ふみさんの日々雑感

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映画「アイ・イン・ザ・スカイ」

2017-01-24 20:41:18 | 映画・ドラマ・小説・マンガ
映画、「アイ・イン・ザ・スカイ」 を見に行って来た。

一人の命か、大勢の命か、と問われた時に世界はどう考えるのだろう。

日本は、以前、「人の命は地球よりも重い」 と世界の人々の非難を受けながら、ハイジャックの要求を呑んで人質を解放させたことがあった。

「シン・ゴジラ」 を見た時にも、まだ、強大な大人になっていないゴジラを、もしかしたら倒すことが出来たかもしれないシーンがあった。

全ての人が避難したはずの所に、おばあさんを負ぶった男性が歩いているのが目に入り、首相はミサイル発射を指示する事が出来なかった。

その為に、ゴジラを退治することに困難を極め、多大な破壊がもたらされた。

本当に日本らしいと思い、アメリカだったらどうしただろうと思ったものだ。

特に、無人機の遠隔操作での攻撃なら、ボタン一つでゲームのように標的を破壊できるのだから。その爆撃の元でたくさんの人が死んでも、想像は出来ても目にしなければ、よそ事のようにそんなに心は痛まないかもしれない。

テロリストを抹殺するためには、そこから生ずる悲劇は、多数の人達を救うためには仕方がない事と政治・軍のトップは考えるのだろうか。

空のずっと上の方から、追跡して来たテロリストが一軒の家に入るのを攻撃用のドローンが確認する。そして、その周りの状態も映像で映す。

その映像を担当する若い女性が、たまたま、その隠れ家の近くの家の庭でフラフープで遊ぶ赤い服の少女をアップにしてしまう。

上空から、全体を映していた映像では、人間は、ただ、動く小さな何かにしか思えない。でも、ズームインして画面にアップした少女は、生きている人間として、映画を見ている私達にも確認されてしまった。

小さな鳥のドローンの目で、その家に入って行く人物を確認し、虫のドローンの目で家の中の様子を確認する。

その家の中では、テロリストとして世界に指名手配をしていた重要人物がいた。そして、自爆テロを起こすための準備をしていた。

その家の攻撃の準備が始まる。

その時、攻撃用のドローンの映像を担当していた女性が、たまたま、小さな赤い点が、その、ターゲットの家に近づいて行くのを見つけ、ズームインしてアップにしてしまった。

画面いっぱいに広がる赤い服を着た少女。その子は、そのテロリストの家の傍でパン売りを始めたのだ。

もし、その赤い点に気が付かなかったら、ミサイルは発射されてしまっただろう。

でも、その画面を、見つめるトップの政治家や軍人やドローンのパイロット達は、認識してしまった少女の存在に対し、苦悩が始まる。

ミサイルが発射されれば、それなりに多数の死傷者が出るだろう。

でも、彼らには、その赤い服の少女の事しか頭にない。少女の顔を見てしまったのだから。

その、少女を救うには・・・、でも、ここで彼らを見逃してしまえば、自爆テロでどれだけの人々が死んでしまう事か。

その緊迫感に映画ながら、ドキドキした。

映画のラストで、政治家の女性が、ミサイル発射を指示した高官の元軍人に、「あなたは安全な場所にいて見殺しにした」 と非難した。

それに対して、「確かに、コーヒーやクッキーのある所で、指揮を執っている。でも、私は軍人として何回も自爆テロのあった現場に行って、たくさんの散らばった死体を片づけた。その惨たらしさをあなたは知らない。あなたが軍人を非難することを、私は絶対に許さない」 絶対に絶対にと、強く言いながら作戦室から出て行った。

これからは、無人兵器を投入しての戦いになるのだろう。正義の名の元に。

映像の中の戦争。でも、現場では現実の人間の死なのだ。

コタツに入ってこれを書いている私には、いろいろと考えても難しい。







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