都市徘徊blog

徒然まちあるき日記

横浜元町の階段

2010-07-11 | 神奈川県 

 元町百段公園の方へ向かって上る、「元町百段」とは異なる百段じゃない階段。

 建築学会関係の街並みの連続立面に関する調査のため、日曜の午後に横浜元町へ。とりあえず元町商店街の建物群の撮影をして1時間半程度で作業終了。蒸し暑い。喫茶店で涼みながら水分を補いつつ、このあとどうしようかと考える。

 来るまでは、作業をとっとと終わらせて家に帰ろうと思っていたが、せっかく横浜まで来たのだから、久しぶりに少し見物しようかという気になる。行き当たりばったりなので全然資料は持っていない。元町の南側は山手なので、階段がいくつかあるのは知っているが、どこに行けばおもしろい階段や景色のよい階段があるかは、全くリサーチしてなかった。

 ただ、以前いただいたコメントに、元町には昔、元町百段という石段があったというのを覚えていたので、とりあえずそのへんに行ってみることに。

高田坂
所在地:横浜市中区元町2-101と106の間
段数 :94段
Photo 2010.7.4

 元町2丁目の角を曲がり、山の方へ向かうと分かれ道のところに階段が現れる。帰宅後に調べてみたら、周辺の昔の地名から、高田坂という名で呼ばれているそうだ。

 なんとなく、東京の階段とは違う感じだなと思う。どこがどうだからという明確な相違点ははっきりしないのだが、地形との絡みで階段周辺に漂う雰囲気がちょっと違うような気がする。なんというのかな、なにげなく存在する大きな階段の気配、というあたりだろうか。長い階段が住宅地の中になにげなく、日常生活に隣接して「ふつーに」ある感じがした。

 下の部分だけで20段ある。踊り場でL字型に折れ曲がって、まだまだ続く感じがありあり。階段下には絵画教室兼カフェの案内が置かれている。

 踊り場で西へ向きを変える。ここから先の方がずっと長い。先行して歩いていた外人さんは途中で時々立ち止まり、大きく息をつきながら上っていった。

 途中の左側には先ほどの案内板のお店がある。斜面の中腹に位置していて、景色がなかなか良さそうな感じだ。植木鉢やプランターが置かれ、階段はちょっと路地的な状況にもなっている。

 94段の階段を上りきって振り返ってみる。急な階段ではないので、一歩一歩上っていけば上にたどり着くが、いつのまにかかなり上ってしまっている。写真ではほとんど判別できないが、遠方には横浜ベイブリッジの橋塔も見えている。

 山手の階段を上り下りして、横浜の階段は手強いなと思った。東京都心の階段とは明らかに違うなとも思った。段数が多く、長く高低差が大きいものが結構あるのだ。蒸し暑い今の季節だと正直しんどい。東京の階段にも長く高低差のあるものはあるが、それほど多くはない。ところが横浜や横須賀にはこのような階段がごろごろある。このように大変なものばかりだと、階段を楽しむ気分にはなれなくなってしまうかもしれない。

 そう考えると、東京都心の階段の楽しみ方は、ハードじゃなくてソフトでお気楽な点にあるような気もする。全然、訓練とか修行が必要じゃなくて、お散歩レベルで階段体験ができるところがフレンドリーだ。長崎などでは介護上の問題や、都市防災上の問題が大きく生じているが、東京の場合はそれほどではない。すごい階段はあまりないけど、階段の楽しみの一端には触れることができる。階段歩きというと、すぐに鍛錬とか体力づくりといった修行みたいな話になって、たくさんの段数がある階段を話題にしたくなるが、東京の階段は、そういう意味ではお子様レベルでしかない。でも、だからこそ日常生活に近いところで、ちょっとしたアクセントになっている。

濱之心(はまのこころ)のブログ元町百段公園
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#階段・坂 神奈川県  #街並み 神奈川県

コメント
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