の屋根に雪がふりつむ
     ・
     ・
     ・

教室の私の周りは屋根屋根に雪を積もらせた家々が続き、その家の中で、子供達がヌクヌクと平和の眠りに幸せの夢をみている。雪明りの夜は深々と降り続く雪に沈んでいる。

今と違い、私の小学校の頃は家にTVもなく、世界は住んでいる村だった。都会も、もちろん外国なんて架空の世界だった。

この詩は、豪雪地帯に住む私の世界。冬には、本当に村は雪の中に埋もれてしまうのだ。暗くて、寒い長い長い冬。

でも、田んぼも畑も雪の下になった冬は、一日中父母が家にいる。朝食はゆったりと一緒に食べれる。学校から帰ってくれば「おかえり」と母が家にいる。父も作業場で藁仕事をしている。皆で雪のふりつむ屋根の下でトランプやカルタをしていた。おばあちゃんが怖い怖い昔話をしてくれた。

TVもありネットもあり、こんなに狭くなった世界から昔を見ると、私の子供の頃の世界には無限の広がりを感ずる。空想の世界は制限も制約もなかった。

トトロもマックロクロスケも猫バスも、本当に私の子供の頃の村にはいたのだ。のんちゃんと一緒に雲に乗って旅にも行った。銀河鉄道に乗って宇宙の星々にも行った。雪がコンコンと降る深夜には雪女が現れた。そして狸や狐に人は騙された。

私は、時々、思う。ただのノスタルジアかもしれないが、今のようにすべてがクリアでハッキリした色彩の世界でなく、クリーンでも無臭でもなく、そして何もなかった世界で子供時代を過ごした事を良かったのかなと。

単調な日々の繰り返しの子供時代だったが、心の中にはそれなりに思い出が一杯ある。時々、何かの拍子に、フッと思い出し、子供の私を愛おしく思う。

でも、私の生まれた村は、あまりにも変わってしまった。もう、夢想する空間ではなくなった。寂しい。







コメント
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