今年もサザンカの咲く季節になった。
私の母と姉は、椿の方が好きだった。だから、実家の庭にはいろんな種類の椿の木があった。それを姉は挿し木して自分の家の庭に植えていた。
でも、私はあまり椿が好きではない。あの、ポトンと花が落ちるのがいやなのだ。
サザンカが木枯らしにハラハラと散って行くのが好きだ。薄暗くなった地面に白く散りばめられたサザンカの花びら。
実家の庭に一本だけ大きなサザンカの木があった。白いふんわりとした花が、冬を前に毎日毎日どんよりとした天気が続く空に浮かんでいた。
でも、雪国の悲しさで、ほとんど花を見ないうちに、雪囲いされてしまう。
だから、25年ほど前に転勤で東京に戻って来た時に、淡い八重の白いサザンカと、ピンクのサザンカの鉢植えを買った。
鉢植えで、引っ越しも重ねて来たので、大きくならないよう毎年カットしていたから、そんなに大きくはない。
又、何本挿し木して増やしたか分からない。育った鉢植えを姉の庭や、実家の庭に持って行って植えたり、友達にあげたりした。
サザンカが咲くと、今は、誰も住んでいない実家の庭を思い出す。
父が亡くなったのは11月5日。
その葬儀の時も、サザンカは咲いていた。そして、沢山あるモミジの木々も赤く色づいていた。
その庭で撮った写真には、私達三姉妹と母・私の夫が映っている。
そして、今はその時の写真から、姉と夫がいない。
人間の世界は、自分の意志とは関係なく、変化して行く。
でも、自然界は、人間が手を加えない限り、穏やかな時間の変化を紡いで行く。
来年も、この時期には、私のサザンカが咲いてくれるだろう。
その時、私の家族や友達・友人達はどうしているのだろうか。



私の母と姉は、椿の方が好きだった。だから、実家の庭にはいろんな種類の椿の木があった。それを姉は挿し木して自分の家の庭に植えていた。
でも、私はあまり椿が好きではない。あの、ポトンと花が落ちるのがいやなのだ。
サザンカが木枯らしにハラハラと散って行くのが好きだ。薄暗くなった地面に白く散りばめられたサザンカの花びら。
実家の庭に一本だけ大きなサザンカの木があった。白いふんわりとした花が、冬を前に毎日毎日どんよりとした天気が続く空に浮かんでいた。
でも、雪国の悲しさで、ほとんど花を見ないうちに、雪囲いされてしまう。
だから、25年ほど前に転勤で東京に戻って来た時に、淡い八重の白いサザンカと、ピンクのサザンカの鉢植えを買った。
鉢植えで、引っ越しも重ねて来たので、大きくならないよう毎年カットしていたから、そんなに大きくはない。
又、何本挿し木して増やしたか分からない。育った鉢植えを姉の庭や、実家の庭に持って行って植えたり、友達にあげたりした。
サザンカが咲くと、今は、誰も住んでいない実家の庭を思い出す。
父が亡くなったのは11月5日。
その葬儀の時も、サザンカは咲いていた。そして、沢山あるモミジの木々も赤く色づいていた。
その庭で撮った写真には、私達三姉妹と母・私の夫が映っている。
そして、今はその時の写真から、姉と夫がいない。
人間の世界は、自分の意志とは関係なく、変化して行く。
でも、自然界は、人間が手を加えない限り、穏やかな時間の変化を紡いで行く。
来年も、この時期には、私のサザンカが咲いてくれるだろう。
その時、私の家族や友達・友人達はどうしているのだろうか。


