ベッラのブログ   soprano lirico spinto Bella Cantabile  ♪ ♫

時事問題を中心にブログを書く日々です。
イタリアオペラのソプラノで趣味は読書(歴女のハシクレ)です。日本が大好き。

1956年、イタリアオペラ来日「アイーダ」凱旋の場

2009年11月04日 | オペラ
Stella & Simionato -Aida Triumphal Scene-


終戦後、10年と少し、まだまだ日本は貧しい生活、そんな中で、本格的なイタリアオペラが来日、指揮者は1949年、ジーノ・べーキとマリア・カラスによる歴史的な「ナブッコ」でオペラの戦後復興を成し遂げたヴィットリオ・グイ、シミオナートは46歳、全盛期です。ヴェルディソプラノでスカラのプリマドンナであるステッラ、バリトンのグエルフイ、という豪華メンバー、今から考えても超一流歌手です。(本場イタリアが日本公演のため、カラになった?)

オーケストラはN響、合唱は日本人歌手たち、みんなが一生懸命でした。
このとき、岩城宏之さんは練習指揮者、まともなホールはなくて、宝塚劇場を借りての上演でした。
でも、みんな喜びに満ちていました。
私は押入れに入って、ラジオを響かせ、聴き入りました。
それにしても、名歌手たちのなんという素晴らしさ、今これだけの名歌手はいません。動画があってうれしいです。
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ついに終戦、トスカニーニ、ヴェルディ「アイーダ」凱旋の場

2009年11月04日 | オペラ
Verdi - Aida - end of Act II (Toscanini)


シミオナートのところで述べましたが、彼女がいつまでも脇役だったのが、ファシスト政権の「お抱え歌手」がスカラの常連として出演していたからで、同じように指揮者のトスカニーニもスカラで干されたひとりです。
オペラ上演前に「ファシスト賛歌」を演奏しないので、将校から暴力まで受けました。
ドイツのフルトヴェングラー、イタリアのトスカニーニなど、音楽を通して自分の考えを守りぬきました・・・フルトヴェングラーは「清濁併せのむ」ことを余儀なくされたのですが、これもユダヤ人の楽員を守りアメリカへ逃すため、といいます。

やがて終戦です。ファシスト政権の「お抱え音楽家」は追放され、やっと実力ある演奏家がステージに立てました。
トスカニーニの「アイーダ」凱旋の場、勝利する側と敗北の側、しかし勝利と敗北というラインをこえて、大きな感動を受けます。

トスカニーニの指揮は、やはり素晴らしいです。全身で音楽の深さ、大きさを伝えています。指揮者の苦難、聴き手の苦難、苦しい時代を乗り越えて新しい時代へと幕が開きます。

ネッリ(アイーダ)、ランダル(アムネリス)、タッカー(ラダメス)、ヴァルデンゴ(アモナスロ)など、メットの名歌手たちですが、熱演です。
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