10/7(火)フィレンツェ~アッシジ
午前中はフィレンツェの街へ。
夕べ降った雨で街が曇って見える。
羊が草を食んでいる牧歌的風景もある。
フィレンツェは小さな街で、バイクが多い。
まず、ミケランジェロ広場へ。
ここからのドォーモの眺めが最高!とお義兄さんが言っていた。
ちなみに義兄は撮影の仕事をしていてヨーロッパも各地回っている。
美術、音楽、鉄道などがテーマのDVDをたくさん作製しているので
観光目的のわたしたちの観たい所を突いている。
ミケランジェロ広場からアルノ川の対岸に見えるドォーモの姿はすばらしい!
きれいに晴れわたった空の下での眺めはさぞかし・・・と想像するけれども
いかんせん、雨の後の曇り空。
水蒸気で少しもやのかかったその姿もまたすばらしいと思った。
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バスは対岸へ。
川岸に連なる建物が川面に映えてとても美しい。
まるで絵はがきのよう。
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こんな美しい風景を探してイタリアに来たんだ!
バスを止めた場所から歩く歩く。
しばらく石畳の上を歩き、一番楽しみにしていたウフッツィ美術館へ。
ここは大変な人気で、個人と団体とで入り口が分かれていて
個人の方は長い列ができている。
団体で予約済みなのでわたしたちは到着するとすぐに中に入れた。
ここでのガイドの方の説明がすばらしい。
日本人女性で美術の勉強をしてらしたのか、
ルネッサンスとは何か?という難しいテーマを
易しくわかりやすく説明してくれる。
-----------------------------------------------
それまでキリスト教が絶対だったけれども
人間回帰、人が一番すばらしいということをルネッサンスは唱えた。
絵を描くためにダ・ヴィンチは人体を解剖し人間とは何か?を探った。
そして写実主義。
人間もそうだけれど、周りの景色もそう。
器に入れた水が自然となくなるのは?
この空気中に水蒸気として拡散してゆくから・・・。
ゆえに遠くの景色ほどその間に水の層が拡がり、ぼやけて見えるということを
ダ・ヴィンチは考えたという。
-----------------------------------------------
ボッチチェリ『春』『ヴィーナスの誕生』。
あまりにも有名なこのふたつの絵は並んで展示されている。
ヴィーナスの美しさは何ものにも代えがたい。
人間賛歌、たくさんの花々も華を添えて
人生の歓びを歌っている。
これまでメディアでいろいろ見てきたこれらの絵は
とてもクリアで鮮やか。
なのでそういったものだと思っていたのだけど・・・。
でも、実物はというと色は少しあせた感じでさえある。
照明がそれほど明るくないせいだろうか。
華やかなテーマのこれらの絵がとても鮮やかに描かれていたらどうだろう?
・・・とも想像する。
控えめな色彩だからこその、内側から滲み出るような感動があるのかもしれない。
蛍光灯でぴかぴかの日本の室内と、
間接照明でほの明るいヨーロッパの室内を思い浮かべた。
要するに、まだまだ子供の文化の日本と成熟した大人の文化のヨーロッパ。
そろそろ室内の照明を少し落として
キャンドルなど灯して夜を過ごそうかな・・・
などと思った。
それから、ティツィアーノの『ウルビーノのビーナス』にもお目にかかれた。
最近日本に来ていて、観に行きたいと思いつつ行けなかった絵。
ここでお会いできました。
神様にしてはとても色っぽいなぁ・・
これがルネッサンスの神髄。
そして、ダ・ヴィンチの『キリストの洗礼』。
ダ・ヴィンチが弟子入りしていたヴェロッキオの工房。
ヴェロッキオの描いた絵に、弟子たちに天使を描き加えさせたのだが、
ダ・ヴィンチの天使があまりにもすばらしく
ヴェロッキオはその後筆を持たなかったとのエピソードまである。
これだっ!と思い、近寄って左端に描かれた天使をじっと見る。
ほほはほんのりピンク色で生気に満ちとてもやさしい表情、
あたかも生きているようだ。
これがダ・ヴィンチの天使だ!と感激をかみしめながらその部屋を後にした。
ボッチチェリもすばらしかったけれども、
大きな絵の片隅に描かれたひとりの天使に一番心を奪われたかもしれない・・・、
ウフッツィでした。
堪能いたしました。
それからフィィレンツェのドォーモに向かう。
大きな大きな丸屋根は、今の技術をもってしてもその工法がわからないという。
内側から見れば天井画が覆い尽くし観るだけで圧倒される。
お義兄さんいわく、『ドォーモの屋根もすごいけれど、
周りの大理石もいろいろな色が混ざってとてもきれいだよ。』とのこと。
そう、これまでイタリアでどれだけ大理石を見てきたか!
