都市徘徊blog

徒然まちあるき日記

代々木会館

2020-03-06 | 渋谷区  
代々木会館
所在地:渋谷区 代々木1-35
構造 :RC+S(6FまではRC造、7・8FはS造)
階数 :6+R2+B
建築年:1964(昭和39)
解体年:2019(平成31)
Photo 2017.8.27

 代々木駅西口のすぐそばで、昨年まで半ば廃墟状態で残っていたビル。70年代の某ドラマのロケ地としても知られた建物だった。

 築50年ほどだったがメンテナンスされていなかったようで老朽化が激しく、以前から取り壊しの噂があった。権利関係が複雑だったのか長いあいだ放置状態になっていたが、昨年、とうとう解体された。

 南側角。パチンコのネオンサインがあり、矢印がB1の文字を指している。昔から知っている建物ではないので、このパチンコ屋がいつ頃まであったのかは知らない。右手に地下への階段があったのかもしれないが、撮影時、既に建物の大半が封鎖されていたのでそちらへは踏み込まず。

 2階は飲食街だったが、この時点でほとんどが立ち退いていたようだった。

 ちょっと階段を覗いてみた。玄関扉が開いているので立入禁止ではないのだが、独特な雰囲気に気圧されて、上階へ上ることもなくそのまま帰って来てしまった。解体直前まで中国関係の書籍を扱う東豊書店という店が営業していたそうなので、実はこの時も、上へ上がればお店が開いていたのかもしれない。

 撮影時、近辺は外国人旅行者が非常に多かった。明治神宮や代々木公園、新宿が近いからだったのだろうか。

 半ば廃墟化した後に建て替えに至った詳しい事情を知らないのでなんとも言えないが、恐らく部屋が個別に分譲されていて、所有者が分からなかったり、同意を取り付けるのが大変だったのではないかと思う。都心の雑居ビルの中にはこれに近いものも実は多く存在しているのかもしれない。半ば廃墟のような状態で推移する建物が今後増加する可能性もあるのではないだろうか。

 廃墟ファンとかは喜ぶかもしれないが、一般の人々にとっては好ましくない展開。例外的に存在し、稀少だから珍しがられもするし興味深いが、これが多発すると治安上もまずい。それを防ぐにはやはり法制度を見直して建て替えのハードルを下げることが必要なのだろうか。専門家ではないのでそのあたりはよく分からないが気になるところだ。

 ただ一方で、なんでもかんでもどんどん壊して建て替えてきれいにしろというのはちょっと乱暴だろう。スクラップ&ビルドではなく長期的に使っていくことが求められる時代なので、できれば修繕して使い続けて欲しい。その中で、そうでないものが稀にある、という程度が自然なのかもしれない。

 ところで、内部についてはこの時点で既に大半が立入不可だったので、私は全く知りません。上記ドラマのロケ地がらみでの記載も多いので、御関心のある方は下記リンクや、建物名で検索して頂ければ。

Wikipedia > 代々木会館
代々木会館巡礼/「傷だらけの天使」を探して
中国研究者に愛された代々木の老舗書店が閉店 90歳店主が残したもの

Tokyo Lost Architecture
#失われた建物 渋谷区  #商業系  #モダニズム 
コメント
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