'07/04/18の朝刊記事から
研修医自殺 労災と認定
日大医学部病院
昨年4月、日大医学部の付属病院で研修中だった埼玉県の女性(26)が自殺したのは過酷な長時間労働が原因として、池袋労働基準監督署が今年2月に労災認定していたことが17日、分かった。
現行の臨床研修制度は研修医の厳しい労働条件の改善などを目指して2004年に導入。
厚生労働省は「新制度での過労自殺は恐らく初めて」としている。
厚労省などによると、女性は05年3月に医師免許を取得、同4月から都内に3カ所ある日大医学部付属病院で研修を開始。
だが同年秋ごろから疲労感を訴えてうつ状態となり、06年4月、自宅で筋弛緩薬や鎮静剤を自ら注射して死亡した。
遺族は同8月に「過労死だ」として池袋労基署に労災申請していた。
女性の週平均労働時間は法定(40時間)を大幅に超える73時間で、最も多いときには週87時間に達していた。
当直は多いときで月に10回、1年間に計77回に上っていた。
研修医をめぐっては、1998年に関西医大病院(大阪府守口市)で過労死が起きるなど過酷な労働や給料を少なさが問題化。
厚労省は04年の新制度導入に伴い、「適切な処遇の確保」を研修医受け入れの条件とした。