昨日またJR北海道の「スーパーとかち3号」の特急車両から煙が上がり、乗客が避難するという事故があった。今年になって同じような事故が7件も発生、そのうち3件は今月になってである。いったい、何が原因しているのであろうか?1970年代、僕は約10年間札幌に勤務、函館、釧路、帯広、北見と何回ともなく、この特急を利用したが一度も事故にあった事はなかった。
事故の原因について、新聞は色々書いているが、その中に車両の老朽化ととともに、JR北海道の技術力の低下を問うものがあった。団塊の世代の退職で、ベテラン社員がいなくなり、その技術力の伝承が上手にいっていない、のではないかというものである。JR北海道だけではなく、最近、日本全体で若者の技術力が低下してきた、という話はよく聞く。果たしてそうなのであろうか。
7月の初めドイツのライプチヒで技能五輪があった。日本チームは得意の「自動車溶接」など5部門で金メダルを獲得、活躍したがマスメデイアはほとんどこれを報道しなかった。わが国は、この五輪に1962年から参加、64年のダブリン大会では、参加した14人で金メダルを10個、銅メダル2個を獲得、メダル数はダントツの1位であった。この快挙は大きく報道されたことを、僕もまだ覚えている。
高度経済成長につれて、技能五輪での日本チームの活躍も何故か低下、金メダル獲得数も韓国、台湾などの後塵をはいするようになり、マスコミも技能五輪に関心をみせなくなってきた。世の中の風潮も、日本伝統の技術力を軽視する向きさえ出てきた。JR北海道の事故の多発が、こんな空気の中で生まれたとすれば、日本全体にとって問題である。
事故の原因について、新聞は色々書いているが、その中に車両の老朽化ととともに、JR北海道の技術力の低下を問うものがあった。団塊の世代の退職で、ベテラン社員がいなくなり、その技術力の伝承が上手にいっていない、のではないかというものである。JR北海道だけではなく、最近、日本全体で若者の技術力が低下してきた、という話はよく聞く。果たしてそうなのであろうか。
7月の初めドイツのライプチヒで技能五輪があった。日本チームは得意の「自動車溶接」など5部門で金メダルを獲得、活躍したがマスメデイアはほとんどこれを報道しなかった。わが国は、この五輪に1962年から参加、64年のダブリン大会では、参加した14人で金メダルを10個、銅メダル2個を獲得、メダル数はダントツの1位であった。この快挙は大きく報道されたことを、僕もまだ覚えている。
高度経済成長につれて、技能五輪での日本チームの活躍も何故か低下、金メダル獲得数も韓国、台湾などの後塵をはいするようになり、マスコミも技能五輪に関心をみせなくなってきた。世の中の風潮も、日本伝統の技術力を軽視する向きさえ出てきた。JR北海道の事故の多発が、こんな空気の中で生まれたとすれば、日本全体にとって問題である。
昔は、良くも悪くも上司が人間教育をしたように思いますが、今は社内の飲み会も強制したらパワハラの時代ですから、横のつながりも希薄です。こんな行き過ぎた個人主義の結果が施術力の衰退を招いているように思います。やはり大事なのは、人と人の繋がりです。これが上手くいかない社会には、発展がないように思います。
いつの間にか、自分勝手の時代になってしまったのですね。飲み会など、上司が部下にに日常言えぬことを言えるよい機会でした。親しみの中で自然、技術の伝承もあったと思うのですが。
新聞社に貸したアルバムが戻りほっとしました。戻ってきた宅急便を僕がそのまま本箱にしまったら、老妻が手紙が入っているから開いてみろ、といったから、開いてみたら、僕が思った通り、何も入っていませんでした。こんな社規常識も、だんだん先輩からの伝承がなくなってきたのですね。
自分の体験談でモノをいって申し訳ございませんが、1985年―87年の3年間、JICA の自動車工学というコース(1年間)の研修監理員をしましたが、素人の僕が見ても、企業の中には工場見学に対してまったく無神経で大丈夫かなと感じました。研修の総括だった職業訓練大学校の教員の中にも秘密漏えいを危惧していました。当時からMj自動車の韓国企業へのエンジン技術輸出は競争企業の間でも問題視されていたのを覚えています。
Japan as number one の驕り的なものがあったような気がしますが。
日本的経営と称される「大企業の終身雇用の制度」は、戦後の高度経済成長期だけに日本で確立した特殊な労働慣行で、日本の戦前にも戦中にもありませんでした。企業内で、先輩が後輩を育てる大前提には、職場の従業員の顔ぶれが絶えずいれ変わるような流動性が低く、また、企業が倒産や大事業転換することなく数十年も安泰であることが根本にあったと思います。また、年齢だけを根拠とした定年という一括集団強制解雇とセットとなった「中高大卒に対する新人一括採用」の方式で、採用年次を軸として給与・昇進の労務管理方式も、多くの日本以外の国々での、労働市場を通じて通年解雇で通年採用という方式(長期雇用を保証する正社員制度をもたない常時解雇常時採用)とは著しく異なります。
このような終身雇用制度が崩壊しつつあることが、先輩が後輩を育てないことの裏側にある事情ではないかと思います。特に、メンテナンス、検査、品質管理・品質保証などの間接業務は、親会社事業からドンドンと子会社や孫請け会社などへと外注化する傾向も強まり、これらの会社では非正社員の比率も高く、先輩から後輩への技術・技能伝承は、一層、弱くなっているのではないでしょうか?
おっしゃるように、人と人との繋がりを失った社会には展望がないと私も同感です。戦後数十年にわたって企業の中に生まれていた「職場共同体(職縁集団)」が壊れていくのですから、それ以外の共同体(血縁・地域・宗教などの共同体)を新たに生みだす努力がいるのかもしれません。
新聞記事には、半導体大手のルネサスが山形県鶴岡工場を閉鎖。三菱化学が韓国に水処理に使うイオン交換樹脂の生産拠点を強化すると最近載っていました。日本の企業が東北震災地に設備投資をして、地方の雇用を増大させる戦略をとれば、随分と復興も活性化するのでしょうが、残念です。
今や、日本の企業では、先輩の技術や技能の伝承が、日本人の後輩ではなくて、日系企業の中国、韓国現地従業員の後輩へと伝承されてゆく時代が到来しているのだと思います。kakekさんが心配されておられるように、国内の技能空洞化は、大きな問題だと思います。
少子高齢化で企業が外国人労働者に依存しなければならない時代がすぐ前にきています。色々と問題はありますが、企業は外に出てゆくのではなくて、国内に事業所を設け、安い賃金の外国人労働者をもっと雇用したらどうでしょうか。現在の研修制度による外国人入管法を大幅にかえてもっと労働者を自由に雇用できる方法です。すでに欧米には、この面での先進国が多くあり、参考になる面もたくさんあると思います。