ベッラのブログ   soprano lirico spinto Bella Cantabile  ♪ ♫

時事問題を中心にブログを書く日々です。
イタリアオペラのソプラノで趣味は読書(歴女のハシクレ)です。日本が大好き。

グノー作曲「ファウスト」フィナーレ、スカラライヴ、フレーニ、クラウス、ギャウロフ

2010年02月17日 | オペラ
Gounod faust final


1970年代のミラノスカラ座ライヴ、グノー作曲「ファウスト」のフィナーレ、当時の名歌手、ソプラノのフレーニ、テノールのクラウス、バスのギャウロフ、という顔ぶれ、大変な名演であったということです。

・・・しかし、この上を行くのが東京公演でのソプラノのスコット、そしてクラウス、ギャウロフというトリオで、この時、天井を突くかのようなスコットの白熱の歌に、聴衆は狂喜しました。
私はオペラ終演後も席から立ち上がれないほど感動し、それから20年後、スコットがリサイタルを開いたとき、楽屋に行って「ぜひ、これだけは!」と当時の感動を話しました。
スコットは喜んで私の手を握り、「ありがとう」とほほえまれました。

フレーニも素晴らしいけれど、フレージングがあっさりしている・・・。
このオペラでのヒロインはファウストに捨てられ、自分の親や子を死なせてしまい、獄につながれている場面で、狂気の中で神に許しをこい、悪魔のメフィストと悪魔に魂を売ったファウストを退けます。
スコットは精神的な強さを舞台にぶつけてきて、息をのむようなフレージングと劇的な力で、聴き手を完全に圧倒したのでした。
私の友人のフーレンさまは「市原悦子に似ている」と一瞬思われたあと、歌をお聴きになって、その迫力に思わずスコットといっしょに両手をあげられた、とか。

ハンサムで気品あるテノールのクラウスのファウスト、そして雷鳴のようなギャウロフの声、今から思うとなんて贅沢な、と思います。
入場料も安かったし・・・。

フレーニは安定した美声ですが、ドラマとしての表現はスコットにはかなわない、ふたりのソプラノのオペラでの個性も違いますが。(次にスコットの東京公演の動画を貼りつけました。クラウスとギャウロフと共演、ソプラノだけがかわっています。)
コメント
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