「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

蕗のとう つくし誰の子 早春賦

2018-03-05 05:41:49 | 2012・1・1
雛(ひな)の節句も過ぎた昨日の日曜日、東京は最高温度が21.2℃まで上がり一挙に春が来た。この陽気につられて老妻が猫の額のような階下の庭に蕗のとうを探しに出かけたら、娘夫妻がすでに天ぷらにして食べてしまった。折角、小ブログで紹介しようと思っていたのに残念だ。

戦前、僕が住んでいた東京の省線(JR)五反田駅から目黒駅にかけては、盛り土されて土手になっており、僕らはその土手の線路を渡って毎日登校した。踏切番のおじさんが旗を持って僕らの安全を守ってくれた。放課後は、その土手は僕らの遊び場になったが、ちょうど今の季節は摘み草の場であった。
草餅にするヨモギに混じってつくしん坊も摘んだ。
♯ つくし誰の子スギナの子 オタマジャクシは蛙の子
一緒の歌か別の歌か。メロディがあったのかどうか忘れてしまったが。口ずさんだものだ。

昭和10年代も終わりになると、摘み草どころではなかった。山の手線と並行して走っていた貨物線路の上を兵隊さんを一杯乗せた列車が多くなった。品川駅から戦地へ向かう列車である。戦後、あの兵隊さんたちは無事復員できたかどうかー。
僕は童謡「早春賦」(吉丸一昌作詞 中田昌作曲 大正2年)の第3節が好きだ。
♯ 春と聞かねば知らでありしを 聞けば急がる胸の思いを
 いかにせんとこの胸を いかにせんとこの胸を
80歳半ば過ぎた老人の心境でもある。

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2 コメント

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子供の頃の風景 (chobimame)
2018-03-05 15:46:20
子供の頃は、あちこちに空き地があったり、ススキの群生があったり、たんぽぽやツクシが至る所に生えていましたが、今は全く見ません。
行政がわざわざ残してある緑地にもツクシなどは生えていません。
いったい何処へいったのやら。
街の風景からしても、なかなか季節を感じられず、デパートやショッピングセンターに人工的に飾られた桃や桜を見て季節を感じるなんて、なんだか味気ないものです。
人工が減っているというのに、隙間があればマンションや一軒家を作って販売しています。
東京は無機質な街です。
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新列島改造 (kakek)
2018-03-06 09:54:00
chobimame 様
若い世代が”田舎生活”に憧れるのも理解できます。東京は自然が消滅しすみにくい町になりました。一方、地方は人口減で限界部落化しています。新しい列島改造が必要ですね。国の70%が林土です。これを中心にした産業革命が出来ないものでしょうか。東京は便利ですが、住む環境ではありませんね。
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