壁にも床にも天井にも、
白っぽいものからピンク、オレンジ、グリーン、黒、さまざまなニュアンス。
石の文化、それも大理石の文化といっても過言ではないだろうイタリア文化を
あらためて感じる。
その後、フィレンツェ風ステーキで昼食。
硬いけれども味わいのあるステーキで結構おいしくいただいた。
革製品の店でお土産を買ってから、アッシジヘバスは向かう。
トスカーナは美しい。
豊かなでなだらかな丘陵が広がり、おいしいワインも生み出す豊穣の地、
トスカーナ。
麦やぶどう、オリーブの畑、糸杉がところどころに。
ちなみに糸杉はダ・ヴィンチが好んで描いたモチーフだそう。
気をつけて観ると、ダ・ヴィンチの絵には糸杉がよく登場する。
しばらく走り、少し大きな街が。
もうここはトスカーナではなくウンブリア州。
ペルージャの街だった。
ちなみにペルージャは、ウンブリアの州都ということ。
かつてサッカーの中田選手が渡ったイタリア初めての街。
クレバーなプレイで魅了した中田の姿が目に浮かぶよう・・。
Mr.ナカタは今頃世界のどこを旅しているのでしょう?
目の前にレンガ色の大きな建物が見えてきた。
いよいよアッシジに着き、聖フランチェスコ大聖堂がそびえる。
バスを降り歩いて聖フランチェスコ教会へ。
とても大きな建物で、聖フランチェスコが亡くなった後、
どれだけ人々がフランチェスコのことを慕っていたかの証となる。
外から眺めるバラ窓がとても美しい。
教会の中には、オレンジ色のスカーフを背に巻いたスペインからの巡礼者が
敬虔な祈りを捧げている。静かで美しい姿。
聖フランチェスコが着ていたという、つぎはぎだらけでどす黒く変色した服の
展示もあった。清貧を重んじた聖職者の姿。
ガイドのルイジさんは、イタリア人にしては珍しくせっかちみたいで説明も歩
くのも早い早い。
もう少しじっくり回りたかったのだけど仕方ないです。。
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アッシジでは、この旅一番のエピソードが。
添乗員さんがチップは要らないというここのトイレ。
行って並んでいると青いセーターの小柄なおじさんがうろうろしている。女子
トイレの中にも入ってきて何かごそごそしている。
入り口にある入れ物の中のコインを数えている。
チップはいらないはず。
ちょっと怒りモード?
わたしはさっさと終わり階段を上ってバス待ちのところに戻ったのだけれど、
後でもどってきたSちゃん。
『あのおじさん相当怒ってるよっっ。
「ジャパニーズ モリモリッッ!!!」って言って、
人数にしたらチップが足りない、日本人はお金もちなんだから
チップを払え!って 言ってるみたいよ。』
実際に、そのトイレの番人は階段を上がって添乗員さんと何かお話。
怒り狂ってる感じ。
チップは要らないって添乗員さんが言ったよね。
人を見るんだな・・・。
添乗員さんは冷静で毅然とした態度で対応。
チップなど払わずバスに乗り込んだ。
バスの中で添乗員さん、
『あのトイレには行かないように、と報告しておきますっ』
とのこと。
「ジャパニーズ モリモリッ」は、この後わたしたちの中で流行語に。
石の街を歩き続けて疲れたわたしたちはバスの中でぐっすり夕寝。
本日はこのツアーで一番歩いた一日でした。
憧れのトスカーナ、期待通り、いや期待以上にすばらしい土地でした。
またじっくりとこの土地を味わいたい。
フィレンツェにもどる。
戻る途中、添乗員さんからコインのペンダントのお話が。
持っているコインと3000円でペンダントが作れるとのこと。
たまたま、ボッチチェリのビーナスの10セントコインを2枚持っていて
Sちゃんと作ってもらうことにした。
ひと月後に自宅に届くとのこと、楽しみ!
