「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

秋祭り 海ほうずき ブリキ玩具への郷愁

2013-10-05 06:07:37 | Weblog
僕が生まれて14歳まで育った東京の五反田駅界隈は今、秋祭りの最中である。昔は10月2日が宵祭り、3日が本祭りだったが、いつの頃からか10月の第一土曜、日曜に変わった。今年は残念ながら、膝が悪く出かけられないが、毎年この季節になると賑やかだったお祭りが懐かしく想い出される。

JR五反田駅から桜田通りを高輪方面へ坂を登りかけた右側に、僕の”産土神の雉子神社はある。正式名称は雉子神社だが、地元では“雉の宮さん”の愛称で親しまれている。江戸時代からの由緒ある神社だ。昔は桜田通りと呼ばれていなかったが、五反田駅前から4番の系統札をつけた市電がチンチンと走っていた。通りは今よりも狭く、その両側には神社まで露店がひしめいていた。その露店の中で、今でも僕の記憶にあるのは、安物のブリキ製の玩具と海ほうずきである。二つとも今、東京の縁日からは姿を消してしまった。

赤、青、黄色など原色にそまった海ほうずきが懐かしい。浴衣姿の少女たちがこれを口に含んで鳴らしていた。最近になって僕は海ほうずきが巻貝の卵のうであることを知ったが、自然の環境破壊によって採れなくなってしまったのか。それとも子供の趣向の変化なのだろうか。そういえば、ほうずきを鳴らしている姿もあまり見れなくなった。

露店で売られているブリキ製の玩具のなかでも、僕が一番欲しかったのはブリキ製の小さな舟であった。盥の中で舟が樟脳や蝋燭で走る姿が珍しく買って帰った。生きているひよこやカメを売る店もあった。昔は露店で扱う種類も、いまに比べれば多かった気がする。80老人の秋祭りへの郷愁である。

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2 コメント

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異空間 (chobimame)
2013-10-05 21:22:39
お祭りは、一種独特な空気がありますね。あれはなんでしょう。どこかまやかし物的な空気が良いのかもしれません。私が子供の頃に住んでいた場所の祭りは、見世物小屋があり、人間ポンプ、蛇女、牛女など、あり得ない絵の看板を食い入るように見たものです。今はそんな見世物小屋があるのは、新宿の花園神社のお祭りだけだとか。お祭りは、時代の流れに左右されたりするのでしょうか。
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蛇女 (kakek)
2013-10-06 08:25:36
chobimame さん
戦前、靖国神社の境内で僕も”蛇女”とかオートバイの樽乗りなどを見て感激したものです。今でも花園神社のお祭りにあるのですか? 僕の今まで知っている限りでは、規模の大きさでは、札幌の北海道神宮のお祭りです。”北の大地”だけのものがあります。
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