天気が良くて、用のない時には山に入りたくなる。
それで、午前中、南山に入った。
畑に行き、笹刈り用のカマを持ってクヌギ林に入る。
活動日には、だいたい一の森か桜の広場の手入れを皆でする。
以前は、クヌギ林も皆で手入れをしたが、手入れ場所が広がった事もあり、クヌギ林まで手が回らなくなった。
それで、暇を見つけて私一人で、クヌギ林の手入れをしている。
どんなに綺麗にしても、真夏の蒸し暑さで笹等は繁茂していく。
興味のない人から見れば、「何でそんなきりの無い事をするの?」って言うだろう。
確かに、毎年毎年ローテーションのように一の森や桜の広場、カエデの広場、エゴノキ広場等を回りながら手入れをしている。
冬の林の中は、本当に明るい。
夏は見上げれば緑の葉で空が覆われている。
でも、冬は見上げれば青空が広がっていて、日差しがいっぱい降り注ぎ、落ち葉をきらめかせている。
私は、冬の林が好きだ。何と言っても虫がいない。クモの巣に絡まれることがない。
乾燥した落ち葉を踏むカサカサの音が気持ちいい。
春になって山野草が芽を出し、可愛い花が咲くのが待ち遠しい。
特に、キンラン、ギンラン。
そんな事を思いながら、楽しく笹刈りをお昼までして、畑の冬野菜を収穫して帰る事にした。
一の森に周ったら、エゴノキ広場で仲間の一人が笹刈をしていた。
彼も、私と一緒で、一人で下草刈りをしたり、畑の手入れをしている。
そして、途中で、寂しいなと思う場所を通る。
そこは、2年ほど前までは、それは綺麗な畑だった。私達の野菜よりもりっぱな野菜を作っていた。
そして、そこは、もともと、薮だった所を男性が一人で開墾して、素晴らしい畑にした。
通る時たまに立ち話をした。
でも、体調を崩して入院してから、畑仕事をしなくなった。
そして、あっという間に畑は篠笹が伸び薮に覆われ山に帰りつつある。肥料がたっぷりとある滋味の畑だったので、草木の伸びが速い。
そこを通るたびに寂しい気持ちになる。彼は元気だろうかと。