今年最後の活動日。
集合場所の一の森の道具小屋の前は、もう何人かの仲間が来ていた。
快晴の朝は、富士山が青い空の中に白く輝いている。
そして、いつもよりも大きく見えるような気がする。仲間も「富士山が大きくなったように見えるね」と。
林の中は、風も無く太陽が降り注ぎ、下界よりも暖かい。
上着を脱いで作業していても、ポカポカと暖かくなってくる。
枯れ葉を集める人、笹刈りをする人、畑作業をする人、それぞれやりたい作業をする。
私は、笹刈り。冬は草も枯れ、低木の葉が落ち、虫やクモの巣も無く、とっても作業しやすい。
時々、ひょこっとキンランに巡り合い嬉しくなる。来年も、美しく咲いてね、と語りかける。
普段は、キンラン・ギンランは草や笹に紛れていて、花が咲いていない限り見付けづらい。
キンランは、それなりに咲くが、ギンランが少なくなったように感ずる。
去年も、10本以上咲いていた所のギンランが、2本くらいしか咲かなかった。
クヌギ林は、本当にギンランが数えられないほど咲いていたが、今は、花の時期にも見つけるのが困難なほどに、減ってしまった。
南山の2/3が住宅地に開発されたり、最近の気候の変化も加わったからではと思ったりする。
初期の頃、薮で足を踏み入れる事も出来なかったクヌギ林を、皆で薮を切り払い、生い茂った笹等を刈り、綺麗な林にした。
翌年の春、ご褒美のようにギンランが数え切れないほど咲き乱れた。
でも、クヌギ林の下の畑の向こうの里山が切り開かれてむき出しの裸土になった時から、だんだんギンランが芽を出さなくなった。
キンランの方が強いのか、キンランは所々に花を咲かせてはいるが。
一の森は、クヌギ林よりもキンランが多く咲く。
一の森は、クヌギ林から、ひと山(?)越えた西にある。
それでも、開発の影響はあるんだろうな、と思う。空気の流れや最近の夏の暑さ等で、里山の中が乾燥してきているのかも。
ランチタイムはいつも楽しい。
誰かが持って来たお菓子等が、回って来る。
林の中だけど、それなりに離れてのおしゃべりも楽しい。
午後も一時間ほど作業して、今年の活動を終わりにした。
小屋の中に掘り起こして箱に入れていた里芋を、全て分けて持ち替える事にした。来れなかった人には手分けして配る。
小屋に置いたままにしておくと、里芋が寒さで風邪をひいてダメになってしまうので。
今年の作業も終わり、楽しく山を下りた。