2月はじめに神保町に行ったら、また一つ洋風建物が無くなっていた。
アオヒ印房・ツルオカピアノ
所在地:千代田区神田神保町1-5
構造・階数:木造モルタル・2F
2006年秋か2007年1月に解体
備考 :隣接する木造2階建物(写真奥の明文堂・文省堂)も、ほぼ同時期に解体
Photo 2005.3.25
アオヒ印房とツルオカピアノの二店が入居する建物は、神田すずらん通り中程の角地にあった。東京堂や富山房などがある神田すずらん通りは、以前は2階建ての木造洋風建築が建ち並び、靖国通りに面した古書店街と共に神保町の書籍街の中核をなしていた場所。
なんてことはない、普通の木造モルタル二階建て洋風看板建築なのだが、二階の窓が洋風の縦長窓で、そこに付けられた庇が、洋館のように三角形のペディメント型だったのが印象的だった。角地なので、側面の窓にもちゃんと庇は付いている。窓の大きさが異なるので、アオヒ印房・ツルオカピアノでは庇の大きさが異なるが、二軒がひとまとまりになって、気持ちよい角地建物になっていた。
Photo 1995.7.22
ところで、10年ほど前の写真と見比べてみたら、以前はかなり汚かった外壁が、2005年時点ではちゃんと塗り直されて、きれいになっていたことが判る。どの時点で塗装し直したかは判らない。が、数年前までは修復などをして使い続けようとしていたわけだ。それなのに今度はあっさり解体されてしまった。建物存続の分かれ目は、本当に微妙なところにあるものなのだなぁと思う。
Tokyo Lost Architecture
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