娘が会社の忘年会で出かけるので、ゆうなを預かる事になった。
娘の家でゆうなと遊びながら帰りを待つか、それともウチに連れて来ようかと考えて、キドキドへ行く事にした。
キドキドに行くなら、たっぷり遊ばせたいので早めに保育園へ迎えに行った。
迎えに行ったら、奥の方から「ふーちゃん、キドキドに行く」と走って来た。
よみうりランドまでのゴンドラに乗るのも大喜び。
ゴンドラの中で前を見たり、横を見たり、後ろを見たり、「ふーちゃん、ふーちゃん」と指をさして興奮。
まだ、暗くないけどイルミネーションが綺麗に灯っていて、「きれい、きれい」と大喜び。
キドキドは、6時までなので、2時間、たっぷり遊べる。
やっぱり一番好きなのはボールプールとトランポリン。
その後は、お人形での着せ替え遊びやお店屋さんごっこ。
衣装もたくさんあるので、ドレスをヒラヒラしながら走り回っていた。
私も一緒にあっちに行ったり、こっちへ来たり。
時間になって外に出たら、もう真っ暗でイルミネーションがとっても綺麗。
「ふーちゃん、あっちへ行こう」と遊園地の方を指さす。「あっちは今日は入らないよ。今度お母さんとお父さんと一緒に来ようね」
ゆうなが、もっと小さい時にイルミネーションを見に来た時には、怖い怖い帰ろうと言っていたっけ。
ゴンドラの上から見るイルミネーションは本当に綺麗だった。ゆうなと二人で感激。
夕飯はラーメンが食べたいというので、二人でゆっくりとおしゃべりしながら食べた。
「さあ、お家に帰ろうね」と家に向かって歩き出して、駅とゆうなの家の中間くらいにある交番を過ぎたあたりで、ハッと思い出した。
私の家の鍵と、ゆうなの家の鍵が付いている方のキーホルダーではなくて、私の家の鍵だけが付いている方のキーホルダーを持って来てしまったのだ。
あ、どうしょう。娘が帰って来るまではまだまだ時間がある。
寒い中で、ゆうながいるので娘が帰って来るまで玄関の外で待っているわけにいかない。
かと言って、近くに子供を連れて休めるお店がない。
さあ、どうしょうかと振り返って、「あ、あったー!」
そう、交番があった。
「ゆなちゃん、お巡りさんの所でお母さんを待っていようね」
ゆうなは、小さい時から、交番の外にお巡りさんが立っていると、いつもバイバイしたり、時にはハイタッチしたりしていて、お巡りさんにはなれている。
交番に行ったら、誰もいない。奥の居住する所の電気も付いているので「すいません」ゆうなも「すいません」と言ったけど、誰もいないみたいなので、待つことにした。
パトカーも無いので、みんな出ているのだなと思った。
と、外を見たら、自転車で帰って来たお巡りさんが急いで入って来た。
「どうしました?」と。
それで、訳を話して娘が帰って来るまで待たせてもらう事にした。
困った時のお巡りさん。
それから娘が帰って来るまで、楽しくおしゃべりをした。親しみやすくて楽しいお巡りさんだった。
そういえば、思い出した。
稲城に越してきたある寒い雪の降りそうな冬に、落とし物をして近くの駐在さんまで届けに行ったことがある。
外があまりにも寒く、中があまりにも暖かく、つい、外に出るのが嫌で、駐在さんも暇そうだったので、2時間くらいおしゃべりをしてしまった。知り合いに話したら、「あの駐在さんの家族は地域に溶け込んでいるから」と言っていた。
で、お巡りさんと話をするのは嫌いではない。
そのうちに、娘が「すみません」と入って来た。
まるで、迷子の子供を迎えに来たお母さんみたいに。笑ってしまった。
娘の家に行って熱いお茶を飲んでから帰った。
楽しい一日だった。