午前中はフィレンツェの街へ。
夕べ降った雨で街が曇って見える。
羊が草を食んでいる牧歌的風景もある。
フィレンツェは小さな街で、バイクが多い。
まず、ミケランジェロ広場へ。
ここからのドォーモの眺めが最高!とお義兄さんが言っていた。
ちなみに義兄は撮影の仕事をしていてヨーロッパも各地回っている。
美術、音楽、鉄道などがテーマのDVDをたくさん作製しているので
観光目的のわたしたちの観たい所を突いている。
ミケランジェロ広場からアルノ川の対岸に見えるドォーモの姿はすばらしい!
きれいに晴れわたった空の下での眺めはさぞかし・・・と想像するけれども
いかんせん、雨の後の曇り空。
水蒸気で少しもやのかかったその姿もまたすばらしいと思った。
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バスは対岸へ。
川岸に連なる建物が川面に映えてとても美しい。
まるで絵はがきのよう。
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こんな美しい風景を探してイタリアに来たんだ!
バスを止めた場所から歩く歩く。
しばらく石畳の上を歩き、一番楽しみにしていたウフッツィ美術館へ。
ここは大変な人気で、個人と団体とで入り口が分かれていて
個人の方は長い列ができている。
団体で予約済みなのでわたしたちは到着するとすぐに中に入れた。
ここでのガイドの方の説明がすばらしい。
日本人女性で美術の勉強をしてらしたのか、
ルネッサンスとは何か?という難しいテーマを
易しくわかりやすく説明してくれる。
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それまでキリスト教が絶対だったけれども
人間回帰、人が一番すばらしいということをルネッサンスは唱えた。
絵を描くためにダ・ヴィンチは人体を解剖し人間とは何か?を探った。
そして写実主義。
人間もそうだけれど、周りの景色もそう。
器に入れた水が自然となくなるのは?
この空気中に水蒸気として拡散してゆくから・・・。
ゆえに遠くの景色ほどその間に水の層が拡がり、ぼやけて見えるということを
ダ・ヴィンチは考えたという。
-----------------------------------------------
ボッチチェリ『春』『ヴィーナスの誕生』。
あまりにも有名なこのふたつの絵は並んで展示されている。
ヴィーナスの美しさは何ものにも代えがたい。
人間賛歌、たくさんの花々も華を添えて
人生の歓びを歌っている。
これまでメディアでいろいろ見てきたこれらの絵は
とてもクリアで鮮やか。
なのでそういったものだと思っていたのだけど・・・。
でも、実物はというと色は少しあせた感じでさえある。
照明がそれほど明るくないせいだろうか。
華やかなテーマのこれらの絵がとても鮮やかに描かれていたらどうだろう?
・・・とも想像する。
控えめな色彩だからこその、内側から滲み出るような感動があるのかもしれない。
蛍光灯でぴかぴかの日本の室内と、
間接照明でほの明るいヨーロッパの室内を思い浮かべた。
要するに、まだまだ子供の文化の日本と成熟した大人の文化のヨーロッパ。
そろそろ室内の照明を少し落として
キャンドルなど灯して夜を過ごそうかな・・・
などと思った。
それから、ティツィアーノの『ウルビーノのビーナス』にもお目にかかれた。
最近日本に来ていて、観に行きたいと思いつつ行けなかった絵。
ここでお会いできました。
神様にしてはとても色っぽいなぁ・・
これがルネッサンスの神髄。
そして、ダ・ヴィンチの『キリストの洗礼』。
ダ・ヴィンチが弟子入りしていたヴェロッキオの工房。
ヴェロッキオの描いた絵に、弟子たちに天使を描き加えさせたのだが、
ダ・ヴィンチの天使があまりにもすばらしく
ヴェロッキオはその後筆を持たなかったとのエピソードまである。
これだっ!と思い、近寄って左端に描かれた天使をじっと見る。
ほほはほんのりピンク色で生気に満ちとてもやさしい表情、
あたかも生きているようだ。
これがダ・ヴィンチの天使だ!と感激をかみしめながらその部屋を後にした。
ボッチチェリもすばらしかったけれども、
大きな絵の片隅に描かれたひとりの天使に一番心を奪われたかもしれない・・・、
ウフッツィでした。
堪能いたしました。
それからフィィレンツェのドォーモに向かう。
大きな大きな丸屋根は、今の技術をもってしてもその工法がわからないという。
内側から見れば天井画が覆い尽くし観るだけで圧倒される。
お義兄さんいわく、『ドォーモの屋根もすごいけれど、
周りの大理石もいろいろな色が混ざってとてもきれいだよ。』とのこと。
そう、これまでイタリアでどれだけ大理石を見てきたか!
