ベッラのブログ   soprano lirico spinto Bella Cantabile  ♪ ♫

時事問題を中心にブログを書く日々です。
イタリアオペラのソプラノで趣味は読書(歴女のハシクレ)です。日本が大好き。

もううんざり、オリンピックの開会式と今のミラノスカラ座ライブ「ドン・カルロ」

2010年02月14日 | オペラ
今日はバンクーバーの冬季オリンピックの開会式、もう、見る気がしなくなっていました。
つまらない・・・「これでもか、これでもか」という北京オリンピックの開会式にすっかり毒された後遺症かも?
それに国母という選手、「国を代表している」という意識がない、残念なことです。
それを朝ズバッのみのもんたが「あんな青年、たくさんいるよ。なかなか男前じゃないか、おもしろいね。勝っても負けてもこのスタジオに呼ぼうよ」と言っているので、いいトシの男が媚び売って!疲れました。

夜は、ミラノのスカラ座からライブ放送でヴェルディ「ドン・カルロ」を途中まで見ました。
いやはや、ここまで・・・とは!
拍手もパラパラと・・・。さすがに録画するだけあって、ヤジは禁じていたのでしょう。
スカラに何十年ぶりかで来たお客が、「ここどこ?」「スカラですよ」「スカラ?ええ~!」と言っているのをよくききました。

スペインの皇子、ドン・カルロ役は東京公演で「アイーダ」のラダメスを歌ったあのブルドッグではありませんか!ぼやけた声と音程で、・・・これがまた出ているの?って。
声は美しくないし、焦点のない響き、それにオペラ歌手は少々の容姿の不味さは我慢しますが、ここまでひどいのはめずらしい!
体型は「押し相撲」の山本山、顔はブルドッグ、いったいどうすれば、麗しのラダメスやドン・カルロになるの?
想像力にも限度というものがあります。

スペイン皇帝フィリッポ2世は、昔なつかしいフルラネット、しかし、すでに老いてしまった・・・容姿も声も。それでも風格はある・・・。

王妃エリザベッタは売り出し中のチェドリンス、この役は抒情性と劇的な強さを兼ね備えたリリコ・スピントで歌うはずなのに、いつのまにか小粒のリリコが歌うようになってしまった・・・そのためにドラマとしての緊張感が不足、かわいいだけの王妃ではない、運命に翻弄されながらも、シンのしっかりした強さがないと・・・かつてはステッラやテバルディのような強い声のソプラノが歌っていたけれど・・・。

ローマカソリックとスペイン皇帝によるフランドル侵略を止めようとし、政敵のスペイン皇帝からも頼りにされる知将、ポーザ侯爵ロドリーゴ、かつてはカップッチッリのすごさにしびれていた・・・これを書生のようなバリトンのダリボール・イエニスが歌う・・・。

そしてスペイン宮廷の美女、実は政治的な力を持つエボリ公女を・・・メットのメゾ、ドローラ・ザジークが歌う、この人の声はベルカントではない、ふわっとしたゆるんだ声で、そして容姿も大相撲の魁皇のようで、「呪わしきわが美貌よ」と歌うなんて、やはり想像力を駆使しても無理がありすぎる・・・せめて目をつむってきいてもぼや~んとした声では、同じこと。声の衰えもあるけれど、もともとヴェルディ声ではないのだ・・・。

ヴェルディのオペラは最良の演奏で聴くべき、しかし、それはすでに無理だ・・・。
また、以前録画した国会の与謝野さんを見る今です。

コメント (2)
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