「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

        アフガン・テロとイスラムに配慮した旧日本軍

2012-02-28 07:15:15 | Weblog
アフガニスタン駐留の米兵がイスラム教の聖典、コーランを焼いたとして国際治安支援部隊(ISAF)要員が射殺され、さらに各地でこれに抗議するデモやテロが広がっている。なんで、こんなバカなことをしたのか。米国はすでにイラク、アフガンなどに介入して長いのに、まだイスラム理解のこんな基本的なことが理解できないでいるのかー。

古い話で恐縮だが、大東亜戦争緒戦時、ジャワ島上陸作戦に従軍した第16軍兵士には事前に”皇軍新たに皇軍をつくる”という手帳が渡されたが、その手帳にはイスラム理解の栞として、こんなことが記されていた。(1)回教寺院に出入りするな(2)土民は(イスラムの掟で)犬や豚を嫌う。左手を使うことを忌む(3)コーラン用語をむやみに使うな(4)土民の礼拝や祭を尊重せよ(5)白い帽子をかぶるな。白い帽子はメッカを巡礼した宗教指導者。

16軍だけではなく、当時の日本軍兵士には基本的なイスラムに接する心得が教えられていた。しかし、それでもイスラムの戒律の厳しいスマトラのアチェでは、占領直後ささいなことから住民との間に衝突が起こり、そのあおりで村のモスク(回教寺院)が焼失している(戦後、当時この事件に関係した有志の募金でモスクは再建された)

20年ほど前の1991年、当時筑波大学の助教授だった五十嵐一氏が、反イスラム作家のサルマン・ラシュディの「悪魔の誌」を日本語に翻訳して出版したために殺されている。最近、日本国内にはイスラム教徒が増え、理解は進んでいるようだが、やはり他宗教について蔑視する行動はしないほうがよい。