'07/03/19の朝刊記事から
雪崩 1人死亡3人不明 山頂付近 幅100m全長400m
積丹岳 スノーモービル登山 重傷含む18人下山
【積丹】18日午後2時50分ごろ、後志管内積丹町の積丹岳(1,255メートル)の9合目(1,120メートル)付近の南側斜面で、スノーモービルを楽しんでいた小樽市や札幌市などの会社員ら一行22人のうち、10人10台が雪崩に巻き込まれ、うち1人が死亡、3人が行方不明になった。
余市署が死亡者や行方不明者の身元など確認を急いでいる。
このほか、1人が腰の骨を折るなど重傷を負った。
重傷者1人を含む18人のうち、8人は自力で下山し、残る10人は道警や地元消防の救助隊に同日夜、救助された。
不明者3人について、道警などは18日午後11時に捜索をいったん打ち切り、19日午前5時から約90人体制で捜索を再開する。
救助隊によると、不明の3人が埋まっている場所はだいたいの見当が付くものの、雪崩の雪が約2メートルあり、掘り出せなかったという。
余市署や救助隊によると、雪崩の発生場所は9合目南側の直径2、3キロあるすり鉢状のくぼみの内側。
雪崩は斜度30度程度の斜面で発生し、規模は幅100メートル、全長400メートル。
救助隊によると、くぼみの底から、1台のスノーモービルが斜面を上っている際にアイスバーンの上に積もっていた雪が滑って雪崩が発生し、斜面の下にいた計10人が巻き込まれたという。
表層雪崩
斜面に降り積もった雪の上層部だけが滑り落ちる現象。
寒さの緩みや降雨、放射冷却現象が続くことで雪の表面がざらめ状などに変化し接着力の弱い「弱層」となる。
接着力が弱いパウダースノーも含め、弱層の雪の上に大量の雪が積もると表面の雪を支えきれなくなり、発生しやすい。
2月に青森県の八甲田山系でスキー客2人が死亡した雪崩も表層雪崩の可能性が指摘されている。
これに対し気温の上昇で積雪の層全体が滑り落ちる現象を「全層雪崩」という。
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'07/03/18の朝刊記事から
イラク攻撃4年 米に重荷
2003年3月、米軍が主導してイラク攻撃を開始してから20日で丸4年となる。
イラク戦争は「大量破壊兵器の脅威との戦い」から「テロリストとの戦い」に姿を変え、いまや「内戦」との認識が固まりつつある。
米国では議会からイラク駐留米軍の撤退期限を定める要求が強まり、ブッシュ政権は岐路に立たされている。(ワシントン・西村卓也)
膨らむ米兵犠牲者 窮余の増派
米国防総省は、14日に議会に提出した報告書で、「宗派・民族ごとの独自性が強まり、暴力の形態が変わり、住民の退去が起きている」として、イラクの現状について一部は「内戦」という表現がふさわしいことを認めた。
ブッシュ米大統領は今年1月、イラクに2万1500人の米軍増派を発表。
3月には4400人を上積みする考えを示した。
増派規模はさらに膨らみ、今後、計3万人に迫るとされている。
首都バグダッドなどの治安回復が狙いだ。
これに対し米下院は2月、イラク増派に反対する決議を可決。
さらに、来年9月1日までに米軍の撤退を求める法案を採決する構えを見せており、大統領との対立が鮮明になっている。
イラクには現在、14万人前後の米軍部隊が駐留。
開戦以来の米兵の死者は約3200人に達した。
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'07/03/18の朝刊記事から
2歳虐待死? 母親を逮捕
千葉 傷害容疑、同居男も
2歳の女児を殴るなど虐待したとして、千葉県警捜査一課などは17日までに、傷害容疑で同県松戸市東平賀、母親の無職大竹香菜容疑者(24)と同居の無職吉野陽士容疑者(24)を逮捕した。
女児は1月に病院で死亡している。
司法解剖の結果、死因は内臓破裂で、腹に殴られたようなあとがあったほか体に多数のあざがあり、捜査一課は日常的に虐待されていたとみて、女児の死亡との因果関係を調べている。
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'07/03/18の朝刊記事から
志賀原発 未経験の課が試験
制御棒挿入 手順書にも誤り
北陸電力が志賀原発1号機(石川県志賀町)で1999年に起きた臨界事故を隠していた問題で、事故につながった制御棒の挿入試験を、経験がない電気保修課の職員が、誤った手順書に従って行っていたことが17日、分かった。
'07/03/17の朝刊記事から
デンソー中国人社員 大量データ持ち出す
横領容疑で逮捕
愛知県警外事課などは16日、大手自動車部品メーカー「デンソー」(愛知県刈谷市)のデータベースから、13万件以上の製品図面のデータをダウンロードしたパソコンを持ち出したなどとして、横領の疑いで同市神明町6、同社エンジニアで中国籍の楊魯川容疑者(41)を逮捕した。
県警によると、データはセンサーや産業ロボットなど約1700種類の製品のもので、このうち約280種類が同社の最高機密にあたるという。
楊容疑者は中国国内で軍事関連企業での勤務経験があり、県警はデータ持ち出しの動機などを調べる。
デンソーは「外為法の輸出規制の対象品目はない」としている。
調べでは、楊容疑者は、データをダウンロードした同社所有のノート型パソコン1台(6万円相当)を2月5日ごろ、自宅に持ち出し、複数のメディア(記録媒体)にデータをコピーした疑い。
楊容疑者はパソコンの持ち出しは認めているが、データのコピーなどは否認している。
自宅にあった私有のパソコンのハードディスクが破壊されており、県警は、楊容疑者が証拠隠滅を図ったと見ている。
データベースシステムの不調から、今年に入り社内調査したところ、昨年10月から12月にかけて楊容疑者がダウンロードを繰り返していたことなどが発覚。
同社が2月14日に説明を求めると、楊容疑者は持ち出しを否定し、同月16日に中国に帰国。
3月4日に再入国した。
楊容疑者は昨年10月以降、中国と日本を計3回往復していたという。
楊容疑者が持ち出した社用パソコンを県警が解析し、データのコピーが判明したが、メディアは見つかっていない。
県警などによると、楊容疑者は1986年に北京の大学を卒業後、ミサイルやロケットなどを開発する中国国営の軍事関連企業に勤めていた。
90年に来日。
東京都内の工学系の大学を卒業、2001年12月にデンソーに入社した。
エンジン部品の開発などに携わっていた。
在日中国人の自動車技術者が集まる「在日華人汽車工程師協会」の副会長も務めている。