「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

安田さんの生還と「国際テロ情報収集ユニット」

2018-10-26 05:33:11 | 2012・1・1
内戦のシリアへ取材に行き消息をたったフリー.ジャナリスト安田純平さん(44)が中東のカタールやトルコ政府の協力で拘束先から解放され、昨日無事帰国した。人命に関することだ。同胞の一人としてご同慶の至りだが、迷惑男である。政府の何回もの勧告にも関わらず、それを無視しして危険地入りしていた。自己責任と言いながら結局、国の世話になっている。

自分のことから話を初めて恐縮だが、安田さんが生れる12年前、1962年、僕は安田さんが拘束されたシリアから救出で世話になったカタールなど中東7か国を移動特派員として取材している。当時も中東地域は政治的に不安定だったが、むしろカタールなど湾岸諸国は、一般日本人には秘境の地で、国際的なテロなどなかった。

今回の安田さんの釈放に当たって、政府の「国際テロ情報収集ユニット」の働きがあったという。初めて聞く、名前だが、新聞報道によれば3年前に組織され、言語や地域情勢に詳しい外務省や警察庁の出向80人からなっているという。正直言って僕は、ここまで国際テロの脅威があるのかと驚いた。2004年の米国の同時多発テロ以来世界は急変してきているのだ。安田さんを拘束していたとみられうISULも国際テロの産物である。

安田さんは家族を通じて、お詫びのコメンとを出しているが、多大な迷惑を国にかけている。当然、「国際テロ情報収集ユニット」からの聴取もあると思うが、3年余りの貴重な体験を語ってほしい。折から、国会では国際テロにも関係してくる「難民入管法」が審議される。半世紀前、僕が取材した中東とは大変わりしてきたが、変わらないものもある。それは、アラブ人世界の理解である。

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2 コメント

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「スパイ防止法」と「スパイ組織の重要性」 (lordyupa)
2018-10-26 09:09:36
海外の独裁国家やゲリラ集団の的確な理解と情報収取には、スパイ組織が必須だと思います。

世界中のどこの国にもあって、敗戦後の日本にない制度・組織に、「スパイ防止法」と「スパイ組織の重要性」とが、あります。映画やTVのフィクションでは、英国のMI6、米国CIAやソ連のKGBなどがよく登場します。各国とも、その国の外務省とは連携しつつも、外務省とは独立した組織として活躍(暗躍?)していますが、ブロガーの書かれたように、グローバル化が進み、ヒトの移動が増大するにつれて、その重要性が日増しに増大しているのだと思います。世界には、中共、ソ連、北朝鮮、サウジアラビア、イランを初め、実に多くの独裁国家がありますが、これらの国々の外務省は権限が弱く、むしろ、外交交渉の実務を握っているのは、独裁国の諜報機関や対外工作組織であり、対外交渉は、外務省ルートだけでなく、諜報組織ルートの活用が重要です。北朝鮮・金と米国・トランプとの会談に関しても、外務省・国務省は飾りに過ぎず、実質、両国のスパイ組織が具体的な段取りをつけたと言われています。日本の拉致問題が、ここまで、長期に解決しないのも、北朝鮮の工作機関と直接交渉できるスパイ組織を日本側がもっていないことも影響したと思います。また、スパイ防止法がないために、推定無罪が原則の刑法と警察組織だけでは、北朝鮮による拉致被害者の拉致実行を日本国内で支援した日本国内の人物や組織を逮捕・送検・有罪にすることも全くできなかった。
また、技術情報窃盗によるに知的財産権の防衛に関しても、安全保障分野だけでなく、米国には「経済スパイ法」があり、FBIが中心になって、毎年百件近く逮捕しているが、日本の「営業機密防止法」は、国家ぐるみのスパイ組織を対象とするよりも、どちらかというと民間を対象としており、毎年の立件数がきわめて少ない。米国では、中共の「孔子学院」の不許可、中国人留学生の制限などの動きが活発化しているが、日本は、ぼっーと、未だに平和ボケ。
中東、中央アジア、アフリカ、中南米などゲリラ組織との交渉には、国家同士の交渉を原則とした外務省では全く役不足で、他国の諜報機関だけに頼るのではなく、他国とも互いに有用な情報交換が、できるよう、日本独自でも情報収集できるスパイ組織が重要です。自衛隊とも外務省とも独立した我が国のスパイ組織の構築は一朝一夕にはできませんが、長い年月を懸けても、この国際テロ情報収集ユニットを「公式の日本のスパイ組織へと育成、拡大、強化する必要があります。

日本のスパイ組織の構築は、戦力にはあたらないと思いますので、憲法9条の改正とは無関係に、国会でも、政ともで、じっくり検討・審議していただきたいテーマの一つです。

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諜報機関 (kakek)
2018-10-26 14:30:28
lordyupa 様
戦前、戦中のわが国のスパイ組織は確立されていたようですね。インドネシア(蘭印)について調べたわけですが、中野学校出の若手将校を戦前、日蘭交渉の随員に仕立て、交渉決裂後は同盟通信パレンバン駐在にして、落下傘降下の際の現地の地形を調べあげています。そのほか戦後、日い友好の集まりの中で、スパイだった方と沢山お会いしています。
戦後の日本ではこう言った組織がなく、テロには弱いですね
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