壁にも床にも天井にも、
白っぽいものからピンク、オレンジ、グリーン、黒、さまざまなニュアンス。
石の文化、それも大理石の文化といっても過言ではないだろうイタリア文化を
あらためて感じる。
その後、フィレンツェ風ステーキで昼食。
硬いけれども味わいのあるステーキで結構おいしくいただいた。
革製品の店でお土産を買ってから、アッシジヘバスは向かう。
トスカーナは美しい。
豊かなでなだらかな丘陵が広がり、おいしいワインも生み出す豊穣の地、
トスカーナ。
麦やぶどう、オリーブの畑、糸杉がところどころに。
ちなみに糸杉はダ・ヴィンチが好んで描いたモチーフだそう。
気をつけて観ると、ダ・ヴィンチの絵には糸杉がよく登場する。
しばらく走り、少し大きな街が。
もうここはトスカーナではなくウンブリア州。
ペルージャの街だった。
ちなみにペルージャは、ウンブリアの州都ということ。
かつてサッカーの中田選手が渡ったイタリア初めての街。
クレバーなプレイで魅了した中田の姿が目に浮かぶよう・・。
Mr.ナカタは今頃世界のどこを旅しているのでしょう?
目の前にレンガ色の大きな建物が見えてきた。
いよいよアッシジに着き、聖フランチェスコ大聖堂がそびえる。
バスを降り歩いて聖フランチェスコ教会へ。
とても大きな建物で、聖フランチェスコが亡くなった後、
どれだけ人々がフランチェスコのことを慕っていたかの証となる。
外から眺めるバラ窓がとても美しい。
教会の中には、オレンジ色のスカーフを背に巻いたスペインからの巡礼者が
敬虔な祈りを捧げている。静かで美しい姿。
聖フランチェスコが着ていたという、つぎはぎだらけでどす黒く変色した服の
展示もあった。清貧を重んじた聖職者の姿。
ガイドのルイジさんは、イタリア人にしては珍しくせっかちみたいで説明も歩
くのも早い早い。
もう少しじっくり回りたかったのだけど仕方ないです。。
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アッシジでは、この旅一番のエピソードが。
添乗員さんがチップは要らないというここのトイレ。
行って並んでいると青いセーターの小柄なおじさんがうろうろしている。女子
トイレの中にも入ってきて何かごそごそしている。
入り口にある入れ物の中のコインを数えている。
チップはいらないはず。
ちょっと怒りモード?
わたしはさっさと終わり階段を上ってバス待ちのところに戻ったのだけれど、
後でもどってきたSちゃん。
『あのおじさん相当怒ってるよっっ。
「ジャパニーズ モリモリッッ!!!」って言って、
人数にしたらチップが足りない、日本人はお金もちなんだから
チップを払え!って 言ってるみたいよ。』
実際に、そのトイレの番人は階段を上がって添乗員さんと何かお話。
怒り狂ってる感じ。
チップは要らないって添乗員さんが言ったよね。
人を見るんだな・・・。
添乗員さんは冷静で毅然とした態度で対応。
チップなど払わずバスに乗り込んだ。
バスの中で添乗員さん、
『あのトイレには行かないように、と報告しておきますっ』
とのこと。
「ジャパニーズ モリモリッ」は、この後わたしたちの中で流行語に。
石の街を歩き続けて疲れたわたしたちはバスの中でぐっすり夕寝。
本日はこのツアーで一番歩いた一日でした。
憧れのトスカーナ、期待通り、いや期待以上にすばらしい土地でした。
またじっくりとこの土地を味わいたい。
フィレンツェにもどる。
戻る途中、添乗員さんからコインのペンダントのお話が。
持っているコインと3000円でペンダントが作れるとのこと。
たまたま、ボッチチェリのビーナスの10セントコインを2枚持っていて
Sちゃんと作ってもらうことにした。
ひと月後に自宅に届くとのこと、楽しみ!
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