都市徘徊blog

徒然まちあるき日記

白いばら

2020-03-10 | 中央区  
白いばら
所在地:中央区 銀座3-5
構造・階数:木・3F
建築年:1946(昭和21)
解体年:2018(平成30)
備考 :1951(昭和26)営業開始。2018年1月10日閉店。
Photo 2018.2.4

 1951(昭和26)年にキャバレーとして営業を始め、67年間営業していた老舗キャバレー。
 写真は閉店の約1ヶ月後。既に解体工事が始まっているかと思ったが、この時点ではまだ建物は残っていた。この後、4月頃に解体されたようだ。

 高層化が進む銀座にあって、最近まで木造低層の建物で営業していたことは驚き。ガラス張りの建物が多い最近の銀座では目立つタイル張りで、窓がほとんど無い外観。青い壁面も界隈では珍しかった。

 イメージと違って、ネオンサインなどは比較的地味。帯状のランプ装飾はあるが、ど派手ではない。左手ケース内には地図が飾られていたが、これは閉店後、既に撤去されていた。今回も店が無くなった後で訪ねることになり、営業していた時に灯りの点いた夜景を撮っておけば良かったと後悔。

 縁がなくお店には入ったことがなかったので内部の詳細は知らない。ただ、ネットで検索するといろいろ写真や記事が出てくる。

 外観を見て内部の様子などが気になったので、ネットで検索したり、周辺の方から情報提供をして貰ったところ、建物は1946(昭和21)に建てられた木造バラック2階がベースで、これに1層増築した3階だったということが分かった。

 雨漏りがしたり、老朽化で耐震性にも問題があることから閉店に至ったそうだが、ある意味、よくぞ70年以上だましだまし使い続けてきたものだ、という感じだ。

 通りから見ると四角いビル状に思えるが、航空写真などで見ると勾配屋根だったようで、看板建築状の造りだったことも分かった。

 下記サイトの写真などによれば、店内には2層の吹抜けがあって、その中間レベルのステージを上下の階から眺める構造だったそうだ。華やかな店内写真からはこれが木造建物だったとは思えない。店舗の性格上、内部の改装はしばしば行われていただろうから、当初からのものは、柱、梁などわずかだけになっていたのかもしれないが。

 こういう空間には全く縁がないし、酒も呑まないのでキャバレーの接客スタイルにもあまり興味がないのだが、空間構造やそのデザインは体験したり見ておきたかったと思う。

 そういえば数年前、学生と銀座のまちあるきをした際ここを通り掛かった。その時「キャバレーってキャバクラの変化型ですか?」と訊かれて脱力した記憶がある。私自身、キャバレーを体験している世代ではないが、それでも単語は知っている。だが昭和どころか平成も終わった現在、時代は完全に代わったということなのだろうな。

Wikipedia > 白いばら

白いカシミアのタートルと「白いバラ」のカツサンド – 赤星★探偵団
銀座のキャバレー「白いばら」が、心から惜しまれながら閉店する理由 | 現代ビジネス | 講談社

Tokyo Lost Architecture
#失われた建物 中央区  #商業系  #遊興施設 
コメント
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